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メンドシーノ訪問のエピソード集

エピソード1 アパラってなに?
 英語の発音は、慣れない耳にとっては聞き取りにくく、特に、生まれながらに英語を使っているいわゆるネイティブの人々の発音はとても難解です。

 今回の滞在では、2〜3人づつに分かれて4泊のホームステイをお願いしたのですが、私たちのホストファミリー、ロバートさんを囲んで夕食の後、雑談をしていたときのことです。
 最近、奥様のボニ−さんと一緒に、用事があってサンフランシスコへ行ってきたと言い、その用事というのが「アパラ」だと言うのです。アパラ? 私たち一同は顔を見合わせます。いったい何なんだ。それまでの会話だって、苦心しながらようやく解読し、言葉のやり取りをしてきたのに、新たな難問です。分からない顔をしていますと、ロバートさんはいろいろ言葉を替えて説明してくれます。「シンガー」がどうとか、「ダンス」がどうだとか、なお困った顔をしていますと、「日本にも『マダム・バタフライ』というのがあるじゃないか。」と言うではありませんか。 マダム・バタフライ?・・・蝶々夫人(ちょうちょうふじん)、あ、なんだ『オペラ』のことか。

 私が、それは日本では『オペラ』と発音するんです、と言うと目を丸くして大いに受けて、それから片付けに台所に行っていた奥さんをわざわざ呼び戻し、「おい、アパラを日本では、オペラなんていうんだって。」とか言っているではありませんか。
 それからは話が弾んで、ご夫妻ともオペラが大好きで、とりわけドミンゴの熱烈なファンだそう。ドミンゴのどこが好きなんですかと聞くと、「もう、声がすてき。でも顔は別。」と、確かに熱烈かつ手厳しい評価でした。
 英語の発音と言えば、前にもこんな思い出があります。長野冬季オリンピック組織委員会に在職し、ノルウェーのリレハンメル大会に行っていたとき、アメリカのCBSテレビの方と知り合いになり、一緒に出かけることになりました。その行き先を、『メローアウォー』に、と言っているのですが、いまいち私には分かりません。言われるままについて行くと、そこは表彰式会場でした。つまり、日本式に言いますと、『メダルアワード』だったというわけです。

エピソード2 ボールパーク
 メンドシーノの中心部に、ボールパークがあります。フレンドシップパークともいい、瀟洒(しょうしゃ)な野球場です。両翼が60mほどと小さいながらも、木製ではありますが、立派なスタンドや審判席、得点表示ボードなどが完備し、さすが野球の本場アメリカです。 92年、初めての訪問団が、ここで野球の親善試合を行いました。

 今回もここで、美麻、メンドシーノの親善試合が行われました。両方のちびっ子選手が入交じり、それに私達大人も加わってのミックスチームの試合です。ゲームのほうは、先攻のわがチームが、途中まで、相手の主戦投手合津君の好投に抑えられていましたのを、主軸の中牧議長さんの見事な大3塁打で逆転勝ちしました。議長さんは、子ども用のごく短いバットをものともしない見事なバッティングで、さすがノンプロの片鱗をちょっと覗かせ、「ミスターチェアマン!」と、それはもう、すごい人気でした。
 それにしても感心しましたのは、双方のメンバー混じってのゲームは、言葉はほとんど通じなくても、ルールは万国共通、選手の動きもまったく同じ、違和感をまったく感じさせない親善試合でした。

エピソード3 レッドウッドの森とポイズンオーク
 サンフランシスコからメンドシーノヘ向かう350Kmの旅の途中に、レッドウッドの森があります。この森はボールディミック州立公園という公園になっていて、一行はこの大木の森に立ち寄り、バスに揺られての長旅の疲れを癒しました。レッドウッドの木は、世界で最も高い木と呼ばれているそうで、北カリフォルニアの象徴ともなっています。もともと、太平洋沿岸の雨や霧の多いこの地の環境の中で、すくすく育ったのでしょう。メンドシーノの街ももともと、サンフランシスコの町の建設に使われる大量の材木の積み出し基地として発展した歴史があるそうです。

 この木については、事務局として活躍した大塚さんに帰国後に聞いたところによりますと、同じメンドシ−ノ郡のモントゴメリーの森には112.3mもの世界一といわれる木が立っていて、樹齢は2000〜3000年とのこと。昔はもっと大きな木があったようです。ちなみに大塚さんは、ホストファミリーと、車で1時間半+徒歩で2時間もかけて行ってきたそうです。
 深い森に入っていきますと、シダや下草が茂る中、大きな木々の間を縫う(ぬう)ように小道が続いていて、気持のよい散策が楽しめます。奥では、あちこちにキャンパーが車の脇にテントを張り、のんびりと時間をすごしています。中には、トレッキングにでも出かけたのでしょう、キャンプ資材を広げたまま、空き家にしている無用心な?サイトもあります。この森は州立公園であるにもかかわらず、どのサイトも焚火(たきび)を楽しんでいるようで、おおらかさを感じました。さすが大陸です。
 ずっと昔に枯れ、大きな切り株だけが残っているのがあり、朽ちたとはいえ、高さ3〜4メートルもあって、手がかりを求めて私が先頭になって登りますと、次々に子ども達も続いて来ます。結局20人ほどが切り株の上に立ち、みんなで誇らしげに記念写真を撮りました。

 さて、この森での子どもたちのもうひとつの関心ごとは、「ポイズンオーク」でした。ポイズンとは毒のこと、オークは、日本で言えばカシやナラの木などの総称ですが、この植物は地を這うように伸びる、いわばウルシの仲間のようで、触れると酷く(ひどく)かぶれることから、出発前に、ここでは気をつけるように、決して触らないようにと、きつく注意されていました。お達しが効いたのか、子ども達も「ポイズンオーク、ポイズンオーク」とまるで呪文のように名前を唱え、足元をきょろきょろ見ながら注意深く歩いていました。この呪文のおかげで、被害にあった子どもはいませんでした。
 もっとも、翌日、メンドシーノの街に入ってから、ビッグリバーという名前の川に昼食に下りる道筋に、この「ポイズンオーク」がたくさん茂っているのを見かけました。案の定、子ども達はまったく無頓着(むとんちゃく)で、どんどん歩いて行ってしまいました。

エピソード4 消防署と巨大あわび
 メンドシーノの見学で、こどもたちと消防署を訪れました。着く早々、みんなで2台の消防車に分乗して街中を巡回です。このこと自体が驚きなのですが、時折鐘を鳴らしながら派手に消防車が行くものですから、街の人もすぐに気づいて、みんな笑顔で手を振ってくれるのです。これにもびっくりです。
 さて、署に戻って聞きますと、メンドシーノの消防署は立派なオフィスを構え、仮眠室、キッチンや、ジムを備えたトレーニングルームまで完備しているのに、すべてボランティアによって運営されていると言うのです。もっと驚いたのは、7台もある消防車も、相当部分が住民の皆さんの寄付によって揃えられているとのこと。案内をしてくれたグロスさんを含む5人の理事会(ボードメンバーと呼ばれています)が、住民に呼びかけて支援を得ているのだそうです。

 今年は、消防士の皆さんからヘリコプターを導入して欲しいと要望があったそうです。それでどうなりましたかと伺うと、グロスさんはにやりと笑い、「もちろん、すぐに買ってやったさ。」と、棚に飾ってあるおもちゃのヘリを指さしました。一同、大笑いです。
 さて、消防車の横には、高速の大型ゴムボート2艘(2そう)と、マリンスポーツで水上バイクとかジェットスキーとか呼ばれている機材が並んでいました。これはどうするのと聞きますと、「メンドシーは岩の多い海岸で、クリフ(がけ)が多いし、あわび獲りの人もいるから」とのこと。あわびが獲れるのか、それにしても重厚な救急機材まで用意して、あわび獲りの救助に備えるのかと思ったのでした。

 その後で、メンドシーノ岬を訪れると、ウェットスーツを濡らし(ぬらし)海から上がってきたばかりの男の人たちが、車の荷台に獲物を下ろしています。覗き込むと、なんと30cmはあろうかという巨大なあわびがごろごろ。日本では、魚屋さんで高い値札がついて並んでいるのでも、15cmもないですよね。さすが何でも大振りな国だと感心したしだいです。
 しかし、あわび採りも自然保護のため、しっかりルールが決められていて、入漁料を払ったうえ、一人3個までとなっているのだそうです。私も住民であれば、きっと暇を見つけては海に潜っていることでしょう。ちなみに、あわびは英語で「アバロニ」と言うのだそうです。

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