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喜多郎さんのミニコンサート

  先月、大町市内の美麻地区にあるコンサートホールで、喜多郎さんのミニコンサートがありました。と言っても、正式のものではなく、中旬に名古屋市で開催されるコンサートの稽古の打ち上げとして、古くからのファンや親しい友人が招かれ、開かれたものです。50人ほどの聴衆の前で、喜多郎さんを始め5人のアーチストが、1時間半ほどぶっ通しで熱演のステージを繰り広げました。

 コンサートでは、喜多郎さんはシンセサイザーやギターのほか、縦笛や琴などの和楽器を駆使して、ダイナミックな演奏を披露されました。「和」のテイストや、トルコの軍楽隊の行進を思わせるエスニックな雰囲気の音色に包まれ、地球を一巡りするかのような多彩な音の世界に浸ることができました。後日お聞きしますと、「Wind &Wavega」や「CaravanSary」、「飛天」などの曲が演奏されたのだそうですが、シンセやパーカッションの、時には体全体を揺さぶるように激しく、また時には深い悲しみを慰めるかのように重く低い旋律は、この春の東日本大震災で犠牲となった方々への鎮魂の調べであり、この大災害からきっと立ち直っていこうという力強い励ましの響きに感じられました。

 喜多郎さんと大町市のご縁は、喜多郎さんがまだお若いころ、今は合併して大町市となった旧八坂村に一時期住んでいたことから、今でも当地の人達と交流が続いていて、時折大町市にお越しになっているのです。この音楽堂も、もう20年にもわたり喜多郎さんの音楽活動の応援を続けている市内の宮下良介先生が建設されたものです。
 実は、喜多郎さん、と、「さん」をつけて書いているのは、私なりに理由があるのです。最初にお会いしたのは、昨年5月、ちょうど中国の上海万博の期間中に、中国でのコンサートを控えアメリカから一時帰国され、公演に向けて稽古のために美麻の音楽堂にお見えになった時です。その時のことを思い出しますと、今でもあまりの恥ずかしさに冷や汗が出ます。
 音楽堂の前にあるゲストハウスでは、既に数人の皆さんがくつろいでおり、後から集まって来る方々を待っていました。私も部屋に入って腰を下ろし、周りの方々と話をしておりました。ちょうど隣に座っていた落ち着いた表情の方に何気なく、「こちらにはもう何回かお越しなんですか。」と話しかけますと、その方は、「ええ、アメリカから帰って来たときにはよく来ますよ。」と・・・。

 私は、「え、アメリカ?」、と一瞬考えたあと、「そ、それじゃあ、もしかして喜多郎さんご本人で、い、いらっしゃいますか?」と、動転しながら目の前のご本人に聞き返したのです。世界的なアーチストに対し、大変なご無礼を働いた訳です。
 この日私は初めて喜多郎さんへのご挨拶のために伺ったのに、高名な方のお顔さえ判別できない大失態で、なんと取り繕ったらよいか言葉が浮かばず目も泳いだまま、おろおろしていますと、喜多郎さんは、「いいよ、いいよ」とばかりに、にこにこ頷かれていました。言い訳にもなりませんが、そのとき撮っていただいた写真を今見直しても、喜多郎さんは穏やかな好好爺ぶりで、とても周囲を威圧するようなオーラを発散しているようには見えません。本当に偉大な方は、普段、やたらオーラなど撒き散らすことはないのかもしれません。
 

 喜多郎さんは、言うまでもなく世界を舞台に活躍する国際的なアーチストです。世界で最も権威のある音楽賞といわれるグラミー賞を2001年の第43回で受賞していますが、昨年まで日本人でこの賞を受賞していたのは、喜多郎さんを含め、たったの4人だけでした。ちなみに、今年の第52回では、一気に4人もの日本人受賞者が出たことが大きな話題になりました。
 つい先日、NHK—BSの再放送で懐かしの番組「シルクロード」が放映されていました。喜多郎さんが音楽を担当したこのドキュメンタリー番組は1980年に制作され、全編に流れる感動的なテーマ曲は喜多郎さんの代表作の一つと言われています。石坂浩二のナレーションの若々しい声とともに、番組全体に流れる喜多郎さんのシンセサイザーの音色は、今なお新鮮さを失わず、心に沁みてきます。

  これからも、喜多郎さんの奏でるシンセサイザーの澄んだ音色を楽しみながら、国際的な舞台での一層のご活躍をお祈りしたいと思います。

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E-mail: hisyo@city.omachi.nagano.jp

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