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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和2年3月定例会市長あいさつ

令和2年3月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和2年大町市議会3月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 
 はじめに、昨年12月以降、中国武漢市において発生が確認されました新型コロナウイルスによる感染症は、中国を中心に、我が国を含め、世界各国に拡大し、2月17日現在、7万1千人を超える感染者が確認されており、なお止まる情勢にはありません。政府は、先月28日に指定感染症に指定するとともに、30日、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、本県におきましても、これに先立ち対策本部が設置されました。
 当市におきましては、こうした動向を受け、31日に新型インフルエンザ等対策本部を設置し、これまでの経緯を確認するとともに、今後の対応を協議するため対策会議を開催したところでございます。
 新型コロナウイルスには、現在のところワクチン等の有効な予防・治療法はなく、手洗いなどによる感染予防を丁寧に行うことが重要とされており、引き続き、情報の管理に留意しつつ、広報おおまちや市のホームページなどにより、市民の皆様へ正確な情報を的確にお伝えすることといたします。
 
 温暖化の影響とされる異常気象に伴い、この冬は過去に例を見ない雪不足に見舞われ、スキー場、大町温泉郷などの観光業や飲食業等とともに、道路の除雪作業を担う事業者への多大な影響が憂慮されております。
 市におきましては、事態を懸念する大町商工会議所並びに大町市観光協会からの要請を受け、先月31日、緊急経済対策を講じることとし、暖冬による雪不足の影響を受けております中小企業者に対して、制度融資資金の不況対策資金に特別枠を設け、運転資金に対する融資を行うとともに、利子補給を実施いたします。また、来シーズンの誘客に向けた観光宣伝の強化を図るとともに、併せて、道路や水路、交通安全施設などの小規模な公共工事費の増額により緊急的な発注を行い、除雪業務を担う中小規模の建設事業者の、経営への影響の軽減と、市民生活の安全と利便性の向上を図ることとし、これらの経費に係る補正予算を同日付けで専決処分させていただきました。この緊急対策につきましては、速やかな進捗に努めてまいります。
 
 このたび政府が発表した新年度地方財政計画では、地方団体の一般財源総額は、前年度比1.2パーセント、7,246億円増の63兆4,318億円が確保されました。
 このうち、地方税は40兆9,366億円で、7,733億円の増収を見込み、また、地方交付税は4,073億円増の16兆5,882億円となり、消費増税及び社会保障対策として2年連続の増額が図られるなど、地方財源の確保に配慮された内容となっております。
 市の新年度の一般会計予算は、歳入歳出総額166億7,800万円で、前年度予算に対し1.4パーセントの増となっております。これに、水道・病院事業など8つの企業会計、特別会計を合わせた全会計の合計では、総額288億8,479万円余で、前年度比1.1パーセント増の予算規模となりました。
 新年度予算の全体的な特徴としましては、第5次総合計画における市の将来像「未来を育む ひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向け、「ひとづくり」に主眼を置き、ひとを育む多くのソフト施策に厚く予算を配分するとともに、積極的に喫緊の課題の解決を目指す予算の編成に力を尽しました。
 具体的には、将来を担う子ども達を健やかに育むため、子ども医療費について、給付対象を入院・通院ともに高校生までに引き上げるとともに、広域連携事業により、市立大町総合病院内において病児保育を実施するほか、教育振興では、放課後子ども教室を旧大町市域全域に拡大することといたします。定住促進では、引き続き、積極的な移住・定住施策を展開するとともに、マイホーム取得助成について、子育て世代への上乗せ補助を新設するほか、八坂、美麻地区におきまして、継続して新たな定住促進住宅の建設を進めます。
 また、深刻化する有害鳥獣被害への対策を強化するため、移設可能な組立式の大型捕獲檻やGPSなどの情報機器を活用した機材の充実を図るとともに、駆除専門員を配置して被害の防止に努めます。さらに、市民生活の安心安全に資するため、住宅リフォーム助成の対象に、防災、減災のための外構工事を加えるほか、耐震診断・改修に係る補助の充実を図りました。
 
 北アルプス国際芸術祭2020につきましては、5月31日の開幕まで、残すところ100日余りとなりました。
 今月5日には、名誉実行委員長の阿部守一知事並びに、北川フラム総合ディレクター、皆川明ビジュアル・ディレクターとともに、県庁で記者発表を行い、県内メディアの皆様から多くの取材をいただき、昨年12月の東京銀座での企画発表会に続く情報発信の機会となりました。
 また、今月11日の大町あめ市では、芸術祭を盛り上げる懸垂幕や商店街でのフラッグを掲出するとともに、おもてなしプロジェクトとして市内小中学生が作成した、草木染めのコースターやランチョンマット約2,700枚を展示し、大勢の市民の皆様にご覧いただきました。また、神保佳永(よしなが)シェフが調理した特別メニューを北アルプスブルワリーで販売するなど、市民の皆様への周知と気運の醸成に努めたところでございます。
 さらに、今月22日には、開幕100日前イベントとして、松本市の信毎メディアガーデンにおいて、参加作家のパネル展示や、ミナ ペルホネンとのコラボレーションによるワークショップのほか、皆川さんとまつもと市民芸術館芸術監督の串田和美(かずよし)さん、大町市観光大使の村井美樹さんの3人によるトークショーを開催いたします。また、サポーターの募集やオフィシャルカーの展示など、盛りだくさんのプログラムにより芸術祭の周知を図り、広く広報、宣伝に努めることといたします。
 作品制作につきましては、参加作家が決定し作品の構想が具体化する中、順次アートサイトが決定しており、今後、並行して制作が本格化いたします。前回にも増して市内広範囲に作品が設置されることとなり、地域での意見交換をはじめ、駐車場の確保やユニバーサル対策などの調整を進めるとともに、地域住民、サポーターの皆様にご協力いただき、作品制作を進めてまいります。
 昨年11月より発売しております鑑賞パスポート引換券は、来月からは県内多くの美術館等でも販売が開始され、さらに4月以降、鑑賞パスポートの実券が発売される際には、各美術館等での入館料の割引など、連携サービスが実施されることとなっており、中信地区をはじめ、広く来場者の周遊が図られるよう取り組んでまいります。
 また、食の取組みでは、おこひる公堂のスタッフやアテプロジェクトへの参加事業所の募集などに、多くの皆様にご応募いただいており、さらに、商店街や各地域、団体におきましても、独自におもてなしの企画が進められており、市民の皆様との連携の下、来場者をお迎えする、おもてなしの充実に努めてまいります。
 開幕50日前を迎える4月11日には、信濃大町駅前にインフォメーションセンターを開設し、お客様への案内などを開始するとともに、全国主要書店では公式ガイドブックの販売を展開することとしております。
 北アルプス国際芸術祭を機会に、当市に多くの皆様をお迎えできますよう、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
 
 
 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び新年度の主要な施策につきまして、第5次総合計画で定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 
 急激な少子化が進展する現状を踏まえ、平成30年7月から約1年半にわたり、少子化社会における義務教育のあり方検討委員会におきまして、市民や保護者を対象に実施したアンケート調査の結果や、少子化に伴う学校、行政における課題等を基に検討を重ねてまいりましたが、先月22日に開催しました第8回の会議におきまして、これまでの検討結果がまとまり、29日に教育委員会に報告書が提出されました。
 これを受けまして、31日、市長と教育長、教育委員で構成する総合教育会議を開催し、提言の内容等について協議を行い、新年度以降における通学区の再編等に係る進め方について、基本的な方針を確認いたしました。
 なお、報告書の提言内容や今後の進め方等につきましては、本定例会全員協議会でご報告申し上げますとともに、広報おおまち4月号に特集記事を掲載し、広く市民の皆様に周知を図ることといたします。
 
 地域に開かれ、学校と家庭、住民が一体となり推進するコミュニティ・スクールにつきましては、地方教育行政の組織、運営に関する法律の一部改正に伴い、平成29年4月から、いわゆる文部科学省型コミュニティ・スクールとしての学校運営協議会の設置が努力義務とされました。これを受け、今後の国の支援策を考慮しつつ、新年度から八坂、美麻地区の小中学校と同様に、他の小中学校におきましても、本県独自の信州型コミュニティ・スクールから文科省型のコミュニティ・スクールへ移行することとしました。これにより、市内全ての学校におきまして、一層多くの地域の皆さんの参画と連携の下、学校と地域、保護者が教育目標を共有し、地域とともにある学校づくりの推進に努めてまいります。
 
 小学校における新しい学習指導要領が、新年度から全面的に実施されますことから、当市では、円滑な移行に向け、昨年度から新学習指導要領に基づく教育課程を前倒して実施しております。まず、小学校における英語の教科化や外国語活動につきましては、外国語指導助手(ALT)を増員し4人体制として、児童が活きた外国語に直に触れ実践的な学習ができる環境を整えるとともに、情報活用能力を育むプログラミング教育におきましては、指導案の研究などを進めてまいりました。引き続き新たな指導要領に沿い、知識の理解の質を高め新しい時代に必要な資質、能力を育む教育を推進してまいります。
 
 また、新年度におきましても夏季休業期間中には、希望する子ども達を対象に、ALTとともに行う日帰りのイングリッシュキャンプや、プログラミング教室、理科の実験教室などの体験学習の場を計画しており、子ども達の主体的な生きる力の育成に努めてまいります。
 
 学校現場における業務改善につきましては、本年度、公会計化へ移行しました学校給食費管理業務は順調に運営されており、これに加え、県内統一仕様の統合型校務支援システムを先行して運用することにより、校務の効率化、省力化を進めております。新年度からは、県下30市町村等で運用が予定されており、各地を異動する教職員にとりましては、システムの統一により、負担の軽減につながるものと期待しております。
 引き続き、モデル市町村として、これらの改善策を推進し、効果を検証しつつ、成果を県内外へ発信いたします。
 
 生涯学習の推進につきましては、文化会館や公民館などの社会教育施設は、それぞれ建設から30年以上が経過しておりますことから、計画的に改修を進めております。新年度では、平公民館の照明設備の更新のほか、サン・アルプス大町や大町公民館分室のトイレの洋式化等を計画しており、今後も長期的な視点のもと、施設機能の適切な維持を図り、生涯学習の環境整備に努めます。
 
 芸術、文化の振興につきましては、5月16日から31日にかけて、第2回美術展ベストセレクションin信濃大町が開催されます。今回は、北アルプス国際芸術祭パートナーシップ事業として、市民自らが改めて郷土に目を向け、地域の文化資源を見つめ直し掘り起こす重要な機会として位置付け、当地の優れた美術活動を広く紹介するとともに、市民の皆様が美術への関心を深めることにより、芸術、文化によるまちづくりに寄与してまいります。
 このほか、劇団四季の公演や、視力を失ったピアニスト梯剛之(かけはし たけし)さんのコンサートなどを開催し、優れた芸術の鑑賞機会を提供するとともに、市民の自主的な文化活動を支援し、多彩な地域文化発信の拠点として役割を果たしてまいります。
 
 スポーツの振興につきましては、先月26日に予定しておりました市民スケート大会は、暖冬の影響によりリンクが氷結せず、昨年に続き残念ながら中止となりました。来月8日には、市民スキー・スノーボード大会の開催を予定しており、より多くの選手にご参加いただき、充実した大会となりますよう準備を進めております。引き続き、当市ならではの、冬の自然環境を活かした冬季スポーツの振興に努めてまいります。
 新年度におきましても、恒例の市民スポーツ祭や大町アルプスマラソンなどのほか、各種スポーツ教室等の開催を通じて、市民の健康増進と競技力の向上を図ってまいります。
 
 いよいよ東京オリンピックまで5か月余りとなりました。オリンピックイヤーを迎え、オリンピックムードが高まっており、来月26日からは、聖火リレーが福島県をスタートして全国を巡ります。当市では、県内2日目の日程として、4月3日、信濃大町駅前から文化会館までの約3キロメートルをランナーが聖火でつなぎます。ゴールの文化会館では、納火式等のセレモニーのほか、吹奏楽の演奏やダンスのミニセレブレーションを予定しており、多くの市民の皆様に、沿道で聖火リレーを盛り上げていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 
 また、オリンピック出場をかけた選手の代表選考も大詰めを迎え、2大会連続のメダル獲得を目指す奥原希望さんのバドミントン競技は、4月末時点での世界ランキング16位以内で国内上位2名が代表に選出されます。体操競技では、昨年の世界選手権に日本代表として出場した松村朱里(あかり)さんの女子団体は、5月に開催されるNHK杯でまず上位3名が内定し、6月の全日本種目別選手権の結果を踏まえ1名が内定することとされており、更に個人枠の代表を含め厳しい戦いが続きます。オリンピックに向けて、若い選手の活躍を大いに期待しております。

 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 
 雇用情勢につきましては、大町公共職業安定所管内の昨年12月の求人倍率は2.01倍で、前年同月から0.16ポイント上昇しております。近年は、人口減少等に伴い当地域の労働力不足が深刻化しておりますことから、本年度から厚生労働省の委託事業として取り組んでおります、生涯現役促進地域連携事業により、市内事業所に対して高年齢者の雇用状況に係る聞取り調査を実施し、51事業所からいただきました回答を基にニーズの分析を行い、雇用モデルを作成しました。今後は、昨年実施した高年齢者に対するアンケートの調査結果により作成した就労希望モデルに基づき、具体的なマッチングを進め、高年齢者の多様な就業機会の創出を図り、地域課題の解決に向けて取り組んでまいります。
 
 また、市内小規模事業者の円滑な資金調達を維持し、経営の安定を図ることを目的として、近年の金融・経済情勢の変化や融資制度等の多様化に伴い、低下傾向にあります市の制度資金の利用を促進するため、新たな資金メニューの創設を予定しております。
 
 中心市街地の活性化につきましては、12月定例会全員協議会で概要をご説明しました第4次基本計画に基づく「まちづくり」を、新たに計画しておりますコンパクトシティ施策とも連携させ、タウンミーティング等を通じて地域の活動団体や世代を超えた多様な意見を反映させる仕組みづくりを進めることといたします。引き続き、市民、商工業者、関係機関、団体等の多くの皆さんとの協働により、まちなかの再生に向けて積極的に取り組んでまいります。
 
 米の生産対策につきましては、令和元年産米は、生産者や集荷業者等、関係団体の取組みにより目標を達成することができました。
 令和2年産米につきましては、先月30日に開催された市地域農業再生協議会におきまして、生産調整の目安値が前年に比べ42トン減の8,776トンと決定され、面積換算では、約2ヘクタール減の約1,436ヘクタールとなりました。
 米の需給バランスにつきましては、現状では適正な水準が維持されておりますものの、食の多様化や人口減少などにより、米の需要量が減少しており、米価の下落と過剰在庫の発生が懸念されます。稲作中心の営農形態にあります当市では、農業経営を取り巻く状況は一層厳しくなることが予想されますことから、生産者の所得維持、確保のため、協議会を中心に生産者をはじめ関係団体が一体となり、需要に応じた米作りの推進に努めてまいります。
 
 また、昨年は、当市では初めての北アルプス・安曇野ワインバレー特区を活用したワイナリーが、市内2件目の個人ワイナリーとしてオープンし、さらに、りんごを使用したハードサイダーの製造工場が建設に着手しております。ワイン、ハードサイダーの原料には当市で生産された果実が使用されており、こうした6次産業化により、地域の農産物の高付加価値化を期待するところであります。
 有害鳥獣対策につきましては、農作物被害のみならず、近年は市民生活にも深刻な被害を及ぼしております猿害について、新年度、新たな対応として、ICTを活用して猿にGPS発信機を付けた首輪を装着するなど、効果的な資機材を駆使して抜本的な強化策を実施することとし、新年度予算に所要額を計上しております。猟友会や被害が増大しております地区の皆様との連携を一層密にして、集落ぐるみにより、有害鳥獣被害の防止に努めてまいります。
 
 観光振興につきましては、この冬は、全国的な暖冬傾向の中、各地のスキー場では記録的な雪不足となっており、市内2か所のスキー場におきましても、積雪は平年の半分以下という深刻な状況が続き、運営に大変苦慮しております。        今月1日に始まりました第18回大町温泉郷 夢花火と音の祭典では、和太鼓の演奏や打ち上げ花火などにより、大町の冬を盛り上げるとともに、残り少ないスキーシーズン終盤に向け、誘客に取り組んでおります。
 春の観光シーズンの幕開けとなります立山黒部アルペンルートは、例年通り4月15日に全線開通する予定としております。昨年の入込は、秋の天候不順や台風の影響もあり、100万人を大きく下回りましたことから、誘客対策を一層強化しますとともに、来年迎えます立山黒部アルペンルート全線開通50周年や、7年に1度の善光寺御開帳を観光誘客の好機と捉え、関係機関、団体と連携を図り誘客に取り組んでまいります。
 
 また、新年度では、新たに当市の観光素材をデザインしたラッピングを、長野-新宿線高速バスの車体に施し、毎日1往復の運行を行い、首都圏の街中での走行による知名度の向上を目指してまいります。
 
 インバウンド関係につきましては、日韓関係の改善の遅れから韓国からの観光客の入込みが大幅に減少しており、加えて、新型コロナウイルスの影響による中国からの観光客の減少が懸念されております。アルペンルートへの来客をはじめ、北アルプス国際芸術祭でも魅力を発信する、地域の食文化や民芸品製作の体験などを通じて、海外から訪れる皆様にも楽しんでいただけますよう、観光資源を組み合わせ、通年での観光誘客に努めてまいります。また、様々な観光情報を映像や多言語で表示するデジタルサイネージ(電子看板)を活用して、公共交通機関の乗換やシャトルバスの運行案内、エリア内のイベント情報などを配信する環境整備を図ることといたします。
 
 信濃大町ブランドの振興につきましては、昨年度に続き、当市にお越しいただく皆様に「買いたい、食べたい、大町にまた来たい」と感じていただける特産品や土産品の創出を目的として、特産品開発セミナーを実施し、ワークショップを通じて新商品の開発を事業者と共に進めてまいりました。そこで開発された商品の評価検証とブラッシュアップを目指し、テストマーケティングとして、今月11日に開催された「あめ市」におきまして、「信濃大町おもてなしマルシェ」を開催いたしました。会場で、6事業者7種類の新商品を販売したところ、販売開始から1時間程で完売した商品もあり、大変高い評価をいただく結果となりました。
 今後は、この結果を踏まえ、国際芸術祭の開催に合わせ、アートマルシェに出店することにより、参加事業者の開発意欲の向上や事業の拡大を図り、市のブランドイメージの向上に努めてまいります。
 
 令和7年度までの10年間を計画期間とする信濃大町ブランド戦略につきましては、前期5年間の施策の検証と新たな事業展開を図る後期計画の策定に向けまして、「地域ブランド調査」の評価指標に基づく効果を検証するシンポジウムを、この調査を実施しているブランド総合研究所社長の田中章雄氏を講師に迎え、来月9日に開催いたします。商工観光関係者をはじめ、多くの市民の皆様にご参加いただき、ブランド戦略を共に考える機会となりますよう期待いたします。
 
 移住定住促進事業につきましては、第2期定住促進ビジョンの中間年に当たり、12月定例会全員協議会でご説明し、ご意見を伺いました見直し案について、先月、パブリックコメントを実施いたしました。これまでに寄せられましたご意見などを踏まえ、定住促進ビジョンの方針に新たな項目を追加するなどして作成しましたビジョンの変更案について、本定例会全員協議会でご説明申し上げることとしております。
 今後も、第5次総合計画の「郷土や文化に誇りを持ち 心から地域を愛するひとを育てる」の基本理念のもと、引き続き「誰もが住みたくなる、住み続けたくなる、更には住んで良かったと思えるまち」を目指し、移住定住の促進に努めてまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 
 市立大町総合病院につきましては、平成30年度決算において、医業損益が前年度と比較して5億1,000万円余となる、大幅な収支改善を図ることができましたが、本年度第3四半期までの医業収益におきましても、昨年同期を上回り、3,000万円余の更なる収益増が図られており、堅調に推移しております。この結果、本年度の決算見込みにおける経常利益を1億5,000万円余としており、資金不足額は4億5,500万円余、資金不足比率にして11.1パーセントと見込んでおります。
 また、新年度予算におきましても、医業収益を本年度並みと見込み、経常損益及び純損益ともに、1億7,000万円余の利益を見込んでおりますほか、本年度に続き、資本的収入に一般会計から2億3,800万円の長期借入金を受入れることにより、経営の安定化と合わせ流動負債であります一時借入金の縮減を進めることなどから、資金不足額は2,800万円余、率にして0.7パーセントとしております。
 今後も引き続き、経営健全化計画に基づき、収益の確保と経費の縮減による収支の適正化に一層努めてまいります。なお、病院事業会計の本年度第3四半期までの経営状況等につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 昨年10月の消費税等の引上げに伴い、生活弱者や子育て世帯に与える影響の緩和と地域における消費の喚起、下支えを目的とした、大町市プレミアム付商品券事業につきましては、これまでに交付対象者のうち、引換券を申請された住民税非課税の方2,754人と、申請が不要な3歳未満のお子様がいる子育て世帯の505人の、合わせて3,259人に引換券を発送いたしました。
 また、引換券をお持ちの方への商品券の販売状況につきましては、これまでの購入者数は延べ2,276人、販売額は4,282万円余となっております。
 地域の消費喚起にもつながりますことから、対象となります皆様には今月末までに商品券を購入いただき、来月末までに商品券を利用いただきますよう、引き続き情報提供に努めてまいります。
 
 消費生活センターにつきましては、平成28年度から北アルプス連携自立圏事業により体制の拡充と効率化を図り、圏域5市町村の消費生活に係る相談の広域的な取組みを推進しております。昨年12月末現在の相談件数は203件と、前年度並みの件数となっております。引き続き、警察署、県消費生活センター等と緊密に連携し、特殊詐欺被害の防止などについて、啓発の強化を図るとともに、県の補助制度等を活用し、相談機能の一層の充実に努めてまいります。
 
 健康づくりの推進につきましては、現在、我が国の自殺者数は減少傾向にありますものの、依然として年間2万人にも上ぼり、非常事態がいまだ続いております中、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を基本理念として、自殺対策基本法が改正されました。これに伴い、市では、生きることへの包括的支援を総合的に推進するため、「大町市いのちを守る推進計画」の策定作業を進めております。今後、第5次総合計画に掲げる「だれもが健康で安心して暮らせるまち」の実現を目指し、市を挙げて施策を着実に進めてまいります。なお、計画の内容につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げます。
 
 福祉医療費のうち子ども医療費につきましては、昨年11月に社会福祉審議会へ対象年齢のあり方について諮問したところ、先月14日に対象年齢を高校生(年度末年齢が18歳までの者)まで拡充し、早期に実施するよう答申をいただきました。
 市としましては、答申の趣旨を尊重し、本年4月から対象年齢を高校生までとすることとし、条例の一部改正案を本定例会に上程いたしております。地域の将来を託す子ども達の健やかな成長のため、より一層、子育て支援の充実に努めてまいります。
 
 病児・病後児保育につきましては、連携自立圏事業として、早期実施に向け検討を進めてまいりましたが、このほど、大町病院をはじめ関係者間の調整がある程度整いましたことから、新年度予算に関係経費を計上しております。
 この事業は、子育て中の保護者の皆さんに期待されており、7月を目途に開始できますよう、施設改修や体制づくりなど、所要の準備を進めてまいります。
 
 少子化の進行や核家族化、共働き世帯の増加など、子育て家庭を取り巻く環境が大きく変化する中、新年度の保育園の入所見込み児童数は、2月5日現在433人、このうち3歳未満児は140人で、3歳未満児はさらに増加する見通しであります。一方で、こうした保育需要に対応するための保育士の確保は大変厳しい状況が続いており、当市におきましても、いわゆる「待機児童」が生じる可能性も懸念されますことから、必要な保育士の確保に鋭意努めてまいります。
 
 第2期大町市子ども・子育て支援事業計画の策定につきましては、昨年10月から子ども・子育て審議会におきまして、これまでの進捗状況の検証と、これからの子ども・子育て支援の取組み等について、熱心にご審議いただき、近日中に答申いただくこととしております。
 これまでの検討経過及び計画案の詳細につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げます。
 
 住宅、建築物の耐震改修の促進につきましては、市民の皆様が安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるため、新年度におきましても、国庫補助制度の優遇措置を活用し、引き続き住宅の耐震診断、耐震改修を積極的に実施し、災害に強いまちづくりを推進いたします。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 
 ニホンライチョウの飼育につきましては、昨年6月に孵化した3羽の雛は順調に成育し、現在は成鳥と同じ体長となり、初めての冬を過ごしております。また、昨年3月から一般公開中の1羽の成鳥は、全身の羽が真っ白な冬毛となっており、野生では見ることが困難な冬のライチョウの姿を、間近にご覧いただくことができますので、この機会に多くの皆様の来場を期待しております。
 なお、来月8日には、サン・アルプス大町で、ライチョウ基金シンポジウム2020を開催し、「ライチョウ飼育の現場では今!」と題して講演会を計画しております。ニホンライチョウが自然の中で安定的に生存できるよう、現在、低地飼育を行っている動物園、博物館の保全活動の取組みを、より多くの方にご理解いただき、関心を深めていただくため、大勢の皆様にご来場いただき、ともにライチョウの未来を考えていただく機会となりますことを期待いたします。
 
 水道事業につきましては、給水人口の減少や節水意識の浸透により、使用水量は毎年、減少傾向で推移しておりますが、原水供給等を含め、安定した経営が図られております。水道施設の整備では、電気計装設備や送配水管の耐震化等、計画的な施設更新を進めております。
 新年度におきましては、本年度用地取得が完了しました平海の口の南平配水池の更新工事に着手するとともに、安心安全な水道水の供給を目指して計画的な施設更新を図ってまいります。
 
 温泉供給事業につきましては、大町温泉郷地区内の老朽化した配湯管の布設替え工事を順次実施しており、新年度におきましても計画的な更新工事を進め、温泉の安定供給に努めてまいります。
 
 市民バスふれあい号につきましては、新年度における運行ルートの見直しを行うとともに、新たに常盤東側地区において導入するデマンド方式の運行を含め、各コースの運行ダイヤを編成し、今月末に予定しております時刻表の全戸配布に向けて、鋭意作業を進めております。
 
 近年の急激な人口減少と高齢化を背景に、当市におきましても、高齢者や子育て世代の皆さんが安心して暮らせる、健康で快適な生活環境の整備や、持続可能な都市経営の実現が求められております。このため、福祉や公共交通などを含め都市構造を見直し、拠点集約型の都市構造、いわゆるコンパクトシティの形成を目指し、新年度新たに、都市計画マスタープランの高度化版として「立地適正化計画」の作成に着手することといたしました。これにより様々なまちづくりの施策や誘導施設の立地等について、保健・福祉、医療・介護、商工業や交通等、関係する分野の連携の下、市全体で取組みを推進いたします。
 
 良好な住宅居住環境の形成につきましては、市民の居住環境の向上を図り、安心して暮らすことのできる安全で良質な住宅ストックの形成に資するため、住宅性能向上リフォーム支援事業において、これまで補助対象外としておりました防災、減災のための外構工事を対象に加え、新たに安心・安全住宅リフォーム支援事業を創設し、所要の経費を新年度予算に計上いたしました。
 
 また、市営住宅の整備につきましては、市営住宅等整備計画に基づき、借馬団地において、給湯器、ユニットバスを設置するなどの水回りのリフォーム工事の設計業務を行うほか、譲渡を予定する住宅の不動産鑑定評価などを実施し、計画の推進を図ってまいります。
 
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路につきましては、昨年2月に県大町建設事務所より、国土交通省が推奨する「構想段階における道路計画策定プロセスガイドライン」の手順に基づき、市街地を通るルートについて、3つのルート帯案と評価項目が示されました。そして、市の都市計画マスタープランの策定に関わった団体や地域住民との意見交換を通じて、各ルート帯の比較評価が取りまとめられ、12月定例会全員協議会で示されたところでございます。
 その後、各ルート帯案の比較評価における優位性や、あらためて集約した意見などを踏まえて策定した最適なルート帯につきまして、本定例会全員協議会におきまして、県からご説明いただくこととしております。
 これを基に、市としましても、引き続き市民の皆様や関係地域の皆様の円滑な合意形成が図られますよう、県と一体となり力を尽くして取り組んでまいります。
 
 下水道事業につきましては、公共下水道、農業集落排水施設ともに、専門的な技術を有する公益財団法人長野県下水道公社への包括的民間委託により、処理場等の運転管理を行っており、今後一層、スケールメリットを活かした経費の縮減に取り組んでまいります。
 新年度におきましては、今後の施設管理の最適化を目的として、ストックマネージメント計画の策定を予定しており、持続的な下水道機能を確保するため、計画的な施設の維持更新を図ってまいります。
 
 北アルプス広域連合が進めております、ごみ処理広域化につきましては、新年度から、いよいよ白馬リサイクルセンターの施設整備が本格化いたします。
 これまで懸案となっておりました施設の建設用地に係る課題が解決し、今後は白馬村と広域連合における用地の貸借契約など、所要の手続きを経て、建設に着手することとしております。
 焼却施設の統合に加え、リサイクル施設の整備を図ることにより、更なる環境負荷の低減や廃棄物処理コストの削減を目指して、引き続き3市村が一体となって廃棄物の適正な処理とリサイクルの推進に努めてまいります。
 
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、新たな脱臭設備の導入についての検討が地元対策委員会において進められております。仮に、新たな設備を導入する場合でも、相当の期間が必要とされますことから、市としましても、当面、現在の施設の改修や運営方法の改善などによる臭気対策の実行を強く求めてまいります。
 また、現在、市が実施しております臭気パトロールにつきましても、臭気について苦情の増加がみられる地区を新たに観測地点に加えるなど、必要な見直しを行い、監視活動の強化を図っております。
 市民からの通報や臭気測定、臭気パトロールにおける結果につきましては、その都度、事業者に伝え、引き続き臭気問題の早期解決に向けた指導に努めてまいります。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 
 市民活動の促進につきましては、市民の参画と協働によるまちづくりを推進するため、第10回まちづくりフォーラムを昨年12月に開催し、およそ100人の市民の皆様にご参加いただきました。市内中学生による地域学習や市民活動団体の活動発表に続き、SDGsをテーマにグループトークが行われました。開催後のアンケートでは、ほぼ参加者全員の皆さんに、満足という回答をいただいており、まちづくりフォーラムをきっかけとして、今後、何か始めてみようという機運が高まり、協働のまちづくりが更に促進されますことを期待しております。
 
 ひとが輝くまちづくり事業につきましては、本年度は昨年4月の公開審査会で8団体、856万円余が採択されており、現在、各団体とも計画どおり事業が進められ、完了した団体からは順次、実績報告書が提出されております。1年間の活動を報告する最終報告会を、来月14日にサン・アルプス大町において開催いたします。議員各位におかれましても、活動団体の皆さんの活動成果をご覧いただく機会となります報告会に、ぜひご参加いただきますようお願いいたします。
 
 北アルプス連携自立圏の取組みにつきましては、平成28年3月に大北5市町村が地方自治法に基づく連携協約を締結し4分野13事業でスタートして以来、本年度では9分野21事業にまで拡充してまいりました。本年度をもって当初の計画期間が終了いたしますことから、圏域5市町村による調整により、令和2年度からの5年間を第2期として、引き続き連携事業に取り組むこととし、新年度に11分野25事業を実施する方向で検討を進めてまいりました。
 また、当地域の連携の取組みは、県におきましても高く評価いただいており、当初、本年度までとされておりました県による財政的支援等につきましても、継続することとなり、新年度予算に計上されたところであります。
 広域連携に当たりましては、市町村が基礎自治体としてのそれぞれの主体性、独自性を前提として相互に協議し、連携して実施したほうが効果的、効率的と考えられる事務、事業について、広域連合、連携自立圏等の広域連携の様々な仕組みの中から、最適なものを選択して進めていくことが重要であります。こうした考えに基づき、人口減少が進む地域の活力の創出に引き続き取り組むとともに、新たな時代の課題や圏域共通の課題の解決に向けた検討を進めてまいります。
 なお、連携自立圏の取組みにつきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。
 
 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と、新年度を含めた今後の方針についてご説明申し上げました。年度最終盤に向け、新年度での展開を視野に入れ、計画いたしましたそれぞれの事業が円滑に推進できますよう、全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様の一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件1件、事件案件5件、条例案件13件、予算案件15件の合計34件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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