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龍彦ちゃん・坂本弁護士一家のご冥福を祈る

 7月23・24日の両日、大町市で「龍彦ちゃんを忘れない・愛とヒューマンのコンサート」が開かれました。社会正義を貫こうと尽力された坂本弁護士が、オウム真理教(当時)の狂気の標的となり、ご一家が事件に巻き込まれ、幼くして命を絶たれた龍彦ちゃんのご冥福をお祈りするコンサートです。龍彦ちゃんは、平成7年9月、大町市郊外の山中で発見されました。大町で追悼のコンサートは今年5回目を数えます。

 このコンサートは、音楽好きだった坂本一家を偲んで、親交のあった弁護士や音楽家の皆さんが慰霊の地を巡り行われていて、大町での第1部は、当地生まれでスタジオミュージシャンとして有名な後藤叫圭さんや、大町で音楽活動を展開されている柳澤和夫さんたちによる「TATSUHIKO」のバンド名でのステージです。柳澤さん作詞作曲の「いのちの星」は、第3回から演奏されているそうです。

 第2部は、パリオペラ座交響楽団員のアラン・ペルシオさん、ベッセラさんご夫妻によるクラシックコンサートでした。言うまでもなく演奏は確かなものなのですが、決して堅苦しいものではなく、「ハンガリア舞曲」など良く知られている曲もあり、音楽を愛された坂本さんご一家を偲ぶにふさわしく、終始和やかな雰囲気に包まれていました。演奏には、ご夫妻の3人のお嬢さんも飛び入りで加わり、なかでも4歳という末っ子のお嬢ちゃんの、まるでエンジェルのように舞う即興の「ダンス」には大きな拍手が起こりました。

 コンサートに参加していた友人は、ペルシオさんご家族のように、生活の基本単位である家族の絆がしっかりしていれば、オウムに妄信した人のように誤った方向には向かわない、何事にも屈しないのでは、との感想を話してくれました。私もそう思います。
 オウム真理教によって事件が引き起こされてから、もう18年が経ちましたが、事件の衝撃はあまりにも大きく、今も人々の脳裏から離れることはありません。私もこのような凶悪な犯罪が起きたことに深い悲しみと憤りを禁じ得ません。この教団の教えにあったという「空中浮揚」や「ハルマゲドン」などという、世間から見ればおよそ荒唐無稽と思われることが、信者の間では当たり前に信じられていたといいます。

 最近、テレビや雑誌などで、運勢や占いなどをもてはやす風潮がとみに強くなっているように思います。かつてのオカルトブームや、「超能力」、「超常現象」が流行したことを思い出してしまいます。運勢や占いはそれ自体、人生の励ましであったり、戒めとして活かされるのであれば有用と言えるでしょうが、そうしたものに振り回され、自分の主体性を見失うほどに妄信してしまうのであれば、やはり行き過ぎです。もちろん、崇高な宗教心、気高い信仰心は、潤いのある人生にとって大切なものであり、精神生活を送るうえで重要なものであって、迷信や狂信とはまったく別です。

 未知なるもの、不思議なものに出会ったとき、合理的な精神、科学的な態度から理解しようとすることの大切さを、もう一度考える必要があるのではないでしょうか。人々が安心して暮らせる健康な社会を実現するために、一人ひとりがこうした精神、態度を磨いていくことの重要さを痛感します。
 そのためには、この痛ましい事件を決して風化させず、語り継ぎ、歌い継いでいくことが大切だと思うのです。こんなことを考えさせられる追悼コンサートでした。
 

7月24日 市長室にて

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