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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 平成31年3月定例会市長あいさつ

平成31年3月定例会市長あいさつ

 本日ここに、平成31年大町市議会3月定例会が開会されるにあたり、一言ごあいさつを申し上げます。

 先日、政府が発表した新年度の地方財政計画では、地方が人づくり革命や地方創生の推進、防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税等の一般財源総額を前年比5,913億円増の、62兆7,072億円を確保した、としております。
 地方税を40兆1,633億円とし、7,339億円の増収を見込む中で、近年減額が続いておりました地方交付税総額は、1,724億円増の16兆1,809億円となり、平成24年度以来の増額が図られるなど、地方への財源配分に十分配慮されたものと考えております。

 北アルプス国際芸術祭2020につきましては、昨年12月18日の実行委員会臨時総会におきまして基本計画が承認されました。会期を、オリンピックイヤーの来年5月31日から7月19日の50日間とし、前回の経験を踏まえまして、多くの市民の皆様にご参加いただき、その効果をより実感いただける芸術祭となりますよう、食プロジェクトや連携事業、広報宣伝、誘客などの具体的な取組みを進めることとしております。
 参加アーティストにつきましては、現在、北川フラム総合ディレクターにより、作家のリストアップとアートサイトの選定が進められており、また、5月には公募作家の募集を行うこととしております。さらに、今回の芸術祭では、北アルプス国際芸術祭をブランドとして確立するため、クリエイティブ・ディレクターとしてデザイナーを登用し、芸術祭全体として一貫性を持ったブランディング・マネジメントを推進してまいります。
 事業の実施にあたりましては、市民の皆様と一層連携を図り、協働の取組みを強化するとともに、あらゆる機会を活用して情報発信に努め、前回にも増して大勢の皆様にご参加いただき、楽しんでいただけますよう準備に力を尽してまいります。

 新年度の一般会計予算は、歳入歳出164億4,300万円で、前年度予算に対し0.3パーセントの減となっております。また、8つの企業会計、特別会計を合わせた全会計の合計では、総額285億7,778万円余、前年度比1.1パーセント減の予算規模であります。
 新年度予算の全体的な特徴としましては、第5次総合計画における市の将来像「未来を育むひとが輝く 信濃おおまち」の実現に向け、重点課題であります市の発展を支える「ひと」を育む施策を引き続き推進するにあたり、計画3年目となります新年度では、目に見える成果が現れますよう、効率的かつ効果的な財源の配分を行い、事業の進捗や成熟度を考慮し、早期に結実が見込まれる事業に厚く予算を配分いたしました。
 合併後の新市まちづくり計画に掲げました大型建設事業が、広域ごみ処理施設北アルプスエコパークの完成をもって一区切りつきましたことから、新規の建設事業から公共施設総合管理計画に基づく長寿命化・統合等を中心とする維持、補修事業へ、また、ハード事業からソフト施策の充実へと舵を切ってまいります。

 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び新年度の主要な施策につきまして、第5次総合計画で定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。

 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。

 急激な少子化が進む現状を踏まえ、義務教育のあり方について検討を行う、少子化社会における義務教育のあり方検討委員会の第3回の会議を、今月8日に開催いたしました。前回の会議以降、学校ごとの学校評価に合わせ保護者を対象に実施した、「少子化・小規模校化の進行による義務教育のあり方に関するアンケート」の集計結果を報告し、協議を深めました。
 今後は、学校の少子化・小規模化の現状について、市広報4月号に掲載して市民の皆様との情報の共有を図り、その後、対象を市民全体に広げアンケート調査を実施するなどして、さらに踏み込んだ協議を進め、新年度内に一定の方針について答申をいただきたいと考えております。
 また、コミュニティ・スクールの定着を図るため広報活動を充実し、地域の皆さんに自由に授業参観いただける学校開放日や、運動会、音楽会の開催などについて周知を図るとともに、第一中学校の学校運営委員会が主催し、夏休み期間中に地域の方々を対象に開催しているカルチャースクールの事例のように、多くの市民が機会あるごとに学校を訪れて、児童生徒や教職員の姿に目を向け、ともに子ども達の成長を見守り、支援いただく環境づくりが推進できますよう、各学校の運営委員会等において十分協議を進め、実践に努めてまいります。
 新しい学習指導要領が再来年度に全面的に実施されますが、当市におきましては、小学校における英語の教科化や外国語活動については、国の要領に基づく段階的な移行によらず、本年度から前倒して実施しており、外国語指導助手(ALT)を4人体制として、児童が生きた外国語に直に触れ、実践的な学習ができる環境を整えました。新年度におきましては、夏休み期間中の子どもの居場所づくりの一環として、希望する児童を対象に、英語を使って一日を過ごす日帰りのイングリッシュ・キャンプを開催し、ALTとともに児童が国際理解を深める体験学習を実施いたします。
 このほか、夏休み中の子どもの居場所づくりとして、山岳博物館で「さんぱくこども夏期だいがく」、市立大町図書館では読み聞かせ、木崎湖ではカヌー大会を開催するほか、児童センターでは児童センターまつりを実施するなど、各分野において様々な体験プログラムを計画しております。開催にあたりましては、周知広報を図るとともに、庁内で連携して、総合的な参加プログラムのメニューを系統的に構築し、豊かな人間性や自ら学び、自ら考える力を育くみ、子ども達自らの生きる力の育成に努めてまいります。
 学校における業務改善の一環として、市議会12月定例会におきまして条例を議決いただきました、学校給食費の公会計化につきましては、学校毎に保護者説明会を開催して保護者の皆さんのご理解をいただき、現在、口座振替の手続きなどを進めております。教職員及び保護者双方の負担軽減に繋がるよう、公会計制度への円滑な移行を図ってまいります。
 また、昨年夏の猛暑を受けて講ずることとしました熱中症対策につきましては、今月6日の2月臨時会において工事請負契約を議決いただき、現在、学校施設の冷房設備整備に着手しており、できる限り早期に稼働できますよう詳細設計を進め、3月末の春休みから一部工事を始めることとしております。施工中は児童生徒の安全に万全を期すとともに、普通教室を優先して施工を進め、本年夏前に順次稼働できますよう、適切な工程管理に努めてまいります。
 生涯学習の推進につきましては、昨年10月に常盤公民館でスタートした放課後子ども教室を、新年度におきましては、大町東、西、北の各小学校区に拡大して実施することとし、次代を担う人材を育成するため国が推進しております新・放課後子ども総合プランに沿った施策を進めてまいります。
 また、市民の生涯学習の場として利用いただいております、公民館などの社会教育施設や文化会館は、それぞれ建築から30年以上が経過して大規模改修の時期を迎えており、これまで計画的な改修を進めてまいりました。新年度では、サン・アルプス大町の空調設備と平公民館の灯油タンクを改修するための経費を予算に計上いたしました。
 文化財の保護と活用につきましては、本年11月、20年に一度の国宝仁科神明宮の遷宮祭が執り行われますことから、これに先立ち、本殿などの屋根の葺き替え工事をはじめ、国宝建築物の修繕に対し、国・県補助を活用して助成することといたします。
 また、遷宮祭を契機に、国宝仁科神明宮の優れた文化財としての価値を広く啓発するとともに、観光誘客に結びつけることを目的に、宮本地区の皆さんが中心となり、「仁科の郷イベント実行委員会」を組織し、奉納太鼓の上演や歴史文化展の開催を計画しており、市としましても実行委員会に参画し、市民協働により魅力ある地域文化の発信に努めます。

 スポーツの振興につきましては、先月予定しておりました市民スケート大会は、氷の状態が悪く残念ながら中止となりましたが、今月24日にはスキー・スノーボード大会の開催を計画しており、より多くの選手の参加により、充実した大会となりますよう準備を進めております。引き続き、大町ならではの、冬の自然環境を活かした冬季スポーツの振興に努めてまいります。
 新年度におきましても、恒例の市民スポーツ祭や大町アルプスマラソン、大北スポーツ競技会などの大会のほか、各種スポーツ教室等の開催を予定しており、これらの機会を通じて、市民の健康増進と競技力の向上を図ることといたします。
 また、体育施設の整備につきましては、運動公園テニスコートのクレーコートを人工芝に改修するなど、市民スポーツの計画的な環境整備に努めてまいります。

 大町山岳博物館のニホンライチョウ飼育繁殖事業につきましては、飼育中のニホンライチョウの公開を、恩賜上野動物園や富山市ファミリーパーク等の4施設とともに、来月15日から実施する運びとなりました。
 大町市では、一昨年、博物館で生まれ、育った雌の一羽の公開を予定しており、平成16年にライチョウ飼育が途絶えてから15年振りとなります今回の公開を、山岳文化都市を標榜する市として大変喜ばしく思うところでございます。公開を通じて環境省等が進める絶滅危惧種保全の取組みや、ライチョウを育む山岳環境の保全の重要性について、多くの皆様に関心を寄せていただくことを期待しております。
 公開時間は、当面、午前11時から午後3時までとしておりますが、ライチョウの飼育環境に十分な配慮が必要なため、状況に応じて、公開日の変更や時間の短縮、入場制限などを行う場合があることをご了承願いたいと存じます。
 また、公開を記念して、当日は、博物館職員が解説するライチョウの見学会「ライチョウスペシャルガイド」を、また、17日には、ライチョウの生態研究の専門家小林篤氏の講演会を開催いたします。この機会に山岳博物館に足を運び、ニホンライチョウを間近に観察し、不思議な生態や生息環境について、市民の皆様に知っていただきたいと考えております。

 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。

 雇用情勢につきましては、大町公共職業安定所管内の今春の高校卒業予定者の就職内定率は、昨年12月末現在で87.1パーセントとなっており、前年同様、順調に推移しております。一方、全国的に人手不足が深刻化する中、当地域におきましても人材の確保に悩む事業所も少なくないことから、新年度におきましては、高年齢者の多様な雇用・就業機会を創出するとともに、働き手の確保にも結び付けることを目的に、厚生労働省の委託事業であります生涯現役促進地域連携事業を実施するため、5月からの事業開始に向けて、先月設立しました協議会において所要の準備を進めております。
 創業支援につきましては、昨年6月に開設しましたコワーキングスペース「北アルプスエントランス」において、新年度から、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き場となるテレワーク事業にも取り組み、コワーキングスペースを多様な働き手が交流する拠点として提供するとともに、具体的な起業や就業を促進するため機能の強化を図り、地域の活性化に資するよう取り組んでまいります。
 また、過疎地域以外において起業する方への支援策としまして、新年度、新たに起業支援補助制度を創設し、市内全域において、起業の意欲を持つ個人に対し助成を行う体制を整備することにより、地域産業の振興と定住促進に繋がるよう努めてまいります。
 中心市街地の活性化につきましては、市中心市街地活性化委員会において、新年度が最終年度となります第3次中心市街地活性化基本計画の進捗状況の検証を進めるとともに、これを踏まえ、新年度において第4次基本計画の策定に取り組みます。
 また、昨年9月定例会において議決いただきました中心市街地振興条例に基づく助成事業につきましては、すでに1件の交付決定を行っており、今後も制度の周知に努め、民間の投資意欲を引き出し、新たな集客施設の出店を促進して、中心市街地の賑わいの創出に取り組んでまいります。

 米の生産対策につきましては、平成30年産米は、生産者や集荷業者等関係団体の取組みにより目標を達成することができました。31年産米につきましては、先月28日に開催された市地域農業再生協議会におきまして、生産数量の目安値が前年に比べ211トン増の8,818トンと決定され、面積換算では、前年に比べ約45ヘクタール増の約1,438ヘクタールとなりました。
 米の需給バランスは、現在、適正な水準を維持していると判断されておりますが、食生活の多様化や少子、高齢化などの影響により、一人当たりの米の消費量が減少していることに加え、我が国の人口が減少局面に入っていることにより、米の需要量の減少幅が拡大しており、仮に需要に見合う適正生産が維持されない場合には、米価の下落と過剰在庫が発生することが懸念されます。
 稲作中心の当市にとりましては、農業経営を取り巻く状況は一層厳しくなることが予想されますことから、生産者の所得維持、確保のため、地域農業再生協議会を中心に生産者や集荷業者等関係団体が一体となり、需要に応じた米づくりの推進に努めてまいります。
 観光振興につきましては、春の観光シーズンの幕開けとなります立山黒部アルペンルートは、本年も4月15日に全線開通する予定であります。昨シーズンは、昭和39年以来、54年にわたり多くの皆様に親しまれてまいりました関電トンネルトロリーバスの運行が終了するため、一年を通じて「トロバスラストイヤー」として様々なプロモーション活動に取り組み、3年振りに100万人を回復することができました。今シーズンからは新たに電気バスが運行されますことから、「電気バス元年」として、さらなる入込みの拡大に力を入れてまいります。
 二次交通対策として運行しております周遊バスぐるりん号につきましては、運行時期を昨年より約2か月早めて4月25日からとし、観光客の利便性の向上を図ります。4月27日からの10日間が大型連休となることや、第36回全国都市緑化信州フェア「信州花フェスタ2019」において、当市がサテライト会場となりますことから、訪れる観客の皆様に北アルプスの残雪に映える大町公園や観光道路の桜、農具川河川公園のシバザクラなど大町ならではの景観を、十分に楽しんでいただきますよう情報発信に努めます。また、20年振りに遷宮祭が行われる国宝仁科神明宮など、より多くの市内観光スポットを気軽に周遊できますよう、ぐるりん号の運行の充実を図り、滞在型観光を一層強化いたします。
 昨年に続く取組みとして、新年度では4月から10月までの6か月間、JR信濃大町駅前の空き店舗を「信濃大町情報ステーション」として活用し、観光情報の提供や特産品の販売、信州花フェスタや北アルプス国際芸術祭のPR展示などを展開し、情報発信に努めます。庁内横断的に連携することにより、観光客だけでなく市民の皆様にも気軽にお立ち寄りいただき、折々の幅広い情報に触れる機会を提供したいと考えております。
 また、本年度策定を進めております次期観光振興計画につきましては、市総合計画の個別計画として位置づけられており、市の観光の将来の姿を見据えた観光振興策の具体的な指針を示す実行計画として、行政や観光団体、観光事業者、市民がともに連携し相互に役割を分担して、推進に取り組むことといたします。なお、計画の詳細につきましては、本定例会全員協議会においてご説明申し上げることとしております。

 移住・定住促進事業につきましては、一昨年度策定しました第2期定住促進ビジョンに基づき、人口減少に歯止めをかけるため様々な移住・定住施策に取り組んでおります。
 本年度におきましては、昨年4月から先月末までに市の移住相談窓口を通じて22世帯42人の方が移住され、前年同期と比較して3世帯10人の増となっております。また、県が公表した昨年4月から12月末までの当市の社会動態は、転入者数が転出者を11人上回っており、転出者数が10人上回った前年度に比べ、大きく改善傾向にあります。これは、首都圏での移住セミナーやマイホーム取得助成、空き家改修補助金などの各施策の成果が少しずつ現れてきたものと考えております。
 新年度におきましては、第2期定住促進ビジョンの中間年にあたるため、これまでの事業の効果を検証するとともに、事業の見直しを実施し、より効果的な事業の展開に積極的に取り組んでまいります。

 信濃大町ブランド戦略につきましては、本年度の取組みとして、大町市に来訪する観光客に「買いたい、食べたい」と思っていただくような特産品の開発を目的に、特産品開発セミナーを実施し、事業者とともにワークショップを通じて新商品の開発を進めてまいりました。
 開発された商品の評価とブラッシュアップを目的に、マーケティングの試行として、今月11日に開催された大町あめ市において、「信濃大町おもてなしマルシェ」を実施いたしました。このイベントでは、ブランドテーマを「氷河のまちの恋するリンゴ」として、大町産のリンゴをベースとした6種類約400個の商品を出展したところ、販売開始とともに全て完売し、大変高い評価をいただきました。
 今後は、今回のマーケティング調査の結果を踏まえ、4月25日から開催されます信州花フェスタのメイン会場や市内のサテライト会場において、さらにブラッシュアップした商品を来場者に購入いただけるよう準備を進めますとともに、来年開催いたします北アルプス国際芸術祭を見据え、事業者の支援に取り組んでまいります。
 海外に向けたブランド戦略につきましては、新年度において、市内事業者と連携し国内の先進地視察などを実施して調査研究を進めるとともに、海外バイヤーの招聘や今後開催される国内外の物産展等への参加について検討を行うなど、より具体的な取組みを進めてまいります。
 また、海外への販路開拓の取組みは、県におきましても、4月からの組織改正により、産業労働部に営業局を新設するなど、積極的な取組みが進められますことから、当市としましても、関係部署が連携し、市内の意欲ある事業者とともに新たなビジネスチャンスが生まれるよう取り組んでまいります。

 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。

 市立大町総合病院につきましては、平成29年度決算におきまして、財政健全化法に定める資金不足比率が経営健全化基準を超えましたことから、法に基づく経営健全化計画の策定を進めてまいりました。昨年末に提出いただきました個別外部監査の結果を踏まえ、病院内の検討チームにおいて原案を作成し、大町病院経営検討委員会での審議や市議会全員協議会などでの協議をはじめ、病院内外からのご意見を集約して、現在、最終的な取りまとめ作業を進めております。なお、この健全化計画は、本定例会に追加議案として上程することとしております。
 本年度の経営状況につきましては、入院、外来収益ともに、前年度と比較し大幅な増収となっております。これは、昨年7月から許可病床数を199床とし、病院規模の適正化を図ったことをはじめ、従来から取り組んでまいりました救急患者の積極的な受入れや、病床機能に応じた効率的なベッドコントロールなどにより、優位な診療報酬が確保できたこと、さらに、11月から在宅療養支援病院の施設基準を取得したことなどによるものであります。
 また、費用面では、職員の皆さんのご理解をいただき、緊急の措置として給与費の削減を実施するなど、病院挙げて経営改善の取組みを加速してまいりました。これらの取組みにより、本年度の経常損益は、当初予算と比べ大幅な改善が見込まれております。また、個別外部監査において指摘されました、退職給与引当金の会計上の措置につきましては、本年度において一括計上することとし、関係経費を補正予算に計上いたしました。
 新年度予算におきましては、本年度改善の実績を基に、年間を通じて経営改善の取組みを着実に進めるとともに、より一層の収支改善を図ることにより、4年振りとなる黒字予算を編成いたしました。また、新年度には消化器内科、泌尿器科及びリュウマチ・膠原病などの3人の専門医が着任する予定であり、専門分野での診療体制が充実する見込みとなりました。
 大町総合病院は、経営健全化に向けた多方面にわたる取組みにより、目に見える成果が少しずつ現れてきております。今後も、経営改善を一層進めるとともに、地域に密着した病院としてしっかり地域医療を支えることができますよう、井上病院事業管理者とともに全力を尽してまいります。

 母子保健の充実につきましては、新年度から妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援策の一環として、新たに産婦健康診査を実施いたします。産婦健康診査は、国の母子保健医療対策総合支援制度として創設されたもので、産後初期段階における母子への支援を強化するため、4月からの実施に向け、大町総合病院等との調整など必要な準備を進めており、所要の経費を予算に計上しております。
 また、北アルプス連携自立圏事業として、昨年7月から3歳児と5歳児を対象として眼科屈折検査を開始いたしました。先月末現在の受診者数は189人となり、視力検査に加え視覚検査により、目の機能異常の早期発見が容易となり、早期の治療に繋げることが可能となりました。引き続き将来を担う子ども達の健全な成長を支援してまいります。
 予防接種につきましては、国では昨年7月以降の風しんの流行を受け、抗体保有率が他の世代に比べて低い39歳から56歳までの男性について、新年度から3年間、抗体検査及び予防接種を実施することとなりました。現在、国において4月からの全国での実施に向けて態勢の整備を図っており、当市におきましても的確に対応することとし、所要の経費を予算に計上しております。
 国民健康保険につきましては、被保険者の減少に加え、前期高齢者の割合が50%を超えることなどから、今後、事業費納付金に充てるための国保税収入の減少が見込まれております。新年度では、引き続き激変緩和措置が講じられますが、なお不足する分につきましては、税率の改定を行うことなく、基金の取り崩しにより適切に対応することとし、国保財政の安定的な運営に努めてまいります。

 子育て支援につきましては、少子化の進行や核家族化、共働き世帯の増加など、子育て家庭を取り巻く環境が大きく変化する中、新年度の保育園の入所児童数は、先月末現在で本年度当初とほぼ同水準の425人と見込まれ、このうち3歳未満児は120人を超える状況となっております。
 また、老朽化が進む認定こども園大町幼稚園につきましては、新年度、国の補助制度を活用して全面改築を計画しており、予算に所要額を計上いたしました。
 全国的に保育士の不足が課題となる中、引き続き、保育園を地域の子育て支援の拠点として、私立幼稚園・認定こども園とも連携を図り、待機児童が発生することのないよう、適切な保育体制の整備に力を尽くします。
 現在、国におきましては、本年10月からの消費税率の引き上げに伴い、保育園・認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもと、0歳から2歳の住民税非課税世帯の子どもの、保育料の無償化について検討が進められております。制度設計の今後の動向に関心を払い、無償化に伴う財源措置や事務負担等の詳細が明らかになり次第、速やかに歳入歳出予算等への影響について精査するとともに、保護者への周知説明に努めてまいります。

 消費生活センターにつきましては、平成28年度から北アルプス連携自立圏事業により体制を拡充して効率化を図り、大北5市町村の消費生活に係る相談の広域的な処理を開始いたしました。先月末現在の相談件数は240件となり、前年同期と比べ67件の増となっております。引き続き、県消費生活センター及び警察等と緊密に連携し、特殊詐欺被害の防止等の啓発活動の強化を図るほか、県の消費者行政活性化事業補助金を活用し、相談機能の一層の充実に努めてまいります。

 住宅、建築物の耐震改修の促進につきましては、市民の皆様が安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるため、新年度におきましても、国庫補助制度の優遇措置を活用して引き続き住宅の耐震診断、耐震改修を積極的に実施し、災害に強いまちづくりを推進いたします。

 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。

 北アルプス広域連合が進めるごみ処理広域化につきましては、昨年8月から、一般廃棄物の処理については北アルプスエコパークに、また、資源ごみの圧縮梱包やリサイクル等については大町リサイクルパークと白馬山麓清掃センターに、それぞれ処理が移行しております。各施設におきましては適切な管理運営に努めておりますが、運転管理の状況や稼働実績等について市民や近隣住民の皆様にご説明し、安心していただける安全な施設であることをご理解いただけますよう、市といたしましても広域連合とともに取り組んでまいります。
 泉地区における臭気問題につきましては、県北アルプス地域振興局環境課や地元対策委員会との連携を図り、事業者に対する指導を強化しております。昨年11月には、煙突の高さを15メートルから約27メートルに嵩上げする工事が完了し、現在、その効果について確認作業を行っております。今回の対策は、主として事業所近隣での臭気の低減を目的とするもので、市が実施しております臭気パトロールや近隣地区の方の実感として、近隣での臭気が低減したように感じられる、との結果が出ております。一方、煙突を高くすることにより臭気が広く拡散することとなるため、事業所から離れた地区からは、これまで同様、臭気に対する苦情が寄せられております。
 これらを踏まえ、市として、引き続き臭気対策の監視、指導を行うとともに、排出される臭気の総量を削減するよう対策の強化を求め、臭気問題の早期解決を目指してまいります。

 良好な住宅・居住環境の形成につきましては、省エネや耐震性能、環境負荷の低減などの機能を向上させ、安全で快適な住生活を実現するため、新年度におきましても住宅性能向上リフォーム支援事業を継続することとし、所要の経費を予算に計上いたしました。
 市営住宅の整備につきましては、新年度、市営住宅等整備計画に基づき、美麻二重地区の向山団地において、生活排水の水洗化、給湯器の設置など水回りのリフォーム工事を実施し、住環境の改善を図ります。

 水道事業につきましては、給水人口の減少や節水意識の高まりなどにより、使用水量の減少傾向が見られますものの、原水供給の収益などにより、引き続き、安定的な経営を維持しております。
 水道施設の整備では、配水池電気計装設備の更新のほか、耐震化のための送配水管の整備等を順次進めており、新年度におきましては、稲尾・海ノ口間の送水管布設や東山観光線の送配水管の布設替え等に着手し、引き続き計画的な施設の更新に努めてまいります。
 温泉引湯事業では、基本湯量の確保と温泉の継続的な安定供給に努めるとともに、新年度におきましては、中継ポンプ室の自家発電設備の更新工事を予定しており、計画的な施設更新を進めます。

 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路につきましては、県大町建設事務所では、昨年4月から市街地ルートの概略計画案の策定に向けた事業の進め方について、国土交通省が推奨する「道路計画策定プロセスガイドライン」に基づき、市の都市計画マスタープランの策定に関わった団体への説明会をはじめ、市内6地区を会場に各地域の皆様との意見交換会を開催し、席上出された意見や要望、課題等を参考にして、技術的な視点や防災、地域振興や経済性などの視点から、複数のルート帯の案と評価項目の設定作業を進めております。
 県はこの複数のルート帯案と評価項目の内容につきまして、本定例会全員協議会及び都市計画審議会におきまして説明するとともに、今後、改めて地域住民や関係団体の皆様との意見交換会などを開催して意見を集約し、新年度末を目途に最適なルート帯を発表することを予定しております。今後、市といたしましても、関係する地域での円滑な合意形成が図られますよう、力を尽くしてまいります。

 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。

 昨年12月15日、第9回となります市民参加と協働のまちづくりフォーラムを開催し、中学生から80歳代までの幅広い年代の皆様120人にご参加いただきました。フォーラムでは、中学生による地域学習の発表の後、5つのまちづくりの課題をテーマに、テーブル毎にミニワークショップを行い、私も他の参加者とともに意見交換に加わりました。まちづくりについて世代を越えた熱心な議論が交わされ、開催後のアンケートでは、多くの参加者から満足だった、という回答をいただいております。このフォーラムが契機となり、まちづくりへの取組みの機運が一層高まり、市民の参画と協働のまちづくりがさらに進むことを期待するところであります。
 本年度のひとが輝くまちづくり事業につきましては、19団体から申込みいただき、16団体に対し合計1,176万円余を助成いたしました。本年度の最終報告会は、来月16日にサン・アルプス大町で開催いたします。議員各位におかれましても、市民の皆様の活動の成果をぜひご覧いただきたいと存じます。
 また、新年度のひとが輝くまちづくり事業の申請につきましては、伝統文化の継承事業をはじめ、身近な地域の課題等に取り組む「はじめようまちづくり活動」、地域の課題や市民の要望に沿った公益的な活動を対象とする「ひろげようまちづくり活動」などのまちづくり事業のほか、花づくり活動事業について、3月1日から申込み受付けを開始いたします。より多くの市民の皆様にご活用いただき、この事業により、自主的、自発的な活動のすそ野が広がっていくことを期待しております。

 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と、今後の執行方針についてご説明申し上げました。年度の最終盤に向けて、本年度計画いたしましたそれぞれの事業が円滑に完了できますよう、今後も全力で取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様の一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件1件、事件案件5件、条例案件4件、予算案件16件の合計26件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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