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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和4年9月定例会市長あいさつ

令和4年9月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和4年大町市議会9月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 
 はじめに、新型コロナウイルス感染症につきましては、全国的にオミクロン株系統を中心とする感染が急速に拡大し、北アルプス圏域におきましても、連日、多くの新規陽性者が確認されましたことから、先月25日、市民の皆様に注意を呼び掛ける第25弾の市長メッセージを発出いたしました。
 また、今月に入り、県内の確保病床使用率が50パーセントを超え、「救える命を救うことができない事態を避ける正念場」として、県は、今月24日から来月4日までを期限に、従来の医療非常事態宣言に加え、新たに「BA5対策強化宣言」を発出したところでございます。市内及び当圏域も、これまでにない数の陽性者数となっており、感染症指定医療機関の市立大町総合病院への医療負荷も高まっておりますことから、重症化リスクの高い方などに最大限慎重な行動をお願いするとともに、外来診療の負担軽減に向けた自己検査や、できるだけ早期のワクチン接種を要請するなど、周知広報に努めてまいります。
 なお、ワクチンの接種状況は、27日時点における4回目接種終了者は7,478人であり、そのうち60歳以上の高齢者は7,067人で、60歳以上人口の59.7パーセントであります。接種にご協力いただいております大北医師会をはじめ、地域の医療従事者の皆様に深く感謝申し上げますとともに、引き続き秋以降に予定されます5回目の接種につきましても、体制の確保等、必要な準備を進めてまいります。
 
 市では令和2年8月に、新型コロナ感染症に決して負けない、持続可能な社会経済構造を実現するため、「新型コロナ克服戦略 おおまち再生プラン」を策定し、計画期間を概ね2年間として、これまで様々な取組みを展開してまいりました。
 新型コロナウイルスは、これまで繰り返し変異を続け、現在第7波の感染拡大により、市民の皆様は、閉塞感に包まれた日常生活を余儀なくされております。こうした状況の中、失われた平穏な暮らしやまちの活気を再び取り戻すため、国や県の動向、地域の経済状況等を踏まえ、引き続き、市民の命と健康を守るとともに、「新たな日常の再構築」により、市の再生と持続可能なまちづくりの実現を目指す「おおまち再生プラン」の見直しを実施いたしました。
この内容につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げます。
 
 内閣府が先月26日に発表しました月例経済報告によりますと、景気は、緩やかに持ち直しており、また、企業収益は一部に弱さがみられ、企業の業況判断は、持ち直しの動きに足踏みがみられるものの、個人消費や設備投資は緩やかに持ち直している、としております。
先行きにつきましては、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されるが、世界的に金融引締めが進む中、金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要がある、としています。
 政府は、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を具体化する、令和3年度補正予算及び令和4年度予備費を迅速かつ適正に執行し、原油価格・物価高騰等総合緊急対策を実行するとともに、物価・景気の状況を把握し、予備費を機動的に活用しつつ、状況に応じ迅速かつ総合的な対応に切れ目なく取り組むこととしております。
 
 本定例会では、当初予算編成以降に発生した事案に対する事業費の補正並びに、令和3年度一般会計及び特別会計、企業会計の決算をご報告申し上げます。
 決算状況につきましては、いずれの会計も概ね健全性が維持できる見通しとなり、市の財政の健全性を判断する各種指標は、暫定値でありますが、実質公債費比率8.1パーセント、将来負担比率は45.3パーセントとなり、良好な水準を維持しているところでございます。
 また、市税の収納率は97.7パーセントで、新型コロナの感染拡大により税収に影響を受ける中、固定資産税に係る特例減額措置や徴収猶予の適用などにより納税者の負担軽減を図りつつ、税収の確保に努めました結果、前年度を0.89ポイント上回ることとなりました。
 引き続き、歳入の増額確保を図るとともに、計画的な執行と経費節減に努め、健全かつ安定的な財政運営に努めてまいります。
 
 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び主要な施策につきまして、第5次総合計画に定める5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 学校再編に伴う準備状況につきましては、来年4月に開校する大町中学校として使用する現仁科台中学校の大規模改修工事を、夏休み期間中に集中的に実施いたしました。引き続き、来年1月末を目途に、特別支援学級の教室増設や洋式トイレの新設などの工事を進めてまいります。
 なお、本定例会全員協議会におきまして、工事請負契約の締結についてご報告申し上げます。
 また、小学校の再編につきましては、今月11日、新たな小学校の候補地となっております、第一中学校及び大町西小学校の学校見学会を実施し、今後入学する児童がおりますご家族などのほか、地域の方などに両校施設の現状等をご理解いただく機会になったものと考えております。
 校地の選定に当たりましては、先月の全員協議会においてスケジュールや検討項目案などをご説明申し上げ、その後、今月の定例教育委員会で両候補地について項目別に仮評価を行い、次いで第2回総合教育会議において、協議を進めてまいりました。
 この内容につきましては、本定例会全員協議会においてご報告申し上げることとしております。
 また、市民を対象とした説明会を、来月13日及び20日にサン・アルプス大町で開催し、皆様からのご意見を伺ったうえで、慎重に校地の選定を進めることといたします。
 
 市内では、先月から今月にかけて、次代を担う子ども達や若者を対象とした多くのイベントが開催されております。
 先月16、17日には、中学生による立川市との姉妹都市交流を3年ぶりに対面方式で実施し、SDGsについて英語による討論が行われ、また、先月末には市子ども会育成会の主催によるジュニアリーダー研修会の一環として、木崎湖畔でのキャンプが実施され、更に、今月15日には、「二十歳の門出」が172名の参加により、厳粛な雰囲気の中、式典が執り行われました。
 式典の中で、出席者を代表して清水大輔さんが述べた誓いの言葉には、郷土への熱い想いと未来に向け逞しく歩んでいこうとする強い意志が込められており、将来を担う若い世代の皆さんのいっそうの飛躍を期待いたしたところでございます。
 
 スポーツの振興につきましては、スポーツの秋に向け、バランス教室やウォータースポーツ体験教室などのほか、10月2日には大北スポーツ競技会、また、16日には大町アルプスマラソンの開催が予定されております。
 こうしたスポーツに親しむ機会を積極的に提供することにより、市民の健康づくりに資するとともに、県内外から多くの皆様にお越しいただき、観光振興にも寄与できますよう努めてまいります。
 
 北アルプス国際芸術祭2020-2021につきましては、これまで市議会本会議や全員協議会等において、開催結果の総括を報告申し上げますとともに、議員各位から様々なご意見をいただいてまいりました。
 コロナ禍での開催でありましたが、会期中の来場者は、受付を設置した19サイトでの受付延べ人数は14万6,304人となり、安心・安全な環境の中、多くの皆様に鑑賞いただけたものと受止めております。
 事業収入につきましては、新たな協賛企業の開拓や企業助成の申請等に積極的に取り組みました結果、前回よりも多くの企業から支援をいただくことができ、前回に比べ、約1.5倍を超える財源を確保することができました。
 事業内容につきましては、コロナ禍の制約により、インバウンドや団体旅行の受け入れが叶わず、食の取組みでは内容の変更や縮小も余儀なくされました。そして、何よりも作品制作や運営面において、市民やサポーターの皆様の参加、協働による取組みがなかなか実現できなかったことは、芸術祭開催の主要な目標の一つに位置付けておりましただけに、残念と言う外ありません。
 一方、芸術祭による経済効果は、芸術祭の開催により観光消費が生まれ、市内に一定の効果をもたらしたものと考えております。また、来場された皆様の芸術祭への満足度も、約90パーセントと高い結果が得られ、芸術祭によって新たな大町ファンの獲得にも繋がり、更に、多くの市民の皆様にも鑑賞いただく中で、地域への愛着や誇りが醸成される機会となりました。こうした結果は、若者の定着やUターンの促進、次代を担う子ども達の健やかな成長にも繋がっていくとの思いを強くいたしたところでございます。
 ご承知のとおり芸術祭の取組みは、芸術の持つ人を魅き付ける大きな力と情報発信力を最大限に活かし、大町市のブランド力の向上を図り、人々の大きな流動を呼び起こすとともに、交流人口や移住定住人口の増加にも資することを目指しており、地域再生への取組みの一環であります。
 そして、コロナ禍により多くの芸術文化活動が抑制されてまいりましたが、ポストコロナ時代における「人々の価値観の変化」にも配慮する中で、粘り強く継続的な努力が必要であるとの認識を新たにしております。
 これらを総合的に勘案し、若い世代の皆さんに活力ある元気な大町市を引き継ぎ、持続可能な地域社会を形成するための手段のひとつとして、これまでの2回開催の積み重ねを活かし、市民の皆様をはじめ、関係機関や団体との協働により、継続的な芸術祭開催を目指すことが、市の将来にとりまして、何より大切と判断しております。
 今月17日の実行委員会総会におきまして、次回芸術祭を2024年の秋に開催することが議決され、本年度、基本計画の策定に着手することといたします。
 市の総合計画に掲げております、芸術文化の振興や国内外からひとを呼び込む交流の促進のため、次回芸術祭開催に向けた所要の経費を補正予算に計上し、本定例会にご提案申し上げます。
 議員各位並びに市民の皆様の深いご理解をお願い申し上げますとともに、次回開催に向けて積極的なご支援とご提言を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 まず、地域の労働・雇用環境につきましては、ハローワーク大町が発表した大北管内6月の有効求人倍率は1.26倍で、前月から0.12ポイント増加し、12カ月連続して1倍を上回る状況が続いております。また、未だ厳しい経営状況が続く中、引き続き事業主において、市及び県の制度融資資金や国の雇用調整助成金等を活用いただき、事業の継続と従業員の雇用維持に努めていただいております。なお、この雇用調整助成金につきましては、助成率を最大10分の10に引き上げる特例措置が来月末まで適用されており、10月以降の特例の取扱いにつきましては、今月末を目途に方針を決定するとされております。
 一方、市におきましては、地域経済対策及び事業者支援として、県の交付金を活用して実施する「大町市新型コロナウイルス感染症第6波対応事業者支援金」には、先月末の期限までに245件の申請をいただき、3,550万円余を支給しております。
 また、県の「信州の安心なお店」の認証登録店舗に対し感染防止対策経費への助成を行う、新型コロナ感染症対策店舗等支援金では、先月末時点で92件の申請を受け、724万円余を支給しております。信州の安心なお店への登録店舗も、支援制度実施前の59店舗に比べ、先月末時点で175店舗と、大きく増加しております。
 さらに、市の新型コロナ感染症対策特別資金につきましては、第7波の感染が依然として拡大する中、市内事業者の資金需要に対応するため、今月末日までとしておりました利用期限を、本年度末まで延長することとし、長引く感染症の影響に加え、原油価格の高騰などにより、厳しい経営環境にある、事業者の資金繰りを支援してまいります。加えて、新たな経営安定資金の創設とともに、新規の創業・起業を支援するため、既存の新規創業支援資金の拡充を図るなど、きめ細かな対応ができますよう融資制度の強化を図りました。
 これらの取組みにつきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
物価高騰等に対する市民生活への支援として、第4弾となりますプレミアム付地域商品券「がんばろう!大町応援券2022」につきましては、先月中旬より取扱店舗の募集と商品券購入に必要な引換券の発送準備を進めており、来月26日から販売を開始することとしております。
 今後も、国や県による経済対策の動向を注視するとともに、物価高騰や感染症の再拡大による市内経済や雇用への影響に即応する支援策について、スピード感をもって検討し実施してまいります。
 
 森林整備の分野では、姉妹都市であります立川市との協働による体験ツアー「森林保全隊」を、8年ぶりに再開いたしました。
 この事業は、両市がともに森林環境譲与税を活用し、立川市民が当市において植樹や木工作品の製作を体験するとともに、森林の散策により自然に親しみ、森林に関する知識の習得を図り自然環境への理解を深めるもので、当日は、大町市有林内の「立川市民の森」において植林等の作業を行いました。
 今後は、立川市民の皆様にも、森林整備や自然体験を通じて「水が生まれる信濃おおまち」を体感いただくとともに、森林を活用するSDGsの取組みをご理解いただく契機となりますよう、継続的な市民の交流促進に努めてまいります。
 
 米の生産対策につきまして、本年度の生産数量目標は、前年度より約225トン少ない、8,498トンとなりました。米の需要量は、人口減少に加え、食生活の多様化などにより、全国で毎年約10万トンずつ減少するとされており、今後、高収益作物の導入などとともに、新たな販路の確保策として輸出事業の促進が重要と考えております。
 その一環として本年6月に、香港においておにぎりを提供する専門店「ザ・ライススタンド」をオープンいたしました。このおにぎり専門店では、現地で精米したての大町産のお米と水を使い、土鍋で炊いたご飯を手で握る「こだわりのおにぎり」を提供しますので、香港の皆様にも大町市のお米の美味しさを存分にご賞味いただくことを期待いたします。
 この取組みは、海外において当市の米や水をブランド化しPRする契機となるものであり、大町市農産物等輸出協議会において、県の地域発元気づくり支援金を活用し、店舗内のモニターでPR動画を上映するとともに、壁面にロゴを掲出するほか、北アルプスと大町市街地の風景を印刷した包装紙におにぎりを包んで販売するなど、既に様々なPR活動を展開しております。
 
 観光振興につきまして、立山黒部アルペンルートの入込みは、4月15日以来今月18日まで、累計で約29万3千人となり、昨年同期に比べ約14万7千人増加し、前年の約2倍となりましたものの、なおコロナ前の水準まで回復するには至っておりません。
 来年迎える黒部ダム完成60周年に向け、本年度を「くろよん60プレ」と位置付け、60年前、トロバスが運行を開始した8月1日を「トロバースデー」と名付け、長野新宿間の高速バスで使用したおおまぴょんラッピングバスを貸切車両として、市内外の14組45名の親子を招待し、扇沢案内センターのトロバス記念館へ運行いたしました。また、今月13、14日の2日間、大町温泉郷ではお客様感謝デイズとして、旧酒の博物館周辺で、源流美麻太鼓による演奏や地酒の振る舞いなどを行い、大変好評をいただきました。
 来月中旬には、観光庁の補助金を活用して、黒部ダム駅構内のトンネルに体験用さく岩機2台を設置し、黒部ダム建設当時を再現する新たな体験プログラムを造成するとともに、今後、モニターツアーを実施してアイデアを募り、プログラムのブラッシュアップを図ってまいります。
 また、SNSを活用した宣伝では、県内在住の3名の人気ユーチューバーを招き、立山黒部アルペンルートの自然やトレッキングを体験いただくとともに、信濃大町スイーツプロジェクトの参加店を巡り、アルペンルートと市街地を結び付け、山岳観光都市大町の魅力を発信していただいており、引き続き当市への観光誘客に繋がるよう取り組んでまいります。
 なお、インバウンド需要の回復に備え、今後早期に台湾をターゲットにした誘客宣伝を展開することとし、所要の経費を補正予算に計上し、本定例会に提案いたしております。
 広域観光の推進につきましては、「HAKUBAVALLEY八景への受入環境整備事業」が、県の観光地域づくり重点支援事業の採択を受け、仁科三湖周辺のサイクリング・トレッキング案内看板を整備するとともに、中綱湖周辺を訪れる観光客の利便性の向上と路上駐車対策として、駐車場及び交通サインの整備を図ることとし、所要の経費を補正予算に計上いたしました。
 なお、新型コロナ感染症第7波の拡大に伴い、長野県民割宿泊キャンペーンが今月31日まで延長されたことにより、7月臨時会で議決いただきました第6弾の「信濃おおまち宿泊キャンペーン おおまち割」の販売を併行して進めております。また、「プレミアム付き観光タクシーチケット」につきましても、販売を予定しておりました2,500枚のうち、先月末までに既に2,000枚以上が販売済みとなりましたことから、更なる誘客、消費喚起策として、追加販売を行うこととし、所要の経費に係る補正予算を今月1日付で専決処分いたしました。
 SDGs学習旅行誘致協議会につきましては、本年4月の設立後、加盟団体を中心に26の体験プログラムを作成し、先月は大阪地区、今月には東京地区での県観光機構主催の商談会に参加し、誘致に努めております。また、10月には、首都圏及び関西地域で学習旅行を取り扱う旅行代理店の担当者を、モニターツアーに招聘することとしており、今後も、現在延期されております国による旅行支援事業が再開されるまでの間、切れ目のない誘客対策を進めてまいります。
 
 移住・定住の促進につきましては、都市圏での移住セミナーやフェアなどの催しが、コロナ禍に伴い、ここ2年程はオンライン方式を余儀なくされておりましたが、徐々に対面方式による開催が再開されるようになりました。こうした中、近年、関西方面の移住希望者からの相談が増加傾向にあり、本年度は、名古屋、大阪方面でのフェア等に積極的に出展することとしております。
 また、空き家バンク制度の活用につきましては、本年5月の固定資産税納税通知書に啓発チラシを同封しましたところ、空き家に関する相談件数が先月末現在で40件と、昨年同期の10件を大幅に上回っております。また、先月末までの移住相談件数は、192件となり、昨年同期を48件上回っております。
 今後も移住希望者に対し丁寧できめ細かな対応に努めるとともに、空き家バンクを活用して住まいの情報提供を充実し、取組みをいっそう強化してまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 市立大町総合病院におきましては、平成29年度決算において、資金不足比率が法に規定する経営健全化基準を超えたため、平成30年度から令和3年度までの4年間を計画期間とする、市立大町総合病院経営健全化計画に基づき、抜本的な経営改善に力を尽して取組んでまいりました。この間、新型コロナへの対応と一般診療との両立を図りながら、職員が一丸となり取組みを進めてまいりました結果、2年度末をもちまして資金不足の解消を達成したところでございます。
 昨年度につきましては、コロナ禍の影響による受診控えが徐々に緩和されたことなどにより、医業収益は3億4千万円余の増となり、前年度を大きく上回りました。併せて、経費の削減など病院を挙げて、経営改善に継続的に取り組みました結果、純損益は4億円を超える利益を計上することができ、加えて、一時借入金は計画を5年前倒して3年度末にすべて返済することができました。
 医師確保につきましては、6月から新たに循環器内科医1名が着任し、更に10月には産婦人科医1名が着任する予定となっており、引き続き地域に必要とされる医療提供体制の充実に努めてまいります。
 経営の健全化に向けたこれまでの取組みの成果等を踏まえ、市立大町総合病院経営健全化計画は、計画期間の満了をもって完了することとなり、本日、市議会二條議長あてに完了報告書を提出いたしました。
 なお、内容につきましては、健全化計画の総括と合わせ、本定例会全員協議会においてご説明申し上げます。
 また、新型コロナウイルス感染症につきましては、大町病院の発熱外来に、連日多くの患者が受診され、陽性者も多く確認されております。大町病院では、感染症指定医療機関としての使命に基づき、圏域を中心に感染患者の受け入れを行うほか、引き続き発熱外来、外来検査センターを継続するとともに、ワクチン接種を進め、予防と治療の両面からコロナウイルス感染の収束に向け、取り組んでまいります。
 
 防災対策につきましては、全国的な線状降水帯の発生に伴い、これまで経験したことのない局地的な豪雨による河川の氾濫などにより、各地で甚大な被害に見舞われております。
 当市におきましても、今月6日、美麻地区で約5時間に80ミリを超える降雨があり、市道、林道及び農業用施設等において、路肩の崩落や法面崩落、水路への土砂流入など18カ所で被害が発生し、復旧工事を実施したところであります。
 これらの復旧に係る所要の経費を計上する補正予算を、今月8日付で専決処分し、本定例会にご報告申し上げることとしております。
 市としましては、今後、秋の台風シーズンを間近に控え、防災行政無線や緊急メール等により、市民への迅速な情報伝達を図るとともに、適時適切に危険箇所のパトロールを実施し、市民の皆様の安心、安全の確保にいっそう努めてまいります。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路につきましては、現在、大町市街地を通るルート帯の絞り込みに向けて、県において、具体的な検討が進められており、昨年9月に示された、約100メートル幅の3つのルート帯案と評価項目案に基づき、9月下旬から12月下旬にかけて住民説明会を開催してまいりました。また、本年3月下旬には、県に対し市議会3月定例会において決議されました「地域の合意形成に向けた情報提供や丁寧な対応を求める意見書」を踏まえて、市域全体を対象とした説明会が開催されたところであります。更に4月からは、3ルート帯沿線の29自治会と地域住民の皆様を対象に地区別説明会を開催しており、昨年、3つのルート帯案が発表されて以降、16回の説明会に、延べ492人の皆様に出席いただき、ご意見をお聞きしたところでございます。
 市といたしましても、最適なルート帯の選定に向け、第5次総合計画後期基本計画に掲げる市の将来像とともに、平成25年度に策定の都市計画マスタープランにおいて想定した、松糸道路のもたらす波及効果の実現に向け、庁内課長級の勉強会をはじめ、係長級職員からのヒアリングや若手職員によるワークショップを開催するなど、関連施策の検討に向けた取組みにも着手したとことであります。
 
 昨年度における水道事業の決算につきましては、近年、給水人口の減少や節水意識の定着により、有収水量の減少傾向が続く中、1億2,769万円余の純利益を計上いたしました。このうち、原水供給事業につきましては、3,285万円余の収益となり、給水収益を補う重要な収入となっております。
 水道施設の整備につきましては、平海の口の南平配水池の更新工事が完了し、先月下旬より新たな配水池の運用を開始いたしております。
 また、昨年2月に、市議会からいただきました水道事業に関するご提言のうち、居谷里水源への動物等の侵入を防ぐ侵入防止柵の更新工事は、本年度の完成を予定しており、引き続き、安全で安心な水道水の供給に向け取組みを進めてまいります。
 
 公営簡易水道事業につきましては、安定した水道水の供給に努めることにより、歳出決算額は、2億1,297万円余となりました。本年度は簡易水道審議会を開催し、簡易水道事業の運営等についてご審議いただくこととしております。
 また、現在、生坂村との分水協定に基づき実施しております水道水の供給につきましては、今後、水道法の規定に基づく供給方式に変更するため、現在、同村との調整を進めており、詳細につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げます。
 
 温泉引湯事業につきましては、基本湯量の確保と継続的な安定供給に努め、決算において、1,089万円余の純利益を計上いたしました。また、温泉供給事業におきましては、老朽配湯管の更新工事を実施しており、引き続き、温泉の長期安定供給に努めてまいります。
 
 公共下水道事業及び農業集落排水事業につきましては、施設の適切な運営管理に努め、公共下水道においては2億2,943万円余、農業集落排水では、3,236万円余の純利益を計上いたしました。このうち大町浄水センターは、供用開始から25年を経過しており、ストックマネジメント全体計画に基づき今後5年間の基本計画を策定し、計画的な施設改修や予防修繕に取り組み、施設の包括的な維持管理を推進するとともに、水洗化の普及促進を図り、事業の安定経営に努めてまいります。
 
 令和8年度に使用期限を迎える一般廃棄物最終処分場につきましては、これまでのグリーンパークの継続使用に向け、地元自治会との協議を進めてまいりましたが、地域支援の方向もほぼ固まってまいりましたことから、その概要につきまして、本定例会全員協議会においてご説明申し上げます。
 
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、5月末に臭気の流れの調査が行われ、その結果に基づき、事業者が施設の改修を進めております。
 事業者におきましては、昨年来、脱臭設備に使用しております接触材の洗浄や、薬剤の濃度管理を徹底するなど、対策を進めており、市といたしましても、引き続き、臭気測定などの監視を継続し、助言、指導を行うとともに、臭気問題の早期解決に向け迅速な対策の実施を事業者に求めてまいります。
 
 電子自治体の推進につきましては、ICT技術の急速な進展に伴い、市の業務や市民サービスをはじめ、制度や組織のあり方をデジタル化に適合させ変革していく、DX、デジタル・トランスフォーメーションへの対応が求められており、市では、全庁を挙げてDXの推進を図るため、先日、若手職員を中心とした自治体DX推進プロジェクトチームを発足させました。
 今後、先進事例の調査などを基に情報の共有に努めるとともに、業務における課題の抽出や改善策の検討などにより、市全体のDXの推進に向け、共通認識や機運の醸成を図ってまいります。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 市民参画と協働によるまちづくりにつきましては、コロナ禍で停滞した市民活動を活発にし、いきいきとした元気なまちを再生することを目的として、来月3日に「ぼくらの市民活動フォーラム」を開催いたします。このフォーラムは、市民主体によるまちづくりを目指し実行委員会が中心となり、企画、運営するもので、本年度で3回目の開催となります。
 昨年度は、市民活動23団体による活動発表や展示、販売等が行われ、約150人の市民にご参加いただきました。こうした催しを通じて、市民活動団体やまちづくり活動に相互の連携が生まれ、市民参加と協働のまちづくりが、いっそう活発に推進されますよう取り組んでまいります。
 
 男女共同参画の推進につきましては、平成25年に策定した大町市第3次男女共同参画計画に基づくこれまでの取組みにより、男女共同参画に対する理解が徐々に浸透してまいりましたものの、ジェンダー平等、パートナーシップ制度などの、新たな事象への対応も課題となっております。
 計画の最終年度に当たる本年度では、これまでの取組みに対する評価を行うとともに、今月17日に開催されました男女共同参画審議会へ諮問を行い、その答申を基に本年度末を目途に第4次計画の策定を進めてまいります。
 なお、人権相談や人権に対する啓発活動を担っていただいております人権擁護委員9名のうち、本年12月末に任期を迎える委員1名の法務大臣への推薦に当たりましては、人権擁護委員法の規定に基づき、議会の意見が必要となりますことから、議会におけるご協議をお願いすることとしております。
 
 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と、今後の執行方針についてご説明申し上げました。年度中盤に向け、本年度計画いたしましたそれぞれの事業が円滑に推進できますよう、今後も全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件2件、条例案件2件、予算案件4件、決算案件9件の合計17件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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