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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 平成29年 平成29年9月定例会市長あいさつ

平成29年9月定例会市長あいさつ

 本日ここに、平成29年大町市議会9月定例会が開会されるにあたり、一言ごあいさつを申し上げます。

 本日朝6時2分ごろ、政府は、Jアラート全国瞬時警報システムを通じて、国民保護に関する情報を発表し、「北朝鮮西岸からミサイルが発射された模様。頑丈な建物や地下に避難するよう」伝えました。対象地域は長野県を含む北海道、東北地方、北関東など12道県で、続いて同14分ごろ、「このミサイルは6時6分ごろ、北海道地方を通過した模様」との発表がありました。後に、6時7分と修正されております。
 続く報道などによりますと、ミサイルは、5時58分ごろ発射されたもので、6時12分ごろ、北海道襟裳岬東方約1,180キロメートルの太平洋上に、3つに分離して落下した模様で、これに伴う破壊措置命令は出されなかったとのことであります。なお、これらの情報は、直ちに、Jアラートによる防災行政無線や有線放送、携帯電話のエリアメールで総務省消防庁から伝えられたほか、NHKはじめ民放テレビなどにより報じられました。
 政府は、現在情報収集中であり、具体的な被害は報告されていないとのことでありますが、一時、JR大糸線や北陸新幹線などが安全確認のため運転を見合わせ、遅れが生じるなど、僅かながらも影響が生じたことは、市民の安全を脅かすものであり、あってはならないことであります。こうした脅威を排除するため、平和を願う国際社会が一致して、無謀な行為を許さず、繰り返されることのないよう断固たる厳重な措置がとられることを強く望むものであります。

 ところで、昨日早朝には、大変嬉しいニュースが飛び込んでまいりました。イギリス、スコットランドのグラスゴーで開催されておりましたバドミントン世界選手権において、当市出身の奥原希望さんが見事優勝の栄冠に輝き、名実ともに世界一となりました。女子シングルス、日本人初優勝という史上初めての素晴らしい快挙に、心からお祝い申し上げます。
 怪我という逆境を乗り越え、体力面でもさらにパワーアップを図り、不屈の忍耐力と粘り強いプレーで戦い抜いた闘志溢れる姿は、市民をはじめ、全国数多くのファンの皆様に大きな感動と勇気を与えるものであり、残すところ、あと1,060日に迫りました東京オリンピックに向けて、大きな弾みとなりました。
 また、今月、福岡県北九州市で開催されました全国中学校体育大会体操競技選手権におきまして、大町第一中学校女子体操部が団体総合で準優勝という見事な成績を収めました。比較的小柄な、坂口選手、原田選手、國府方選手が大きな檜舞台で、大活躍されましたことに心からお喜び申し上げます。
 こうした大町の若い力が未来に向けて大きく躍動しておりますことに深い感銘を覚えますとともに、これからもさらなるご活躍を期待申し上げるところでございます。

 さて、内閣府が先月19日に発表しました月例経済報告によりますと、景気は緩やかな回復基調が続いており、個人消費は持ち直しの動きが続き、企業収益は改善している、としております。また、先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある、と指摘しております。
 また、6月調査の日銀短観によりますと、企業の雇用人員判断は、不足感が引き続き強い、としており、雇用情勢の先行きについては、改善していくことが期待される、としております。
 こうした経済情勢の中、当市におきましても、市民税につきましては、前年度に比べ個人、法人ともに回復傾向にありますが、特に市内企業の設備投資に動きが見られ、固定資産税につきましては本定例会に上程いたしました一般会計補正予算案に増額を計上いたしております。
 併せて、本定例会には、平成28年度一般会計及び特別会計、企業会計の決算をご報告申し上げますが、いずれの会計におきましても概ね健全性が維持できる見通しとなっております。
 主な財政指標につきましては、暫定値ではありますが、実質公債費比率が7.4%となり、前年度と比較して、さらに0.3ポイント改善しました。一方、将来負担比率は61.8%と、前年度より12.8ポイント悪化しましたが、これは建設事業や退職者の増加により基金残高が減少したことが主な要因であり、今後も事業の選択と効果的な財源の確保を図り、引き続き健全財政の堅持に努めてまいります。
 また、病院事業会計につきましては、入院を中心とする医業収益が増加したものの、財政の健全性を判断する指標の1つであります資金不足比率が11.1%と前年度より上昇しており、より一層の経営改善が必要となるものと考えております。

 6月4日から7月30日までの57日間、開催いたしました北アルプス国際芸術祭2017~信濃大町食とアートの廻廊~につきましては、参加アーティストやボランティアサポーターの皆様をはじめ、多くの市民、実行委員会構成団体の皆様のご参加、ご協力により、無事閉幕を迎えることができました。多くの皆様方の積極的なお力添えがあったからこそと、強く感じており、心より深く感謝申し上げる次第でございます。
 これまでも申し上げてまいりましたように、単に芸術祭を開催すること自体が目的だったのではありません。芸術の持つ人を惹きつける強い力と情報発信力を最大限に活用して、大町市の魅力とブランド力の向上につなげ、人々の流動を呼び起こすことが重要であり、観光誘客の拡大により市の活性化を図り、人口減少に歯止めを掛け、若い世代の皆さんに元気な大町を引き継ぐことにより、持続可能な地域社会の形成に繋げたいと考え取り組んでまいりました。
 来場者数につきましては、受付を開設して運営しました20か所の会場において、延べ25万6,000人余の皆様に鑑賞いただきました。また、作品鑑賞パスポートも、目標の2万枚を超える販売数となり、目指してまいりました成果に結び付けることができました。また、県内外から多くの皆様に大町市を訪れていただくと同時に、数多くのボランティアサポーターの皆様に制作の過程から運営までご参加いただき、大町のファンになっていただく機会となりました。そして何よりも、市民の皆様が、国際芸術祭の様々な場面で、来場者やサポーターの皆様との笑顔の交流を通じて評価いただいた故郷大町の良さを再認識し、郷土に対する誇りを育む契機になったことを大変嬉しく思います。
 今後は、今回の芸術祭の成果と課題の評価、分析を行い、芸術・文化活動を通じて進めるまちづくりのあり方を検討いたしますとともに、この貴重な経験をかけがえのない地域の財産として、将来の市の発展につなげていくことを心に期するところでございます。そして、芸術祭の今後につきましては、芸術祭実行委員会をはじめ、構成団体や市民の皆様のお声を伺いますとともに、市議会にじゅうぶんご協議申し上げ、方向性を固めてまいりたいと考えております。改めて、議員各位をはじめ芸術祭にご支援いただきました多くの皆様に深く感謝申し上げますとともに、引き続きお力添えを賜りますようお願い申し上げます。誠にありがとうございました。

 続きまして、本年度の主な事業の進捗状況につきまして、第5次総合計画で定めた政策の柱であります5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。

 まず1つ目は、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 7月22日、23日の両日、姉妹都市であります立川市の中学校代表の生徒20人が当市を訪れ、当市の代表18人とともに、第3回立川市・大町市姉妹都市中学生サミットを開催いたしました。
 初日の対面式では、表情に緊張が見られましたものの、研修が進むにつれ程なく打ち解け、ホスト役の当市の中学生が、大町市の歴史や文化を紹介したり、同日に行われておりました由緒ある若一王子神社の例大祭を案内するなどして、和やかな交流が図られました。
 また、お互いの学校や地域について活発な意見交換が行われ、双方の生徒の相互理解と友好を深めることができ、今後もこうした次代を担う若い世代の交流が、継続的に発展していくことを期待しております。
 次に、コミュニティー・スクールの推進につきましては、本年度から、市内の全小中学校がコミュニティー・スクールに移行し、「地域とともにある学校づくり」を進めております。先行して実施し、成果を上げております美麻小中学校や八坂小学校、八坂中学校の事例を活用し、学校と地域が「育てたい児童・生徒像」を共有し、一体となって子どもたちを育む取組みをさらに進めてまいります。
 県の委託を受けて実施しております、学校現場の業務改善加速事業につきましては、過日、信州大学教職支援センターから指導者をお招きして、検討委員会を立ち上げ、本格的な検討を開始いたしました。この事業は、様々な校内業務の増加により、教職員が児童・生徒と向き合う時間が減少するとともに、過度の長時間労働になっている現状を改善するための調査研究事業で、今後、学校現場の教職員が中心となり、学校での徴収金業務の改善と部活動の指導に係る具体的な研究・実践のための部会を設け、先進地等の取組みを参考に実務的な検討を深め、成果をまとめてまいります。
 こうした勤務環境を改善することにより、児童生徒の健やかな成長に資することを願うところでございます。
 生涯学習の推進につきましては、スポーツ、文化の季節を迎え、各公民館を中心に今月から来月にかけて、地区運動会など地域住民が集い交流を深める催しが開催されますほか、秋の深まりとともに地区文化祭など様々な文化行事が計画されております。とりわけ本年は、大町市文化祭が70回の節目を迎えますことから、記念事業として文化会館において、11月4日にテレビ、ラジオで活躍する三四六さんのトークショーを開催いたします。自主的な創作活動の発表の場として、市民の力作が展示される文化祭を盛り上げ、華を添えるものと期待しております。
 また、芸術文化の振興によるまちづくりの一環として、市にゆかりのある優れた美術作品を公募により発掘し、展示する展覧会「美術展ベストセレクションin信濃大町」が、市民主体の実行委員会を中心として、11月19日から12月10日まで文化会館で開催されます。市が収蔵する美術品のほか、市民が所蔵している美術品をお借りして多くの方々にご覧いただくことにより、地域に根差した芸術文化の一層の振興につながるよう支援いたします。
 山岳博物館におけるニホンライチョウの飼育研究につきましては、昨年度から引き続き、環境省や日本動物園水族館協会等との調整を図り、繁殖事業を進めてまいりました。現在のところ、本年6月に上野動物園で産卵され移送された卵から孵化した2羽と、山岳博物館で産まれた卵から孵化した2羽の合計4羽の雛は、孵化後最もリスクの多い時期の1週間から10日間を無事に乗り切り、食欲も旺盛で元気に育っております。
 今後、引き続き管理にじゅうぶん注意を払い成育に万全を尽くすとともに、来月には、今後のライチョウ個体数の増加に対応するため、新たなライチョウ舎の建設工事に着手いたします。
 また、今月5日からは、大町登山案内人組合創立100周年記念事業実行委員会との共同企画展「北アルプスの百年 百瀬慎太郎と登山案内人たち」を開催しております。この企画展は登山案内人組合ゆかりの写真や記録、登山装備などを展示し、創立100周年を迎える組合の歴史と活動を広く全国に発信するもので、11月26日までの長期間の開催を予定しており、大勢の皆様の来場をお待ちいたしております。
 待望の鹿島槍ヶ岳カクネ里雪渓の氷河認定につきましては、現在、学術論文の査読審査等に時間を要しており、氷河と認定されるまでもう暫く時間を要するものと思われますので、ご理解をいただきたいと存じます。
 スポーツの振興につきましては、6月に開催されましたバドミントンS/Jリーグの開催地会議において、大町大会を来年1月28日に開催することが正式に決定し、対戦カードは、男子がトリッキーパンダース対三菱自動車京都、女子が日本ユニシス対北都銀行となりました。特に、日本ユニシスには、この度の世界選手権女子シングルスで優勝を果たし、リオ・オリンピックでも銅メダルに輝いた当市出身の奥原希望選手をはじめ、ダブルスで金メダルを獲得した髙橋、松友選手のペアが所属しており、市民の皆様にとりましても、世界最高レベルの競技を目の当たりにすることができる機会となります。同じ1月の5日から開催されます北アルプスバドミントンオープン大会2018とともに、地域のスポーツの振興にも大いに貢献するものと期待いたします。
 今後、大会実行委員会を立ち上げ、日本バドミントン協会、県及び市バドミントン協会と協力して準備を進めてまいります。
 第34回大町アルプスマラソンは、10月15日の開催に向け、現在、実行委員会を中心に準備が進められております。先ごろ申し込みを締め切りましたところ、広く県内外から3,384人の申し込みがありました。
 スポーツに親しむ様々な機会を幅広く提供することにより、市民の健康づくりに資するとともに、全国から多くの皆さんにお越しいただき、観光振興にも寄与できますよう努めてまいります。

 2つ目は、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 北アルプス国際芸術祭を市街地の賑い創出の機会とするため、大町商工会議所が中心となり、第3回信濃大町まつりを芸術祭の開幕に併せ6月4日に開催するとともに、芸術祭開催期間中の6月17日、7月1日及び15日に、大町まちづくり協議会主催の荷ぐるま市が行われました。
 また、大町市商店街連合会主催の第19回大町ゆかたまつりは、芸術祭開催最終日前日の7月29日に開催され、あいにくの雨模様の中、各会場では商店街の皆さんによる様々なイベントや出店が大勢の浴衣姿の参加者で賑いました。
 第39回を迎えました大町やまびこまつりは、今月5日に開催され、幸い天候にも恵まれ、「アートから祭、世界が集う大町へ」のテーマの下、芸術祭の盛り上がりを引き継ぐかのように多くの皆様にご参加いただきました。おどり連は60連、踊り手は約2,700人と、昨年を上回る参加数となり、中央通りが大きな賑いを見せました。
 このように多彩なイベントを相互に連携させ、継続的に開催することにより、多くの市民の皆様や市外からのお客様に中心市街地に足を運んでいただき、まちなかの活性化が図られますよう、引き続き取り組んでまいります。
 農業振興につきましては、米の生産調整におきまして、平成28年産米の生産数量目標が達成されるとともに、国から生産者への経営所得安定対策交付金の支払いも6月に完了したところであります。
 また、29年産米の地域間調整後の生産目標数量は8,862トンとなり、現地調査の結果、目標数量の達成が確認されました。いよいよ30年産米からは、現行の生産調整制度が廃止されることとなり、今後は、国からの目標数量に代わり提供される情報等をもとに、生産者や地域の関係者が中心となり当年産米の作付面積を判断して、生産を進めることとなります。
 稲作中心の営農形態にある当市におきましては、農業経営を取り巻く状況は一層厳しいものになることが予想されますことから、関係機関、団体とじゅうぶん調整を図り、生産者の所得確保のため、円滑な推進に努めてまいります。
 農業委員会制度につきましては、農業委員会等に関する法律の改正により、農業委員については、これまでの選挙から市長が議会の同意を得て任命する制度に改められるとともに、新たに農業委員会が委嘱する農地利用最適化推進委員が創設されることとなりました。この大幅な制度改正に伴い、農業委員及び推進委員の定数につきましては、政令に定める基準に基づき市が定めることとなりましたことから、定数を定める条例案を本定例会に上程いたしております。
 なお、新たな農業委員及び推進委員の推薦、募集にあたりましては、本年11月を目途に市広報紙やホームページに掲載し、市民の皆様への周知を図ってまいります。
 観光振興につきましては、立山黒部アルペンルートの入込状況は、先月末現在、累計で約45万3,400人となり、昨年同期に比べ1万1,800人増、前年比102.7パーセントとなっております。6月は梅雨期にもかかわらず好天に恵まれたことに加え、訪日外国人客の入込みも好調に推移しましたが、九州・西日本地方を中心とした豪雨災害等、悪天候が影響した7月は前年を下回る結果となりました。
 昨年達成できなかった「トロリーバス乗車100万人」の目標を、今シーズンこそ実現することを目指し、本格的な秋の観光シーズンに向けまして、首都圏を中心に積極的な誘客活動に取り組みますとともに、信州デスティネーションキャンペーン(DC)期間中は、県実行委員会や関係団体、事業者等と連携して、主要JR駅などにおけるキャンペーンなどにより、誘客宣伝をさらに強化してまいります。
 なお、強い情報発信力がありました北アルプス国際芸術祭や、信州DC、JTBが主催する日本の旬などのキャンペーンが間もなく終了するため、来期の観光シーズンに向けた新たな誘客の仕組みを構築する必要がありますことから、この秋の誘客も見据えた観光プロモーション対策の経費を補正予算に計上いたしました。
 当市におきましては、大正6年に全国初となる大町登山案内人組合が設立されて本年100周年を迎えますことから、実行委員会を組織し、さまざまな事業に取り組んでおります。昨年度は、プレ事業として、組合のホームページの充実やプレミアムツアーの実施をはじめ、テレビ番組の制作・放映などのプロモーションを展開してまいりました。
 本年度では、当市の山の魅力を全国に発信するため、山と渓谷社と連携して読者モニターを募集し、後立山を登山した体験レポートを同社のオンライン上で発信するモニターツアーを実施しましたほか、通常1人の登山ガイドを2人に増やし内容を充実したプレミアムツアーを5つのコースにより開催しております。さらに、今月6日には、市内小中学生を対象にクライミングとスラックラインの教室を開催し、登山に必要なバランス感覚などを身近に養成する機会を提供したところであります。
 また、9月30日、10月1日の両日、文化会館をメイン会場として、「信濃大町 山フェス 北アルプス100年祭」と題したイベントを開催いたします。山岳・登山文化の振興を担う登山案内人や、大町の山を熟知する山岳カメラマン、ライターが対談するトークショーのほか、登山に関する様々な講座やトレッキングイベントなど、盛沢山のプログラムにより実施することとしております。さらに、11月17日には、100周年記念式典を、山の神を祀る習わしの「山の講」の日程に合わせて開催することとしており、関係団体等との連携の下、山岳文化都市を標榜する当市の名を全国に発信し、周知に努めてまいります。
 ブランド振興につきましては、北アルプス山麓の当市の水の美味しさを広報、周知するため、水道原水を活用した飲料水ペットボトル「信濃大町湧水」3万6,000本を製作し、北アルプス国際芸術祭に来場された皆様に無料で配布いたしました。芸術祭インフォメーションセンターでのアンケートには、「柔らかくて癖のない、とても美味しい水でした。」との感想が寄せられるなど、「水」を大町の大きな魅力として市内外に浸透させる絶好の機会となりました。この信濃大町の水への反響を、今後の情報発信に活かしてまいりたいと考えております。
 また、信濃大町ブランド戦略に基づき、水ブランドを広く発信することを目的に、「水が生まれる信濃大町フォトコンテスト」を開催し、大町の水の素晴しさを、さながら、見る・聞く・触れる・嗅ぐ・味わうの五感で体感できるかのような優れた作品を広く募集いたします。
 入選作品は、今後製作予定の信濃大町ブランドのウェブページやパンフレットなどに活用し、市の統一的なイメージの形成に取り組んでまいります。コンテストの募集期間は9月1日から10月末日までとし、「北アルプスの麓 水が生まれる 信濃大町」のキャッチフレーズにふさわしい作品の応募を期待するところでございます。

 3つ目は、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 市立大町総合病院につきましては、一昨年9月に着任されました産婦人科の医師が、ご都合により来月末をもって退職することとなり、10月からは、常勤医師1人の体制になることとなりました。この間、大変ご熱心に取り組んでいただいておりましただけに、残念でなりません。地域にとりましても極めて重要な分娩の取扱いは、常勤医師1人の体制ではなかなか困難でありますことから、現在、県の医師確保対策室などと連携し、後任の医師の確保に全力を尽くしております。なお、分娩取扱いの継続につきましては、状況を慎重に見極め、井上病院事業管理者、深松副院長とともに早急に判断してまいりたいと考えております。
 平成28年度における大町病院の決算は、地域包括ケア病棟などの運用により、病態に応じた効率的な医療の提供に努めましたほか、救急患者の受け入れなどを積極的に行った結果、診療単価の上昇や患者数の増加につながり、入院収益は、前年に比べ2億円余の増収となりました。また、外来収益は、患者数が減少したことにより、若干減収となりましたものの、健診センターの充実などにより、医業収益全体では、前年度に比べ2億3,000万円余の増収となり、最近5年間では最も高い収益となりました。
 一方、支出につきましては、材料費や経費を価格交渉などにより削減したものの、医療スタッフの増員や退職手当による給与費と減価償却費の増加などにより、前年度に比べ8,000万円余の増となりました。医業収支では、1億5,000万円ほど改善しましたが、資本的収支の財源不足を補うため、一般会計負担金などを資本的収入に充当しましたことから、純損失では前年度を上回る非常に厳しい決算となりました。
 本年3月に策定いたしました新改革プランの収支計画と対比しますと、概ね見込みどおりの結果となりましたが、今後もプランに基づき、計画的に収益の確保や業務の効率化、経費の削減に取り組み、一層の経営改善を進めるよう力を尽してまいります。
 大町病院は、引き続き極めて厳しい経営状況にありますが、産婦人科をはじめ、医師の確保が経営改善の大きな要素でありますことから、医師招聘の取組みを粘り強く継続しますとともに、信州大学附属病院との連携の下、臨床研修をさらに充実し、活気ある病院として医師の確保・定着に結び付けてまいります。
 子育て支援につきましては、子ども食堂の設置・運営を含めた「子どもの居場所支援モデル事業」について、6月下旬、市内NPO法人など4団体の皆様と、実施方法や支援のあり方等について意見交換を行うなど、本年度後半からの事業実施に向け、検討・調整を進めているところであります。今後も関係団体等との密接な連携の下、子どもの健やかな成長を図る子育て支援の充実に努めてまいります。
 防災関係では、先週26日、美麻支所駐車場を主会場として、市民や関係機関、団体の皆様約450人のご参加の下、市地震総合防災訓練を実施いたしました。これまで、旧大町市の4地区で輪番により開催しておりましたが、美麻地区では平成26年11月に発生しました神城断層地震での被災により防災意識が高まり、住民の皆様の強い要望もあり、合併後初の開催となりました。
 訓練では、参加機関の連携による展示型訓練のほか、本年3月に策定しました避難所開設・運営マニュアルに沿った住民による避難所開設訓練を実施いたしました。また、先月郵便局と締結した協定に基づき配達員から報告された被災情報により、高齢者などの避難行動要支援者の救援訓練を行いました。この訓練は、救援にあたる消防団員に対して、事前には要支援者名を明らかにしないブラインド型の訓練で、団員が管轄する地区の住民ひとり一人がどこにいるかを把握し、迅速に対応できたことを確認いたしました。この訓練を通じ消防団と地域住民との普段からの交流の重要性を再認識したところです。

 4つ目は、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 6月末から先月初めにかけまして、活発な梅雨前線の影響により局地的な豪雨があり、市内一部地域で道路、農業施設等に土砂の流出や法面崩落、路肩の一部崩落等の被害が発生しました。被災箇所は大町地区12か所、八坂地区2か所、美麻地区10か所の計24か所に上りましたが、崩落土砂の除去や法面及び路肩部の復旧につきましては、ほぼ作業が終了いたしました。復旧工事にあたり必要な予算措置につきましては、先月3日付で専決処分を行い、本定例会に報告案件を提出いたしております。また、国庫負担金採択が見込まれます被災箇所につきましては、現在、国の災害査定に向け準備を進めております。
 リフォーム支援事業につきましては、先月10日に交付申請額が当初予算に計上した3,000万円に達しましたため、本年度の受付を終了いたしました。制度の目的であります住宅性能の向上に資するとともに、市内経済の底支えにも寄与しているものと考えております。
 北アルプス広域連合が進めております一般廃棄物処理施設整備事業につきましては、来年7月の完成を目指して、現在、プラットホームやごみピットなどの焼却施設の建築工事を進めております。
 市といたしましては、新施設の稼動まで、現在の環境プラントを安全に運転管理してまいりますとともに、ごみ処理広域化に備え、3市村によるごみの分別収集に向けての準備作業や新施設の管理体制についての詰めを急ぐとともに、市民への周知、広報に努めてまいります。
 泉地区における臭気問題につきましては、昨年夏ごろから広範な地域に悪臭被害が発生し本年も同様の被害が懸念されましたことから、地域振興局環境課や地元対策委員会と連携を図り、臭気測定や臭気観測の回数を増やすなど、監視体制を強化しております。万が一、悪臭が強まる兆候をとらえた場合には、事業者に原因究明を指示し、早急に悪臭防止の改善策を講ずるよう強く求めてまいります。
 また、事業者から毎月末に提出される状況報告書により、作業内容や臭気対策が計画どおり実施されているかを厳正に確認し、市民の生活環境の保全のため事業者に対して臭気対策の徹底を厳しく求めてまいります。

水道事業会計の平成28年度決算につきましては、給水人口の減少や節水による有収水量の減少がありますものの、1億890万円余の純利益を確保することができました。また、原水供給事業は、減少傾向が続く給水収益を補う重要な収入源となっております。

水道施設の更新につきましては、配水池の電気計装設備の更新のほか、送配水管の耐震化を実施しており、引き続き適切な管理により、安定した給水体制の維持に努めてまいります。

また、公営簡易水道事業の決算につきましては、取水量の確保を図るとともに、安定した水道水の供給に努めたことにより、歳出総額2億2,192万円余の決算規模となりました。
 28年度温泉引湯事業会計の決算につきましては、基本湯量の確保と継続的な安定供給に努め、1,082万円余の純利益を計上いたしました。温泉供給事業では、前年度に続き大町温泉郷地区の配湯管更新工事を進めており、継続的に更新工事を実施することにより、温泉の安定供給を図ってまいります。
 28年度公共下水道事業会計の決算につきましては、大町浄水センターの再構築工事の推進を図ってまいりましたが、1億152万円余の純利益を計上いたしました。また、農業集落排水事業の決算では、2,263万円余の純利益を計上しております。
 下水道事業におきましては、公共下水道や農業集落排水施設の長寿命化計画に基づく、計画的な更新に取り組んでおります。また、収益の向上を図るため、一層の接続促進に努めますとともに、施設の総合的な維持管理を目的とする包括的民間委託を実施しており、運営経費の縮減に向けた取組みを継続的に推進してまいります。
 昨年1月から導入されましたマイナンバー制度の普及への対応につきましては、申請された市民の皆様に順次カードを交付しており、7月末現在、2,239人の方々に取得いただいております。
 マイナンバーカードは、将来的にさまざまな場面で利用できることが期待されておりますが、市では、コンビニエンスストアで住民票などの証明書を取得できるサービス、「コンビニ交付」を来年1月に開始することとしており、現在、システム構築に向けた作業を進めております。
 これにより、証明書を受け取る場所や時間帯が広がり、利便性の格段の向上が図られますことから、これを機にマイナンバーカードのより一層の普及に努め、市民の皆様へのサービスの充実につながるよう取り組んでまいります。

 5つ目は、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 市民参加と協働による市政の推進につきましては、昨年度までのきらり輝く協働のまちづくり事業を拡充してスタートした、ひとが輝くまちづくり事業は、4月に実施された公開審査会で採択された12団体を含め、18団体の事業が順調に進められております。また、花づくり活動では、昨年を3団体上回る33団体の皆さんが、住民参加と交流による花づくりを通して、環境美化と地域づくりに取り組んでいただいております。
 伝統文化の継承では、宮本自治会が平成31年に20年に一度の式年遷宮祭を迎える国宝仁科神明宮の歴史を学び、積極的に地域づくりに活かして地元の活性化に繋げる取組みを始めております。これまでに2回の講演会、意見交換会が開催されましたが、小学生を含め予定を上回る大勢の参加があったと伺っております。地域の有志の皆さんが地域の活性化を願い立ち上ることは有意義なことであり、こうした地域の文化資源を活かした市民活動が広がりつつあることを実感し、今後の活動に大いに期待するところでございます。

 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と今後の執行方針について申し上げましたが、年度後半に向け、本年度計画しましたそれぞれの事業が円滑に執行できますよう、全力をあげて取り組んでまいりますので、今後とも市政の運営に一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件1件、条例案件3件、予算案件5件、決算案件9件の合計18件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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