大町市の地域資源を活用したコミュニティビジネスを紹介します。

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大北農協社直売所の人気商品「あられ」の製造風景

 大町の冬の伝統的な保存食、凍りもち。一昔前までは、どこの家の軒先にももちがつるされ、その風景は真冬の風物詩でもありました。最近では、手間の掛かる保存食を作らない家庭が増えましたが、そんな中、郷土の味を継承していこうという動きもあります。今回は、大北農協社直売所凍りもち部会の皆さん(会長の丸山道雄さんと伊藤芳美さん)にお話を伺いました。

――最初に、どうして凍りもち作りを始めたのでしょうか。

凍りもち製造工程の写真
つるしたおもちは冬の風物詩

伊藤さん 直売所を始めたころ、凍りもちはありませんかと言うお客さんがいてね。今はだんだん各家庭では作らなくなってきたじゃないですか。それなら、昔の技術を残すことにもなるし、社のお米を使えば地産地消にもなるから、やればいいねと言って、始めたんです。平成12年からやっているから、今年で14年目ですね。1月から2月までは直売所がお休みなので、売り場のスペースをこうして利用しています。

――広々していていいですね。凍りもちはどうやって作るのでしょうか。

丸山さん もちをついたら型枠に入れて一晩置いてね、切って紙にくるみます。それを3日から4日水につけて、それをつるす。うちは他所より少し長いらしいね、水につけてる時間が。水分をしっかりと染み込ませるということだと思うけどね。2月いっぱいくらい、こうして風通しのいいところにつるしておくんですよ。

 凍りもちは凍りもちっていうだけあって、寒さが必要。凍みがなくちゃダメなんです。凍みると水分が抜けてサクサクになる。昔は各家庭でも、一臼とか作ったもんだが、やらなくなりましたね。

 ウチの特色? 凍りもちに、塩を入れることかなあ。

伊藤さん 味を付けるほどは入れないんですよ。水につけている間に溶け出ちゃうんじゃないかしら。一臼18グラム入れるだけだからね。多少うまみが出るのかねえ。一番最初に教えてもらったのは、昔凍りもちをやっていたという松川の方のお菓子屋さんで、そのときそうやって習ったの。塩を入れることによって、サクサク感が出るんじゃないかな。

おもち切り機の写真
おもちを均等に切り出すための道具

――それも大町の厳しい寒さがあってこそですね。

伊藤さん そうですね。こういう寒い気候を利用したりするのはもちろんだけど、やっぱり、水がきれいだからおいしく仕上がるんだと思いますよ。もち米自体が綺麗な水で作られているしね。大町の風土を生かして、ここならではの食文化を培ってきた昔の人って、本当にすごいですよね。

――手間の掛かる作業ですよね。作業を見学させていただくと、手際の良さに感嘆するばかりです。道具も、のし板に一定の大きさに切るための刻みが付いていたり、使いやすいように工夫されていますよね。ここには何人くらいらっしゃるのですか?

丸山さん 今年は少なくてね、13人。でも若い人が入ったから作業は順調で、1月の7日から始めて15日には終わりましたよ。

――今作業していらっしゃるあられは、どうやって作っているのですか?

丸山さん あられも、もちをふかすところまで同じだけれども、あられの方が薄く作るから一臼の量が少ない。ウチは凍りもちは一臼4.2キログラム、あられは一臼3.8キログラムでやっています。あられの作業は10日間やりますが、ここに300キログラムあるからあと4日分ですね。

伊藤さん 揚げる前のおもちのまま売る分と、あられに揚げて売る分とで1日18臼つくからね。

丸山さん ついた翌日に切って、広げて干します。その後10日毎に3回ほど新聞紙換えてね。

伊藤さん 乾くと小さくなります。水分が抜けて乾燥すると、大体元のもち米の目方になるんです。

――凍りもち部会で作っていらっしゃるのは凍りもちとあられですか?

会員の皆さんの集合写真
大北農協社直売所凍りもち部会の皆さん

伊藤さん そうです。部会で凍りもちやあられを作り、そこのたんぽぽ工房っていう加工施設で加工してもらって、直売所で売るという流れでやってます。凍りもちは平成12年からやってるけれど、あられはたんぽぽができた平成14年から始めました。干したままのも売りますけどね、たんぽぽで揚げたサクサクのあられは好評なんですよ。

 あと、揚げ凍りもちも作ってます。揚げてから甘じょっぱく味付けしてね。こちらもなかなか評判なんですよ。加工することで、付加価値を付けることができます。

――なるほど、揚げ凍りもちなんて、ほかにはないアイディアですね。たんぽぽさんは専門のスタッフがいらっしゃるんですよね。どんなものを作っているのでしょう。

伊藤さん たんぽぽには専門の調理員さんが5人いて、毎日作っていますよ。紫米を使った紫饅頭や紫大福が知られていますし、おこわやおやき、茶饅頭、曜日限定のあんころもちなどもやっています。季節には草もちなんかもね、つきたてのおもちで作ります。それから、おせんべいも作ってるんですよ。米粉のおせんべい。かりんとうみたいな感じです。それもおいしいと評判です。工夫しながら、本当にいろいろなものを作っています。

あられ作りの風景
あられ作りも冬が最盛期

――おいしそうですね。それにしても、加工施設があるというのは強みなんですね。

伊藤さん もともとここは農協の倉庫だったんですが、直売所の友の会っていうのを作って、農協さんにバックアップしてもらって、直売所を作りました。あのころたくさんの直売所ができたけれど、私たちのところが一番初めじゃないかな。その後、野菜だけ売っていても十分な売り上げとはいえないし、ほかのところと違うことをしなくちゃと思って、加工施設も始めたんです。

――そうですか、春になって直売所がスタートしたら、ぜひお買い物に来たいと思います。最後にこれを読んでくださる方に伝えたい事がありましたらお願いします。

丸山さん 地元産のものを大切にしながら、加工施設があるという強みも生かして、いろいろな工夫を重ねて頑張っていきたいと思っています。新鮮でおいしい野菜や郷土食をそろえていますので、地元の方にもぜひ食べていただきたいですね。

社直売所外観の写真
県道51号線沿いにある大北農協社直売所

企業情報

会社名
大北農協社直売所
凍りもち部会
代表者
代表 丸山道雄
創業
2000年1月
郵便番号
〒398-0003
住所
大町市社1757番地
電話番号
0261-62-8890
ファックス
0261-62-2179

 

大北農協社直売所凍りもち部会マップ

 
凍りもちの乾燥風景
厳寒期に製造される凍りもち
あられの製造風景
あられの製造風景
素材のおもちの写真
四角にのされた材料のおもち

次回は「キッズウィル」を予定しています!

関連リンク

○ながの創業サポートオフィス(長野県中小企業振興センター)

○信州人キャリアナビ(長野県商工労働部労働雇用課)

○中小企業相談所ホームページ(大町商工会議所)

○定住促進ホームページ(大町市役所)