menu close
  • サイトマップ

  • 文字サイズ

  • 音声読上げ

  • 言語選択

  • サイト内検索

ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和6年6月定例会市長あいさつ

令和6年6月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和6年大町市議会6月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 
 はじめに、北アルプス国際芸術祭につきましては、先の3月定例会においてご報告申し上げましたとおり、3月中旬に東京代官山におきまして首都圏企画発表会を開催し、また、下旬には大町公民館分室において、地域協創セミナー「北アルプスまほろば塾」の特別版として、市民の皆様に向けて企画発表会を開催したところでございます。この2回の企画発表会では、北川総合ディレクターから、それまでに選定したアーティストが発表されたほか、公式レストランを運営するYAMANBAガールズの皆さんによる試食会などが行われました。
 続いて今月1日には、長野県立美術館におきまして、開幕100日前イベントを開催し、参加アーティストとして、新たに5組が発表され、パフォーマンスなどのイベントを含め、11の国と地域、総勢36組のアーティストが固まるとともに、芸術祭における県との連携事業として「ザワメキアート展」の開催が発表されました。また、トークイベントでは、信州アーツカウンシルのアドバイザー石川利江さんの進行の下で、長野県文化振興事業団の吉本光宏理事長と北川総合ディレクターにより、北アルプス国際芸術祭の魅力や地域づくりについて対談していただいたほか、ボランティアサポーター説明会が行われました。
 いよいよ3カ月後に迫りました芸術祭の開催に向け、雄大な自然や清冽な水、歴史や食文化など、大町の魅力を質の高いアートを通して全身で体感していただくため、更に多くの来訪者に大町市を訪れていただきますよう、準備をいっそう本格化させてまいります。
 なお、芸術祭の企画概要及び、先月10日の芸術祭実行委員会総会において決定されました、2023年度事業報告及び決算報告、2024年度補正予算につきましては、本定例会全員協議会におきまして、ご報告申し上げることとしております。
 
 次に、本年度市制施行70周年を迎えるに当たりましては、70周年記念に係る事業の実施により市の活性化を図ることを目的に、議会をはじめ市内各団体の皆様にご参画いただき、実行委員会を3月28日に発足させ、事業計画を決定いたしました。
 計画では、北アルプス国際芸術祭2024会期中の10月5日に、文化会館において70周年記念式典を開催するほか、年間を通じ市民団体等とともに企画運営する、多彩な70周年記念事業を実施することといたします。また、この記念の年を祝う機運が盛り上がりますよう、先月2日、周知を図る懸垂幕を市役所敷地内に掲示するとともに、今月中に中央通りを中心に市内各施設に記念のフラッグを掲出いたします。
 
 こうした中、50年に亘り地域の歴史を守る活動に取り組んでこられた西山城址保存会が、先月、記念の歴史講演会を開催されましたほか、木舟城研究会におきましても研究者を招いた見学会を開催されるなど、地域の誇りと愛着に結び付く地道な取組みが、既に市内各地で進められております。
 市制施行70周年並びに水道事業100周年を迎えるに当たりましては、先人たちが今日まで営々と文化や歴史、社会基盤を築き上げてこられたことに、深く敬意を表し心より感謝申し上げますとともに、これらの地域資産を守り、磨き上げる活動を担う「人」を固有の財産として、更に後世に伝え、郷土愛の醸成に繋がりますよう取り組んでまいります。
 
 次に、本年度の主な事業の進捗状況につきまして、第5次総合計画で定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 
 小学校再編に伴う施設の改修につきましては、大町北部小学校となります旧第一中学校の大規模改修工事の発注に向け、事務手続きを進めており、2年の工期をかけ、令和7年度の完成を目途に早期の工事着手を目指してまいります。
 また、大町南小学校を活用して開校する、大町南部小学校につきましては、既存施設を活用する整備を基本として、本年度、施設の劣化度調査を行い、必要な改修について検討を進めてまいります。
 
 小中学校の照明設備のLED化につきましては、これまでに、大町中学校の全教室と共用スペースの切替えが完了し、引き続き、体育館及び給食棟について、学校の活動に影響が及ぶことのないよう、夏休みの期間中に実施することといたします。
 また、旧第一中学校の体育館アリーナのLED化は、9月中旬に行うこととしており、美麻小中学校及び八坂小中学校の前期、後期の校舎においても、本年度内に照明の切替えを実施するよう、準備を進めてまいります。
 
 立川市との姉妹都市交流につきましては、本年度10周年を迎え、来月13、14日の両日、当市の中学生が立川市を訪問し、中学生サミットを実施することとしております。
 サミットは、両市の生徒が集い交流と相互理解を深めるとともに、未来を託す子ども達の健やかな成長と、両市の親善を図ることを目的に始まりましたが、今後いっそう、将来に繋がる実りある交流となることを期待いたします。
 
 また、コロナ禍が終息し、昨年度ようやく再開しました、メンドシーノとの姉妹都市交流につきましては、5年ぶりに今月27日から6日間、メンドシーノの中学生6名と、コロナ禍で来日できなかった高校生21名など、合わせて37名が、当市を訪れます。引き続き、この異文化交流により、相互の友好な関係が更に深まりますよう努めますとともに、生徒達の交流が時代を超え、次の世代にも受け継がれますよう、力を尽してまいります。
 
 文化、芸術の振興につきましては、今月8日、市文化会館において、第23回北アルプス雪形まつりのステージ発表が行われます。本年の干支が竜であり、清らかな水に育まれる当市の風土にちなみ、「水が生まれるまちの物語 泉小太郎伝説」と題して、泉小太郎の物語をテーマにした雪形ステージが上演されます。また、応募いただいた子ども達の詩や絵画、短歌や俳句の多くの作品を発表し、大いに雪形まつりを盛り上げていただきたいと考えております。
 
 文化芸術振興条例の制定及び文化芸術振興計画の策定につきましては、今月13日、第2回文化芸術振興審議会を開催し、条例及び計画それぞれの素案の検討に着手いたします。また、検討に当たりましては、若い世代の皆さんの声を広く聴く機会を設け、様々な文化、芸術の体験活動を含むワークショップ等を実施することとしております。
 
 スポーツの振興につきましては、昨年度見直しました、第2期大町市スポーツ推進計画に基づき、市民スポーツ祭や大町アルプスマラソン、大北スポーツ競技会などの大会のほか、各種スポーツ教室等を開催し、これらの機会を通じて市民の健康増進と競技力の向上を図るとともに、大町市スポーツ協会との連携の下、各競技団体の支援に力を尽してまいります。
 また、令和10年に開催されます第82回国民スポーツ大会及び、第27回全国障害者スポーツ大会につきましては、本年度から施設の整備に着手することとし、サッカー競技会場となります運動公園サッカー場と陸上競技場におきましては、それぞれ管理棟の建て替えを2年計画で進め、本年度は既存施設の解体を予定し、関連する予算を補正予算に計上し、本定例会に上程いたしております。
 大会運営につきましては、9月に準備委員会を立ち上げ、運営計画の策定やボランティアなどの人材の確保と育成のほか、広報計画等の準備を進めることといたします。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 
 経済状況につきましては、政府が5月27日に発表した5月の月例経済報告では、景気は緩やかに回復しており、個人消費や輸出は持ち直しに足踏みがみられるが、設備投資には持ち直しの動きがみられ、雇用情勢は改善の動きがみられる、としております。
 先行きについては、雇用、所得環境が改善する下で、政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されるが、世界的な金融引締めの影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価の上昇や中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、更に、能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある、としています。
 また、政府は政策の基本として、30年来続いてきたコストカット型経済から、持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済へ変革するため、令和5年度補正予算及び本年度予算を迅速かつ着実に執行するとともに、「(仮称)経済財政運営と改革の基本方針2024」等を取りまとめることとしており、当市におきましても、こうした国の動きに適切に対応してまいります。
 
 労働、雇用環境につきましては、ハローワーク大町が発表した、大北管内の4月の有効求人倍率は1.20倍で、前年同月と比較し0.08ポイント減少し、新規求人数は348人で、前年同月と比較して3.9パーセントの減となっております。
 現在も企業の人手不足が続き、雇用情勢は堅調に推移しておりますが、中でもインバウンド需要が好調であることから、観光に関連する宿泊業や飲食業は特に堅調となっており、また、企業においては後継者育成のため、若手を中心とした採用の動きが見られており、今後も労働、雇用状況の把握に努めてまいります。
 
 昨年度から実施しております、プレミアム付大町商品券事業につきましては、市民の皆様から22,630冊余の商品券を購入いただき、先月末をもって終了いたしました。これまで6回に亘り、商品券を発行してまいりましたが、家計の応援に加え、市内における消費の回復に向けた支援に繋がったものと考えており、引き続き、地域経済の回復に向け必要な支援に努めてまいります。
 
 大町やまびこまつりは、昨年度、コロナ禍を乗り越え4年ぶりに開催しましたところ、大勢の皆様にご参加いただき、大いにまつりを盛り上げていただきました。第46回の本年は、8月3日に開催する運びとなり、また、これまで前日に開催しておりました、大町市商店街連合会主催による、ゆかたまつりにつきましても、同時開催することとなり、多くのご参加により、活気溢れるまつりとなりますよう、準備を進めてまいります。
 
 観光振興につきましては、4月15日に全線開通した立山黒部アルペンルートの入込み数が、先月末現在、累計で24万人と、前年比10.3パーセントの増となりました。コロナ禍前と比較し約9割まで回復しており、これは、台湾を中心とするインバウンドの好調によるものと分析しております。
 本年度は、トロリーバスが営業運転を開始してから、60年という節目の年を迎え、昨年の「くろよん60」に続き、洗練されたデザインのメインビジュアルを制作し、フラッグをはじめ、ポスターやチラシ、WEBなどに展開するとともに、これを活用した記念のお土産品を発売するなど、来訪者の満足度向上を図り、誘客宣伝やおもてなしイベントの開催を通じて、関係者一丸となり誘客の促進に取り組んでまいります。
 二次交通対策につきましては、本格化する観光シーズンに向けて、JR東日本が、来月から9月まで長野エリアを重点販売エリアとして、利用促進を図ることとしており、これを好機と捉え、北アルプス国際芸術祭の会期中に、市街地エリアの信濃大町駅を中心に、ダム、源流、仁科三湖及び東山の、4つのアートエリアを結び周遊運行する二次交通を整備し、来訪者の利便性の向上を図ります。実施に当たりましては、県の地域発元気づくり支援金を活用し、JRと連携した観光誘客と地域の元気再生に取り組んでまいります。
 
 一方で、高瀬渓谷七倉駐車場と高瀬ダムを結ぶ、新高瀬川発電所管理用道路につきましては、3月26日に斜面上部からの落石が確認されて以来、交通規制が継続され、タクシーの乗り入れによる観光客の受け入れができない事態となっております。現在、道路管理者の東京電力リニューアブルパワーにおいて、復旧に向け関係省庁への手続きを進めておりますが、これから本格化する夏山登山、行楽シーズンへの影響が避けられないことから、山小屋関係者等との情報共有を図り、観光客や登山客への情報提供に努めるとともに、早期に通行が再開できますよう、道路管理者や関係者との連携を密にし、積極的に取り組んでまいります。
 
 また、黒部宇奈月キャニオンルートにおきましては、能登半島地震の際の落石により黒部峡谷鉄道の鐘釣橋が被災したことから、一般開放の時期が当初10月1日頃に延期されておりましたが、現地調査の結果、誠に残念ではありますが、今シーズンは全線開通ができないことが発表されました。
 なお、来年以降につきましては、黒部峡谷鉄道の全線開通の時期が示された段階で決定されることとなり、市としましても、関係団体等との連携を図り、今後の動向を注視することといたします。
 
 移住、定住の促進につきまして、市の窓口を通じて移住した人の数は、ここ数年、90人台で推移しておりましたが、昨年度は104人、70世帯となり、取組みを始めて以来、初めて100人を超える結果となりました。また、コロナ禍が明け、お試し暮らしや体験ツアーの参加者も増加しており、今後も、定住促進ビジョンに掲げた「誰もが住みたくなる、住み続けたくなる、更には住んでよかったと思えるまち」の実現に向け、いっそう取組みを強化し、地域の活力向上に繋げてまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 
 市立大町総合病院の診療体制につきましては、4月より初期研修医1名を含む6名の医師が新たに着任し、これにより、これまで1名で診療を行っていた産婦人科にも、新たに1名が加わり、婦人科関係の手術や入院治療が可能となるなど体制の充実が図られました。引き続き、臨床研修医の受入等を通じた若手医師の確保や、専門医の確保による医療機能の強化に努めてまいります。
 昨年度の決算見込みにつきましては、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、高額医薬品や衛生材料の使用量の増加に伴う材料費や、原油価格等の高騰に伴う光熱費などの支出が大幅に増加しましたが、大町病院経営強化プランに基づく経費節減の取組みや、新型コロナ感染症等の患者をはじめ、入院及び外来での積極的な患者受け入れなど、収益確保の取組みにより、約9,000万円の黒字を見込んでおります。
 新型コロナ感染症への対応につきましては、昨年5月8日より感染症法の位置付けが2類相当から5類に移行され、コロナ前の日常が戻りつつありますが、一方で、昨年夏から秋にかけ全国的に「第9波」の流行が発生し、県外の一部の地域では医療の逼迫や救急搬送を受けられない事態が生じ、更に、冬には「第10波」が到来するなど、依然としてオミクロン株の派生型により、感染者の増減を繰り返しました。
 こうした中、大町病院では、受診患者のうち60歳以上の方の占める割合が、入院で約80パーセント、外来で約70パーセントとなっており、患者の多くが複数の慢性疾患にり患していることに加え、かかりつけ医の機能も有しておりますことから、5類移行後におきましても、院内でのクラスター発生防止の観点から、移行前とほぼ同等の体制により診療を継続し、発熱外来では延べ約3,400人を診察し、このうち約1,000人の陽性判定を行っております。
 大町病院は、大北圏域唯一の感染症指定医療機関として、引き続き市民の皆様に予防と治療の両面から適切に対応し、感染症患者に接する職員を含め、全職員の感染症への対応に伴う心身への影響に配慮しつつ、各種新興感染症への万全な備えに努め、市民が安心して診療を受けることができる診療体制の維持に、力を尽してまいります。
 
 この秋から実施する、重症化リスクが高い高齢者等を対象とする新型コロナワクチンの定期接種につきましては、一部経費を市が負担するなど、所要の経費を補正予算に計上し、本定例会に上程いたしており、安全な日常を取り戻すことができますよう、早期の態勢の整備に取り組んでまいります。
 3年余に亘り猛威を振るってまいりました新型コロナ感染症が、通常医療での対応に移行した今後におきましても、場面に応じたマスクの着用やワクチン接種など、自主的な感染予防に心掛けるよう、引き続き、市民の皆様に協力を呼び掛けてまいります。
 
 令和6年能登半島地震に伴う支援につきましては、先の3月定例会の挨拶において申し上げましたが、このうち人的支援につきましては、先月末をもって一旦終結いたしました。この間、初期の人的支援として、大町病院のDMAT(災害派遣医療チーム)による医療活動のほか、北アルプス広域消防本部からの47名の隊員が、緊急消防援助隊として支援活動を実施したほか、市からも、対口支援として輪島市をはじめ、七尾市や羽咋市における災害廃棄物の処理や避難所での支援、家屋調査や罹災証明書の手続きのほか、給水支援などを行うため、27名の職員を派遣いたしました。
 また、中長期の支援として、被災した農業用施設の復旧のため、本年4月から1年間、姉妹都市氷見市に技術職員1名を派遣し、他の自治体からの応援職員とともに復旧復興作業の最前線で活動しております。
 これらの職員が、現地で直接見聞きし、自ら体験したことは、市にとりましても貴重な財産であり、そこで得られた教訓や課題を市の防災対策に活かすことにより、防災力の強化、充実に努めてまいります。
 
 国、県の補助制度を活用した、市の住宅・建築物の耐震化に対する補助事業につきましては、今回の能登半島地震による被災地での建物被害の発生に伴い、新年度に入り多くの申し込みが寄せられております。このため、更なる住宅等の耐震化の促進とともに、倒壊のおそれのあるブロック塀等の解体、撤去の積極的な推進を図るため、これに係る所要の経費を補正予算に計上し、本定例会に上程しており、よりいっそう災害に強いまちづくりに力を尽してまいります。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 
 ニホンライチョウの飼育、研究につきましては、現在、市立大町山岳博物館において、オス4羽、メス3羽の合計7羽を飼育しております。
 本年度におきましては、環境省及び日本動物園水族館協会の、ライチョウ保護事業の一環として繁殖させた雛を秋まで飼育し、成長したライチョウを、中央アルプスに野生復帰させることを計画しており、2組のつがいから得られた卵を孵卵器で温め、人の手で育てる人工繁殖を行います。雛が高山で生活できる腸内細菌相を獲得させるため、飼育、繁殖技術の向上に取り組んでまいります。
 
 本年、100年という大きな節目を迎える市の水道事業につきましては、来月2日、記念式典を毎年恒例の水源感謝祭の日に合わせて開催いたします。また、記念誌を製作するほか、10月には市民の皆様に参加いただき、居谷里水源や三日町配水池を巡る「水源ツアー」を計画しており、これまでの一世紀に亘る歩みを振り返りますとともに、水道事業への理解と関心を深め、後世に受け継がれるよう努めてまいります。
 また、本年度4月1日から開始いたしました、上下水道窓口業務の一部民間委託につきましては、業務が順調に進んでおり、今後も引き続き、お客様窓口サービスの維持、向上を図りますとともに、経営の効率化と経営基盤の強化に力を尽してまいります。
 
 持続可能なコンパクトシティの形成につきましては、都市計画マスタープランや立地適正化計画における、コンパクト・プラス・ネットワークの基本的な考え方を踏まえ、市内6地区での暮しを支える拠点の形成と相互の、ネットワーク化により、多彩な地域が繋がる大町市の将来の都市構造の整備方針を、令和4年度に策定し公表いたしました。
 これに加え、昨年度より、市の魅力に富んだ景観を守り育て、将来に継承されますよう、景観計画の策定と景観条例の制定を進めております。本年度は、有識者による検討委員会において、引き続き景観計画と景観条例の素案の検討に着手しており、この進捗状況につきまして、本定例会全員協議会でご説明申し上げることとしております。
 
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路につきましては、本年1月に、大町市街地区間における最適ルート帯を、Cルート帯とすることが県より発表され、続いて3月には、地区説明会においてルート帯について説明が行われました。
 本年度は、ルート帯から更にルート線を決定するための現地測量を実施し、概ねの道路構造を検討する予定と伺っており、市といたしましても、丁寧な説明に努め、早期に計画が進められますよう県とともに力を尽してまいります。
 また、松糸道路の整備が「事業準備段階」に移行しましたことから、この進捗状況を注視しつつ、「地域と共につくる個性豊かな賑わいの場」として、道の駅の検討を進めるための懇話会を開催し、関係分野の皆様からご意見を伺うことといたします。
 
 ごみ処理広域化につきましては、北アルプス広域連合において、旧大町市環境プラント焼却棟の解体工事を安全に進めるため、建屋外側の補強工事を行い約2カ月の工期延長を経て、先月31日に完了いたしました。引き続き、この跡地への大町リサイクルパークストックヤード棟の建設に着手しますが、施工に当たりましては、リサイクルパークを利用される皆様に、ご不便をお掛けすることのないよう、引き続き、万全の態勢の下、安全な施工に努めることとしております。
 また、令和4年12月に、地元高根町の皆様からご同意をいただきました、一般廃棄物最終処分場大町市グリーンパークの、第3期埋立地の整備につきましては、本年度、生活環境影響調査及び基本設計を実施することとしており、第3期の埋立への移行が円滑に進みますよう、更に進捗を図ってまいります。
 
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、事業者による施設の改善などにより、市が実施する臭気パトロールにおきましても、臭気の確認頻度が減少しており、引き続き、地元地区の意向を踏まえ、より良好な環境の構築に向け取り組んでまいります。
 なお、湯浅産業につきましては、4月から親会社の株式会社アース・コーポレーションに吸収合併され、名称が変更されましたが、引き続き地元の声にしっかり対応いただくよう、地元地区と連携し要請してまいります。
 また、清水地区の臭気対策につきましては、事業者から臭気対策を含む畜舎の改築計画について、地元地区のほか清水地区全体での説明会が開催され、地区の皆様から出された意見に対し、事業者も前向きに対応するとしており、改築計画の実現に向け理解が得られてきております。市といたしましても、この事業者の取組みに対し、引き続き、適切な指導、支援を行い、環境の改善に努めてまいります。
 
 再生可能エネルギーの普及促進につきましては、大町市太陽光発電設備の設置管理等に関する条例が、来月1日より施行されますことから、現在、広報やホームページなどで周知を図り、事業者に対し適正な設備の設置管理に努めるよう、指導に力を尽してまいります。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 
 市民の参画と協働によるまちづくりにつきましては、市民の皆様の自主的なまちづくり活動を支援する、ひとが輝くまちづくり事業の助成対象団体を決める公開審査会を、4月13日に文化会館において開催いたしました。
 プレゼンテーションでは、歴史や文化を通じふれあいを創出するなどの、地域の魅力を高める活動や、市制施行70周年に合わせ、地域の良さの再発見や郷土愛の醸成に繋がる取組みのほか、北アルプス国際芸術祭の開催に合わせ、市内外からの来訪者に地域の魅力を発信し、中心市街地のにぎわいを創出する取組みなどが発表されました。審査員8名による厳正な審査の結果、地域の課題や市民ニーズに沿った取組みを進める、「ひろげようまちづくり活動」の7団体に752万円余、また、市が提案するテーマに沿った活動に取り組む、「地域創生活動」の4団体に171万円余、合わせて11団体に923万円余の助成が決定いたしました。
 このほか、身近な地域の課題やまちづくりに取り組む、「はじめようまちづくり活動」の3団体と、花づくりを通じて地域のコミュニティづくりと環境美化を進める、「花づくり活動」の19団体、合計22団体に、264万円の助成を決定いたしました。
 なお、本年度は、市制施行70周年や9月に北アルプス国際芸術祭を開催する記念の年であることを踏まえ、市民の参画により更に盛り上げていただくため、現在、ひとが輝くまちづくり事業の2次募集を行っており、7月上旬に公開審査会を開催することとしております。
 こうした取組みにより、市民の皆様のまちづくり活動が積極的に展開され、節目となる市制施行70周年等を契機として、市民の参画と協働のまちづくりが、よりいっそう推進されることを期待いたします。

 人権政策の推進につきましては、これまで大町市人権教育及び人権啓発に関する基本方針に基づき、様々な取組みを推進してまいりました。
 このような中、近年、国内におきましては凶悪犯罪が頻発し、直接的な被害を受けるに止まらず、SNS等による二次被害を含め、被害の広がりが多様化しており、犯罪に伴う被害者への支援の重要性が高まっております。
 これを受け県内市町村におきましても、犯罪被害者及び家族等が安心して安全に暮らすために必要な、支援に関する条例を制定する動きが広がっており、当市といたしましても本年度中の条例制定を目指し、先月10日、人権擁護審議会へ諮問し、ご審議いただくことといたしました。条例制定の基本的な考え方等につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 以上、第5次総合計画で定めた各施策の進捗状況と、今後の執行方針についてご説明申し上げました。年度中盤に向け、本年度計画いたしましたそれぞれの事業が円滑に推進できますよう、今後も全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件13件、条例案件2件、予算案件2件の合計17件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

この記事へのお問い合わせ

庶務課秘書係 内線 507
E-mail: hisyo@city.omachi.nagano.jp

アンケート

より良いホームページにするため、皆さまのご意見をお聞かせください。
なお、お答えが必要なご意見等はこちらではお受けできません。問合せ先に電話またはメールでお願いします。

このページは役に立ちましたか?