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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和3年6月定例会市長あいさつ

令和3年6月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和3年大町市議会6月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。 
 
 はじめに、新型コロナウイルス感染症につきまして、国は、4月25日、感染が拡大している4都府県に、更に先月12日以降、これに6道県を追加し、合わせて10都道府県に3度目の緊急事態宣言を発令しましたが、依然として全国で感染者は増減を繰り返しており、予断を許さない状況が続いております。こうした厳しい情勢を背景として、28日には、当初31日までとしていた9都道府県の宣言の期限を、今月20日まで延長することが決定されました。
 本県におきましても、4月8日に全県を対象として医療警報を発出し、先月21日には、従来より感染力が強いとされる変異株の感染例が増加する中、県下一斉に感染警戒レベルを特別警報Ⅰのレベル4に引き上げ、感染拡大防止対策の強化を図っております。
 
 感染防止の切り札とされるワクチンの接種につきまして、当市では4月18日から開始し、市内の開業医・診療所の先生方のご協力をいただき、現在、1週間当たり1,900回の接種が行える体制を整備し、進捗を図っております。また、65歳以上の高齢者の申し込み受付状況は、先月31日時点において、集団接種と個別接種を合わせ、9,042人の受付が終了しており、その比率は88.5パーセントに達しております。
 また、昨日時点で3,558人が1回目の接種を終了し、来月末までには、申し込まれた高齢者の2回目の接種が終了する見込みであります。
 今後は、64歳以下の方のうち、基礎疾患をお持ちの方と高齢者施設の従事者は今月22日から、申し込みの受付を開始するとともに、8月からは、現在集団接種を行っている市中央保健センターより規模の大きな会場を確保し、大北歯科医師会の先生方からもご協力をいただき、1日当たり最大750回の接種が行えるよう体制を強化いたします。また、新たに接種対象となりました12歳以上の方につきましても、スムーズに接種が受けられるよう接種計画を見直し、これまでの目標どおり、10月末までに希望される皆様の接種が全て完了するよう力を尽してまいります。
 
 内閣府が先月26日に発表しました月例経済報告によりますと、景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、個人消費や業況判断など、一部で弱さが増しているとし、3カ月ぶりに下方修正しました。
 先行きについては、感染拡大の防止策を講じる中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されるが、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある、としております。そして、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」等を具体化するため、令和2年度第3次補正予算及び令和3年度予算を、迅速かつ適切に執行するとともに、引き続き、感染状況や経済的な影響を注視し、予備費も活用して機動的に必要な支援策を講じていく、としています。
 また、ポストコロナを見据え、グリーン社会やデジタル化を推進し、地方の所得向上など、強い経済をつくり上げ、さらに、少子化対策など長年の課題にも答えを出すべく、今月中を目途に、「経済財政運営と改革の基本方針2021」等を取りまとめる方針を示しております。
 
 大町市第5次総合計画につきましては、平成29年度から令和8年度の10年間を計画期間として、基本構想に定める将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現を目指し、まちづくりを進めてまいりました。この間、新型コロナウイルスの感染拡大による景気・雇用情勢の悪化や、人口減少・少子高齢化の進展による各分野への影響など、市を取り巻く社会経済情勢の急激な変化により、市にはこれまで以上に持続可能な自治体経営と地域特性を生かしたまちづくりが求められております。
 こうした中、本年度をもって前期基本計画の期間が終了しますことから、前期の評価を的確に実施し、新型コロナウイルス感染症対策など新たな課題も見据えながら、後期基本計画の策定を進めております。策定方針につきましては、本定例会全員協議会において、ご説明申し上げることとしております。
 また、八坂・美麻地域において進めてまいりました過疎対策につきましては、本年4月1日からの新たな「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」の施行により、市全域が過疎地域に指定されましたことから、今後、夏を目処に県から示される方針に基づき、本年度中に新たな過疎計画の策定に取り組んでまいります。
 
 北アルプス国際芸術祭につきましては、8月21日から10月10日までの51日間を新たな会期として現在準備を進めており、先月15日から30日までの土曜日、日曜日には、新作を含む12作品を先行公開するプレイベントを開催し、県内を中心に入場者846人、受付を設置したアートサイトでの延べ人数は4,217人と、多くの皆様に鑑賞いただきました。また、これに合わせ、鑑賞パスポートの前売り販売も開始したところであります。
 更に、実行委員会では、「新型コロナウイルス感染症対策特別部会」により、先行公開したサイトでの感染防止対策を視察するなど、大町保健福祉事務所や医療機関等の皆様から、実地に即した専門的な見地からのご助言をいただき、感染防止対策の検討を進めております。具体的には、来場者の検温やアートサイトごとの入場者数の制限、施設・設備の消毒、二酸化炭素濃度の測定に基づく換気の徹底のほか、制作スタッフのPCR検査や毎日の体調チェックなどを想定しており、これらを感染防止対策マニュアルに盛り込むなど、徹底した感染対策を講じることといたします。
 これまでも申し上げてまいりましたが、芸術祭は市民の皆様や来場者、受け入れスタッフ等の安全・安心を最優先にしたものとするため、今後の感染状況に細心の注意を払い、刻々と変化する情勢を的確に見極め、臨機応変かつ迅速な対応に万全を期してまいります。
 5年前の平成28年、第1回芸術祭の開催を目指しておりました12月定例会におきまして、私は、大町市の衰退の流れに何としても歯どめをかけ、若い世代の皆さんに元気な大町を引き継ぐため、芸術祭を通じて市の活力の再生を図りたい、と述べました。このコロナ禍の中、当市におきましても、観光産業をはじめ地域経済にいっそう大きな影響が生じており、また、様々なイベントや行事、地域活動などが延期や中止となったことにより、人と人の繋がりやふれあいが希薄となり、今しか経験できない多くの貴重な機会が失われております。
 改めて、多くの皆様の知恵と工夫をいただきながら、元気な大町市を取り戻す契機となりますよう、入念に準備を進めてまいりますので、議員各位並びに市民の皆様のご理解、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。
 
 次に、本年度主な事業の進捗状況及び主要な施策につきまして、第5次総合計画で定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 
 市内小中学校の通学区域の再編につきましては、市立学校通学区域再編審議会において、昨年6月から7回にわたり慎重にご審議いただき、本年3月19日に教育委員会へ答申いただきました。
 この答申内容を踏まえ、これまでに2回の総合教育会議を開催し、学校再編の基本方針の確認や、学校再編基本計画案について協議を重ね検討を進めてまいりました。この結果、旧大町市内における通学区域の再編につきましては、中学校は2校を1校とすること。小学校は地域コミュニティとの整合を図る観点から、大町と平地区、常盤と社地区をそれぞれ1つの通学区域とすること。また、学校の設置位置につきましては、中学校は通学手段や現有の教室数などから、現仁科台中学校を活用すること。小学校につきましては、常盤・社地区においては、現大町南小学校を、また、大町・平地区においては、現第一中学校又は現大町西小学校のいずれかを活用すること、としております。
 開校時期について、中学校は令和5年度、小学校は令和7年度を目途とすることとし、更に八坂小学校と中学校については、施設分離型の小中一貫教育を進めることなどを内容として、学校再編基本計画案を取りまとめたところでございます。
 この再編計画案につきましては、今月下旬から来月上旬に、市内6地区で市民説明会を開催し、併せてパブリックコメントを実施するなど、市民の皆様への丁寧な説明と意見交換に努め、8月下旬には計画を成案として決定してまいりたいと考えております。また、計画決定後の9月には、引き続き、学校再編準備委員会を設置し、新校開校に向けた具体的な諸準備を進めていくこととしております。  
 なお、これらの詳細につきましては、本定例会全員協議会でご説明申し上げることとしております。
 
 小中学校におけるウイルス感染症への対応につきましては、変異株の感染者が増加しつつある中、感染の拡大には危機感をもって運営に当たっており、具体的には家庭において、毎朝、健康チェックカードにより健康観察をお願いするとともに、学校では、3つの「密」を避け、マスクや手洗い、換気など対策の徹底と同時に、地域の感染状況を踏まえ、学習内容や活動内容を工夫し、可能な限り授業や部活動、行事等の教育活動の継続に取り組んでおります。
 
 大町市制施行60周年・合併10年を契機として始まりました、姉妹都市東京都立川市との中学生サミットは、コロナ禍のため、本年3月、初めてオンライン形式で開催しました。今回は、双方の中学校の生徒会役員など約30人が参加し、立川市の生徒のコロナ禍でのデジタルツールを使った生活体験をもとに、そのメリット・デメリットなどについて、活発な意見交換を行い、相互の理解と友好を深めました。
 また、9月にはこの姉妹都市交流30周年を記念して、立川市の生徒を当市に迎え開催いたします。次代を担う立川市、大町市双方の中学生が、互いに膝を交えて未来を語り合う直接的な交流を通じ、相互の理解を深め、郷土への愛着を育くむ機会となりますことを期待しております。
 
 生涯学習の推進につきましては、コロナ禍により、大町地区運動会など、一部の事業について、やむなく中止や規模を縮小して開催するなど影響が生じておりますが、感染対策に十分配慮し、新たな生活様式に対応した開催方法を工夫し、可能な限り生涯学習活動の機会の確保に努めております。
 また、生涯学習施設の整備につきましては、夏場の熱中症対策として、公民館へのエアコン設置を計画的に進めており、本年度は、常盤公民館の学習室等へ整備することとし、来月末の工事完了を目指しております。
 これに伴う設備の向上に関連して、公民館条例の一部を改正する条例案を、本定例会へ上程しております。
 
 大町山岳博物館につきましては、本年11月、創立70周年を迎えます。この機会にこれまで担ってまいりました山岳博物館としての役割を改めて見直すこととし、将来展望に立ち長期的な視点から今後の博物館のあるべき姿を考え、検討することといたします。
 山岳博物館の基本理念は、当市の恵まれた自然環境の中で、人と自然が調和し、共生する山岳文化都市の形成を目的とした活動の推進であり、北アルプス山麓で培われてきた、自然や文化に関する調査研究を基礎として、資料の収集、保存を通じ、積極的に教育普及活動を進めております。
 本年度は、4月から来月まで「北アルプスに生きた動物の記録」展を開催し、これまで博物館が収集した数多くの資料の中から、哺乳類や鳥類の剥製を中心に展示しております。中でも大正時代に旧美麻村で捕獲されたトキの貴重な標本には、歓声をあげる家族連れの姿が見られるなど、70年にわたる博物館の調査・研究の積み重ねが実を結ぶ企画展となっております。
 今後は、更に市民要望を反映した運営に努めるとともに、SDGs未来都市として、山岳文化の創造と振興を担う拠点にふさわしい博物館の活動を目指し、いっそう力を尽して取り組んでまいります。
 
 文化・芸術の振興につきましては、本年開館35周年を迎えました大町市文化会館において、延期しておりますベートーヴェン生誕250周年を記念する「梯 剛之ピアノコンチェルトin北アルプス」を、9月4日に開催いたします。このコンサートでは、大北及び安曇野地域の合唱団を中心に、公募の市民による記念合唱団を結成し、オーケストラをバックに歌声を披露するなど、市民参加の公演を目指しております。
 こうした事業を通じて、市民の皆様が優れた芸術文化に親しむ機会の充実を図り、潤いのある心豊かなまちづくりのための拠点施設として役割を果たしてまいります。
 
 スポーツの振興につきましては、感染症の拡大により、昨年は、様々なスポーツ大会が中止を余儀なくされましたが、本年は、先月5日に約180人が参加して開催された市民ゴルフ大会を皮切りに、今月26日からは、夏の競技16種目で市民スポーツ祭が盛大に開催されます。
 また、生涯スポーツ振興の一環として、幼児期に体を動かす遊びにより運動感覚を養成する「運動あそび教室」をはじめ、身近にスポーツを親しむ様々な教室を開催し、市民スポーツの推進に努めてまいります。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 
 地域の労働・雇用環境につきましては、ハローワーク大町が発表しました大北管内の4月の有効求人倍率は0.82倍で、前月の0.91倍から0.09ポイント更に減少し、3カ月連続して1倍を下回る状況となりました。
 また、10人以上の人員整理は、引き続きなしの状況で、事業主都合による離職者数は35人で、うち市内事業者は7人となっており、市内事業主の皆様には、厳しい経営状況が続く中、市の制度融資資金や国の雇用調整助成金等を活用され、従業員の雇用維持に努めていただいております。
 なお、ウイルス感染症の影響により、特例措置が大幅に拡大されておりました雇用調整助成金につきましては、現在のところ、雇用情勢が大きく変化しない限り、8月以降、通常の水準に向けて、段階的に特例措置を縮小するとされております。
 市では、昨年度、止むを得ず中止いたしました大北地域合同企業説明会を、先月6日、市内において、市内12社を含む24の企業に出展いただき、来春卒業予定の学生約110人の参加を得て開催しました。
 市内の経済・雇用環境は、感染症の影響により、今後も引き続き厳しい状況が見込まれますことから、国、県による支援制度や経済対策の動向を注視するとともに、市におきましても、特に影響が顕著な観光、宿泊事業者や飲食店等に対する効果的な支援策について検討し、機動性を活かし実施に努めてまいります。
 市内飲食業者の支援として、2月末から3月末まで、多くの飲食店の出店により「がんばろう!大町テイクアウトフェア」を開催し、延べ12日間に、お弁当など約5,500個、販売額にして約370万円余を売上げ、また、第2弾となるゴールデンウイーク期間中の2日間のフェアでも、100万円余の実績となりました。
 改めて、ご購入いただいた市民の皆様に感謝申し上げますとともに、参加店舗からは定期的な開催の要望をいただいており、これに応え継続的に開催するため、所要の経費に係る補正予算を本定例会に上程いたしました。
 
 林業振興につきましては、新たに創設された森林経営管理制度に即して事業を推進するため、農林水産課内に森林振興係を設置するとともに、先月より森林経営管理支援員1名を配置し体制の強化を図りました。本年度におきましては、北アルプス地域振興局林務課の助言を得ながら、モデル地区を選定し森林所有者の意向調査を実施するとともに、境界の確定や森林整備の手法のほか、事業実施における課題等を把握、整理し、本格的な制度の運用を目指すこととしております。
 有害鳥獣対策のうち、特に被害が深刻な猿害の対策につきましては、捕獲を強化するため、昨年度から駆除対策専門員を配置するとともに、県の地域発元気づくり支援金を活用し、GPS発信機をサルに装着して群の動向を把握するシステムや、遠隔操作により開閉が可能な大型捕獲檻を導入いたしました。
 その結果、昨年度は300頭、本年度も先月中旬までに既に66頭を捕獲しており、市民の皆様からは、農地への出没が減少した、との声が寄せられております。今後も引き続き、猟友会の皆様と連携し個体数調整を進めるとともに、電気柵の設置や地域住民と連携した追払い活動などを組み合わせ、複合的な対策を講じて農作物被害の抑制に努めてまいります。

 観光につきましては、4月15日に全線開通した立山黒部アルペンルートの入込み数は、先月末現在、累計で4万3,857人となり、昨年同期に比較しますと増加しておりますものの、平年に比べ大きく落ち込み、また、首都圏や大都市圏などに発出された緊急事態宣言の影響を受け、大町温泉郷など一部の宿泊施設では計画休業を実施するなど、一段と厳しい状況が続いております。
 こうした中、市独自に計画しました春の宿泊キャンペーンは、全県に医療警報が発令されたことを受け、一時予約の受付を停止しておりましたが、県の「信州の宿 県民応援前売割」事業の実施に合わせ、宿泊施設における予約を再開いたしました。今後も、旅行需要が戻らないことが懸念される夏以降に向けて、引き続き、宿泊事業者等の事業継続を支援するため、第4弾となります宿泊キャンペーン事業に係る所要の経費を補正予算に計上したしました。
 また、観光誘客とともに、市内観光施設や飲食店等への支援策として実施する、第3弾信濃おおまち満喫クーポン事業につきましても、発売を延期しておりましたが、感染状況を考慮しつつ、来月3日から販売を開始することといたします。
 大町市観光協会につきましては、本年4月から「一般社団法人 大町市観光協会」として、新たなスタートを切ることとなりました。市といたしましても、来年度以降における観光振興と協会の発展、事業の推進を図るため、具体的な事業や推進体制の強化のほか、観光協会と行政のより機能的な役割分担等について協議検討を進めてまいります。

 移住・定住の促進につきましては、昨年度の相談窓口を通じた移住件数は、平成24年の事業開始以来最も多い47世帯、93名となり、移住者の年齢層も、定住促進ビジョンでメインターゲットとしております、20代から40代が63.4パーセントを占め、これまでの取組みに一定の効果が表れたものと受け止めております。
 本年度は、コロナ禍により対面でのセミナーや移住相談の開催が困難なことから、昨年度に引き続き、オンラインを活用することを基本に実施することといたします。昨年度は相談件数が減少しましたものの、これまでの対面方式とは異なり、遠方の皆様にも容易に参加いただくことができるなど、思わぬ成果に結び付けることができました。
 現下のコロナ禍にあって、人と人との繋がりを維持し、交流を図ることが極めて困難な状況が続いておりますが、工夫を凝らし、きめ細かな取組みにより移住・定住促進事業の積極的な展開に努めてまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 
 市立大町総合病院につきましては、本年4月より、新たな病院事業管理者として藤本圭作先生を信州大学からお迎えし、専門の呼吸器内科の診療の傍ら病院経営にご尽力いただいており、新たな視点とリーダーシップをご期待申し上げるところでございます
 平成30年度からの4年間を計画期間とする市立大町総合病院経営健全化計画につきましては、職員全員が一丸となり抜本的な経営改善に取り組んでいただいておりますが、コロナ禍による受診控えや定期的な受診の間隔の延長などにより、昨年度末の医業収益は、2億3,000万円余の収益減となり、前年度を大きく下回っております。
 一方で、医業外収益として、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業補助金による、コロナ患者受入れの病床確保等に対する経費補てんなどもあり、決算見込みにおける病院事業収益は、前年度と比較して約2億円の増加を見込んでおります。
 費用面では、全職員の協力を得る中、緊急的な措置として給与費の継続的な抑制や、委託料、薬品などを中心に経費の削減を図り、病院を挙げて経営改善の取組みを進めました。この結果、純損益につきましては、5億円余の利益が見込める状況となり、資金不足額は、昨年度末において解消が図られたところでございます。
 なお、詳細につきましては、本定例会において専決による補正予算のご報告を申し上げますとともに、経営健全化の取組み状況について、全員協議会でご説明申し上げることとしております。
 大町病院は、圏域内唯一の感染症指定医療機関として、その重い責務を果すため県内感染患者を受入れ、また、発熱外来につきましても継続して設置・運営に力を尽していただいており、病院開設者として、そのお取組みに深く感謝申し上げますとともに、大町病院で進められるワクチン接種につきましても、円滑かつ早期に完了できますよう市として最大限の支援に努めてまいります。
 
 子育て支援につきましては、本年4月から、子育て支援課に「子ども家庭総合支援拠点」を設置し、妊娠期から子育て期における18歳までの全ての子どもと家庭に対して、切れ目のない継続的な支援を行う体制を整備いたしました。新たに庁内に個室の相談室を開設し、様々な悩みごとの解決に向け専門職員を配置し、関係部署との連携をより強化し対応を図っております。
 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う、子育て世帯への国の経済支援としまして、低所得のひとり親に対する、児童1人につき5万円の「子育て世帯生活支援特別給付金」について、専決により所要の経費を補正予算に計上し、先月11日の児童扶養手当支給に合わせ支給いたしました。
 また、低所得のひとり親世帯以外の住民税非課税の子育て世帯に対しましても同様に、経済支援のための給付金を支給するため、補正予算を上程しております。
 今後も引き続き、子育て世帯の経済的支援の充実に努めてまいります。
 
 防災対策につきましては、本年3月から4月にかけ、市西部を震源とする地震が発生し、市域では震度1以上の揺れが20回観測されました。このため、市のホームページと自治会を通じた回覧文書により、家具の転倒防止や非常持出品の確認、防災用品の確保や避難方法等の地震への備えについて、市民の注意を喚起するとともに、市の施設に対し、施設内の安全確認や避難誘導方法等を再確認するよう指示いたしました。
 当地域は、糸魚川-静岡構造線断層帯上に位置しており、防災に関する情報を広範に収集し、市民の皆様に適切に提供できますよう努めてまいります。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 
 ニホンライチョウの飼育事業につきましては、環境省が進めるライチョウ保護増殖事業に協力し、現在、山岳博物館で飼育しておりますオス3羽、メス3羽のうち、1つがいの自然繁殖を計画しております。6月後半の雛の誕生に向け準備を進め、引き続き、ライチョウの野生復帰を目指して取り組んでまいります。
 また、博物館ではオス1羽、メス1羽のライチョウを、年間通じて公開展示しており、こうした取組みを含め、様々な催しやSNSなどによる情報発信を通じて、教育普及に努めてまいります。
 
 水道事業につきましては、本年2月18日に、市議会から、居谷里水源を中心に、水源と水質の保全に配慮した水の供給と継続についてご提言をいただいたところであり、これに対する具体的な対応策について検討を進め、本年度速やかに改善策を講じてまいります。
 
 立地適正化計画につきましては、拠点集約型の都市構造、いわゆるコンパクトシティの形成を目指し、昨年度より策定に着手しております。これまでに、庁内関係部局による検討委員会と、外部の専門的な見地からご意見をいただく検討委員会の2つの委員会を組織し、人口や土地利用など基礎的なデータの整理に加え、住民の暮らしやすさや都市施設のあり方等について、市民アンケート調査の結果などをもとに、課題の抽出を進めてまいりました。
 今後、誘導を図る都市施設等の立地について、関係部局による検討を進めるとともに、市民の皆様との意見交換を重ね、本年度末を目途に策定に取り組んでまいります。
 なお、これまでの検討状況につきましては、本定例会全員協議会でご説明申し上げることとしております。
 
 市営住宅の新設計画につきましては、庁内関係課長で組織する検討委員会において、中心市街地活性化基本計画に位置付けられた区域を中心に、検討を重ね、現在、基本的条件や評価項目に基づき建設候補地について11カ所まで絞込みを終了しております。引き続き、本年度中の建設予定地の決定を目指し作業を進めてまいります。
 なお、詳細につきましては、本定例会全員協議会でご説明申し上げることといたします。
 
 ごみ処理広域化につきましては、北アルプス広域連合が整備を進めてまいりました白馬リサイクルセンターの供用が、計画通り本年4月から開始されました。これに伴い、本年度は、これまで暫定的に資源物回収施設として使用しておりました旧白馬山麓清掃センターの解体工事に着手することとしております。
 3市村の一般廃棄物処理施設の統合に伴う施設整備は、環境への負荷の低減を図り、循環型社会の形成を進めるとともに、ゼロ・カーボンの促進にも繋がりますことから、引き続き、円滑な推進に努めてまいります。
 
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、事業者による新たな燃焼方式の脱臭設備導入に向けた地元地区との協議が進んでおり、事業者からは、県条例で定める事業計画概要書の提出のため、地元地区の同意を求める申し入れがなされております。これを受け、地元地区では、これまでの事業者からの説明を踏まえ、地域としての意思決定に向けた検討を更に進めることとしております。
 市としましては、県の見解などを伺いながら、新たな施設の導入に向けた検討が適切に進められるよう支援するとともに、引き続き、臭気測定などにより、臭気の低減に向けた監視、指導を続けることといたします。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 
 市民の参画と協働によるまちづくりの推進につきましては、市民の皆様の自主的なまちづくりを支援する「ひとが輝くまちづくり事業」の公開審査会を、4月17日に市文化会館大ホールで開催し、3団体に対し209万円余の助成が決定されました。
 このほか、身近な地域の課題やまちづくりに取り組む「はじめようまちづくり活動」などで、9団体に148万円余、また、花づくりを通じた地域のコミュニティ活動と環境美化に取り組む「花づくり活動事業」で、24団体に263万円余の助成をそれぞれ決定しております。
 本年度は、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、身近な地域の課題に対応して、比較的規模の小さな活動に新たに取り組む団体から申請をいただきました。
 新型コロナウイルス感染症の影響から、地域活動や市民活動が思うように進めることが困難な状況にはありますが、市民の皆様自らが、積極的にまちづくりに取り組んでいただけますよう、支援に力を尽してまいります。
 
 SDGs未来都市の選定に伴い、昨年9月に策定しましたSDGs未来都市計画では、将来ビジョンをはじめ、SDGsの推進に資する取組みや推進体制などを定め、市民が主体となり産学官金のパートナーシップの力を活かし、2030年のあるべき姿の実現を目指して、SDGsが掲げるゴール・ターゲットの達成に向けた取組みを積極的に推進することとしております。
 これを受け、昨年12月に立ち上げました産学官金連携パートナーシップ「みずのわプロジェクト」のアクションプランを、昨日、発表いたしました。今後、市民の皆様には、このアクションプランに基づく様々な取組みにご参画いただくとともに、SDGsに対する理解を深めていただきますよう、広報誌やケーブルテレビを活用した広報、啓発に加え、シンポジウムやワークショップなどの開催を予定しております。
 市民の皆様や事業者をはじめ、多様な立場や広範な分野の皆様とともに、新しい価値を「共」に「創り」あげ、「みずのわプロジェクト」の取組みが「大きな輪」となって拡がり、協働の輪が育まれることを期待しております。
 
 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と、今後の執行方針についてご説明申し上げました。年度中盤に向け、本年度計画いたしましたそれぞれの事業が円滑に推進できますよう、今後も全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件12件、人事案件1件、条例案件1件、予算案件1件の合計15件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
 

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