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ホーム また新発見、爺ヶ岳の雪形(平成25年4月)

また新発見、爺ヶ岳の雪形(平成25年4月)

 今年も、北アルプスの雪形が楽しみな季節になりました。雪形は、春の雪解けとともにやってくるこの地方の春の風物詩です。私は、朝起きるとまず、寝室にしている2階の北側の窓のカーテンをいっぱいに開け、山を眺めるのが日課です。
 雪形は、5月頃に多く姿を現しますので、今の4月初めは、本格的に雪形が勢ぞろいするにはまだ早すぎますが、中には早や、現れ始めるものもあります。例えば、北アルプスの麓で最もよく知られている雪形の一つ、鹿島槍ヶ岳(2,889m)の「獅子と鶴」は、岩肌に黒々と現れる「ネガ」タイプであるため、比較的早い時期から目で確かめることができます。大町市や市の観光協会のホームページなどでも写真で紹介されていますから、ご覧いただきたいと思います。

 ところで、最近、また新たな雪形を発見したのです。以前、爺ヶ岳(2,669m)の3つの峰のうち、南峰の南稜線近くに現れる「鶏」について、このつれづれ日記で紹介しましたが、今度は南峰直下の山肌に「種まく人」を発見したのです。雪形に詳しい方は、「知ってるよ、でも、種まき爺さんのことじゃないの」というかもしれません。「種まき爺さん」は爺ヶ岳の名前の由来となっている雪形で、これは南峰と北側の本峰との間の鞍部直下に5月頃に出る雪形で、4月初旬にはまだ現れていません。笠をかぶってザルを抱え、ご丁寧に腰に蓑をまとっているように見えます。この「爺さん」は、その後、鍬を担いだような姿に変わっていきます。また、もう一つ、南峰にはそれよりだいぶ大きな人の形の雪形が現れ、それを「大きな爺さん」と呼ぶこともあります。

 私が今回見つけたのは、その「大きな爺さん」の場所で、やがてはこの爺さんの雪形の一部に吸収されていくのですが、3月末ごろから4月初めのこの時期には、種まく人のような形に見えるのです。

爺ヶ岳南峰直下の雪形 
市内上原地区から
(平成25年4月1日)


 しかもその姿は、ミレーの絵画「種まく人」によく似ていて、片足を大きく踏み出し、腕を力強く振って、まさに元気に種まく人にそっくりです。この写実的な姿は、爺さんとは大きく異なり、現役バリバリの格好なのです。ちなみに、ミレーのこの絵は、著名な岩波書店のマークのモチーフとして用いられており、ご存じの方も多いはずですが、とにかく瓜二つなのです。岩波書店よりマークの画像をいただきましたので、見比べていただきたいと思います。もっとも、雪形の方は、写真を撮った2日後にはまた山に雪が降り、山肌はしばし元の白一色に戻ってしまいましたが。
 

岩波書店のマーク

ミレー「種まく人」


 ワイドな展望が自慢の「リゾートビューふるさと」が走るJR大糸線の車窓からは、この時期、沿線に沿って西に聳える北アルプスの峰々に雪形がたっぷりと楽しめます。多くの皆さんに春ならではの雄大なパノラマを楽しんでいただきたいと思います。
 また、雪形の最盛期5月には、毎年ゴールデンウィーク明けからの土日に、当地の「雪形まつり」の一環として雪形ウォッチングが開催されます。毎年、大勢のファンが参加され、解説を聞きながら大町市内から白馬村まで、ビューポイントを巡ります。
 雪形は、雪解けとともにその姿が大きく変わっていきます。時期によってさまざまに変化していく様を楽しめるのも地元の特権の一つです。先ほどの「鶏」も、徐々に太ってメタボな姿になるのですが、この「種まく人」もやがて「大きな爺さん」の形に成長していきます。今年は、この「種まく人」もマイ雪形として、「大きな爺さん」に一体化するまで、その変化のプロセスをしっかりウォッチしたいと思います。

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