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大町岳陽高校の建設スタート(平成25年4月)

 新年度に入り、明るい陽ざしが降りそそぐ季節となりました。大町高校のグラウンドでは、3月末から、いよいよ新しい高校の創立に向けて待望の工事が始まりました。大町市民ばかりでなく、広く大北地域全体の大きな期待を担い、平成28年4月の開校を目指しての建設工事のスタートです。

 市役所の窓からは、すぐ東に隣接する高校のグラウンドでの作業の模様が手に取るように眺められます。何台ものトラックが資材を運び込み始め、地盤の整備、基礎工事に続き、仮設校舎の建設が始まっています。グラウンドでは、高校野球春の大会に備えて野球部の練習が始まっていましたが、4月に入ってからは、場所を市営球場に移して練習が続けられています。
 

 建設工事は、最初にグラウンドに仮設校舎を建設したあと、順次今までの校舎を解体し、新しい校舎を建設するものです。まず、管理部門と教室が入っている南校舎の解体撤去が行われ、埋蔵文化財の発掘調査を経て11月から建設工事に入ります。続く北校舎は 26年度に撤去、埋文調査、建設工事を進める計画です。北校舎の完成は、28年8月となっています。

 設計書によりますと、新校舎の外観は、正面玄関にはアーチ形のデザインを取り入れ、全体として風格のある落ち着いた案が採用されました。また、生徒同士の交流に配慮され、ラウンジが設けられているほか、中庭にはタイル舗装のテラスが設置されます。そして、北校舎の窓からは、当地自慢の北アルプスの雄大な眺望が手に取るように眺められるよう工夫されています。

大町市役所本庁舎3階から
(平成25年4月22日)


 大町高校と大町北高校を統合して新たな高校を創設することが県議会で決定されたのは平成23年2月です。準備段階ではこれまで仮に「大町新校」と呼ばれてきた新しい高校の名称も、公募による352件の中から絞り込まれ、近く正式に「大町岳陽高校」と決定されます。選考では、地域に根差した高校としての期待が表れていて、未来に向かって生徒を育んでいくにふさわしい名称であること、などの観点から選ばれたものです。北アルプスの麓に立地する高校として、朝のすがすがしい陽光を浴びて輝く新鮮なイメージは、新しい高校にぴったりの名前だと思います。

 教育課程の内容は、1.進取の気風に富み、心身ともにたくましく、2.真理を深く探求し、豊かな創造性と力強い実践力を持ち、3.地域の産業や文化を理解しその将来を担う有為な人材を育むことを目標に据えています。そのため、自然科学や人文科学に、より深い思考力、判断力、想像力を育てる学究科と、地域社会や大学等と連携して幅広い生徒の特性を生かす普通科を設置することとしています。

 統合される2つの高校はこれまで長い間、地域の高等教育を担ってきました。大町高校は男子校として創立されて既に110周年を過ぎ、また女子校として開学した北高も昨年100周年を迎え、ともに長い歴史と伝統を持っています。大町岳陽高校は、こうした背景のもとで、統合される2つの高校の良き伝統や校風を受け継ぐとともに、さらに、次なる時代の要請に応え、新たな校風を創りあげて行ってほしいと思います。
 

 また、特色ある伝統行事を受け継いでいくことも願っています。例えば、山岳部OBがエベレストに登頂している大町高校では、毎年、全校生徒が参加する全校登山が行われています。市域の南端に位置する槍ヶ岳(3,180m)から、北は白馬岳(2,932m)まで、毎年8つほどの班に分かれ一斉に登る伝統の行事です。この発祥は、昭和23年6月に、新制高校の発足を記念する行事として発案され、今年で65回目を数えます。そのテーマは、「山を我が庭に、自分の学び舎に」だったそうです。さすがに北アルプスの麓の高校の気概を感じます。
 また、北高のアジア・アフリカ難民支援運動は、全校生徒が参加するボランティア活動で、昭和60年にある1クラスの活動として始まって以来、間もなく30年を迎えます。こうした伝統的な活動は、時代を超え、教育の普遍性を持つものと思います。

工事現場付近から
(平成25年4月22日)


 確かに、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」ということわざもあるとおり、新しい学校には新しい学校の教育のあり方が求められ、それを実践することがその時代時代に対する教育の責務ではありますが、すべてが新しいことがよいことなのか、じっくり考えてほしいと思います。
 
 ところで、今回の工事に先だって、昨年度校地の一部で埋文調査が行われ、その結果、校舎の前庭と中庭の地下1〜1.3メートルのところから、室町時代の遺構や遺物が発見されました。そこで、校舎を解体撤去したところで、いったん工事を中断して本格的な発掘調査が行われることになりました。市街地中心部の大町高校の校地には以前から、室町時代から戦国時代にかけて長性寺という大きな寺院があったと伝承されており、郷土の歴史に関心がある私自身も、今回の発掘調査の結果には大いに期待をしています。

 また、校舎脇に聳えていた古いポプラの樹を伐採したところ、中には3匹のハクビシンが住み着いていたそうです。自然豊かな市街地の中でも、とりわけ居心地の良い棲み家だったと思いますが、どこへ引っ越したでしょうか。私も古い校舎に郷愁があり、また、母校の長い歴史にピリオドを打つことはとても寂しいことですが、あと3年後にはピカピカの新入生を迎える、新しい大町岳陽高校の開校を心待ちにしたいと思います。

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庶務課秘書係 内線 507
E-mail: hisyo@city.omachi.nagano.jp

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