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震災復興支援高校女子サッカー交流会(H23.11)

  11月19・20日、大町市ではそろそろ寒さが身に沁みるようになるこの時期に、高校女子サッカーの交流会が開かれました。この催しは、東日本大震災に伴う原子力発電所事故の影響で、長引く不自由な避難生活を余儀なくされている被災地、福島県の皆さんの復興支援のために開かれました。大震災のあと、練習環境が整わず、十分な練習もままならない被災地の2つのチームの皆さんを応援しようというもので、県の大震災支援県民本部の助成をいただき開催にこぎつけました。

 県内からは5つの高校などの女子チームが参加し、交流試合やクリニック(技術講習)が行われました。指導には、なでしこジャパンの前田信弘コーチや大宮アルディージャの4人のコーチの皆さんに来ていただきました。初日の開会式の終わり頃から雨が降り始めてしまいましたが、クリニックでは、選手の皆さんはグループに分かれ、早速コーチ陣から基礎から始まるレベルの高い技術を熱心にご指導いただきました。

 福島県からは、全国屈指の強豪、県立富岡高校と福島県選抜の2チームにお越しいただきました。前日、福島県から7時間もバスに揺られて来たというにもかかわらず、移動の疲れも見せずに、元気いっぱいの笑顔でピッチに立ってくれました。2日間にわたり北アルプスの麓、自然豊かな大町市の緑に囲まれた運動公園サッカー競技場の天然芝の上で、思う存分プレーを楽しんでいただけたことと思います。2日とも雨まじりの中でしたが、交流試合でグラウンド狭しと走り回る選手たちのひたむきな姿は、きっと被災地の皆さんの力強い応援になったことと思います。それどころか、応援のつもりでお招きした私たちのほうこそ、選手から大きな元気をいただいたような気がしました。

 試合の合間には、芝の上で選手同士が笑顔でおしゃべりに興じ、お昼には豚汁やおにぎりで会話に花が咲きました。特に、富岡高校の選手たちは、大町に来るのを心待ちにしていたことと思います。というのは、富岡高校は福島第一原子力発電所の半径10キロ圏内にあり、大震災のあと、女子サッカー部も福島市へ移り、県外からの部員も多くが各地に散ったとのこと。長野県内から富岡高校に進学していた2人の選手もチームを離れ故郷に戻っていましたが、この交流会で8か月ぶりに再会して、久しぶりにチームに合流し、同じユニフォームでピッチに立ったのです。テレビ報道でも詳しく紹介されましたが、サッカーで頑張る、という仲間同士の熱い思いが、いっそうこの再会を感動的なものにしました。

 福島に帰られてから、富岡高校の松本克典監督からお手紙が大町に届き、その中には、10人の選手一人ひとりからの手紙が添えられていました。手紙からは、故郷に帰っていたチームメイトと再会し一緒にボールを蹴ることが出来た喜びと、大勢の人々から応援をもらって来年に向けて頑張るぞという決意が伝わってきました。
 大町市内からは、大町北高とFCタフィタの2チームが参加し、はつらつとしたプレーを見せてくれるとともに、地元チームとして立派に受け入れ役を果たしていただきました。
 また、試合の後には、選手の皆さんに心のこもった地元からのプレゼントがありました。それは、ちょうどその日の夜、大町市文化会館で上演された劇団四季の「夢から醒めた夢」の鑑賞へのご招待です。関係者のご厚意で、選手の皆さんには普段親しんでいるサッカーとは違った、芸術の世界にちょっぴり浸っていただき、気持ちをリフレッシュしていただきました。

 なでしこジャパンの佐々木則夫監督からは選手に、心のこもった励ましのDVDメッセージをいただき、開会式で披露されました。なでしこジャパンが世界一に輝いたドイツワールドカップでは、選手たちが最後まで諦めずに、仲間を信じ笑顔で戦い抜く姿勢が日本中に勇気と希望を与え、スポーツに打ち込む姿は多くの人々に深い感動を与えました。大型モニターに映し出された佐々木監督は、「選手の皆さんは、歯を食いしばって頑張っていることと思いますが、災害に決してくじけることのないよう、そしてサッカーを通じて長野の仲間と絆を深めてください。」と激励されました。ロンドンオリンピックに備える大切な時期を控え、今回の交流会には見えませんでしたが、大町には以前から来ていただいており、市内には監督から直接ご指導をいただいた選手が何人もいて、今回も準備運営に頑張っていただきました。

 この競技場は、来年のインターハイ全国大会から初めて正式種目として採用される女子サッカー競技の主会場となり、全国から集まる強豪チームの若さあふれる好試合が期待されます。交流会でサイドから試合を見ていた松本監督も、きっと心の中で、来年のインターハイ本番に向けチームの強化に確かな手応えを感じていたのではと思います。
 私は、スポーツを通じた若い皆さんの力が、きっと震災後の日本の社会を元気づけてくれるものと信じます。

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