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ホーム 市長の部屋 市長と語ろう!まちづくり懇談会 おおまち九条の会(平成30年11月)

おおまち九条の会(平成30年11月)

おおまち九条の会とのまちづくり行政懇談会の概要です。
 
日 時 平成30年11月12日 午後1時30分から午後2時38分
場 所 東中会議室
懇談した団体等名 おおまち九条の会
出席者 おおまち九条の会 9名
市 側 市 長  牛越 徹
(記録)
情報交通課広聴広報係長 渡辺卓也

 

1.開会

2.あいさつ

  牛越市長
  おおまち九条の会

3.懇談事項
  おおまち九条の会からの質問・要望事項について

○牛越市長
 本日は、急遽他の公務が入ってしまったため、1時間を目途にお願いしたい。
 暫く進行させていただく。ご自由にご発言いただきたい。

○おおまち九条の会
 1982年に核兵器廃絶と軍備縮小を近隣自治体よりいち早く宣言した市ということで誇りに思う。また、先日私たちが出した核兵器廃絶に関する陳情も市議会で通していただいた。核兵器廃絶について賛同いただいている。
 今の大町市の取り組みの中で、もっと平和事業を充実させてほしいと思う。原爆展を行っているが市民の意識に語りかけるにはまだまだだと感じている。私たち市民レベルの活動だけでは力不足。原爆展を行う際には、どうやって展示したらいいか、付属して何か関連した平和の詩の朗読発表会と一緒にできないかなど、平和を訴えるため、企画から行政と一緒にできないか。行政主導ではなく市民参加の形でできればと思う。若い人たちに伝えていくためにも希望する。

○牛越市長
 大町市は地方公共団体の中でも兵器廃絶や軍備縮小について比較的早く宣言した。これを風化させないためにも市役所のロビーで毎年8月には原爆展を行っている。市役所入口のロビーで展示しているので多くの方に見ていただいており、その効果は大きいと考えている。このような取組みを行っていることが、悲惨な体験を私たち日本人が経験したことを思い起こすことに役立っている。
 さらに充実したらどうかとのご提案にあった詩や作文の朗読などは、実際に体験した人の作品を朗読すると非常にインパクトがあり、多くの人の心に訴えることができる。今年、上田市で吉永小百合さんが朗読会を行ったと思うが、とても印象に残る。これは、市や市教育委員会が主催したものではなく実行委員会として行ったもので、市はバックアップしていた。これは大事なことだと思う。
 平和というものは、日本のように第2次世界大戦で悲惨な体験をした国であるからこそ、また、原爆の唯一の被爆国であるからこそ平和が尊い国であって、また、その尊い経験を活かしていくことが大事。放っておいたらまた元に戻ってしまう。そのようにならないように粘り強い努力が必要だと思うし、ご提案のように原爆展に合わせて大勢の皆さんに知っていただく機会を皆さんが取り組むのであれば、市としてできる限りのお手伝いをさせていただきたい。

○おおまち九条の会
 上田市で行われたときに私も行ったが、行政がバックアップするとレベルが違う。できれば原爆展に合わせて何かしませんかというような公募をしていただき、行政も一緒に行うように立ち上げてもらいたい。市として行うことに大きな意味がある。先日、コスタリカの奇跡の上映会を行った。100人ほど集まったが、私たちが頑張ってもそのくらい。例えば市が文化会館を使って呼びかけることができればと思う。市として8月は平和を考える月として事業を行ってもらいたい。

○牛越市長
 市が主催というのは難しい。民間の皆さんが平和をテーマにアピールする活動に行政がバックアップするのが一番良い形だと思う。行政主導は広がりが少ない。例えば、毎年行っている人権に関する研修会などは、行政が呼び掛けると民生委員さんや自治会役員の皆さんなどが参加してくれるが毎年同じ顔ぶれになる。これが行政で行うことの限界。行政が呼び掛けたから集まってくれるというのは有難いことだが固定的になってしまう。むしろ、無関心である層に訴えかけられるのは行政の力では及ばない。そういったことも考えながら相談していきましょう。

○おおまち九条の会
 皆が行ってみようかと思ってもらえることが人を多く集められる。そういった活動に市が応援することが市としてメリットもある。一緒になってやっていただけたら嬉しい。

○牛越市長
 様々な活動をされている団体の皆さんは、「こうであるべき」という思いが比較的強いのでは、と感じることがある。誰でもざっくばらんに入ってこられたり、たまに欠席しても良いというような自由な集まりということで活動されれば、さらに広がりが出てくるのではと思う。

○おおまち九条の会
 人権の研修会などで行政から呼び掛けると固定化するとのことだが、何か工夫はしているのか。

○牛越市長
 例えば、会場を学校にして行う。児童は授業の一環として聞いてもらい、家で保護者と話してもらう。また、一般参加の皆さんには職場や地域の中で話題にしてもらえるよう、私が開会のあいさつで直接呼びかけている。その他には、座学でお話を聞くよりも、障がいがある方のピアノ演奏を聞くなど、印象に残るインパクトの強い魅力的な講師の方をお呼びすることもお願いしている。

○おおまち九条の会
 原爆展に関連して、被爆された方の経験したお話を聞くのも大事だと思うが、もう一つ踏み込んで、日本が侵攻したことなどの事実をしっかり伝え、元に戻らないように反省を込めてやった方が良いと思う。

○牛越市長
 典型的な例では、日本は中国大陸に進出した重い歴史を持っているのに、そうした事実さえ無かったかのような論調を目にする機会がある。ある雑誌で読んだが、ある方が中国の奉天に旅行に行ったときに、奉天でもそうした事件があり、奉天には細菌兵器を開発する施設があって人体実験を行っていた歴史があり、現地にはその施設を残して展示してあった。その方はそのことを知らずに立ち寄ったが中国語と英語の表記しかなく日本語表記はされていなかった。なぜ日本語表記が無いのか、それは日本人がそのことを事実ではないとして訪れていないからかもしれないと、その人は書いていた。そのような記事を読むにつけ心が痛む。歴史を事実として確認した上で教育として残すべきだと思う。今、そのような論調が大きくなってきていることに危惧を感じる。ただ、地方公共団体として、自治体レベルでどこまで活動として起こせるのか難しい課題だと思う。

○おおまち九条の会
 是非、子どもを含めた実行委員会を立ち上げて、大人も一緒になって朗読したり、体験した人に講演してもらうことを実行委員会で企画していければ良い。行政は実行委員会の立ち上げまで協力いただいて、市民参加の形を用意してもらいたい。

○牛越市長
 主導的に行政が入るのは難しい課題。民間の皆さんが一生懸命企画し運営するものに市がバックアップするのが望ましい。政治的立場で行うものには反対が生まれてくる。行政にとっても望まない姿になる。公共施設の使用でも政治運動に少しでも触れるような内容であれば、その使用許可に行政は苦慮する。そのようなことに私たちは特に気を付けている。ご理解いただきたい。

○おおまち九条の会
 コスタリカの奇跡という映画を大町公民館分室で上映した。ポスターを何カ所かに貼らせていただくにあたって、大町公民館分室は、上映に5万円ほどかかるが私たちの利益になるものではないことなどを説明し協力してもらった。しかし、平公民館にポスターとチラシを持って行ったら、政治的なものと思ったらしく、お金がかかるものは掲示できないと断られた。他に掲示してあるものの中にも有料の表記がされているものがあり、何が違うのか聞いたところ、登録している団体だからとのことなので、私たちも登録団体であることを伝えて何とか貼らせてもらえたが、非常に嫌な思いをした。分室ではポスターを貼るときに見えやすい場所を教えてくれたりしたのに、あまりにも正反対な対応だった。公民館は本来、文化的なことや社会的な活動などをバックアップしてくれる場所だと思うのだが、政治的なものはタブーみたいな色眼鏡で見られたことが不愉快だった。同じ公民館なのに統一されていないのはおかしいと思う。

○牛越市長
 同じ趣旨のことを判断するのに、同じ社会教育施設の公民館が違う判断をするのはおかしいと思う。公民館は教育委員会の所管であるため、私が直接口を出すことはできないが、公共施設の運営について適切さを欠いているようであればアドバイスする。教育委員会に確かめるが、結果的に平公民館は何がダメということだったのか。

○おおまち九条の会
 市民活動団体としての登録が必要ということだったので、登録されていると説明したが、私が団体の代表でなく顔を知ってもらっていないためか、訳の分からない人が来たみたいな感じで対応された。最終的には登録団体であることを確認してもらい掲示してもらえたが、最初から嫌な対応だった。

○牛越市長
 結局、ポスターの掲示とチラシを置くことは了承されたということで良いか。

○おおまち九条の会
 最終的には了承された。他のポスター掲示をお願いしたときも、貼る場所がないなど、対応が不愉快だった。

○牛越市長
 職員には、まごころを込めて対応するようにお願いしているが徹底できていなかった。教育委員会の所管とはいえ、市の施設での対応についてのことなので私からお詫び申し上げる。不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。

○おおまち九条の会
 その他、職員についてだが、9条に関連したものなどの署名をお願いしたときに公務員だからできないと言われた。また、家族に公務員がいるから署名できないという人がいる。民主主義として、公務員であっても個人の精神論は自由なはず。市の職員として採用された人の中で、少しだがそのように言う人がいる。

○牛越市長
 そのようなことを聞くと心が痛む。内容によってではあるが、公務員であることを理由に署名しないのはおかしい。反対であるようなら、私はそのような考え方には同調しませんとはっきり言うべきだと思う。自分が自由に発想を持ち、自由な思想や信念を持って良いということを理解してもらうようにしたい。

○おおまち九条の会
 公務員だからやらないという中立性というのは、はき違えているように思う。職場を離れれば自由だと思う。公務員だからできないというのは疑問。日ごろからどのような考えで業務に携わっているのかと思う。

○おおまち九条の会
 私も経験がある。署名のお願いをしていたら息子が市の職員だからと言って断られた。その時は、わかりましたと言って諦めた。市の職員である前に一人の人間であることを自覚してもらうような訓示などはできないか。

○牛越市長
 市長が命令権を持っているのは勤務に対してのことで、日常の事までは言えない。市民の皆さんには公正公平の立場で市民サービスの向上に努めるようお願いすることはあるが、その先までは言えない。ただ、協働のまちづくりを目指している市としては、市政の運営では、市の職員であると同時に地域の皆さんと市政をつなぐ橋渡し役を努めるよう言っている。
 先ほどの話で、本当はご家族自身が断りたかったが、賛成できませんと言えなくて息子が市の職員だからということにしたのかもしれない。わかりましたと言っていただいたのは正解だと思う。その時、議論になっても良い印象が残れば良いが逆の印象が残ることもある。自分の考えを伝えるのは難しいし、かつ、納得いただくのは時間がかかるものだと思う。
 私自身も長い間、一般職の県職員であった際には、政治的な活動や政治的な集会に行くことは避けていた。そうでない立場の人がいれば、公務員のくせに何だと言われかねない。個人の自由ですということもできるが、なかなか面倒だという気持ちはあった。なので、支持する政党の集会や、反対の集会も行くことはなかった。公務員というのは矢面に立たされる心配がある職業。心理的には腰が引けるということはある。

○おおまち九条の会
 市長から職員に言うということではなく、職員一人ひとりが職員という以前に一人の人間である人間としての自由さをしっかり持ってもらえるよう自覚してほしい。

○牛越市長
 考え方からすれば市の職員に限らずみんなが自覚することが大事だと思う。海外のインタビューなどを見ると、若い人にマイクを向ければ自分の考えをきちんと言う人が多い。日本人は政治に無関心な層が増えているような気がする。良いこと悪いことを自分自身が判断する習慣を身につけることが必要。また、人と違う考えを持つことも当然で、人が違う意見だからといって見方を変えたり、意見を言わないというのは一人の人間として残念なことだと思う。確立した自己を育てるのは学校教育であり、社会に出てからは生涯学習の役割。しかし、どうしたら良いのか、一地方公共団体としては難しい課題。

○おおまち九条の会
 公共団体では遅い。国民性というものがあって、政治の話などはしないでおこうという雰囲気がある。居酒屋で思い切って言えるような雰囲気があれば良いがそうでもない。今できるのは、まず家庭からだと思っている。

○おおまち九条の会
 主権者として、市民みんなが育っていくような環境を整えるのは、自治体として大事。平和事業のことも、市の職員でも意見を言うときは言う。学校教育でも行政でも主権者をどう育てるかということは重要。特に若い人たちには重要。

○牛越市長
 人権教育の中にそうした分野がある。一人ひとりの考え方を尊重しあうというのが人権の原点。普段から自分らしい考え方や暮らしを考えていく。考え方が違う人も尊重しあうということが原点。

○おおまち九条の会
 先ほどの、原爆展を市が行うには課題があるというのはどういうことか。

○牛越市長
 行政が主導して行うことは難しい。むしろ民間団体の皆さんが主導しながら輪を広げた方が効果は大きく、行政がバックアップすることが望ましいということ。ただ、後援を依頼された時には、公共施設の使用の規定と同じように政治的主張が前面に出ると難しい。そうでない主張をする人がいる。

○おおまち九条の会
 いろいろな主張をする人がいて良いと思うが。

○牛越市長
 憲法改正の発議をしようとする団体が仮にあった場合、賛成または反対の一方に市が後援したから、もう一方からこちらにも後援してくれと言われても困る。

○おおまち九条の会
 憲法は守るもの。

○牛越市長
 憲法を守るというのは地方公共団体の責務ではなく、地方公務員の責務である。私は地方公務員として、特別職でありながら憲法を守る責務はある。ただ、個人的な主義主張は別。後援依頼というのは市長に対してすることにはなるが、地方公共団体としての行為に憲法を守らなければならないという直接の規定はない。よって、どちらかから、憲法改正の集会に応援してほしいといわれたときには難しい。憲法を守ろうというときに、政治的な主張としてみなされる場合には非常に微妙な問題。地方公共団体はどこも苦労している。

○おおまち九条の会
 憲法を暮らしに活かそうという主張はどうか。

○牛越市長
 それは当然のこと。

○おおまち九条の会
 地方公共団体で政治的以外のもので、原爆のことや9条のことを書いた短歌が入ったものを削ったなどという地方行政や地域があるが、それはおかしいことだと思うし、大町市はそういうことはしないという認識で良いか。

○牛越市長
 今まで大町市がそのような対応をしたことはない。ただ、そのこと自体が政治問題になったときには非常に苦しい立場になることが考えられる。その線引きは非常に難しい。

○おおまち九条の会
 今の市長の考え方は私たちにとって良いこと。様々な市民団体がそれぞれの活動をしていく中で皆が成長していく。
 別件になるが、私は八坂に住んでいるが、トンネルを抜けたところにジンジャーマンというカフェがあり、2~3年前に、その付近で10人ほどの自衛隊員が銃をかまえていて非常に怖かった。昼間の2時頃だったので支所に行って、自衛隊がそのような訓練をしていることを知っているか、また、知らされているのかと聞いたら、支所長は知らないと答えた。自衛隊の訓練について知らせなくても良いというような話だった。私は市に対して言ってほしい、厳重に抗議すると言ったが、このような場合、市には知らせなくても良いものなのか知りたい。昼間の時間では子どもたちもその場所を通る可能性もある。八坂は人通りも少ないからやったのかもしれないが、とても危険だと思った。

○牛越市長
 その時かは定かでないが、自衛隊から県内の機関を通して大規模な訓練を行うという通知があったことは記憶している。自衛隊が国内で訓練などの活動を行うこと自体に規制はない。ただし、当然のこととして他に危害を及ぼすことはあってはならない。確かその時には、野外訓練として通常の戦闘装備だが弾を込めていないことについて通知はあったが、周知の依頼はなかった。自衛隊の責務として必要があればマスコミ等に公表し、住民の皆さんに知らせることになる。自衛隊法の中に地方公共団体の責務はない。外交と自衛隊の活動については地方公共団体が関与することはない。先ほど支所に抗議したと言われたが、抗議されても市政の所管ではないのでお話しを伺うしかできない。

○おおまち九条の会
 市として、そのような場所で行わないでほしいということは言えるのではないか。

○牛越市長
 本当に危険が及ぶようであれば抗議することはできる。

○おおまち九条の会
 危険が及ぶようなことはしないと思うができないものか。

○牛越市長
 法律上、抗議できるかというと規制がないので、実際に弾を込めていたとか安全装置を外していたとか、具体的な実態があれば当然抗議しなければならないが、非常に難しい。その分野においては地方公共団体の権限は無いに等しい。上空500メートル以上で飛行しなければならないというルールでは、それより高い場所を飛行していれば誰も何も言えないが、昼寝している子どもが泣いたとなれば県などに苦情が行く。その内容を記録して防衛施設庁を通して抗議するということはある。

○おおまち九条の会
 自衛隊が訓練する場合には、その地域住民には知らせないのか。

○牛越市長
 現在の状況は分からないが、自衛隊が必要だと判断した場合は自衛隊が周知すべきこと。

○おおまち九条の会
 何年か前に木崎湖周辺であったような記憶がある。

○牛越市長
 その時は通知があった。要請は無かったが市民の皆さんにはお知らせしたと思う。

○おおまち九条の会
 例えば、バイパスを行軍して走行する訓練をする場合も通知だけか。

○牛越市長
 通知がない場合もある。公道は誰が通っても良い。例えば、戦車が走って路面を傷めたとなれば抗議をするし、そのような恐れがあれば通さないと思う。通常も道路の規格を越えた車両が通行する場合は道路管理者の許可が必要。当然、通行に支障がないかなどについて審査される。
 自衛隊が必要ないと思っている方にしてみればとんでもないことだと思う。

○おおまち九条の会
 八坂で見たときは、銃を構えて銃口を道路側に向けていたのでとても怖かった。その頃から自衛隊を容認するとか、そのような訓練をしても仕方がないというような雰囲気が出てくるのが怖かった。

○牛越市長
 個人の心象は個々に違う。

○おおまち九条の会
 そのような環境があるということ自体が怖いし、日常になってしまうのではないかという不安がある。

○牛越市長
 皆さんのご心配とすれば、自衛隊の日常化で戦争がしやすい国になってしまうことだと思う。

○おおまち九条の会
 自治体として、そのようなところに抗議したりしているところはないか。

○牛越市長
 ない。現在の法制下で認められているものであり、地方公共団体が国に対しておかしいというのは通常はない。それは国会でしっかりと議論していただくもの。

○おおまち九条の会
 平和な日本を次の世代に伝えたいと思って活動している。戦時中は東京に住んでいて家も全部焼かれた。戦後、両親からは戦争だけはしてはいけないと言われて育った。私たちの世代は身近に伝えられているが、現在の子どもたちは親が若いため、伝えられる機会が少なくなっている。大町の青少年に大町市として伝えることが大切だと思う。平和行進に参加したときに、松川村では広島や長崎に子どもたちを送って報告会などを行っていると聞いた。大町市でもそのようなことはできないか。松川村長は平和行進で歩いているが、そうした姿が若い世代に影響を与えることができるかと思うので、市長も是非参加してほしい。

○牛越市長
 激励会には必ず参加している。また、大町市でのトーチのリレーの際には立ち会って激励のあいさつをしている。公務が重なっているため行進にはなかなか参加できないが、私の気持ちはそのようなところにある。

○おおまち九条の会
 子どもを広島などに送るのは。

○牛越市長
 大町市では行っていない。学校行事としてなら市長が指示することはできないので、教育委員会で検討してもらうものと考える。

○おおまち九条の会
 教育委員会に申し入れれば良いか。

○牛越市長
 良いが、答えは簡単には出ない難しい判断だと思う。

○おおまち九条の会
 小谷村役場の前には非核宣言の村のモニュメントがあったが大町市にはないか。市役所の周りを見たがなかったように思う。垂れ幕などでも良いのでできないか。

○牛越市長
 今記憶にないが、あったと思う。私が外したことはない。

○おおまち九条の会
 大町市が宣言していることを市役所に来た人が見て分かるようにしてほしい。

○牛越市長
 大町市では他にも部落解放などの宣言をしている。

○おおまち九条の会
 それと同じようにしてもらえば良い。八坂には書いてあった。是非検討を。

○牛越市長
 わかりました。

【後日、担当が確認。市役所本庁舎正面の導入路左の自動販売機と防災倉庫の間に、部落解放都市宣言や山岳文化都市宣言と一緒に核兵器廃絶軍備縮小を推進する都市宣言のプレートを標記している。】

○おおまち九条の会
 市に文化祭に行きたいと思ったが、市民バスが日曜と祭日が運行していなくて不便だった。日曜日や祭日に運行すると予算がかかるのか。

○牛越市長
 それは予算的なことではない。まず、予算的な面では、市民バスは実数で約200~300人が常時利用しており約1億円かかっている。運賃収入はあるが1千万円程度。議会からも質問があるので、効率的な運行について全面的な見直しを考えている。1年くらいかけて結論を出すこととしている。
 日曜日や祝日に運行しないという考えは、運行開始当初から変わっていない。土日などは、別に暮らしているお子さん達が帰ってきて、家族みんなでで買い物などに行きましょうということで、私も、家族がいない人はどうすれば良いのかと思うが、当初からそういう考え方のようで予算とは別の理由がある。

○おおまち九条の会
 文化祭の時だけシャトルバスみたいに運行しても良いのではないか。

○牛越市長
 そうすると市民ふれあい広場の時も出すべきとなる。その時だけ動かしても乗客はそれほど見込めない。それほど利用者が少ない。

○おおまち九条の会
 乗っている人は非常に助かっている。なくされたら困る。

○牛越市長
 なくすことはしない。特に高齢化が進む社会なので、出かける足がなくなることは、生活が不便になるだけでなく、外出しなくなると体も健康面で衰えてくる。そうしたことから市民のみなさんの足は確保していく。

○おおまち九条の会
 小型のバスにしたらどうか。

○牛越市長
 既に、少しずつ小さくできるところはしているが、あまり小さくしすぎると逆に乗りにくいことがあるので、ある程度の大きさは必要。

○おおまち九条の会
 これから公共交通は重要になってくる。私は常盤だが、おそらく冬はみんな家にこもりっぱなしではないかと思う。公共交通がもっと発達すれば出やすいし、大町市街も高齢者が行ってみたくなるようなものがあれば良い。病院に行くためだけに運行するのでは利用者は少なくなる。
 いつまでも元気でいられるというのは、出かけられるということが一つの要因にもなる。

○牛越市長
 昔は2キロや3キロは誰でも普通に歩いた。私も小学校の頃4キロ歩いた。小さい頃、沓掛の駅から親戚の小西山まで歩いて行ったが、今その距離を歩くかと言われると、生活習慣としてこの距離は歩かない。これはまずいなと思う。

○おおまち九条の会
 現実に体力が衰えてくる。夫が入院中だったときには病院と文化祭の会場を行ったり来たり歩いたが、バスの有難みが分かった。是非続けてほしい。

○牛越市長
 わかりました。

○おおまち九条の会
 今年の7月27日に全国知事会があり、日米地位協定の見直しの意見書について、長野県議会や長野市議会も意見書を提出した。大町市でも議会として意見書を提出するということについて市長はどう考えるか。

○牛越市長
 社会的に大きな支障が出ている。例えば、成田空港や羽田空港の空域管制は非現実的。そうした国民経済や国民生活に大きな支障を及ぼしていることがある。戦後ここまできてもまだ縦続のような一方的な規制を受け入れているのは不自然。両国の友好のためにも決して良くないと思う。

○おおまち九条の会
 時間のこともあるのでここで終わりにする。

○牛越市長
 まだご発言されていない方がいらっしゃると思うが申し訳ない。
 本日は、私の個人としての政治家としてのスタンス、また市長という職は行政の長であるという役割がある。行政官としては当然仕事を通じて憲法を擁護しなければならない。国も同じで、国会議員のときと、内閣を構成する大臣などになったときの役割があって、大臣などは議員でありながら国の行政を担う公務員で、憲法を擁護する義務があるはずが、今それが薄れているのが残念。
 市議会でも私は平和問題について何度も質問され、この13年間で10回ほど答弁しているが、その中で、私のスタンスは、平和憲法の平和を希求する理念は、今後も引き継がれるべき崇高な理念である。憲法学者は集団的自衛権に関して反対している。私は、戦争で悲惨な体験をした父親を持ち、戦後民主教育の中で育った戦後民主主義の申し子と自負している、と表明したうえで、平和を願う気持ちは誰も同じだが、平和を維持するプロセスの考え方は各人様々である、と述べてきた。この認識のもとで、内閣は、拙速に結論を出すべきではなく、法学の専門家、国民各層の意見に耳を傾け、十分議論を尽くしたうえで、国民に理解され納得されるように全力を尽くすべきだと答えている。
 もう一つは、特定秘密保護法と集団的自衛権を一足跳びに進めようとした際の質問に対して、国際関係が複雑、緊張している時代だからこそ、冷静、慎重な姿勢が重要であり、国際間の紛争は、外交努力によって解決すべきで、武力行使は何としても避け、愚直に平和を守るべきと主張した。同時に、市長は行政官の立場で憲法を守る役割を担っていると答弁している。それが私自身の信念。
 また、平成25年3月にも、憲法改正の動きがあったときの質問に対し、憲法改正には厳格な立法手続きがあり、そのハードルを下げることには違和感がある。9条は武力行使を原則禁止、抑制的で、徹底した平和主義を宣明している。戦争の悲惨な犠牲の反省に立ち、再び戦争はしないと誓った平和主義であり、よって、平和憲法を希求する理念は今後も引き継がれるべき、と表明したうえで、平和を愛する国際社会の信義と公正を信頼し、相互理解と協調のもと、戦争のない平和な国際関係の堅持を願う。これは、憲法の前文にあるが、憲法の前文にこのようなことが書いてあること自体が風化されつつあることを、私たち憲法を守る立場の者として発言していきたい。
 しかし、一方で行政官としては、国が定めた法律を守らなけらばならない。例えば、自衛隊に反対してほしいと言われても、公的な立場では法制がそうなっている以上は発言できないことをご理解いただきたい。また、私の信念についてはご理解いただきたい。
 本日は、答えが中途半端になった部分があった。なかなか難しい政治課題とも絡んでいることもあり、そうした答えになったが、私自身の考えを整理する機会にもなった。これからも皆さんの考えに耳を傾け、私の立場としてできる限りのことをしていきたい。

4.閉会 午後2時38分

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