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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和4年3月定例会市長あいさつ

令和4年3月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和4年大町市議会3月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。 
 
 はじめに、新型コロナウイルス感染症について申し上げます。
市内では、年明けより、幼児から高齢者までの幅広い世代で感染が確認され、先月11日、感染警戒レベル5の特別警報Ⅱが発出され、その後、県内におきましても感染拡大と病床利用率の上昇が続き、27日に県内初となるまん延防止等重点措置が、今月20日までの間適用されることとなりました。これを受け、市では2度にわたり市長メッセージを発出するとともに、市有施設の休館やイベントの開催中止など、感染拡大防止に努めたところでございます。
 なお、本県の重点措置は、今月16日の国に対する県の要請により、来月6日まで適用期間が延長されることとなりました。
 現在も全国で猛威を振るっておりますオミクロン株は、デルタ株など従来の変異株とは異なり感染拡大の速度が速く、二次感染リスクも高いとされております。引き続き、きめ細かな情報提供に努めますとともに、新型コロナウイルスは、誰もが感染する可能性があり、差別や誹謗中傷は絶対に行わず、市民の皆様一人ひとりが、「思いやりの心」を持ち「支え合い」の輪が広がるよう周知、広報に力を尽してまいります。
 
 ワクチン接種につきまして、県では、今月を「ワクチン接種推進月間」と位置付け早期の接種を呼びかけており、当市におきましても、大北医師会はじめ市内医療機関の皆様のご協力の下、今月5日の中央保健センターでの集団接種を皮切りに、大町病院での集団接種や医院、診療所での個別接種により、来月初旬までに約6,000回の接種を行う体制を整え、希望される市民の皆様が速やかに接種を受けられますよう、接種券の発送を順次行うなど進捗を図っております。
 また、新たに接種対象となりました5歳から11歳までのお子様につきましては、安心して接種していただけるよう、ワクチンの有効性や副反応などについて、国・県からの詳細な情報に基づき、分り易い説明に努めますとともに、大町病院において、来月から約600回の接種ができる体制の準備を進めております。
 
 このたび発表されました令和4年度地方財政計画では、地方の一般財源総額は、前年度比1.1パーセント、7,203億円増の63兆8,635億円が確保されました。このうち、地方税は、41兆2,305億円で、3兆1,503億円の増収を見込むとともに、原資となる国税収入の増収により地方交付税は、6,153億円増の18兆538億円となりました。また、財源不足額が大幅に圧縮されたことに伴い、臨時財政対策債は、3兆6,992億円減の1兆7,805億円に抑制されるなど、地方財源の確保に十分配慮された内容となっております。
 
 市の新年度の一般会計予算は、歳入歳出ともに総額173億2,000万円で、前年度予算に対し1.7パーセントの増となっております。また、水道・病院・国民健康保険など企業会計及び特別会計8会計の予算規模は、総額で120億6,300万円、前年度比0.3パーセントの減となり、一般会計と合わせ、全会計では、293億8,300万円となりました。
 新年度予算の全体的な特徴としましては、第5次総合計画における市の将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向けて、地域資源、地域特性を最大限に活かし、持続可能なまちづくりを目指すため、現下の最大の課題であります新型コロナウイルス対策に、粘り強く継続的に取り組むとともに、ソフト施策に引き続き厚く予算を配分し、ひとを育む施策の推進を図る予算編成に全力を尽しました。
 
 これまで市では、平成29年度から令和8年度を計画期間とする大町市第5次総合計画を策定し、基本構想に定めた将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現を目指し、まちづくりを進めてまいりました。
 特に近年は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気・雇用情勢の悪化や、人口減少・少子高齢化の進展に伴う社会経済情勢の急激な変化により、これまで以上に、持続可能な自治体経営と地域特性を活かしたまちづくりが求められております。
 自治体の経営環境は刻一刻と変化しており、市ではこうした前期基本計画策定後の時代の潮流を踏まえ、これまで後期基本計画の策定に取り組んでまいりました。本定例会におきましては、総合計画審議会でのご審議や、パブリックコメントによる市民の皆様からのご意見を踏まえ最終案をとりまとめ、本定例会にご提案申し上げることとしております。
 市が直面する様々な課題に対し、改めて「未来を育むひとが輝くまちづくり」を共通認識とするとともに、分野横断的な連携を図り、経済・社会・環境の三側面から持続可能なまちづくりに向けた取組みを着実に進めてまいります。
 
 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び新年度の主要な施策につきまして、第5次総合計画で定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次、ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 
 市内小中学校では、先月、児童・生徒に新型コロナウイルスへの感染が確認されたことを受け、大町保健福祉事務所等と協議のうえ、一部の学校において、学級閉鎖又は学年閉鎖を実施するとともに、教室等の消毒を徹底し、校内での感染防止に努めてまいりました。学級閉鎖等により登校できない児童・生徒に対しましては、ICT機器によるオンラインでの授業や家庭でできる学習課題を提供するなどして、学びの継続を図っております。
 学校におきましては、これまでも、国のガイドラインを踏まえて市が作成した「学校運営ガイドライン」に基づき、感染警戒レベルなどに応じて、行事や部活動などについて慎重に判断してまいりました。今後も基本的な感染対策や健康観察を徹底し、子ども達が安心して学習に取り組むことができますよう努めてまいります。
 
 令和5年の開校を目指す新中学校の名称につきましては、昨年10月から11月にかけ実施した校名募集に、158名の方から106件のご提案をいただきました。その後、学校再編準備委員会での検討を経て、先月の定例教育委員会において候補を絞り込み、総合教育会議において、教育委員会で選定された校名候補「大町中学校」を新校の名称とすることを確認しました。
 今後は、校名募集でいただいたご意見や、これまでの検討の過程で出された新中学校への期待の声などを大切にして、開校に向けた準備を計画的に進めてまいります。
 また、新中学校の施設整備につきましては、国の補助制度を活用し、特別支援学級のための内部改修や、給食室のアレルギー食に対応するスペースを増築するなど、具体的な準備を着実に進めてまいります。
 
 生涯学習の推進につきましては、先の全員協議会におきまして、第5次生涯学習推進プランについてご説明申し上げましたが、その後、パブリックコメントを実施し、いただいたご意見を踏まえ、来月10日に開催する生涯学習のまちづくり推進本部会議において、決定することとしております。
 プランでは、市民一人ひとりが、学びを通じて予測困難な時代を切り開き、協働の力で幸せな地域づくりを実現することを基本理念とし、社会教育をはじめ、あらゆる学びを包摂する総合的なプランとして、実効性の高い計画となるよう具体的な取組みを進めてまいります。
 また、学びの場となります社会教育施設には、建設から30年以上が経過しているものもあり、新年度では、大町公民館分室のエレベーター更新や常盤公民館の空調設備の整備、文化会館の非常用自家発電設備の更新等を計画しております。引き続き、施設機能の適切な維持・更新を図り、安全で快適な生涯学習環境の整備に努めてまいります。
 
 市立大町山岳博物館は、昨年11月、創立70周年の大きな節目を迎えました。これを契機として、改めて設立の精神に立ち返り、いっそう教育普及活動や調査研究の充実に努め、市民の生涯学習の拠点として、また、市の恵まれた自然環境や歴史・風土を理解いただく場として、幅広い活動を展開してまいります。
 近年、世界的な温暖化により各地で異常気象が観測され、自然環境の保全や脱炭素社会に向けたSDGsの取組みが注目されており、こうした動きを受け、新年度では、4月から7月にかけて「大きなみずがめとしての北アルプス、そして水のまち大町」と題し、水の循環や恵まれた自然と人の歴史的な関わりを、自然科学、人文科学の両面から考察する企画展を開催するとともに、併せてパネルディスカッションを計画しております。市民の皆様一人ひとりが故郷大町の未来について考え、行動する端緒となりますことを期待いたします。
 
 北アルプス国際芸術祭につきましては、昨年11月21日に51日間のアート会期を無事終了することができ、会期中の来場者は、感染防止対策として取り組みました健康チェックシートによる集計で、3万3,892人、受付のある19サイトでの受付人数は、延べ14万6,304人となり、改めて多くの皆様にご鑑賞いただいたと感じております。
 第5波に落ち着きが見えた時期の開催となり、また、専門家からご助言をいただき感染対策を徹底したことなどにより、結果として、会期中における感染事例は皆無で、安心・安全な環境の中で開催することができたものと考えております。
 現在、実行委員会では、決算見込み、事業報告書の作成と、評価・分析を進めており、このうち、決算につきましては、感染防止対策を含め新たな増加経費に対し、事業収入等の財源確保や経費の縮減に努めた結果、市に新たな負担を求めることなく、予算の範囲内で決算を取りまとめができる見通しとなりました。
 また、事業内容につきましては、コロナ禍での準備、運営となりましたことから、様々な面で制約があり、作品制作や運営面で市民の皆様と協働する場面を、なかなか作ることができなかったこと、また、多くのサポーターの皆さんのボランティア参加の希望を、受け入れることができなかったことが挙げられ、前回開催の経験を基に多くの皆様との協働を目指していただけに、誠に残念に思うところでございます。
 一方、経済波及効果につきましては、コロナ禍により疲弊した地域経済にとりまして、芸術祭の開催が一定の効果をもたらしたものと考えており、詳細につきましては、本定例会の全員協議会においてご説明申し上げます。
 また、来場された方は、北は北海道から南は沖縄まで全国各地からお越しいただいており、SNSやWebのアクセス数などを見ましても、着実にファンを増やし、北アルプス国際芸術祭のブランディングは、着実に歩みを刻んでいることを実感しております。
 
 スポーツの振興につきましては、冬季の市民スポーツ祭として予定しておりましたスケート大会及びスキー・スノーボード大会は、充実した大会となりますよう準備を進めてまいりましたが、新型コロナウイルスの急速な感染拡大により、やむを得ず中止いたしました。
 新年度におきましては、恒例の市民スポーツ祭や大町アルプスマラソンなどのほか、各種スポーツ教室の開催を予定しており、コロナの感染状況を見極め、市民の健康増進と競技力の向上に取り組んでまいります。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 
 地域の労働・雇用環境につきまして、ハローワーク大町が発表した大北管内の昨年12月の有効求人倍率は、1.33倍で、6カ月連続して1倍を上回る状況が続いております。
 また、雇用調整助成金につきましては、本県がまん延防止等重点措置の適用地域となりましたことから、営業時間の短縮等に協力する企業に対して、助成率を最大10分の10に引き上げる特例が、先月27日から来月31日まで適用されております。
 こうした中、県では、全県を対象にまん延防止等重点措置が適用されたことを受け、営業時間短縮の要請に応じた飲食店に協力金を支給しており、当市におきましても、県が交付する交付金を活用し、協力金の対象外となった第6波の影響を大きく受けている広範な分野の事業者への支援策について、急ぎ検討を進めております。
 
 これまで市では、事業者支援として、第3弾となります地域商品券「がんばろう!大町応援券2021」を、昨年11月15日より12月28日までの間に、2万3,012冊を販売し、今月10日現在の換金状況は、換金率99.5パーセント、2億2,900万円余となり、年末年始を中心に市内の消費喚起につながったものと考えております。
 このほか、県の「信州の安心なお店」の認証登録店における感染症対策への市の助成として、感染症対策店舗等支援金を交付しており、今月15日現在、56件に対し、423万円余を支給しました。「信州の安心なお店」の登録も、今月15日現在、152店舗と順調に増えており、申請期限を延長して市内店舗等の感染防止対策を進め、引き続き、市民に安心してご利用いただくための環境整備を支援してまいります。
 また、売上げの減少が30パーセント以上50パーセント未満の事業者への支援として、感染症対応中小企業者等特別応援金を支給しており、現在、64件の申請に対し、993万円余を給付しております。
 市の制度融資資金の感染症対策特別資金につきましては、今月17日に開催しました経済対策連絡会議において、商工会議所や市内金融機関から市内の経済状況を伺い、第6波による深刻な影響に鑑み、なお資金繰りが必要な事業者の資金需要に対応することが必要との提言を踏まえ、本年度末としておりました申込期限を半年間延長するとともに、金融機関の格別なご協力のもと、据置期間を1年延長することとし、引き続き市内事業者への支援を図ることといたしました。
 今後も国、県による経済対策と事業者支援の動向を注視するとともに、市内経済及び雇用への影響に柔軟に対応し、迅速な事業者支援に努めてまいります。
 
 観光振興につきまして、市内2カ所のスキー場では、昨年12月にまとまった降雪に恵まれ順調な滑り出しとなりましたものの、その後、感染症第6波の急激な拡大により、学習旅行のキャンセルが相次ぐ厳しい状況が続いております。これを踏まえ、市では、市内スキー場への誘客や市民の健康増進を目的として、今月11日から市民限定のスキー場リフト券割引キャンペーンを実施しております。
 また、大町温泉郷など市内宿泊施設におきましても、市独自の第4弾宿泊キャンペーンを利用したスキー客などの入込みが期待されましたが、感染症の拡大に伴いキャンセルが続出するなど、一段と厳しい状況となっております。大町温泉郷は、重要な観光の宿泊拠点であり、地域経済と雇用の重要な役割を担っておりますことから、旧酒の博物館を活用した新たな賑わいの場の創出に試行的に取り組むとともに、大町温泉郷未来検討会議を立ち上げ、温泉郷の事業者等を中心に、将来に向けた検討、協議を進めることとしております。
 春の観光シーズンの幕開けとなります立山黒部アルペンルートは、例年どおり、4月15日の全線開通を予定し、現在準備を進めております。昨年の入込みは延べ30万5千人と、感染症の影響により、一昨年に続く厳しい結果となりましたが、本年開催される善光寺御開帳や、諏訪の御柱祭を観光誘客の好機と捉え、関係機関、団体と連携を図り、誘客に取り組んでまいります。
 更に、サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場の体験型施設が、本年5月にオープンしますことから、4月、新たに「大町市SDGs学習旅行誘致協議会」を発足し、水を起点に市内でSDGsを推進している事業者と連携し、積極的に誘客活動を展開いたします。
 なお、本年度、市の観光の将来の姿を見据え、観光振興策の具体的な指針となる実行計画として策定を進めております、次期大町市観光振興計画につきまして、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 大町市農業振興計画につきましては、市の農業、農村を取り巻く様々な課題に対応し、地域の特性を活かした農業の振興により、将来の目指すべき姿を明確にするとともに、これを実現するための施策を総合的かつ計画的に推進するため、鋭意策定を進めてまいりました。
 計画では、市の農業の将来像を「豊かな水を活かした 農業・農村を守り育み 次世代へ」とし、今後、この基本施策に沿って農業の振興に取り組むことといたします。計画期間は、第5次総合計画後期基本計画に合わせ令和4年度からの5年間とし、農業を取り巻く情勢の変化に即応して見直しを図ることといたします。
 この度、農林水産振興審議会から答申をいただき、年度内に決定し公表することとしております。
 
 米の生産対策につきまして、令和3年産米は、生産者や集荷業者等、関係団体の取組みにより、生産調整の目標を達成することができ、また、4年産米については、今月行われた地域農業再生協議会の書面決議により、生産調整の目安値が、昨年に比べ326トン減の8,235トンと決定され、面積換算では、51ヘクタール減の約1,341ヘクタールとなりました。
 米の需要は、食の多様化や人口減少などにより、全国で毎年約10万トン減少しておりますことに加え、コロナ禍による過剰在庫の発生により、米価は大きく下落しており、昨年にも増して、米の需給に応じた適正生産の推進が重要となっております。こうした中、稲作中心の営農形態の当市におきましては、生産者所得を維持確保するため、地域農業再生協議会を中心に生産者や集荷業者等の関係団体が連携して、よりいっそう需要に応じた米づくりの推進を図ってまいります。
 また、農産物等の輸出につきましては、農業者や事業者を構成員とする農産物等輸出協議会を中心に事業を進めており、このほど、香港において、大町産の米と水で炊いたおにぎりを提供する専門店が、新たに開店することとなりました。市では、恵まれた自然環境の中、北アルプスの良質な水に育まれた米などの情報発信を通じ、農産物等の海外における販路拡大やブランド化に努めてまいります。
 
 森林の振興につきましては、令和元年度より森林環境譲与税の交付が始まったことを受け、市では、2年度に作成した森林経営管理制度基本方針に基づき、防災及び水源涵養など、緊急に整備が必要な森林を選定し、本年度は、居谷里水源東部の森林の整備・保全をモデル事業としてスタートしております。
 更に、新年度からは、本格的な森林整備に着手するとともに、新たに市内林業事業者に対し、労働安全を図るための装備品、機械器具の整備や、技能講習、安全教育などに要する経費に対し補助するほか、公共施設への県産材の活用を通じて、林業の振興を図ってまいります。
 
 移住・定住促進事業につきましては、コロナの影響から首都圏での移住相談会やセミナーは、オンラインによるものが主流となり、当市におきましても、オンラインを活用して休日や平日夜間にも開催するなど、より多くの移住希望者との繋がりを作るため、工夫を凝らし、実施してまいりました。こうした取組みの結果、先月末までの移住者実績は、42世帯67人と、昨年と同水準のペースで推移しております。コロナ禍により地方への移住が志向されている好機を逃すことなく、移住希望者のニーズに応える丁寧な案内に努めてまいります。
 新年度から8年度までを計画期間とする第3期定住促進ビジョンにつきましては、これまで、庁内におけるこれまでの施策・事業の検証に基づく課題の抽出と、今後の推進方策の検討を行い、市定住促進協働会議にお諮りするとともに、パブリックコメントにより多くの意見を伺い策定を進めてまいりました。
 新年度におきましては、このビジョンに掲げる「誰もが住みたくなる、住み続けたくなる、更には住んで良かったと思える」まちの実現を目指し、施策を積極的に展開してまいります。
 なお、定住促進ビジョンの概要につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 
 市立大町総合病院におきましては、オミクロン株によるコロナウイルス感染者の急激な増加を受け、入院、外来の通常診療に加え、感染症病棟の陽性患者等の受入れや、発熱外来の診察増加への対応とともに、3回目のワクチン接種などの業務が重なり、診療体制に負荷がかかっております。こうした中、藤本病院事業管理者を先頭に職員の皆さんには、感染予防の高い意識の下、業務に専念いただいておりますことに、深く感謝申し上げます。引き続き、感染症指定医療機関として、病院一丸となり重要な責務を全うしていただくことを期待するところでございます。
 令和2年度の病院事業会計の決算は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業補助金によるコロナ患者等の受入れに対応した、病床確保などに対する補てんもあり、5億1,500万円の純利益を計上することとなり、大幅な収支改善を図ることができました。本年度第3四半期までの医業収益につきましても、診療単価の向上などにより、1億4,000万円余の増収が確保されたことなどにより、昨年同期を上回っております。また、本年度の決算見込みにおける損益は、前年度と同様に利益を計上できるものと見込まれ、資金不足額、一時借入金ともに生じないものと考えております。
 また、医師の確保につきましては、昨年11月に産婦人科と整形外科の医師2名が着任し、更に、本年4月には、感染症を専門とする内科医と、総合診療内科の医師など、合わせ4名が着任いたします。また、6月には循環器内科の専門医が着任することとなり、常勤医師数は、昨年度当初の22名から6名増の28名へと増員が図られることとなりました。
 このため、新年度予算におきましては、医師の増加等に伴い1億8,000万円余の医業収益の増収を見込み、純損益約4,000万円を計上し、経営の安定と内部留保資金の確保にいっそう努めてまいります。
 一昨年11月から休止しております産科診療につきましては、本年4月から分娩を再開する運びとなりました。再開に向けご尽力いただきました関係の皆様に心より深く感謝申し上げます。これまで地域の皆様には大変ご不便をおかけいたしましたが、今後、大北医療圏唯一の周産期医療機関として、安心安全な産科医療の提供に努めてまいります。
 コロナウイルス感染症の収束はなお不透明であり、医療機関の受診動向にも変化が想定されますが、今後は、国のガイドラインに基づき経営強化プランの策定に取り組み、収益確保と経費縮減の両面から収支の適正化にいっそう努めることにより、持続可能な地域医療提供体制の堅持を目指してまいります。
 なお、病院事業会計の本年度第3四半期までの経営状況等につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 福祉分野におきましては、国の生活困窮者等への10万円の臨時特別給付金について、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、様々な生活上の困難に直面している方々への速やかな支援を図るため、住民税非課税世帯やコロナ禍による家計の急変世帯で要件を満たす世帯に対し、早期に給付できますよう準備を進めております。
 なお、市の地域福祉推進の指針として、様々な福祉に関する計画の上位に位置づけられる第4次大町市地域福祉計画の策定を進めており、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 国民健康保険につきましては、平成24年度の改正以来、税率を据置いてまいりましたが、昨年3月、県が示した国民健康保険運営の中期的改革方針に従い、将来的な保険税率の統一に向けた最初のステップとして、資産割の段階的な廃止と、均等割・平等割を標準保険税率に近づけるため、国民健康保険税条例の改正案を本定例会に上程いたしております。
 加入者1人当たり、平均で年額2,071円の負担増となりますが、国民健康保険の安定的な運営のために必要な改正であり、被保険者の皆様にご理解いただくとともに、今後も健全な国保財政の運営に努めてまいります。
 
 消費生活センターにつきましては、平成28年度から、連携自立圏事業により体制を拡充して広域的にとりくんでおり、昨年12月末現在の圏域5市町村の消費生活に係る相談件数は160件と、前年度同期と比べ12件の減となっております。
 一方、特殊詐欺被害につきましては、県内では電話による高齢者の被害が多発し、昨年中の被害認知件数は、暫定値で155件、前年に比べ30件の増となっております。当市におきましては、こうした事例は確認されておりませんが、深刻化する特殊詐欺被害を未然に防止し、安心、安全な暮しを守るため、新たに65歳以上の方を対象に、被害の未然防止機能付の電話機などの購入に対する補助制度を創設し、所要の経費を新年度予算に計上いたします。
 今後も、警察署や県消費生活センター等と緊密に連携し、特殊詐欺の被害防止の啓発の強化を図るとともに、相談機能のいっそうの充実に努めてまいります。
 
 災害に強いまちづくりにつきましては、国の住宅・建築物耐震改修等に係る補助制度を活用し、引き続き住宅の耐震診断及び耐震改修を積極的に推進いたします。特に、倒壊の恐れのあるブロック塀等の解体・撤去を促進するため、従来の市のまちなか減災対策生け垣緑化促進事業補助金について、国の制度との整合を図り、新たな助成制度により安全性の向上と緑化を推進することといたしました。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 
 水道事業につきましては、給水人口の減少に伴い、給水収益が減少傾向にある中、経費の抑制に努め経営の効率化を図ることにより、安定した経営を維持しております。
 また、水道施設の整備につきましては、電気計装設備や送配水管の耐震化等、計画的な施設更新や水源の保全対策を順次進めており、新年度におきましても、送配水管の耐震化や老朽化した三日町配水池築造計画に伴う調査と浄水装置の整備を進め、安全な水道水の安定供給に努めてまいります。
 
 温泉引湯及び供給事業につきましては、安定供給を図るため、老朽化施設の更新を計画的に進めており、新年度におきましても、機械装置や配湯管の更新工事を予定しております。
 なお、コロナ感染症第6波により、温泉受湯者はホテル・旅館などの配湯先からの利用料収入が激減し、事業経営に深刻な影響が生じているため、受湯者の安定経営に資するよう、収入の減少幅に応じて減免措置を行うこととし、これらの経費に係る補正予算を専決し、本定例会にご報告申し上げます。
 
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の大町市街地ルートにつきましては、昨年9月に、県より約100メートル幅の3つのルート帯案と評価項目案が示され、市内3地区で計6回の説明会を開催し、市民の皆様の意見をお聞きするとともに、インターネットにより広く意見募集が行われ、昨年12月定例会全員協議会におきまして、これら意見の内容が県より報告されました。また、計画に対し、市民団体などから県に対して意見の提出を求めること等の陳情書が12月定例会に提出され、不採択となりましたが、陳情の願意を踏まえた意見書が議決され、県に提出されております。
 今月3日の全員協議会では、県から、これら住民意見や市議会の意見書への対応について、今後、より丁寧な説明に努めるとの考えが示されたところでございます。
 本定例会全員協議会では、県が示す3つのルート帯案における具体的な評価方法や内容につきまして、大町建設事務所からご説明を受けることとしており、市としましても、最適なルート帯案の早期選定に向け、地域の皆様の合意形成が図られますよう、引き続き、県と一丸となり力を尽くしてまいります。
 
 持続可能な都市構造を目指すコンパクトシティの形成につきましては、昨年度より大町市立地適正化計画と緑の基本計画の策定に着手しており、このうち、立地適正化計画では、人口集積や利便性が高いエリアの用途地域内に、新たな都市機能施設の立地や居住を促進する都市機能誘導区域と、人口密度の維持を図るための居住誘導区域を設定しました。また、安全なまちづくりに必要な対策等を位置付ける防災指針について、庁内各部局の施策や計画との整合を図り検討を進めております。
 緑の基本計画では、緑や水が持つ多様な機能を積極的に活用し、中心市街地における防災力の向上や豊かな居住環境の実現を図るため、立地適正化計画の誘導区域を緑化重点区域に位置付け、市が目指す都市構造を「緑」の面から支える仕組みづくりの検討を進めてまいりました。
 昨年12月に実施いたしましたパブリックコメントなど、市民の皆様の様々なご意見等を踏まえ取りまとめた両計画(案)につきまして、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 市営住宅の新設につきましては、利便性、住み易さ、安全性などの客観的評価に加え、まちづくりの観点などの総合的な評価により、建設候補地を6カ所に絞り込み、その後、庁内関係課長で組織する検討委員会での検討を踏まえ、その中から優先して用地交渉を進める、候補地1カ所を選定いたしました。今後、建設場所の早期決定に向け、引き続き取組みを進めてまいります。
 なお、進捗状況につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 北アルプス地域自転車活用推進計画につきましては、昨年度より県が主導し、管内5市町村が共同で策定を進めており、安全・安心、利用環境の向上、健康長寿・脱炭素及び、観光振興の4つの目標を掲げ、圏域の地域資源を活かしたサイクルツーリズムの推進を図るもので、現在、観光事業者や有識者等で構成する協議会での意見等を踏まえ、具体的な施策の取りまとめを進めております。計画(案)の内容につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 市道の除雪につきましては、昨年12月中旬から1月中旬にかけ、まとまった降雪があり、市内全域で除排雪を実施し、市民の皆様の安全の確保に努めた結果、先月末時点における除排雪経費等の総額は、2億8,000万円余となり、昨年同期と比べ約1.3倍に上っております。このため、これらの経費に係る補正予算を専決し、本定例会にご報告申し上げます。
 引き続き、降雪により市民生活に支障が生ずることのないよう、除排雪体制の維持に努めてまいります。
 
 下水道事業につきましては、上下水道事業経営審議会において、下水道使用料の改定についてご審議いただいており、現在、答申に向け検討が進められております。
 新年度におきましては、下水道施設のストックマネジメント実施計画に基づき、大町浄水センターの老朽化施設の改築更新に係る実施設計のほか、雨水管渠の排水能力向上対策工事の設計等を予定しており、計画的な施設の更新を推進してまいります。
 
 ごみ処理広域化につきましては、北アルプス広域連合による白馬山麓清掃センターの解体撤去工事が、整地工事を除き昨年12月に終了し、年末年始の降雪により工程に若干の影響が生じておりますが、予定どおり、新年度の白馬リサイクルプラザ建設に着手できますよう事業の進捗を図ることとしております。
 
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、事業者の新たな脱臭設備の導入に向けた事業計画案が、近々、地元地区に提案される見通しとなっております。地元地区では、早期の臭気改善に向け新たな設備の導入に大きな期待を寄せており、引き続き、県との連携を図り、確実な計画内容となるよう助言、指導に努めてまいります。
 地球温暖化対策実行計画区域施策編の策定とともに検討を進めておりました、「大町市ゼロカーボンシティ宣言」につきましては、今後の方針などを含め、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることといたします。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 
 市民活動の促進につきましては、昨年12月に市民活動団体の主催による「ぼくらの市民活動フォーラム」が開催され、約150人にご参加いただきました。
 また、ひとが輝くまちづくり事業では、新年度の申請受け付けを前に、現在、事前相談を行っております。こうした取組みにより、市民が主体となる活動が積極的に進められ、市民の参画と協働のまちづくりがいっそう活発に展開されることを期待しますとともに、コロナ禍により市民活動が停滞しがちな中、引き続き、地域課題の解決などに取り組む市民の皆様の、継続的なまちづくり活動を積極的に支援してまいります。
 
 人権政策につきましては、新型コロナウイルスに感染された方や、そのご家族、医療従事者、更には感染者が確認された施設や店舗等に対する誹謗中傷が全国的に大きな問題となっております。このような誹謗中傷が決して行われることのないよう、これまで市長メッセージにより、繰り返し市民の皆様に良識に基づく冷静な行動をお願いしており、今後も引き続き、人権擁護委員をはじめ関係機関、団体と連携して、コロナ禍における差別や偏見をなくすための人権教育と啓発に努めてまいります。
 
 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と、新年度予算を含め今後の執行方針についてご説明申し上げました。年度終盤に向け、本年度計画いたしました事業が完了できますよう、全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件3件、事件案件2件、条例案件9件、予算案件15件の合計29件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。


 

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