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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和2年6月定例会市長あいさつ

令和2年6月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和2年大町市議会6月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 
 はじめに、新型コロナウイルス感染症につきまして、国は、先月14日、長野県など39県の緊急事態宣言を解除したのに続き、25日には、残る都道県に対しても解除いたしました。
しかしながら、未だに全国各地で感染者の発生が続いており、このウイルス感染症への対応はなお長期に及ぶことが予想されます。
 本県におきましても、先月12日以降、感染者は確認されておらず、落ち着いた状況にありますものの、県外からの感染リスクは継続しているとして、引き続き、基本的な予防策の実施や、新型コロナウイルスを意識した「新しい生活様式」への移行を呼び掛けております。
 こうした中、県は、新たな感染の拡大に備え、ウイルス感染の疑いがある方に対し、一般患者と接触することなく、集中的に診察、検体採取を行う「外来検査センター」の設置を圏域ごとに進めており、当圏域では市立大町総合病院に本日、開設いたします。
 市では、先月18日、私から市民の皆様へ3回目のメッセージを発出し、感染防止への対応を日常の習慣にしていただくことや、人との接触をできるだけ減らす心掛けをお願いしたところでございます。過度の緩みは感染の拡大に繋がるおそれがあり、今後も、市民の皆様一人ひとりが、感染予防を意識して日常生活を送っていただきますようご協力をお願いいたします。
 
 また、感染予防への具体的な取組みとしまして、中央保健センターに配備しました次亜塩素酸水生成装置により生成した消毒液を、先月14日から、市民の皆様に無料で配布し、今月4日現在、延べ662人の個人と67の事業所にお配りしております。
 
 更に、社会福祉施設等における感染防止への支援策として、先月、市内51施設へ、マスク5,200枚と、市内の商店等からご寄贈いただいた消毒剤をお贈りしたのをはじめ、大町病院、小中学校などの公共施設に、感染予防に必要な様々な衛生資材を配布いたしました。
 なお、これまでに市には、市内外からマスク約2万6,300枚、消毒液300本など、様々な資材合わせて20件のご寄付をいただいており、こうした温かいご支援に、厚く感謝申し上げます。
今後も、多くの方々にご協力いただき、市民の皆様の命と健康を守るため、新型コロナウイルスの感染予防に、いっそう力を尽くしてまいります。
 
 内閣府が先月28日に発表しました月例経済報告によりますと、国内の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にあるとしております。また、個人消費、企業収益及び企業の業況判断につきましても、感染症の影響により、急速に悪化しており、先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくとするものの、当面、極めて厳しい状況が続くことが見込まれ、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があるとしております。
 
 当市におきましては、昨年度市税の決算見込額が、緩やかな回復傾向を背景に42億円を超え、前年度と同水準を確保できる見込みでありますものの、暖冬による雪不足の影響により、観光業を中心に大きく収益が減少したことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う営業の自粛等による落込みが拍車をかけ、現在、市内経済は大変厳しい状況にあります。
 既に、専決処分による特別定額給付金等、二つの支援策及び先月の市議会臨時会において議決いただきました緊急経済対策を積極的に展開しており、全力で市民生活への支援と市内経済の下支えに努めているところでございます。
 このうち、市民一人当たり10万円が給付される特別定額給付金につきましては、他地域に先駆けて先月11日から市内全世帯へ申請書を送付し、先週末時点で、対象となる11,893世帯、27,024人のうち給付が完了しているのは10,987世帯、25,474人で、対象者に対しての給付率は94.3パーセントとなっております。
 今後、申請期間が8月17日までの3カ月と定められておりますことから、まだ申請を済まされていない世帯に対し、市の広報やケーブルテレビ、有線放送などで申請を呼び掛けるとともに、申請が困難な高齢者や障がい者世帯には、市福祉事務所を中心に関係機関、団体等が連携して、申請手続への支援に取り組んでまいります。
 
 次に、市内事業者への支援につきましては、4月から市制度融資資金に、「新型コロナウイルス感染症対策特別資金」を新たに創設し、資金需要に対応しておりますが、今後なお、相当の融資申込みが見込まれ、金融機関への預託金が不足する事態も懸念されますことから、この対応として、預託金等を増額する補正予算を先月18日付けで専決処分いたしました。
 また、市独自の取組みであります「大町市新型コロナウイルス拡大防止支援金」、及び「観光施設支援金」につきましては、18日から申請の受付を開始し、先週末時点で435件の申請を受付け、既に248件の振込を完了いたしました。
 10パーセントのプレミアムを付与した地域商品券「がんばろう!大町応援券」につきましては、今月14日からの発売に向けて準備を進めており、多くの市民の皆様にご購入いただき、市内での消費の拡大に積極的に活用いただきたいと考えております。
 今後におきましても、あらゆる事態を想定して、国・県の動向を注視しつつ、迅速な施策の展開に全力を尽してまいります。
 
 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び主要な施策につきまして、第5次総合計画で定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次、ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 
 新型コロナウイルス感染症に伴う小中学校の対応につきましては、県教育委員会の要請等を踏まえ、4月13日から先月22日まで臨時休業しておりましたが、緊急事態宣言の解除を受け、25日から平常どおりの日課により再開しました。登校に当たりまして、各ご家庭には、毎朝、健康チェックによる健康観察をお願いするとともに、学校生活においても「3密」を避けるよう配慮し、併せて手洗いやうがい、咳エチケットなど感染予防の徹底を図ることとしております。
 また、4月からの臨時休業におきましては、分散登校などにより指導に努めてまいりましたが、授業時間の不足や授業の遅れ等に対しましては、各学校において年間計画を見直し、夏季休業の短縮や行事の縮減等により対応することといたします。
 
 急激な少子化が進展する現状を踏まえ、本年1月、検討委員会から報告いただきました通学区の再編等につきましては、本年度、公募委員の募集などを行い、今月26日、第1回「大町市立学校通学区域再編審議会」の開催を予定しております。
 
 学校と家庭、地域住民が一体となり推進するコミュニティ・スクールにつきましては、学校運営協議会を設置する文部科学省型のコミュニティ・スクールが努力義務とされましたことから、本年度、市内全ての小中学校について、八坂・美麻地区と同様に、地域との連携・協働による文科省型コミュニティ・スクールへ移行しました。引き続き、多くの皆様に参画いただき、学校と地域、保護者が教育目標を共有し、連携して地域とともにある学校づくりを推進してまいります。
 
 学校におけるICT環境の整備につきましては、昨年12月、国において、ICTを基盤とした先端技術等の活用と全国一律の環境整備を促進する観点から、児童生徒1人に1台の端末配備と高速大容量の通信ネットワークの整備を一体的に行う、「GIGAスクール構想」に要する経費を盛り込んだ補正予算が、1月30日に成立しました。
 更に、その後、ウイルス感染症に伴う臨時休業の長期化により、学習の遅れ等が懸念されたことに鑑み、令和5年度を目標としていた端末配備の前倒しと、家庭でも繋がる通信環境の整備など、ハード・ソフトを一体とした整備を加速するための経費を計上した、本年度補正予算が4月30日に可決されました。
 これを踏まえ、当市におきましても、この補助制度により、ICTを活用した子ども達の学習環境の向上を図り、災害や感染症の発生等の緊急時においても学びが継続できますよう、早急に整備することとして、現在、整備手法と事業費の検討を進めており、所要の経費に係る追加の補正予算を本定例会に上程することとしております。
 
 生涯学習の推進につきましては、本年度は、親子のふれあいや親同士の情報交換などを目的とする「親子教室」を、ウイルス感染症の影響により延期しておりましたが、先月11日から6地区の公民館合同により、市営ケーブルテレビと連携した講座を企画し、放送を開始いたしました。親子でできる体操や工作、読み聞かせなど、全6回の番組を予定しており、市民の皆様には、映像を通して自宅学習にご活用いただきたいと考えております。
 また、各施設の行事、イベント等におきましては、今後、感染対策に十分配慮しつつ、「新しい生活様式」に対応した運営に工夫を凝らし、市民の生涯学習活動の機会の確保に努めてまいります。
 
 大町山岳博物館につきましては、新型コロナウイルスの感染防止のため4月19日から臨時休館しておりましたが、感染対策を講じた上で、今月2日から再開いたしました。
 これにより、当初予定しておりました企画展「日本山岳画協会 大町展」の会期を、今月2日から来月12日までに短縮するとともに、期間中の日本山岳画協会会員による様々なイベントは、やむなく中止することといたしました。
 また、来月18日から9月27日までは、登山ブームの到来とともに高山をフィールドとして理科教育や博物学が発展した、明治時代から昭和前半期に焦点を当て、北アルプスにおける様々な調査、研究の先駆けとなった取組みを紹介する企画展、「博物学と登山」の開催を予定しております。
 これらの企画展を通じて、登山愛好家のみならず、多くの市民の皆様に、新たな視点から北アルプスへの関心や理解を深めていただくことを期待しております。
 
 スポーツの振興につきましては、ウイルス感染症の影響により、例年春から始まる各種の講座や、市を挙げての市民スポーツ祭などの競技会とともに、これまで全国から多くのランナーを迎えてまいりました大町アルプスマラソンなど、多くのスポーツ行事を中止又は延期することといたしました。延期しました行事につきましては、今後、開催の可否や実施時期等について状況を見極め、関係機関、団体とも協議し対応してまいります。
 
 なお、4月3日に当市で予定されておりました東京オリンピック聖火リレーは、誠に残念ながら、本年の開催が中止となりました。今後の対応等につきまして、現時点では未定とされており、引き続き、関係機関の動向に注意を払い、適切に対応することといたします。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 
 労働・雇用環境につきましては、先月25日、新型コロナウイルス感染症に係る経済対策連絡会議の労働・雇用部会を開催し、関係機関と情報交換を行いました。大町公共職業安定所からは、相談窓口は円滑に対応しているほか、雇用調整助成金につきましても、申請手続きを当初より簡素化し、1週間から10日程度で支給している、との報告がありました。
 また、当地域の4月の月間有効求人倍率は0.82倍で、前年同月比で0.28ポイント下回り、県内で最も低い倍率となりました。1倍を下回るのは、平成29年4月以来の3年ぶりとなり、5月以降につきましても、更に下回ることが予想されますことから、今後も、大町公共職業安定所と情報共有を図り、今後の雇用情勢を注視してまいります。
 大町労働基準監督署からは、ウイルス感染症の影響による、失業手当に関する相談など、前年と比較し2倍以上の相談件数となっているものの、労働契約上の大きなトラブルはない、との報告がありました。
 今後におきましても、国の第2次補正予算や県の施策をはじめ、市内経済及び雇用の動向を注視し、経済対策連絡会議などを通じて関係機関と連携を密にして、地域経済と雇用の回復に努めてまいります。
 
 農産物の海外への販路拡大につきましては、農産物や農産物を主原料とする加工品等を輸出したい、又は関心をお持ちの農業者や事業者の皆さんを募集し、今月中に研究会を立上げ、輸出情勢やマーケティングなどについて理解を深めながら事業を推進してまいります。
 
 一方、国内への販路拡大につきましては、立川市の観光情報プラザにおいて農産物の販売を支援することとしており、本年も4月から出荷を始めております。また、北アルプス山麓ブランドの販路拡大を目的としたB級グルメの推奨や、新たなブランド商品の開発等におきましても、市内事業者とともに積極的に取り組むことにより、農産物や加工品のブランド力の向上を支援してまいります。
 
 林業振興につきましては、森林経営管理法が施行後2年目を迎え、本年度は、今後の森林経営管理法の効果的、効率的な推進方策検討の基礎資料とするため、森林に関する基本情報のデータベースを整備することとしております。作業に当たりましては、大北5市町村が共同で実施することとし、現在、当市が中心となり、北アルプス地域振興局の支援の下、森林の地質や土壌などの自然環境、保安林などの社会的条件、林相や路網などの森林資源等28項目を中心に、基本情報の収集整理を進めております。
 作業の完了後には、各市町村がデータベースを活用して、それぞれの森林管理システム推進のためのゾーン設定や、整備の優先度等について検討することとしており、市におきましても、森林整備等の具体的な事業の早期導入に向け積極的な推進に努めてまいります。
 
 近年、深刻な被害が生じております猿による被害対策につきましては、本年度、ICTの活用や大型捕獲檻の導入とともに、地域ぐるみの追い払い活動などの新たな強化策に加え、4月より駆除対応の職員を新たに採用して、各地区の猟友会と連携した駆除の強化に取り組んでおります。この結果、先月末時点で84頭の駆除実績となっており、今後は引き続き、これらの新たな対策を効果的に組み合わせるとともに、モデル地域を指定して地域を挙げて対策に取り組むなど、十分な効果が図られるよう施策を展開してまいります。

 観光振興につきましては、全国に緊急事態宣言が4月16日に発令されたことにより、例年大勢の観光客で賑わう立山黒部アルペンルートは、全線開通の3日後の4月18日から約2カ月間に亘り全線で休業しております。こうした状況を受け、市内宿泊施設や観光施設などの多くが休業を余儀なくされ、また、緊急事態宣言の解除後も、他県との往来自粛の要請が継続されたこともあり、厳しい経営環境が続いております。市では、関係団体等と緊密に連携し、観光業を中心に、今後に向けた総合的な出口戦略を組み立てるとともに、当面は、主として県内からの誘客に焦点を絞り、大町でしか体験できない観光コンテンツや、豊かな地域や自然の魅力を発信し、安心、安全の周知を図り観光誘客に繋げてまいりたいと考えております。
 
 こうした中、黒部ダムの一般開放以来、54年に亘り観光客を運び続け、一昨年秋、無事その役目を果し終え、解体が進められておりました「トロバス」の、最後の1台が残されていることが分かりました。この奇跡の1台を保存し守るため、クラウドファンディングを活用した寄付を広く呼び掛けましたところ、全国から目標をはるかに上回る646万円余の大きなご支援をいただきました。
 寄付を通じて「トロバス」に熱い思いをお寄せいただいた多くのファンの皆様と、ファンの思いに応えていただいた解体工場の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。
 今後につきましては、扇沢駅近くの市総合案内センター敷地内において保存するとともに、センター内に関連の展示を行い、多くの観光客にご覧いただきますよう準備を進めることといたします。
 
 移住・定住の促進につきましては、昨年度、相談窓口を通じた移住件数は、51世帯70名で、過去最多の世帯数となり、第2期定住促進ビジョンに基づく様々な取組みが、こうした成果に結び付いているものと受け止めております。
 現在は、ウイルス感染症の影響により、移住イベント等が中止又は延期されており、移住希望者との接点を持つことが難しい状況にあります。そのため、移住相談について、インターネットを活用したオンライン方式に切り替え、4月17日より予約受付を開始したところであります。問い合わせ件数は既に40件を超えており、今後も移住希望者の増加することが想定されますことから、より多くの相談に円滑に対応できますよう、環境整備を進めてまいります。
 また、市では、これまで築いてまいりました移住を希望される方々との絆をより緊密にし、当市への愛着をいっそう深めていただくため、大町の食材や「大町暮らしすごろく」を詰め合わせた「信濃大町ほっこりセット」を、希望者に進呈いたしました。受け取った方々からは、感謝の言葉とともに、移住への熱い想いが多く寄せられております。
 定住促進を図るうえで不可欠な、人と人との繋がりを維持することが困難な状況にはありますが、工夫を凝らし、きめ細かな取組みにより、「誰もが住みたくなる、住み続けたくなる、更には住んで良かったと思えるまち」の実現を目指し、移住・定住の促進に積極的に努めてまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 
 市立大町総合病院における新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、4月初め、県大町保健所管内で初めて感染者が確認された際には、直ちに病院内に発熱外来を設置したほか、院内感染防止への対応として、正面玄関における発熱チェックの実施に加え、病棟への立入制限の強化を図りました。
 なお、感染症により、病院の収益等にも大きな影響が及ぶことが懸念されるところであり、その対策について、引き続き国、県に支援を要請するとともに、感染症指定医療機関としての使命に基づき、可能な限り適切な対応に努めてまいります。
 新型コロナウイルスに立ち向かい、感染症と闘う医療の最前線に立って、日夜、地域住民の命と健康を守る崇高な使命を担っていただいている大町病院並びに大北医師会をはじめ、全国多くの医療従事者の皆様方に、深甚なる敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。
 
 大町病院の経営状況につきましては、平成30年度からの4年間を計画期間とする市立大町総合病院経営健全化計画に基づき、職員一丸となり抜本的な経営改善、とりわけ収益の増加と経費の削減を図る取組みを積極的に進めております。
 昨年度の医業収益につきましては、30年度決算に比べ5,000万円を上回る増収を見込んでおります。これは、30年7月から許可病床数を199床とし、病院規模の適正化を図ったことをはじめ、従来から取り組んでまいりました救急患者の積極的な受入れなど、優位な診療報酬が確保できたことなどによるものであります。
 また、経費面では、全職員の協力の下で、緊急的な措置として給与費の抑制や、診療材料、薬品などの削減を継続的に進めてまいりました。こうした取組みの結果、昨年度の経常収支につきましては、前年度を大幅に上回り、2億7,000万円余の経常利益が見込めることとなりました。
 なお、詳細につきましては、本定例会において補正予算の専決をご報告申し上げますとともに、経営健全化の取組み状況について、全員協議会でご説明することとしております。
 
 診療体制につきましては、4月に、消化器内科と小児科に1名ずつ専門医が着任し、専門分野での診療体制のいっそうの充実が図られました。また、信州大学医学部総合診療科の協力と連携により、本年度、新たに専門研修プログラムによる専攻医2名が加わり、常勤医師は昨年度末から3名増の24名となりました。なお、基幹型初期臨床研修医3名が2年目の研修を迎え、医師不足の中、臨床研修等の充実は、大町病院にとりまして、将来の医師招聘に期待が持てる取組みとなっております。
 
 大町病院は、診療体制の充実により、地域に欠くことのできない救急医療や小児周産期医療、急性期から慢性期に亘る入院機能の維持、確保を図るなど、地域に密着した総合病院として、全力を尽して地域医療を支えてまいります。
 
 福祉分野におきましては、高齢者の買物支援として、現在、協力店舗で購入した商品を自宅に配送する、北アルプス買い物サポート事業を実施しておりますが、これに加え、新たに自治会や老人クラブ、市民活動団体等が主催し、買い物や交流活動を行うために利用するバスの費用を支援する、「高齢者外出支援事業」を新たに実施することといたしました。
 この事業は、新型コロナウイルスの感染防止のため、様々な介護予防事業が休止され、閉じこもりが懸念されます高齢者の皆様に、安心して外出いただく機会を提供するものであり、事業の周知を図り利用の促進に努めてまいります。
 なお、事業の詳細につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 福祉医療費のうち子どもの医療費につきましては、本年4月から高校卒業までに対象年齢を拡大して、現物給付方式で支給することとし、新たに620人を対象に受給者証を交付いたしました。今後も子ども達の健やかな成長のため、いっそう子育て支援の充実に努めてまいります。
 
 認定こども園大町幼稚園におきましては、昨年度から国の補助制度を活用して全面改築を実施しており、本年4月に新園舎が完成しました。今後も引き続き、子ども・子育て支援事業計画に基づき、地域の子育て支援の拠点施設として、保育園と認定こども園が相互に連携し、待機児童が発生することのないよう、適切かつ円滑な保育体制を確保してまいります。
 
 保護者から要望が寄せられておりました、保育所の産前産後の入所要件の基準につきましては、来月1日から、見直しすることといたします。預かり期間について、現在、「産前、産後それぞれ2カ月以内」としているものを3歳未満の園児については「産前、産後それぞれ3カ月以内」に、また、3歳以上の園児は「妊娠が分かったときから産後3カ月以内」に延長し、出産に伴う保護者の負担軽減を図ることといたしました。
 今後も引き続き、入所要件に係る見直しを検討するとともに、保育士の人材確保を図り、子育てしやすい環境の整備に努めてまいります。
 
 住宅、建築物の耐震化の促進につきましては、耐震化を啓発するリーフレットを固定資産税納税通知書に同封して各戸に配布し、市民への普及を促進しております。また、耐震改修につきましては、本年度当初予算に10棟分の耐震改修補助金を計上しており、現在、2件の交付申請を受付けております。
 4月下旬以降、県中部を震源とする地震が頻発しておりますことから、引き続き住宅の耐震診断、耐震改修を積極的に呼び掛け、災害に強いまちづくりを推進いたします。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 
 山岳博物館におけるニホンライチョウの飼育事業につきましては、先月30日より1番(つがい)のペアリングを開始し、繁殖に取り組んでおります。
 また、本年度は、中央アルプスにおいて、環境省によるライチョウの増殖プロジェクトが計画されております。この計画は、木曽駒ケ岳に1羽のみ確認されておりますメスのライチョウに、低地飼育により各動物園で産まれた卵を抱かせて雛を誕生させ、中央アルプスにおいて増殖を図るもので、山岳博物館におきましても、産卵した卵の1個を今月4日に提供いたしました。
 なお、当館におきましては、昨日現在3個の産卵を確認しており、順調に進めば7月中旬頃には雛の誕生が期待され、本年は、孵卵器(ふらんき)などによらずメス親に卵を温めさせる自然繁殖を計画しております。
 ライチョウの公開時間は、博物館の再開に併せ、午前9時から午後5時までに延長いたしましたので、皆様のご来場を期待しております。
 
 水道事業につきましては、事業の効率的な経営を目指して策定した大町市水道ビジョンが、計画期間の10年を経過するとともに、厚生労働省及び県が「新水道ビジョン」を策定したことも踏まえ、新たな水道ビジョンを3月に策定いたしました。このビジョンは、人口減少社会の進行や水道施設の老朽化などの課題に対応し、安全な水道水の持続的な供給と安定経営の実現を図るため、新たな目標と将来像や整備計画を示すものであります。引き続き、安全な水道水の安定的な供給を持続できますよう、適正な水質及び施設の管理を行うとともに、老朽化対策や耐震化対策など、計画的な施設の更新整備を進めてまいります。
 なお、策定いたしました大町市水道ビジョンにつきましては、本定例会全員協議会でご報告申し上げることとしております。
 
 本年度に着手する「コンパクトシティ形成事業」におきましては、国の支援制度を活用して、集約型の都市構造を目指すための立地適正化計画の策定を進めております。
 本年度は基礎調査として、地域特性や課題等の基礎データを収集して、都市としての現状を把握し、課題の分析や評価を行うとともに、来年度までの2カ年をかけて、将来に亘り持続可能な都市構造の構築に向け、都市機能増進施設や居住誘導区域の設定などについて、庁内各部局との連携を図り、パブリックコメントによる市民の意見等を踏まえ、策定を進めてまいります。
 なお、立地適正化計画策定業務は、2カ年に亘りますことから、継続的かつ効果的に作業を進めるため、補正予算において、債務負担行為を設定いたしております。
 
 まちなかの緑地整備につきましては、昨年度、県内で初めて開催されました全国都市緑化信州フェアを契機として、市内におきましても幾つかの民間団体による取組みが、徐々に広がりを見せております。
今後更に、中心市街地のポケットパークや、民間主導により整備が進む公共的な緑地空間を結ぶ「まちなかにおける回遊」の仕掛けづくりを進めるとともに、国が推進する「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の創出に向け、効果的に取り組んでまいります。
 なお、昨年に続き、市民参加イベントとして、先月予定しておりました「まちなかの花壇づくり」につきましては、ウイルス感染防止のため中止することとし、市職員等による植栽を実施いたしました。
 また、駅前からの中央通りでは、本年度も大町商工会議所や商店街連合会が進める「花通り事業」と連携して、小中学生が植え付けた大型フラワーコンテナを歩道に設置するなど、一日も早くまちなかに賑わいが戻ることを願い、都市緑化の推進に努めてまいります。
 
 良好な住宅・居住環境の形成につきましては、従前の住宅性能向上リフォーム支援事業では補助対象外としておりました、防災減災型外構工事を新たに加え、「安心・安全住宅リフォーム支援事業」として4月より申請を受け付けております。
 現在、ウイルス感染症の影響から、建築資材や設備機器等の供給の遅れもあり、昨年同時期に比べ申請が低調となっており、今後の情勢の推移を注視し、関係事業者を通じ積極的な制度の活用を働き掛けてまいります。
 
 北アルプス広域連合が進めております、ごみの広域処理を担う白馬リサイクルセンターの整備は、間もなく造成工事が始まり、年度内の竣工を目指し事業の推進を図ることとしております。
 ウイルス感染症の世界的な蔓延に伴い、海外への一部資源ごみの輸出が停止され、資源化が滞るなどの影響も生じておりますが、引き続き3市村が一体となり、廃棄物の適正処理とリサイクルに努めてまいります。
 
 次に、臭気対策につきまして、常盤泉地区では、ウイルス感染症の影響により、地元対策委員会における新たな脱臭設備導入に向けた協議が休止しておりますが、事業者により、事業予定地に係る法規制について調査するなど、具体的な施設建設に向けた所要の検討を行い、協議が再開した際には、円滑に協議が進められるよう準備に取り組んでおります。
 また、常盤清水地区つきましては、3月に事業者と地元地区役員により意見交換を行い、地区の皆様から、「意見交換の機会は大切であり、地域も協力して臭気問題に取り組む必要がある。」との意見が出されております。
 市といたしましても、臭気パトロールや臭気測定を継続的に実施し、その結果を事業者に通知するとともに、更なる改善を促し、臭気問題の早期解決に向けて指導に努めてまいります。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 
 市民の皆様の自主的なまちづくりを支援する「ひとが輝くまちづくり事業」のうち、「ひろげようまちづくり活動」につきましては、本年度、ウイルス感染防止のため、公開審査会を書面による審査に変更し、8団体に719万円余の助成を決定しました。また、身近な地域の課題やまちづくりに取り組む「はじめようまちづくり活動」では、6団体、107万円、更に、花づくりを通じた地域コミュニティづくりと環境美化に取り組む「花づくり活動事業」では、23団体、239万円余の助成をそれぞれ決定いたしております。
 今回の申請に当たりましては、ウイルス感染症の拡大に伴い、申請を取り下げた団体がいくつかあり、積極的な地域活動が思うように展開できない環境にはありますが、感染予防の徹底を図り、市民の皆様の主体的な市民参加と協働のまちづくりの活動が推進できますよう支援に努めてまいります。
 
 以上、ご説明申し上げましたが、本年度当初に予定しております事業の一部には、新型コロナウイルス感染拡大の影響が生じておりますが、具体的な成果に結び付くよう、全庁を挙げて施策の推進に取り組んでまいります。財政状況は、感染症対策への緊急な対応を含め、引き続き厳しい環境にはありますが、財源の確保と重点的、集中的な配分により、持続的な地域の発展に向け、より積極的に施策を展開してまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件10件、条例案件3件、予算案件3件の合計16件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
 

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