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大町温泉郷ぐるったネットワーク

大町温泉郷ぐるったネットワークとの行政懇談会の概要です。
日 時 平成19年10月17日 午後7時00分から9時15分
場 所 市役所庁議室
懇談した団体等名 大町温泉郷ぐるったネットワーク
出席者 大町温泉郷ぐるったネットワーク会員 16名
市 側 市長 牛越 徹
 記録 庶務課広聴広報担当係長 勝野 礼二

出席者からのご提案・要望等

1 「大町温泉郷ぐるったネットワーク」設立の経過
  • 大町温泉郷ぐるったネットワークに加盟する団体は「千年の森自然学校」、「ホタルの会」、「大町民話の里づくりもんぺの会」、「大北林業研究グループ」、「大町グラウンドワークわっぱらんどの会」、「北アルプスバイオマスを考える会」、「お散歩の会まつぼっくり」、「フォーマルハウト」、「大町青年会議所」の9団体で、活動に賛同する「上原の湯指定管理者おおまち元気本舗」と「大町温泉郷観光協会」には、オブザーバーとして参加していただいている。今日は、その中の9団体の皆さんが集まった。せっかくの機会なので、各団体の活動を紹介したり、ざっくばらんな懇談会にしたい。ぐるったネットワークは、4月の呼びかけからこれまでに4回会議を開催した。温泉郷周辺は観光資源が多く、参加団体で協力して、市長も協働を念頭に置いているので、我々に何ができるのか、それに対して行政がどのような協力をしていただけるのか、みんなで意見を出しながら話し合えたらと思う。
  • わっぱらんどの会の活動をする中で、温泉郷周辺を中心にして活動している団体があることを知った。いろいろ協働できる部分があれば協働し合って行こうじゃないかとなった。笑顔元気のまちづくり事業で知り合ったり、活動を通じて一緒に活動したいと思った皆さんに声をかけて、話し合いを数回した。各団体は課題を抱えながらも市民や観光関係の皆さんのために、市の発展のためにとがんばっていることを、その団体の活動を知れば知るほど強く感じた。今日は、ざっくばらんに意見を出し合い、知恵を出し合う懇談会にしたい。
  • 「ぐるった」の意味は、「その周辺」の意味がある。「ぐるわ」などとも言う。

2 加盟団体の活動紹介
  • 大北林業研究グループは、わっぱらんどの会の関係で仕事に関わり、その関係で誘われてぐるったネットワークに参加した。現在の活動は、市内と白馬村で活動している。環境や観光面で事業に協力していきたい。
  • わっぱらんどの建設に携わったが、最近、わっぱらんどを利用する市民や観光客が喜んでくれていることに満足している。これからもがんばって行きたい。
  • 個人でわっぱらんどの会に入会したが、主に作業を担当している。減反田を借りてそばを作付けしていたがサルの被害にあった。花菖蒲を植えてみたが、これはどうにか成功した。今後、増やしていきたいと考えている。
  • 北アルプスバイオマスを考える会では、メイン事業の一つとしてエネルギー博物館の「薪バスもくちゃん」の有効利用を考えている。木質バイオマスの有効利用では、今はペレットストーブが主である。最近では、プラスチックの再利用も研究している。ぐるったネットワークの事業の中で、もくちゃんを有効利用できないか考えている。
  • 十日会という会からわっぱらんどの会に参加している。十日会はボランティアの意識が高い団体。ぐるったネットワークの中で、他の団体の皆さんと一緒に地域振興のために活動したい。
  • 大町市市民と協働に関する市民懇談会が立ち上がり、市長から委員に委嘱された。来週第2回の会議が開催される。ぐるったネットの意見も懇談会の中に出していけば、個々の会もさらに発展していけると思う。みんなで考えて、市の中のモデルとなるようなネットワークになればと思う。
  • 温泉郷周辺には本当にいいところがあって、来て見てよかったと思える場所である。人と人との触れ合いや交流ができる場所で、ただ見るだけの場所ではないので、広く紹介してこの地域の魅力を伝えたい。
  • 千年の森自然学校では、地元の人は少人数で東京方面の学生が主体の活動をしている。始めて6年になるが、子どもの環境教育でキャンプなど自然体験教室を実施した。最近は、学生ボランティア中心に200名位だが、学生の環境教育の活動が主になっている。地元の人が少なかったので、この会に参加して人材のことや地元の情報を学ばせていただいて有意義だと感じる。
  • 今年の4月1日から市の施設である「上原の湯」の指定管理者として運営しているおおまち元気本舗である。立派な施設を預かって、市民の皆さんに愛され、使っていただくように工夫している。業績も大分上がってきている。手前味噌だが、好評をいただいていると思う。施設の場所がとてもいいところなので、より皆さんに親しまれるようにPRしていきたい。施設内や周辺の環境整備にも努めている。わっぱらんどがすばらしい施設であることを、皆さんあまりご存知ないようだが、今年の夏ごろから周辺を散歩する人が増えている。温泉郷から散歩しに来るにはよい場所のようだ。周辺の観光案内もさせていただいているがリピーターも増えている。
  • 大町ホタルの会は、昔はホタルが多く見られたが、河川が汚染され環境が悪くなってきてホタルがほとんど全滅してしまったので、何とか復活したいと活動している。昭和60年には幼虫を放し、平成元年には数千匹が孵化した。これを市内に広げようと考えていたが、水質の関係で4年で全滅してしまった。その後、水の流入口を変えたりして、10年かけてホタルを発生させることができたが、農薬でこれも全滅してしまった。3回目の挑戦が平成17年から始めて、何とかホタルが発生してきたが、水量が確保できていない。このままでは、2〜3年で終わりかもしれない。市の協力で水量の確保をお願いしたい。
  • 大町温泉郷観光協会だが、これからは積極的にネットワークの事業に参加したい。平成6年に立山黒部アルペンルートには160万人を超える観光客が来たが、平成18年は103万人、今年は10月の上旬のデータで見ると前年より4万5千人ほど減少している。何とか100万人を超えるお客さんに来ていただきたいと関係団体と協力して対策をしている。観光産業は苦しいときを迎えている。4〜5年前からアルペンルート一本ではなくて、この近辺に滞在していただく方策を検討して、ウオーキングマップを一昨年作成した。昨年は、県のコモンズ支援金と市の支援もいただいて、コースに案内標識や案内板を設置した。また、近隣に素朴ないいものが沢山あるので、それらを紹介するガイドブックを作成した。北は爺ケ岳スキー場まで含めてある。南側は、宮の森自然園から上原地区のわっぱらんどなどさまざまな施設やテプコ館、エネルギー博物館まで入っている。案内標識40本と案内板を2個所設置した。これまでの事業はお金があればできたが、今痛感していることは、草刈りなどの現地整備に手がかかることである。温泉郷自身がやらなければならないことは沢山あるが、旅館も労力が削られてきているので、数年前と比べると余力がなくなってきていると感じる。シルバー人材センターにもお願いしているが、草の伸びが速くて苦慮している。会の中で応援をいただいて整備ができればありがたい。今年、県の森林整備で、クマの対策も兼ねて温泉郷南側の林の間伐を6町歩行った。見通しもよくなり、滞在につながるのではないかと期待している。一番困っていることは、昨年は夏のうちからクマが出没したので、作成したマップを配布できなかったことである。間伐が進んだので、来春からは安心してウオーキングを楽しんでもらえるものと期待している。地元の皆さんとの交流も大切なので積極的にしていきたい。
  • もんぺの会では、大町の民話を紙粘土で表現して、その前で読み語りをしている。拠点は、信濃大町駅前の北アルプスロマン館と温泉郷にある。市の笑顔と元気の助成金を受けて、3年間活動した。今は県の助成をいただいている。活動はすべてボランティアで、会員は40人くらいいるが、読み語りや来場者へのサービスなど会員は本当にがんばっている。現状では、長く続けることは難しいと思う。最近、わっぱらんどの催しのときに語りに行った。親子で水に親しんでいる姿が見られて、すばらしいところだと思った。周辺には、いい施設が点在しているが、語りを聞いた皆さんがいい所に来られてよかったと話してくれた。周辺で楽しめる場所を紹介してほしいと言われることもある。仁科三湖などを紹介することもあるが、バスで来た人たちは、自由時間を温泉郷周辺で過ごせれば楽しめると思う。市街地に行くには、タクシーで往復で数千円掛かる。お客さんと話をしているときに、温泉郷周辺で楽しめるところがあればよいと感じる。私たちは、語りを通じて大町のよさをPRしているのだから、もっと胸を張ってくださいと、お客さんに励まされる。ネットワークの中で、みんなでいいものをつくって行きたい。
  • もんぺの会も含めて、温泉郷周辺で活動しているグループは、これまでは個々に活動してきたが、新しくできた会は「ぐるった」という温かい感じでいい名前だと思う。みんなで手をつないで活動できていけるネーミングだと思う。この地域では、散歩したくてもコースがよく分らないこともあったが、ホタルを見たり、わっぱらんどに寄ったりしてみればとお客さんに説明している。お客さんの反応は、是非行きたいという人が多い。もくちゃんが、土日だけでも走ればよいと思う。いけないことかと思ったが、お客さんを2人仏崎観音寺などを案内した。とても喜んでくれた。語りの後に、その話にゆかりのある場所を案内できればと思った。

3 今後の会の活動について
  • ぐるったネットワークは、全体の会は今日が初めてなので、この会が発足したことを、まず市長に知って欲しい。報道の皆さんにも今日、情報を出したところである。今日からスタートだが、会の方向性の中で、市と協働できる部分があれば、是非タイアップしたり、協力していけないかと考えて進めて行きたい。
  • 観光に関して、会で何回か話し合いをした。集客する観光だけでなくて、地元の人間が、大町市にはこんなすばらしいところがあるんだ、自信を持って自分たちの財産として自慢できて初めて人に紹介できると思う。心からのもてなしや誇りが大事だと思う。話してみたら個々の会の日々のボランティア活動が、日々の忙しさのなかで少なくなってきている現状があった。これからは、ネットワークのなかで、苦しみも分かち合いながら、助け合っていければいいと思う。資料に、温泉郷観光協会作成のウオーキングマップに各団体の活動拠点を掲載させていただいた。フォーマルハウトは、夜、星空を観察する団体である。大町温泉郷周辺は、魅力ある大町の顔であると思うので、活動団体も自慢できることである認識の中から、大町温泉郷という名称を使わせていただいて、その周辺「ぐるった」の人たちのネットワークということで、会を設置した。次の資料には、これまでの活動の経緯を記載した。次のページには、活動の目的について掲載した。「来訪者にやさしい、親しみ楽しめるまちへ」、「自分の住む地域に誇りを持ち、いきいきと豊かに暮らす」、「子供を健全に育む」の3本柱に結び付けていきたい。個々の団体では難しいことも、ネットワーク11団体の中で、それぞれが持っている知恵やノウハウを結び付けていけば、こんな方向に広がっていくと思う。大きな目標だが、無理をせずに進めていきたい。
  • 本日の懇談のテーマとして、「温泉郷周辺の市民活動のこれからと、行政との協働について」として、1.温泉郷周辺の観光および地域づくりに関する市の考え方や協働の可能性、2.ネットワークとして今後やっていきたいこと、市に協力をお願いしたいことを掲げた。これについて意見交換したい。まず1.について、市長の考え方をお聞きしたい。
  • 会に対して、ありがたい言葉をいただき、認めていただきうれしい。参加した団体、会員の何よりの励みになると思う。

4 その他地域振興策について
  • 森林に関わることだが、温泉郷周辺から扇沢までの沿道を間伐しているが、他の地域でも鳥獣害対策として間伐などが進められている。清水では、住民が森林整備協議会という任意団体を作って、地元主体で事業を実施しているので、今後も事業が続いていく保証があると思う。温泉郷周辺の場合、地元が主体ではないので、持続性を持って事業を継続するのであれば、市がイニシアチブを取ってほしい。森林は生きているので、道路や橋のように作ったら終わりではなくて、間伐すれば、むしろどんどんと藪が出てくるので、3年で元に戻ってしまう。どのように継続的に、今の形を続けていくのかと思う。是非、市でリードしてやっていただきたい。何もしなければ何年か経つと同じ状態になってしまうと思う。白馬村では、森林セラピーをPRしているが、大町のほうが適していると思うので、今の状態を続けてさらによくしていって欲しい。
  • ネットワークの中で、大きな課題として早急に解決したいものが大きく2点ある。参考資料として付けてあるが、1点目は、大町ホタルの会の水路の問題がある。時々パイプが詰まってしまい水の供給がなくなる。水路の確保について市で対策ができないか。ようやくホタルも戻ってきたので、絶やさないようにしていくことは、ネットワークでも大事なことだと考えている。次に、バイオマスを考える会の関連だが、今年も大活躍した薪バスだが、維持費が非常にかかり、運行した場合に営業バスのように料金を取れないこともあり、イベント参加者からは協力金のような方法でいただくか苦慮している。新しい車両を作るという車両ではないので、これを何とかうまく使っていかなければならない状況にある。運転手や助手は会でどうにかできるが、県や市の助成がなくなれば維持は困難である。市の大きな財産として、維持していく方策がないものかと思う。会の中でも真剣に考えている。その他各団体の要望は、それぞれの団体で対応していきたい。ネットワークでは、来年に向けての活動で、温泉郷観光協会でもすばらしいマップを作っていただいたが、ネットワークでも、その進化版となるマップをつくりたい。そのマップには、この時期はここが見所だとか、この時期にホタルが出るとかの年間のスケジュール的なものを加えたものにしたい。このマップは、市民だけでなく観光関係者にも紹介していけたらと思う。市の広報にもお願いしたい。年間を通じたイベント情報とかも発信していきたい。
  • 「薪バスもくちゃん」は、市内の田之尻鉄工が戦中に特許をとった「田之尻式薪バス発生炉」で走行し、戦中戦後にガソリンがなかった時代に地域で結構走っていたものだが、エネルギー博物館が開館したときに無償で贈与された。しばらくは、松川のちひろ美術館からエネ博までや信濃大町駅からエネ博までを運行して、動態展示していた。エネ博が経営難の中で運行ができなくなり一時、2、3年車庫に眠っていた。私たちの会が、バイオマスの関係でエネ博と話をしていた最中に会員の一人が、薪バスの話を持ち出した。運行していないと聞いて、もったいないと思った。3年前に、笑顔元気の助成金をいただいて、試験的に運行してみた。他の団体の皆さんにも協力いただきいろいろなイベントで走らせたり、簡単なエコツアーに紹介したりしたら評判がよくて、「なぜ毎日走らせないのか」との意見もあった。問い合わせも増えてきて、実情を話すと「そうなんですか」で終わってしまう。今年も大町ダムのフェスティバルでダム管理所からの依頼で、ダム上で走らせたときは、160人くらい乗車して評判がよかった。ダム管理所からは、毎年来てほしいといわれた。動けば走らせたいと返事をしてあるが、昭和25年製の薪バス発生炉であり、車体はいいがエンジンが老朽化してきていて部品が日本中探してもない状況にある。リニューアルするにはどうしたらいいか田之尻鉄工を含めて昨年から検討している。車体とエンジンはトヨタ製だが、トヨタ自動車は古い技術を後世に伝えていかなければならないとのことで、ネジ1本からつくる技術を持っているようだ。そこに頼むとなれば、改修費がバス1台くらいかかると思うので、どうしようかと悩んでいる。悩んでばかりいてもしょうがないので、いろんなイベントでカンパを集めたりしているが、なかなか集まらないのが現状である。走らせれば、次はいつだとの問い合わせが多くて、正直困っている。有効利用すれば観光の目玉になると思うし、エネルギー博物館の活性化にもつながると思う。エンジンを載せ替えるのも手だが、薪バスを博物館の展示物にしないで、何とか有効利用して大町市の活性化につなげられないかと考えている。是非、市の力を借りたい。また、普段運行しないときは車庫にしまってあるので外から見えない。これを外から見えるようにして、動かないまでも見たり触ったりできるようになればいいと思う。11月17日に、大町温泉郷と市内を結び付けるために、「薪バスもくちゃんと行くゆったり大町秋の旅」の企画をして、県外から6組限定で呼び、大町温泉郷に宿泊して、次の日もくちゃんに乗ってもらい市内でリンゴ狩りを楽しんでもらう予定である。わちがいでのそば打ち体験やおおまち水物語の案内や酒蔵見学もしていただく。今回は試行だが、参加者の反応を見て、四季折々で計画して、市のPRをしていきたい。費用は高いプランだが、試行したい。事業費は、県の元気づくりの支援金と参加費用で賄う。
  • ひとつのアイデアとして、「もくちゃん」をトヨタのコマーシャルに使ってもらえないかと思う。今、ハイブリット車が出てきたが、「もくちゃん」の燃料は薪とガソリンで手動で切り替えている。一種のハイブリット車である。そこで、「もくちゃん」から最新のハイブリット車に変わるようなコマーシャルがあれば面白いと思う。トヨタの宣伝部門に話をしてみたらどうかと思っている。
  • ホタルを繁殖させている水路は、今も農業用水路としても使っている。昔は出の沢といって、当時の部落の東側を流れていた。水の取水口は、爺カ岳スキー場付近と籠川から分かれて温泉郷の横から流れてくる2箇所である。用水路は、200メートルの長さで、直径25センチメートルのパイプでできている。70メートルきたところで直角に曲がる個所があるが、そこにごみが詰まり水が流れなくなることが時々ある。昨年は、2回詰まり市の担当者が取ってくれた。その後は、市の担当者に「皆さんで始めた事業なので、これからは皆さんで水路の状況を監視してほしい」と言われた。そこで、水路に網を設置してみたが、草などが流れてくるので昨年の7月以降、毎日欠かさず見回りに行っている。この水路は、平成15年ころ県事業で施工され市に譲渡されている。勾配の関係で、そのような形状になっていると聞いている。網の目を大きくすることも考えたが、秋には落ち葉や枝も流れてきて効果がない。パイプを太くするか開渠にするしかないと思う。市で見て回れないと言われているので、私の後のことが心配である。6月の下旬から7月の下旬までホタルが出ているが、地元で見に来る人はほとんどいない。関心がないようだ。このままでは、事業の継続は難しいので自然に発生する宮の森のホタルだけにした方がいいかも知れない。市の担当者に、「今後は、もう見回れない」と言われたことが一番ショックだった。だが、温泉郷からも遠くから来てくれる人もいるのですばらしいホタルの里になるようにがんばっていきたい。
  • 北條屋敷の宮の森の水路では、イワナの産卵が見れたが、水路改修をしたときにU字溝を入れて急カーブになり魚が登れなくなった。勾配を変えることができれば、また産卵が見られると思う。子どもたちに是非見せたいと思う。
  • 宮の森付近で、クマが出没する。今年も怪我をした人がいる。人や車にもまったく驚かないようだ。笛や鈴も効果がない。そんなことも知ってほしい。
  • もんぺの会は語りの会で、物を売る事業ではないので、温泉郷では入場料をいただいているが、その収入は家賃で終わってしまう。信濃大町駅前の拠点では、家賃は無料だが電気料はかかる。語りにボランティアに来てくれる会員に手当ても払えない状況にある。お客さんに出すお茶や漬物も会員が持参していて、サービスに努めている。交通費と弁当代くらい出したいと考えている。会員の高齢化もあり、人手が不足気味である。事業資金も来年からは無い状況で、続けていく難しさを感じている。よい方法が無いかと思う。
  • もんぺの会は、民話の里づくりをテーマに発足したが、民話の語りとともに、観光振興の側面もある活動になってきている。最初は、民話の里づくりだけを一生懸命がんばっていたが、拠点が温泉郷になったことによって観光客を相手にすることになった。お客さんが喜んでくれるので、またがんばって行こうという気になっている。今までにない体験ができたといわれて、励みになっている。新しい「観光」を提供できていると思う。事業を継続していきたいが、現実は厳しく、自立は難しいと感じている。国営公園内に、民話の体験コーナーができればと思う。中高生も関心を持ってくれている。
  • 民話ゆかりの地に、民話紹介の立て札を建てる「民話の地めぐり」という事業を、県の助成を得て進めているが、助成額が事業費の6割である。自主財源が不足しているので、事業に取り組めず困っている。

市長からのお答え、提案
 市長あいさつ

 意見交換の機会をいただき、心から御礼したい。今日お集まりの皆さんとは、個々の活動の中でお会いしている。大町温泉郷周辺は、市の観光の顔、ひとつの大きな拠点だが、今、そこを中心にみんなで出来ることをやろうというお話を聞いた。4月にスタートしたようだが、何ができるのか、これから皆さんの力を糾合しながら、さまざまな取り組みを多彩に展開する中で地域全体が、光っていく、輝いていくようになればありがたいと思う。そのために、今日の懇談もそうだが、市役所や私自身も、皆さんの活動が円滑に動いていくために、化学反応の「触媒」の役割、刺激剤の役割を果たしていけたらと思う。
 この冊子は、4月に全戸にお配りした第4次総合計画のダイジェスト版だが、10年後の目指す市の姿を「美しく豊かな自然 文化の風薫る きらり輝く大町」とした。これを具体的にどのように進めていくかについては、協働の力で、市民参加と協働の力ですすめることを手法として、基本理念としていくと心に決めた。基本理念を「市民参加と協働の市政による地域の再生」とした。市民の皆さん一人一人が市政に参加し、共に汗を流しながら協働の力でまちづくりを進めて、そして、みんながここに住んでよかった、観光客の皆さんがここを訪れてよかったと心から思える大町市づくりを進めていきたい。今日お集まりいただいた皆さんと意見交換させていただくこと自体が、市政に皆さんが参加していただく、或いは行政とのタイアップで地域づくりを進めていく第一歩になると思う。これから暗中模索の中で活動を進め、或いは、行政との関わり方、協力関係も模索しながら進めていくことになると思うが、一緒に力を合わせていければと心から思う。

 今週の月曜日の午後から出かけ、先程6時半ごろ大町に戻ってきた。初日は長野市で国民健康保険連合会に行き、連合会の医師紹介制度で、大町病院の内科の医師2名の退職への補充のお願いをして相談した。話の中で、連合会の力だけでは難しい面もあるので、県の支援も受けたらとの話になり、その足で県の衛生部長、医療政策課長に相談した。次の日の朝、上京して国土交通省に行き、篭川の河川改修工事の継続や鹿島川上流の大冷沢の災害復旧、治水・砂防工事についてお願いした。その後、総務省で地域振興について支援をお願いした。今朝は、東京から糸魚川市長、白馬村長、小谷村長らと新潟市に行き国土交通省北陸地方整備局で松本砂防事務所が実施してくれている地域の安心・安全、生命、財産にかかわる事業について、公共事業費が削減される中だが配慮いただきたい旨お願いした。合わせて、松本糸魚川連絡道路についても整備促進をお願いした。その後、新潟県南魚沼市の浦佐で診療所を経営されている方を訪ねて、大町病院の今後のあり方や地域医療についてのアドバイスをいただいた。午後3時に浦佐を出て、先ほど戻ったところである。今日は、有意義な懇談会にしたい。

1 「大町温泉郷ぐるったネットワーク」設立の経過について
  • これから皆さんがネットワークを発展させていくうえで、私は、化学反応の触媒の役割をさせていただきたいと思う。市長の立場でも、市役所全体でもそんな取り組みをしていきたい。と言うのは、これまでそれぞれの皆さんが個々の活動をしてきたが、大町にとって、大きな観光拠点である温泉郷周辺を巡ってみんなで力をあわせていこうと、アウトドア系から文科系の活動をされているそれぞれの団体の幅広いネットワークが出来たことをとてもうれしく思う。行政との協働の中で、市の観光戦略、地域振興策の面でもこの会の活動は心強い。行政がお仕着せで、さまざまな活動をしている皆さんの連合体の、例えば、何とか協議会とか大町市地域づくり連絡会とかを行政の都合で作れば、それは失敗する。どうしても魂の入ったものにならない。皆さんが、温泉郷をひとつのフィールドとして、みんなでやろうとの自然発生的な盛り上がりの方が、前向きの活動になると思う。この会の発足に、私からも感謝したい。

2 今後の会の活動について
  • 観光客を迎えたり、森づくりを進めることなどは、人との関わりの中で、人に気持ちを向ける取り組みが活動の軸になっていると思う。観光はこれまでは、例えば黒部ダムや北アルプス、観光施設などの「装置」に人が集まってくる装置産業の仕組みであった。また、北アルプスの景色を眺めるために鷹狩山にロープウエイを造ればどうかの意見もあるが、ロープウエイ、つまり装置をつくれば人が集まるか、二度三度来てくれるだろうかと自問している。人は、装置を求めているのではなくて、サービスを求めているのだと思う。もてなしとか心のこもったサービスが何よりも心を癒してくれる、それが一番大事な要素なんだと思う。今日、話し合いのテーマをいただいているが、そんな話から進めれば会のネットワークの活動のキーワードが見えてくると思う。
  • 観光について、市の公式見解というほど煮詰めてなくて、私の私見も含めてお話しするが、観光はひとつの産業であり、地域の生き方でもある。観光には2つの側面があり、ひとつは行政が担う部分と観光事業者、地域の皆さんが担う部分がある。観光事業者が担うのは、例えば大町市へ来てくださいなどの誘客宣伝がある。それに対して、行政は後援したりする。観光に対する行政の本来の役割は、観光戦略や道路をよくしたり観光拠点に施設を整備するなどの基盤整備である。2つの主体の役割を明確にしながら、表裏一体、密接不可分なので協力し合うことになる。観光の本質は、何か物あることにより大勢の皆さんに来ていただく側面から、これからは、そこで何を体験するか、どのような癒しの時間を持ったかに、より価値が置かれるようになる。人と人の交流やおもてなしの心を体験していくことが主眼になると思う。
    「薪バスもくちゃん」のようなほかでは経験できないような、しかもゆっくりゆっくり走って、癒しを求めてくる人たちにはぴったりのアイテムだと思う。もうひとつは、さりげない景色、例えば今までは鬱蒼とした森であったものが、下草を刈り間伐したことによってできる見晴らしの効く、すがすがしい森林空間。温泉郷の南は、6町歩もあるそうだが、整備を進めていただいている。あそこを通るたびに、車のスピードを遅くしてみているが、観光客が間伐材が残る林の中を歩いているのを見た。むしろ、森の中に水路があるので危ないのではとのご指摘もいただいた。もうひとつはホタルだが、ホタルと聞けばわれわれの世代では郷愁を感じるが、地域資源として磨き上げていき、この地域としてお客様を迎えるもてなしの気持ちを高めていくことは、観光の中でも相当大きな部分を占める要素だと思う。これには地道な努力が必要。ホタルの里づくりに3回目のチャレンジをしているお話が出たが、そうした努力から行ってみたい。懐かしい風景に出会いたいとの気持ちを引出して、市内外からの誘客につながると思う。きっかけ作りは、時間がかかり粘り強い努力が必要だが、そういったことが原点だと思う。そこは行政が一番弱いところでもある。
    一過性で予算を組んでドンと催したり施設をつくることは、行政がやりやすい手法だが、手作りのものを続けていくことは行政は不向きな仕組みである。そんなときに、大勢の市民の皆さんの力、そうした皆さんのグループの力が地域を盛り上げていくうえですごく大事であり、それ自体が地域の宝だと思う。大町市の宝は、皆さんのような活動の力だと思う。行政との協働の言葉で置き換えてみれば、行政ができるところ不得意なところ両方ある。その不得意なところ、もともと行政が想定しないようなところ、例えば、「ぬるめ」は農業用の施設で、あれを大勢の人に見てもらおう、知ってもらおうなどの考えはなかったと思うが、皆さんがあそこまで磨き上げてくれて今の状況になっていることは協働のひとつだと思う。
    わっぱらんどの会の皆さんとの懇談会の後、わっぱらんどにいって周辺を歩いてみた。ぬるめの施設自体が人々の英知の塊だが、それをみんなに知ってもらおうという発想がすばらしいと感じた。皆さんの行政が手が及ばないところ、発想さえ及ばないところで、大いに活躍していただけるフィールドだと思う。その中で行政との接点が出てくれば、行政も応援できるし、提言いただければありがたい。わっぱらんどの皆さんとの懇談会のときにいただいた9項目のご提言へのお答えを、今日用意したのでお渡ししたい。
    行政は、何かことが起こったときは責任を取らなければならない。責任を取る場合には、皆さんが納めた税金で補償しなければならないときもあるので、つい責任を取ることを必要以上に警戒して、これは困るとか、それは差し控えてくださいなどと言う傾向があるが、市民の皆さんのご理解をいただく範囲で、相談に乗っていくことが必要だと思う。

3 その他地域振興策について
  • 温泉郷から扇沢までの沿道の間伐は、県が立会人となり、市、関西電力、森林管理所の3者で協定を締結して実施している。目的は、観光客の皆さんに気持ちのいい沿道景観を提供することと、有害鳥獣の出没を防止することの2点である。土地の所有区分によって事業を発注している。
  • 森林の持つ多様な機能の中で、温暖化防止などさまざまな役割を果たしている。その中で、人を癒すという、森林セラピーなど樹木から出される科学物質によって心が癒されるという森林の機能も注目されているが、行政は旗振り役にならなくてはと思う。市の地主としての市有林については、市が主体的に音頭役を兼ねて継続的に取り組んでいく必要があると思う。もうひとつは、今皆さんに取り組んでいただいている里山の整備は、昨年から取り組みをいただき、本年度から市でも予算を出して二ツ屋で、民有林を整備をしている。昔なら、地権者が大勢いる場合、事業は境界の確認などやりにくいと思われていたが、みんなでやろうと決めれば、むしろ大勢いた方が一人当たりの負担金がわずかで済むので事業が進みやすい例があると聞く。大町の他の地域に広めていける大きな手がかりになったと思う。他の地域の民有林についても、市が一緒になって、音頭を取って後押しをしながら進めていきたい。県は、県民の皆さんに年間500円〜1000円くらいの森林税を負担していただき、間伐が必要な個所を重点的に整備していく考えを提案していて、12月県議会で具体的な方向が示されるかもしれない。地域で森林整備が進めやすいような仕組みで還元していただくような方策を要望をしている。県も地域も本気になって取り組むことで、森林整備を後戻りしないように粘り強くがんばっていきたい。
  • もくちゃんを活用したツアーの企画には、実現すれば市でも広報などで応援したい。この企画は、大きなヒントになると思う。一時的なイベントであれば財源のやりくりがあれば動かせるが、工夫して続けるようにして欲しい。気をつけなければならないのは、補助事業では、事業の立ち上げ時の初期費用については補助金で応援するが、その後の活動には補助金なしで動けるような仕組みを作ることをお願いしている。補助金がなければ活動できなければ活動の主体性がなくなるし、補助金漬けになることは好ましくないので、本当にやりたいことを絞って取り組むことが大事だと思う。
    バイオマスの関係では、いろいろなところから資金援助を受けたと思うが、その中にバイオマスとかエネルギー系統の全国的な団体からは援助を受けた経過はあるか。NEDOの助成金を紹介しようと思っていたが、この機構は大きい事業だけでなく比較的小さい事業にも助成する。もう一度、新しいメニューを考えたらどうか。平成21年の春に国営公園大町松川地区が開園するので、ちひろ美術館や穂高の温泉郷と国営公園を結んで、大町温泉郷、エネルギー博物館のルートを考えたらどうか。もうひとつは、ちひろ美術館に来るお客さんは芸術系で、その人たちがエネルギー博物館に足を伸ばすかと考えれば、趣味の対象が違う人たちだと感じる。国営公園に来る皆さんはエネルギー博物館に来る人たちと興味が近い部分があるのではないかと思う。自然、科学など、エネ博やテプコ館などに足を向きやすいと思う。そうしたルートも現実味を帯びてくる。研究いただけたらと思う。それから、トヨタ車体の部品の供給は、是非私からもお願いしたいので、相手の方を教えて欲しい。コマーシャルの話は、手紙を書くことから始めたらどうか。ひとつずつ進めていきたい。
     「もくちゃん」の車庫の話だが、木造で手作りで作れないか。エネ博の職員には木工の専門家もいるのでできるのではないか。相談してみて欲しい。確かに、お客さんから見えなければ、面白くないと思う。足湯もあるので、事業の中に織り込んでいけばどうか。
  • ホタルの水路の改修については、農政の担当者に相談して欲しい。実際に詰まっているということなので、改良策について行政も一緒に考えたい。通年水を流す方法を一緒に知恵を出し合いたい。ホタルが毎年たくさん発生するようになるまでの間、見回りをしてくれる後継者を育てることも必要だと思う。温泉郷から下流にかけて間伐も進み景観もよくなり人も集まってきているので、できればがんばっていただきたい。担当者の言い方がどうだったかわからないが、がんばっている人にショックを与えてしまって残念に思う。水路の話は、私からも担当者に話をしておく。
  • 宮の森でのイワナの産卵についてだが、市の農業用水路を改良する事業に、「資材提供事業」がある。資材はU字溝だが、関係の皆さんで施工できないか。農林水産課に話をしてみてほしい。もったいない話だと思う。私からも伝えておく。
  • クマの出没について、大黒町の共有林付近ではクマがでない。近くに射撃場があるからだといわれる。
  • 民話について日本昔話全88巻だかを、子どもに2回くらい読んで聞かせた経験がある。地域の民話には味わいがある。地域の伝承、地域の活動として続けていただきたいと思う。観光客の皆さんだけでなく、地域の人たちにもアピールする必要がある。
  • もんぺの会の皆さんは、自分が民話が好きで活動しているので、ボランティアでいいと思う。しかし、活動が公益性を持ち、周りの期待が大きくなってきていると思う。自分たちの楽しみでいいとの考えから一歩進んで、後継者を積極的に作ることも大事だと思う。継続的に活動を続けるには、まず後継者だと思う。資金の面だが、観光ボランティアには手当てが出ているようだが、語りの依頼があったとき、観光ボランティアの位置づけを持つことによって、きちっとした料金を、運営経費のためにいただく仕組みを確立したらどうか。21年の春に、国営アルプスあづみの公園大町・松川地区が一部開園するので、地域の風土などを紹介する一環としてもんぺの会の皆さんの活動が入ってもいいのではないかと思う。私の方からも、公園事務所の片山所長にお話してみたい。
  • 民話の地めぐりの看板掲出事業は、県が採択しているので事業ができなければ、補助金が取り消しになってしまう。ハード事業の補助金が、事業費の全額が出ない訳は、出来上がった物が事業者のものになり、後の維持管理の責任を負ってもらう趣旨である。イベントを仕掛けて収益を確保するなど、みんなで何とかがんばって欲しい。そうすれば、いい物を作り、その後の管理にも力が入ると思う。自己負担の4割分について、他の補助金を貰うことは基本的にはできない。手作りの構想でとてもよいと思うので、実現する手法を解決して事業につながると思うのでがんばっていただきたい。
  • ぐるったネットワークで、きらり輝く協働のまちづくり事業の助成を申請することはできる。ひとつの団体が、2つの異なる事業を申請することもできる。運営できるかとの問題があるので、慎重に審査することになる。

  今日、お話を伺っていてうれしく思ったのは、皆さんがやりたいことの実現に向けての課題が明確なので、解決に向けて手がかりをどうするか、次のステップに進められる。そして、こうした課題がある、こうした思いがあることをお話いただいたことがうれしく思う。日本には古くから「言霊(ことだま)」という言葉がある。自分の発した言葉には魂がある。魂がある以上、発言に責任をもって、実現するよう努力することが大切である。私も話した以上は、成果に結び付くかどうかはまだ確約はできないが、努力を続け、私自身も皆さんの活動に参加させていただきたいと思う。