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労働団体との行政懇談会

労働団体との行政懇談会の概要です。
日 時 平成21年5月22日 午後6時00分から7時00分
場 所 昭和電工社員クラブ
懇談した団体等名 大北地区労組会議、大北地協
出席者 労働団体 16名
市 側 市側 市長 牛越 徹 
    秘書係 小澤 誠一
記録 庶務課広聴広報係長 勝野礼二

1 開会
 牛越市長を招き、大北地区の労働2団体と意見交換を計画した。市長には、忙しい中出席いただき感謝する。労働2団体は、意見交換の機会はあまりない。そこで、今回の懇談会を設定した。

2 大北地協副議長あいさつ
 市長との話で、労働団体とも話をしてもらえたらとお話したところ、快く引き受けてもらった。有意義な意見交換の場にしたい。労働者の状況については、肌身で感じていると思う。一時休業の企業もあると聞いている。雇用情勢も含めたお話しが出来ればと考えている。

3 市長あいさつ
 連合長野大北地区協議会、大北地区労組会議の皆さんと意見交換の場を設けていただき感謝する。また、私自身大変お世話になっている。この会は、行政懇談会ということで、市の行事として参加させていただいた。就任して2年10ヶ月、市内の各地域にお邪魔して、市内に98の自治会があるが、地域の皆さんと自治会の皆さんと意見交換を71回開催している。また、別に市内でさまざまな活動をしているボランティア活動などの団体の皆さんとも、こうした行政懇談会とし、どこにでも伺い、あるいは市役所で意見交換をさせていただいている。なぜ意見交換に一生懸命に力をいれなければならないかというと、わたしの公約でもあるが、これまでは、行政は皆さんから税金をいただいて、税金のやり繰りの中で地域課題を解決してきた。地域課題を解決するノウハウも蓄積されていた。
 ところが、今まで経験していない地域社会の状況、例えば少子化がこんなに進むとは誰も考えていなかった。高齢化もそうである。また、人口そのものが減少するという今まで経験していなかった課題について、より市民の皆さんの参加を得ながら市政を進めていかなければならない。今まで、行政が蓄積してきたノウハウだけでは解決できない課題に直面するようになった。そうした中で、市民参加と協働が何よりも重要になった。これは、私自身、出馬にあたり訴えて選挙に臨んだ。協働は大町市だけのやり方ではなく、須坂市では協創といっている。市民の皆さんの参加により取り組む手法は各地で行われている。大町市でもきらり輝く大町を目指して、協働の理念で、市民同士の協働、市民と行政との協働、市民には、市民お一人お一人の場合と、団体や企業の場合もあるが、まちづくりに参加いただきたい。そんな訴えをしている。2年10ヶ月経ったが、そうした流れが見えてきて、それが地域づくりに姿を現し、一部には実を結びつつある分野もある。
 今、喫緊の課題が二つある。昨年秋以来の世界的な経済危機である。この地域もその波をもろに受けている。私たちがやっていかなければならないのは、地域経済を何とか底支えをし、なんとか景気を回復させていくことである。経済はいつも波を打っているが、今回の波の底は相当に深い。100年に一度といわれるほど深い。経済対策により、谷の深さを浅くしたり、早めに回復基調にする努力をしている。行政の役割は、経済を刺激することが一つ。情報戦略の推進や福祉の充実など、様々な観点で需要を増やすことが必要である。もう一つは、短期的に雇用を支えることである。雇用は企業の役割だが、行政も臨時的な雇用を創出する。この二つを柱としている。
 大町市は、一般会計で総額160億円ほどの小さな規模でやり繰りしているが、昨年12月には約4億円弱、2月には3億円の経済対策を行った。新年度の当初予算でも、雇用を含めた経済対策を織り込んでいる。国では、15兆円規模の追加経済対策の国会審議が始まった。市も連動して、さまざまな市民の皆さんに身近な道路や水路の維持補修、情報基盤の整備、太陽光発電設備の公共施設への設置の検討など、地域経済に直接影響する施策を考えている。今まで出来なかった政策を中心に、市民の皆さんに、地域経済に役立つ施策を中心に盛り込んでいきたい。経済対策には3つの要素がある。一つは、適時、タイミングが大切である。早め早めに手を打つことが重要である。二つ目は、適切な規模である。三つ目は適切な内容である。市民の皆さん、勤労者の皆さんに元気が戻るように、お勤めの事業所が早めに立ち直れるように願っている。今日長野から出張から帰ってきたが、最初に向かったのが、市内のある事業所で、飲料水を製造販売している工場の第2期の増設のしゅん工式に出席してきた。矢沢水源の余っていた水を取水しボトル詰めして、東京に輸送している。
 この会社は、昨年水道料として1千万円、21年度は2千万円の水道料を納入してくれることになる。今は減免しているが、今後は固定資産税や法人市民税の収入も見込める。従業員は31人で、増設で5人増やすという。市内には業績を拡大している会社もある。このほかにも市内でラインの増設を検討している会社もいくつかある。一方で、市内で電子部品を製造して業績を上げていた会社が、来年3月に工場を撤退する発表があった。先週その会社の本社を訪問して、企業、工場の存続をお願いしてきた。しかし、基本的な方針については変更に至ってはいないようだ。こうした、明るい状況とそうでない状況が織り交ざっている。地域の経済が立ち直るようにがんばっていきたい。
 もう一つ、新型インフルエンザだが、社会全体に深刻な影響を与えている。行政の役割として、予防と、かかってしまった人への医療対策がある。感染力や致死率など危惧されていたが心配されていたほどではないようだ。しかし、アルペンルートには年間100万人の観光客が訪れるが、1割以上が外国からのお客さんであり、外国からのキャンセルが出ているようだ。ある市内のホテルでは、1,200人のキャンセルがあると聞いた。観光産業への思わぬ影響に危惧している。地域経済にこれ以上悪影響を及ぼさないように、努力を重ねていきたい。今日は、ざっくばらんな意見交換をさせていただきたい。

4 参加者からの意見
  • 企業の撤退の話があったが、我社は大北地区に3個所事業所がある。それぞれ役割はあるが、これ以上企業がなくなれば、3箇所が2箇所になりかねないと思う。市を活性化させて働く場の確保をお願いしたい。
  • 市長の話の中で、90以上ある自治会のうち、70以上の自治会で直接市民と話をしていると聞いた。いいことだと思うので、市民の生の声を大事にしてもらいたい。
  • 我社は、一時帰休で生産調整をしている状況にある。先行きは不透明だが、雇用の確保に力を入れてほしい。
  • 雇用情勢が悪化しているので、ハローワークと連携して融資などで対応している。大町は、外国人労働者は多いのか。
  • ダイレクトメールなどが減って、仕事が少なくなっている。年賀状の販売も少なかった。企業誘致、雇用の確保をお願いしたい。
  • 市の経済対策で、公共事業の補正予算が計上される。現在大町市では下水道事業が目玉の事業だと思うが、22年度で関係工事が終了する。補正予算の内容は、維持工事が中心で、舗装工事が主になる。限られた業者への発注になると思う。
  • 経済状況が厳しく、新型インフルエンザの影響もある。そんな中で、企業にもがんばっているところ、努力しているところと、していないところがある。労働組合も、企業に対して物申すところが少なくなってきている。企業が利益を追求することだけでなく、安全とか衛生の面でも、厳しい目で見ることが少なくなっていると思う。企業の不祥事が報道されているが、地域住民に迷惑をかけている。そこには労働組合があるが、きちんと機能を果たして、安全、衛生をチェックして会社に物申すという風にしなければならないと思う。行政に対しても、2団体は市議会議員も推薦しているが、ただ送り出すだけではなく活動のチェックも必要だと思う。報道で取り上げられたが、市内に700人の2種類以上の市税滞納者がいて、滞納額は4億1千万円ある。労福協では、教育委員会に、学校のカリキュラムの中に多重債務などについて組み込んでいただき、教育してもらうよう申し込んだ。社会人になる前に、啓蒙教育をしてほしい。
  • 厳しい時期だからこそ、労働団体が元気を出して前向きに活動して行きたい。今後、定期的に今回のような会合をもてればと思う。市職労とも会合を持っていただきたい。
  • 昨年母が大病をして、要支援1に認定された。大町病院は頼りになるので、経営は大変だと思うががんばってほしい。
  • 職員が元気よく仕事ができることが大切である。街の活性化も企業誘致も倫理観が大切だと思う。自分がよければ良いというような価値観が出てきているのは残念である。

5 市長からの回答
  • 地域を支えていく上で、働く場所の確保、医師の確保が重要だと考えている。この二つは、私の仕事の相当部分を占めていて、東京、大阪方面を走り回っている。昨日までは、関西方面に行き企業訪問をする予定だったが、兵庫に新型インフルエンザが発生して会議が中止になり出張が取りやめになった。東京では、銀行の方と長野県に縁のある企業を中心に何回も回っている。企業動向をリサーチしている日本立地センターに委託して、調査票を企業に送り進出予定などのアンケートを実施している。割合正直な回答をいただいていると思う。東洋紡跡地を視察に来ていただいた企業もあるが、経済状況の変化からいったん白紙に戻っている例があり残念である。もうしばらく時間がかかるかもしれないが、私も先頭に立って努力していきたい。
  • 大町市を離れ30数年県職員をしていた。柔軟な考え方や発想をしてきたつもりでも、視野が狭くなっていたことを、市民の皆さんと話すことで感じる。市長という立場は、行政マンではなくて市民の皆さんに夢を提案できるような、形にしなければならないなと考えている。いろいろな提案をいただくが、すぐに実現できないこともあり、自分自身ももどかしい気持ちもある。一つづつ丁寧に実現できるようがんばっていきたい。
  • 地域に働く場所がないことが、地域にとって何よりも残念なことなのでがんばっていきたい。
  • 市内の外国人労働者数は、比較的少ないと思う。伊那市では、人口が9万人でそのうち外国人登録者は約3千人いた。大町市では、市内の事業所に勤める市内に住む外国人労働者は多くないが、近隣の市町村から通勤してくる外国人労働者は多いと思う。撤退が発表された企業においても、最盛期の500人の従業員のうち、280人が外国人を中心とした派遣労働者だったという。現在、派遣労働者はいなくて、270人の正規職員だけでがんばっている。外国人労働者は、市内に居住していなかったので、直接人口の減にはつながらなかった。人が集積することで元気が生まれると思うので、働く場の確保に努力したい。
  • 定額給付金の申請関係書類は、信頼性のある郵便でお願いした。私事では、年賀状を600枚出していて、公職選挙法の規定で、市内分は、自筆でがんばって書いている。普段でも、毎週間で数枚は葉書や手紙を出している。気持ちが伝わるという意味では、手紙の役割は大きいと思う。
  • 大町市を含む大北地域の経済構造は、3つの産業の柱があると思う。製造業を中心とした工業、観光業、農林業が噛み合って安定している。駒ヶ根市、伊那市、箕輪町、辰野町など上伊那地域では、工業化が進んでいる。前の駒ヶ根市長は、在任の20年のうちに28の企業を誘致した。企業の立地によって、法人税などの税収も好調だった。しかし、電子機械関係の工場が中心だったので、一斉に景気が悪くなってしまった。観光業は、経済の動向に影響を受けるが、製造業のような3割減や7割減などの極端な受注減に比べると、影響は少なくなっていると思う。建設産業は、地域の基盤を支えていく意味からとても大事である。例えば、建設業者が地域にないと災害時はすぐに立ち直れない。冬の除雪でも採算を度外視して、重機やオペレーターを確保していただいている。下水道事業が、22年度で終了する。計画的な建設事業の執行のために、第一中学校の改築工事の後、1年置いて現在、仁科台中学校の工事を進めている。次は、耐震改修も含めて、東小学校の大規模改修を施工する。全体では新たなものを作る環境にはない状況である。市内には、公共施設、文化・スポーツ施設などが、一応充足している。これらを適切に維持し、改修していかなくてはならないので、計画的に実施している。大規模な事業としては、下水道の事業が一段落したら、市営住宅が600戸ほどあるが、計画的な全面建て替えを含めて考えている。そこで、市民の皆さんも含めた、市営住宅あり方検討会を立ち上げた。
  • 国・県の事業では、国の鹿島川の砂防事業、県では地域高規格道路の建設などがある。高規格道路関係では、大町市街地を迂回する新しいバイパスを建設するのか、既設の道路を使うのか市民の皆さんの意見をお聞きしてルート案を決定していきたい。
  • 労働組合の役割の重要さは、改めていうまでもないが、労働条件を改善するために雇用されている企業とのやり取りと、企業一つ一つで解決できない社会的な問題は政治にぶつけていく事がある。政治にぶつける方法は、一つは労働組合運動として取り組むことと、代表の議員を通じて活動していくことがある。現在は、企業に求めても、企業自身の利益が薄い中で、国際競争にも勝たなければならないので、要求も聞き入れられないような厳しい状況にあると思う。一緒に汗を流している人が報いられる社会を作らなければならないのはそのとおりだと思う。
    最近は、企業のモラルとか、コンプライアンス、倫理観とか言われて入るが、企業の業績や利潤にかかわりなくコンプライアンスを果たしていくことが定着してきていると思う。労福協の活動には、市も応援させていただき、続けて行きたい。また、多重債務の問題については、他の市町村に先駆けて、個人情報を守りながら内部で連携する仕組みを作った。本当に困っている人に対して、行政もアンテナを高くすることによって早く察知したい。理不尽な法外な利息を払っているような、しかも返済が終わっているにもかかわらず請求されているような、そんな事例もある。市では税の問題に関連づけて、税の滞納の代位弁済をすることで、市が仲立ちして弁護士を依頼し相手にぶつける方法を編み出した。すべてに適用できるとは限らないが、そうした取り組みもしている。振り込め詐欺とか悪質な事例には、警察とも協力しているが、早い時期に金銭教育や消費者教育を進めていかなくてはならないと話している。適切な金銭感覚、消費者行動を取れるような教育ができるように、今後の課題として温めさせていただきたい。
  • 医療を受けなくても良い健康が求められていると思う。そんな生活に戻ることが第一目標だと思う。2年半前は、大町病院をどうにかして欲しいという人が、5人と話せば2人はいた。評判が悪いって言うよという話があちこちにあった。私も大町病院に通って何回も意見交換して、いくつか原因があった。具体的に指摘されれば直すという仕組みの中で、最近は、行って見たけどそんなに悪くないよと聞くようになった。病院の皆さんもがんばっている。地域懇談会でも、「評判が悪いって言うよ」との伝聞による言いふらしは止めてほしいと話している。実際に経験された直すべきことは、私にでも、病院の意見箱にでも具体的に言っていただければ、必ず直すとお話している。病院は一般に、近所では評判が良くない傾向があると聞いたことがある。一生懸命取り組むことにより、地域の皆さんに信頼される病院になるようがんばっていきたい。
  • 新グローバル主義とか新資本主義の理論は、市場原理を回復すれば、経済のメカニズムが正常化してみんなが幸せになれるとの論理である。しかし、一定の手を加えなければ、市場は絶えず凶暴化すると言われる。生活や地域の格差が広がっている現在、東京や大都市圏は、この69ヶ月間好況だったのに、この地域はよくならなかった。企業も競争の中に追い込まれたときに、保護していかなければならない産業分野は勝ちようがなかった。土俵に乗ることが出来なくて、没落せざるをえなかった。それからすると、これからは競争原理だけでなく、アメリカ流の合理主義でなく、年功序列制とか終身雇用、安心して暮らせる、安心して企業に勤めていける、日本型の環境を、マイナス面は是正しながら安定した環境を用意していくことが、企業にとっても働き手にとってもいいのではないかと私は思うようになった。
  • 早期に解決しなければならない課題、預かったままの課題もある。早期に解決に向けて努力したい。皆さんに元気に仕事に取り組んでいただくための環境づくりも私の役割なので、ざっくばらんな意見交換の場を作って行きたい。