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ホーム 市長の部屋 市長と語ろう!まちづくり懇談会 美麻地域エネルギーを考える会(令和2年11月)

美麻地域エネルギーを考える会(令和2年11月)

美麻地域エネルギーを考える会とのまちづくり行政懇談会の概要です。
 
日 時 令和2年11月24日 午後3時から午後4時30分
場 所 庁議室
懇談した団体等名 美麻地域エネルギーを考える会
出席者 美麻地域エネルギーを考える会 4名
市 側 市 長  牛越 徹
美麻支所長 大塚裕明
生活環境課長 笠間博康
農林水産課長 鳥羽章人
農林水産課 庶務・林業振興係長 大羽英樹
(記録)
情報交通課広聴広報係 田中秀樹

1.開会
 
2.あいさつ
 牛越市長
 美麻地域エネルギーを考える会
 
3.懇談事項
 美麻地域エネルギーを考える会からの質問・要望事項について
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 はじめに、要望事項について説明し、要望を行った上で意見交換をお願いしたい。
(説明省略)
【要望事項】
1.大町市、市議会で協力し「大町市非常事態宣言」を定め、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロの計画を立てる。
2.森林資源に恵まれた大町市ではバイオマスエネルギーの活用が重要と思われ、市を挙げて取り組む検討を開始する。
3.具体策として二重市民農園の管理等のボイラーが更新時期を迎えており、バイオマスボイラーの導入に向けて検討する。
 
○牛越市長
 3つの提案をいただいた。1番目の地球温暖化防止のための宣言は、県が宣言を行った直後に、県下すべての市町村に対して知事から照会があり全市町村長が署名した。そのため、県と一緒に行うと宣言しているのでやっていないということはない。
 市では今年の3月にSDGs未来都市の採択を県内の市町村で初めて受け、それに沿って様々な企画を動かそうとしている。まず、水に着目した行動を起こそうとしているが、それに止まらない計画にしていきたいと考えている。地球温暖化を防止するために化石燃料をゼロにしていくことは人類共通のテーマと思う。日々の暮らしの中で省エネと自然エネルギーに切替える両面で実行していかないと温暖化は止められない。私自身も危機感を持っており、非常事態宣言の実践は最優先の課題と考える。
 2番目の、バイオマスエネルギーの活用については、行政がどこまでできるかが課題であり、行政は最小の経費で最大の効果を得ることがテーマとなっている。以前、美麻のぽかぽかランドのボイラーを更新する際に比較検討したが、地元だけでは薪の供給ができないという結果になった。その時は石油の価格も低廉となったことから価格的にも太刀打ちできない状況だった。また、薪やチップは燃料として実際に使用する際に人手がいる。その2点の課題から重油ボイラーを導入した経過がある。ゆ~ぷる木崎湖も同様に断念したが、比較するとコストの面で不利となり、最小の経費という行政の理念として辛いところがある。しかし、自然エネルギーで、身近な地産地消の材料で暮らしを立てていくことは大事なことであり、普及のため市では薪ストーブに補助金を出し、年間10件程活用していただいている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 農業用の薪ストーブにも補助金が出ると農家が助かる。
 
○牛越市長
 大町は、温室を活用した農業が比較的少なく、常盤地区や社地区の南部で比較的大規模な農業をやっているところでも、管理の簡便な石油を使っているところが多い。先ほど紹介があった農業用薪ストーブは大きな燃料を投入して一昼夜燃えているというのは有効だと考える。ペレットストーブなら自動的に燃料を供給できるがコストが高く、様々な課題を乗り越えていかなければならない。
 現在、自然資源を利用することではコスト高となっているが、石油資源は枯渇が指摘されており、10~20年先にはタイトな状況が予想されるため、活用ベースに乗り、競争性が出てくることが予想されるので、今から準備しておくことが大事である。
 昨年、ふたえ市民農園の管理棟でずいぶん灯油代がかかることがあったが、不特定多数の方が利用するため、お湯がかけ流し状態になっていた。支所には改善するよう指示したが、仮に薪に切り替えるときには人手が余計にかかることが想定される。現在、ボイラーを交換することにはなっていないが、今後は総合的に考えていかなければならない。
 
○笠間生活環境課長
 気候非常事態宣言に関連して、市でも内容は承知している。ただし、市内のエネルギー使用実態がわからないため、調査を今年度しっかりやる。気候非常事態宣言になるか、ゼロカーボンシティの宣言になるか決めていないが、脱炭素社会への取組みは必要であると考えている。来年度の早い時期には、市内のエネルギーの供給と需給のバランスを調査したうえで、方向性を出していきたいと考えている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 ゼロカーボンシティとは何か。
 
○笠間生活環境課長
 菅総理大臣も提唱しており、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする宣言する自治体のことである。環境省でまとめているのはこの宣言である。
 
○牛越市長
 白馬村は高校生からの提案を受けて宣言した。大変勇気のあることだと思う。その後、県からの提案を受けてさらにバージョンアップしたものになっていると聞くが、宣言に至る道筋を十分検討せずに宣言だけしてしまった感がある。それはそれで大英断で、あれだけ大きな反響を呼び、村民へ意識付けができたということは大きかった。市の立場では、実現させる方策をもう少し検討する必要があり、現在、担当課で基礎データであるエネルギー消費量の分析をしている。
 
○大塚美麻支所長
 ふたえ市民農園については、ラウベの利用料収入で運営することを基本としているが、ボイラーも古くなってきており、交換の時期が近い。事業として考えるとコスト面を考慮せざるを得ず、解決しなければならない課題は多い。地域の皆さんが一番心配しているのは獣害対策であり、獣害対策に関連して森林整備が進む中で検討が進めば理想的である。
 
○牛越市長
 チップボイラーの場合、チップの供給は自動で行われるか。人の手はある程度必要か。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 先程見ていただいたように燃料のチップはサイロにトラックで搬入し、サイロからストーブまでは、スクリュー式配管で供給される。ただし、全体的なシステムは大掛かりなものになる。
 
 
○牛越市長
 美麻チップ工場は何年か前に見学した。その時は建築廃材などもチップにしていたが、今はそのようなことはないと聞いている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 紙が使われなくなってきているため、経営的には苦しいと聞いており、できることなら征矢野木材に材を出したいとまで言っている。
 
○牛越市長
 征矢野木材の塩尻のプロジェクトが始まる際に、大町市からも木材を供給できるよう圏域を広げてほしい旨を提案したところ、コストに見合わないと断られた経過がある。なるべく広い範囲から木材を供給できた方が無難ではないかと考える。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 安い材を遠くまで運ぶのは無理がある。征矢野木材では大量の木材が必要だが、これ以上お金をかけると何のための発電所だかわからなくなる。
 
○牛越市長
 長野市飯綱のお山の発電所の近くを通ったことがあるが、稼働は順調なようだ。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 あの発電所は上手にやっており、年間4万㎥の木材を使用する比較的小さな発電所である。一方で、征矢野木材は年間14万㎥、1か月に1万㎥以上燃やさないと回っていかず、しかも、1月には木材が底をつくと聞いている。当初、県森連が木材を集める約束をしたが、とても集まらず、林務課を通じて木材を出してもらえないかと言われたが無理だった。無くなったらどうするのか聞いたところ、外国産の木材を燃やすことまで検討しているという。
 
○牛越市長
 本来の趣旨からかけ離れている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 これからのエネルギーは分散型になるのではないかと考えている。重たいものは遠くに運ばず近くで熱にする仕組みをたくさん作っていくことが大事ではないか。仕組み作りは、市町村はもちろん民間も考えていかなければならない。
 
○鳥羽農林水産課長
 昨年度から森林管理システムがスタートし、令和4年度からの本格始動に向けて、検討を加えている最中であり、システムが本格始動すれば、より森林整備も進んでいくと考えている。間伐など材を供給する部分が強化されると考えている。ボイラーを導入するにあたって十分な材が供給できるかどうかがネックとなった部分であったが、供給材が増えるほど単価が下がることが期待できる。森林整備と併せて、材の利用方法についても考えていかなければならず、木材利用に関するアンケート調査を準備している。
 
○大羽庶務・林業振興係長
 市では薪ストーブ本体の購入経費を助成しており、今年度は30件程度の実績となった。来年度も予算要求を行い実施していく予定であり、助成を受けた人へのアンケート調査や意見交換会などを計画しており、小さなことではあるがこれらをきっかけにエネルギーの地産地消につなげていけたらと考えている。
 薪ボイラー導入については、私どもも勉強しながら、何ができて何ができないのか整理して検討を進めていきたいと考えている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 ボイラーの導入を具体的に検討するのはどの部署になるか。
 
○牛越市長
 基本的には施設を所管する課になる。ボイラーの更新の際には、同等の機能を持ったものへの更新を考えるのだが、庁内横断的に様々な意見を踏まえて決定することになる。美麻のチップボイラー導入の際にもそのような検討を行ったが、最終的にはコスト面から導入を見送った。SDGsを標榜するからには、すべて持続可能な地域社会を念頭に進めていくつもりである。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 白馬のペンションに設置されている薪ボイラーを見に行ったが、夏は3日に1回しか薪を投入しなくてよいという。冬は朝投入しておけば、夜投入するかどうかぐらいだといい、薪の年間使用量は12トンである。ドイツ製の薪ボイラーで、ドイツは大変進んでおり、昔のボイラーに比べて性能が進化し、薪の使用量は10分の1ぐらいになっている。
 
○牛越市長
 家で薪ストーブを使用したことがあるが、就寝前に直径25センチほどの太目の薪を投入すれば、おきになって翌朝まで持った。ストーブの性能にもよるが、十分活用でき、身の回りのエネルギーを自分で使うところから始めれば、社会全体にいきわたる。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 薪の使用量に比例して人件費がかかるということから、導入するとなれば薪ボイラーは性能の良いものにすべきだ。
 
○牛越市長
 「薪は三度人を温める」と言われており、燃やして暖を取るのはもちろん、切り出して薪割をし、灰を片付けるなど何かと手間がかかるが、それだけ体が温まる。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 小水力発電の観点からも森林を整備することで山に水を蓄えられ、循環型の地域社会実現には重要な観点である。木質バイオマス導入により森林が整備され、注目する人が集まり、大町の水資源をアピールするのに加え森林資源もアピールしてはどうか。木質バイオマス導入も検討していただければと思う。
 
○牛越市長
 先日、山仕事創造舎の香山さんと話をする機会があった。「この地域は広葉樹ばかりで林業は大変ではないか」という話をしたら、「いや違う。針葉樹は建築材としては外国産に負けているので、むしろ広葉樹を活かしていくのがこの地域の林業の生き残る道なのだと思っている。」とおっしゃっていた。この地域は広葉樹林が4分の3以上、針葉樹はカラマツが主となり杉もあるが良質なものは限られている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 ぽかぽかランド美麻のボイラー入れ替えの際に重油の価格を検討したという話があったが、化石燃料の価格は上下し、一時期調査した時には、ペレットボイラーでさえ割に合うほど重油が高かった時代もある。何十年も使用するボイラー導入の際には、その瞬間の燃料の価格を比較するのではなく、長い目で見た比較が必要ではないか。また、行政のお金の使い方として、単純に高い安いだけではなく、そのお金がどれくらい地域内に落ちるのかをよく考える必要があり、二次的、三次的な地域内循環も考える必要もある。化石燃料と薪などの木質バイオマスを比較したら、はるかに後者の方が効果が大きい。
 規模について、市内すべての公共施設のボイラーに木質バイオマスを導入しようとしたら、薪よりもチップを検討したほうが良いと思う。それくらいの大きな計画を進めていただきたいという気持ちがあるが、ふたえ市民農園のボイラーは小規模で24時間稼働するものではないので、性能の良い薪ボイラーを導入すればどうかと考える。何も検討しないよりも、とりあえず導入してみて様々に検討していくという手法はとれないか。
 
○牛越市長
 ボイラーの更新計画はどのようになっているか。
 
○大塚美麻支所長
 実施計画などに具体的には掲載していない。現在のところ、ボイラー自体に不具合はなく部品も供給可能という状態である。製造から20年は経過しているので、近々に計画は立てなければならない状況である。
 
○牛越市長
 ふたえ市民農園の入浴施設は一時期廃止しようかと検討したことがあり、利用者の方からの要望で存続させた経過がある。ラウベの浴室は使い勝手が悪く、浴室として使用していないところもあるようだ。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 以前、おおしお市民農園に滞在したことがあり、美麻という地区を知るにはとても良い施設なので今後も継続して残してほしい。都会から来る人たちは、薪ストーブなどに触れる機会があればいいという話をしている。
 定住促進住宅には薪ストーブが完備されており、非常に良い着目点だと思う。薪を割ってストーブにくべるというのは、都会ではできない体験である。
 
○牛越市長
 八坂地区で定住促進住宅を建設する際に、地域の皆さんにどのような建物や設備にするか検討してもらい、都会から来る人向けの住宅なので、初めはオール電化の住宅を計画した。検討の途中で電気代は中部電力に支払われ地域には何ももたらされないことに気づき、市内業者に支払われるプロパンガスに変更した。人材と同様に、都市部への流出をいかに食い止めるかがこれからの地域には求められている。
 
○鳥羽農林水産課長
 当課としては、薪ストーブ等へ補助しているが、どのように周知していくかが課題であり、薪の供給は森林整備の促進からある程度見込める。薪ストーブの補助件数は増えてきているが、まだまだ抵抗感を持つ方もおり、導入しやすくなるよう啓発活動が必要と感じている。また、森林環境譲与税の使い道については、当然森林整備につながるものになるが、木材の有効活用のため、どのような事業が起こせるのか研究していきたいと考えている。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 現在の薪ストーブに加えて農業用の薪ストーブや家庭用の薪ボイラーに補助の範囲を広げていただきたい。
 
○鳥羽農林水産課長
 今後検討していきたい。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 先ほど紹介した農業用薪ストーブについて、この地域はビニールハウスが少ないので、工場内の暖房用に導入を図ってはどうか。
 また、森林環境譲与税の使途については森林整備に加えて薪ボイラーの初期投資への補填に使えば地域内循環に役立つのではないか。
 
○牛越市長
 森林環境譲与税の使途について、林業の、川上から川下までトータルに考えていくことが必要で、池田町のハーブセンターや明科の長峰荘には薪ボイラーを視察したが、薪の燃える火はとても感じがよい。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 検討を進めて皆の理解を深めるには視察は大事である。
 
○牛越市長
 エア・ウォーターは安曇野市三郷地区でチップを使った発電施設を建設したが、当初の施設は設計がうまくいかず、昨年施設をすべて更新した。また、大町市内でも木材を使ったバイオマス発電所を建設したいという話があり、東洋紡跡地はどうかと提案があったが、立地的に多少難があり、保留となっている。今だからこそ、市街地でも排煙処理をきちんとすることで理解を得られるのではないかと、とても熱心に検討していただいている。市内に他にも適地があるのではないかと考えており、引き続き検討を進めたい。
 
○美麻地域エネルギーを考える会
 以上で懇談会を終了する。
 
4.閉会 午後4時30分

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