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大町市。北アルプスの麓、信濃大町。 
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現在位置:HOMEの中の市長の部屋の中の市長と語ろう!まちづくり懇談会の中の平成19年度から大黒町商店会(平成19年10月)
更新日: 2007年10月31日

大黒町商店会

日 時 平成19年10月5日 午後7時00分から9時00分
場 所 大黒町公民館
懇談した団体等名 大黒町商店会
出席者 大黒町商店会 会長ほか15名
市 側 市長 牛越徹
商工労政課長 降籏和幸
商工労政担当 小林鉄也

1 市長あいさつ 
 市政の推進にあたって、ご理解、ご協力いただいていることに御礼したい。お手元に、「きらり輝く大町」という冊子をお配りした。これについて少しお話したい。これは、平成19年度を初年度とする、向こう10年を見通した計画で、10年後の大町の姿を、表紙にある「美しく豊かな自然 文化の風薫る きらり輝くおおまち」と定めた。大町は「きらり輝く大町」を目指すために、美しくて豊かな自然を生かし、仁科氏以降の中世の若一王子神社などの伝統文化や今日のさまざまな生きた文化・芸術活動などの文化の風を踏まえて、市民の皆さん一人一人が、笑顔できらりと輝きがあるような、街全体がきらっと輝くようなまちづくりを目指していきたいと願いを込めたものである。

 5ページをご覧いただきたい。枠で囲ってあるが、ひとつが、先ほど申し上げたまちの将来像である。これを進めるための基本理念が、「市民参加と協働の市政による地域の再生」である。市民の皆さん一人一人が、市政に参加して、共に汗を流しながら、協働の力によりまちづくりを進め、みんなが住んでよかった、訪れてよかったと心から思えるような、心豊かな大町市を目指したいという手法について掲げてある。

 次に、8ページをご覧いただきたい。具体的にどんな政策を進めるかということで「目指すまちのテーマ」を、分野ごとの6本の政策の柱として掲げた。1番目に「市民により身近な市政のまち」がある。これは、これからの地方自治は、市民の皆さんと行政が市政に関する情報を共有しお互いの信頼と協調の基に協働により市政を運営することが不可欠であると記載してある。協働のまちづくりといっても、協働の概念が定まっているわけではない。協働はここ4・5年の間に生まれてきた言葉であるし、本格的に使われるようになったのは、一昨年くらいからである。先日、33人の市民の代表による、協働のまちづくりを進めるための懇談会をスタートした。来年の5月位を目途に、委員の皆さんからご提言をいただきながらまちづくりの進め方について検討していく。このような、協働のまちづくりを進めていく。

 2番目が「活力あふれる豊かなまち」で、今日のテーマでもある産業の振興は、地域の経済を支えて地域の活性化を図る上でも、まちづくりを進める上でもとても大切なことである。観光業、工業、農業、商業、建設産業あるいは教育産業といった、産業のバランスの取れた産業創造をしていきたい。地域の特性を生かしながら、厳しい経済状況ではあるが、変化に対応できる産業振興を進めていく。ひとつは、現在この地域で活動している産業の皆さんに、さらに業績を拡大していただくような支援策、もうひとつは、この地域の風土に合った新たな産業の誘致などが柱である。中心市街地の活性化も大きな課題である。

 3番目は「安心・安全なまち」だが、急激に進む少子高齢社会の下で、誰もが住みなれた地域で健康で安心して、そして、安全に暮らすということが市民共通の願いだと思う。そこで、支えあい助け合う地域福祉と、保健・医療・福祉などが連携したきめ細かなサービスを展開するような、そんな地域づくりを進めていく。併せて、交通安全や防犯、防災対策なども取り組んでいく。

 4番目だが、「快適な生活基盤のあるまち」で、中心市街地の活性化や交通環境の向上、情報通信基盤の整備など、さらには快適な住環境の整備のための公園や緑地、上下水道などの整備、そして、ひとつのテーマになっている、現在整備が進められている国営アルプスあづみの公園の整備も入っている。

 5番目は「潤いのあるまち」で、大町は雄大な北アルプスの麓に位置して、四季折々の変化にとんだ豊かな、美しい自然に恵まれていて、歴史と文化を育んでいる。この豊かな恵み、財産を後世に残していく、次代の皆さんに伝えていくことも大きな責務。その中で、芸術文化の振興や山岳文化、自然、あるいは地球温暖化の防止対策、廃棄物の問題などもここに入る。

 6番目は「人を育むまち」で、市民の皆さん一人一人が、希望と生甲斐を持って心豊かな人生を送っていただくことは、市全体の活力を与えることと、市民一人一人にとっても、いきいきとした人生を送っていただくことは、まちづくりの推進力になっていただけると思う。そこで、誰もが学び活動できる、そんな環境を整備していく。生涯学習、学校教育、子育て支援などが軸になる。

 9ページからは、この6本の政策の柱を整理してある。第4次総合計画は、昨年の12月の市議会定例会で、この計画の原点になる基本構想について議決を賜り、肉付けをしたものである。全体で140ページになるものだが、今日は、ダイジェスト版をお持ちした。本年4月に、各戸にお配りさせていただいた。時間のあるときに目を通していただけたらと思う。意見交換を始めるにあたり、市の取り組みを紹介させていただいた。限られた時間だが、いろいろな意見交換をさせていただきたい。

2 商店街ヒアリング調査等の結果について(商工労政課長)
 市では、市街地の活性化ということで、4月15日号の広報おおまちに、商店街のヒアリング調査、市民へのアンケート調査の結果を掲載した。中心市街地を取り巻く現状は厳しいが、何とかして少しでも活性化できるように、皆さんのご意見をお聞きし、新しい計画を作り、良いアイデアがあればすぐに取り組みたい。8月に交通量調査を実施した。秋にもう1回実施して、結果を公表していく。8月の結果をお話しすると、8月19日の日曜日、午前9時から夜7時まで、大町郵便局前と大町商工会館前、大黒町ポケットパーク前の3個所で行った。歩行者数を比較すると、仁科町が、601人に対して、九日町が133人、大黒町50人となった。大型を除いた乗用車の比較では、仁科町で2,765台、九日町で3,123台、大黒町で3,229台であった。乗用車の通行台数は変わらないが、歩行者に関しては、大きな開きがある。8月22日の水曜日に、同じ場所、同じ時間帯で調査を実施したが、歩行者数は、仁科町1,008人、九日町295人、大黒町106人であった。乗用車の通行量は、仁科町3,509台、九日町3,887台、大黒町3,778台で、平日でも乗用車の通行量は、3地点ともほとんど変わらない結果となった。特に仁科町では、郵便局、金融機関に行く歩行者が多いと感じる。

3 出席者からのご提案・要望等
(1)大黒町「舞台」の利活用について
・ 町内にさまざまな団体があり、それぞれ活動しているが、活動の内容を他の町からもほめていただいている。大黒町は、市街地の北に位置して、公共施設では大町北高校があり、商店街の中には工業も入っているし、他の商店街と状況は異なる。しかし、この街では協働の精神はとても結束力もあり発達している。催しを行うときには、力をあわせて協力し合うところは、他の町に負けないと思う。この街の目玉の一つは、県宝に指定されている「舞台」である。6月2日の「全国緑愛護の集い」にも参加して、広く報道された。この舞台は、今年の夏祭りのときに車輪から老朽化によると思われる「音」が発生して、修理が必要になっている。祭の度に組み立て、解体を続ければ、さらに磨耗が進むのではないかとの意見がある。組み立ててある舞台を展示して、県外から大町を訪れた人達にも見ていただいたらどうかと思う。市の宝でもあるので、大事にしていきたい。街の主役は、舞台だと考えている。町内には駐車場がなくて、車を降りてゆっくりしていただけない。交通量調査の結果も、駐車場の不足も影響しているのではないかと思う。
・ 王子神社の近くに工場を持っているが、ここ2、3年、王子神社を参拝するバスが増えてきている。県宝の大黒町の「舞台」の組み立て、解体に25年関わってきたが、この「舞台」が傷んできているのを感じている。町内に土地はあるので、舞台会館をつくってもらえたらと思う。多額の費用がかかると思うが、県宝であるし地元も負担するので、県・市からも支援を考えて欲しい。九日町の旧松直呉服店から北の九日町、大黒町の商店街を歩いてみたときに、シャッターが下りている店が大部分である。商店はほとんどない。大型店の影響で、先代から伝わっている商店街の人達の生活は大変苦しいと思う。どのようにしていくか、考えて欲しい。

(2)まちづくりについて
・舞台会館の話が出たが、大町に半世紀以上暮らしていて、オイルショックの前は、大勢の観光客の皆さんに来ていただいていた。交通量調査の結果で、大黒町の人通りが少ないと分ったが、なぜ少ないかと言うと、観光客がこの街中を通って黒部ダムに行かなくなり、バイパスを通ってしまう。昔は、バスの停留所があって、例えば九日町の停留所で、ダムに行く人が手を上げればそこでも乗車できた。大黒町の停留所でも乗車できた。当時は、大黒町辺りにも、観光客が歩いていた。それが全く無くなってしまった。
トロリーバスの乗客が、今年、5000万人を達成したり、観光客が100万人を超えているようだが、他の町に行けば、「大町は観光客が多くていいですね、すごい観光地ですね」と言われる。それだけの人数が来ていても、この街に来るお客さんはいない。これを何とかみんなで考えていかなければならない。それには、舞台会館とか、観光客をどう迎え入れるか、親切に迎えられるか、これからの大町の課題だと思う。

 日本中のどこにも負けない、美しくて豊かな大自然がある。私のところに来たお客さんが「今日のアルプスはすごかった」と言ってくる。観光客がそのすばらしさを分っても、市民がどれだけ分っているか。山の名前を知らない市民が多いと思う。旅人の方が良く知っている。それほど、大町の自然を愛してくれている人たちがいる。ただし、この街に下りたときに、どこに行ったらいいか、例えば、雨が降ったときには行くところがない。博物館がありますよ、塩の道がありますよ、と言った程度である。他に行くところがない。食堂もそんなには無いし。結局、早く帰ろうかとなってしまう。そんな観光客の迎え方をしてしまっている。

 舞台会館を建てるとかの大きなことは難しいと思う。しかし、大町市民が心を入れ替えて、旅人を暖かく迎えること、話しかけたりすることができればと思う。高山市では、観光客用の案内標識がきれいで、街に似合う標識で統一している。標識を見ただけで、旅に来たなと感じるときがある。旅人が信濃大町駅に降りたときに、今のままでは、アルプスの街とは感じないと思う。
 ふるさと創生1億円のときに、何か提案があれば提案してくれとのことだったので、スイスの例で、駅に列車が到着したときに、鐘がなったり、ヨーデルを奏でてくれたりするが、大町でもあずさが到着したときに、アルプスの街に来たと感じるようなものが欲しい。今の信濃大町駅前は、タクシーが止まっていて、その後には石の塀があって、向かい側に行こうと思っても渡れない。駅舎を直せとのことではないが、お客さんが降りたときに、旅人を迎えるような何かができないか、みんなで考えたい。そして街にお客さんが入ってきたときには、ご案内できるようにしたい。私の家を訪ねてくる人は、雑誌を持ってくる人が多いが、大町のことをいろいろお話しさせていただいている。お客さんは喜んで帰っていく。その後は、王子神社や「わちがい」などを紹介して、食事をしていく人も多い。「わちがい」のようなお店が他にもできればと思う。「大町のそばを食べに来てください」のような街になっても面白い。そんなまちづくりの計画があればいいと思う。

 北アルプスを土台にして、四季折々の北アルプスを、鷹狩山の頂上から見せるなど、いくらでも資産はある。長野県でワーストワンまで落ちれば後は上るだけだと、こんな大自然を抱えていて、牛越市長の下でもう一度、「観光大町」を推進して、是非、この北アルプスを前面に出してお客さんを誘導していきたい。そんな計画づくりを進めて欲しい。
 それには、我々も力を惜しまないし、その中に、大黒町として県宝の舞台を見ていただくような、空いている土蔵を利活用して、6町の舞台が収まって、見ていただけるようになればと思う。格子戸のある民家を利用して、夏の間でも観光客を迎えるようにしたり、第2の「わちがい」ができればと思う。大町の景観は、他のどこにもないものである。大黒町に駐車場が欲しいと思う。空き地があるので、所有者と町、市が話し合いの中で、管理しながら使用することができないかと思う。市にも話しに入って欲しい。

・6年前に県外から大町に戻ってきた。まちづくりの中でも、どちらかと言うと、里山の中で炭焼きをやったり、間伐材を切ったり、そんなところに興味、関心がある。依然住んでいたところでは、人口が違うが電信柱が無い個所があった。長い距離ではなく、200メートル程度である。その間を、蔵づくりで盛り立てて、一部にきれいな小川をつくっていた。これも長い距離ではなかった。そこに人が集まっていた。大町は景色は抜群だし、水は、北アルプスの雪解けの水で、男清水、女清水のアイデアもあるようだ。わちがいの辺りの一部に、道路の両側に水がせせらぐような小川をつくってみたらどうかと思う。松本にもあったと思う。大名町辺りだった。

 10年間の計画を見ると、大変な量だと思うが、10年間といっても最初の3年が勝負だと思う。後半の3年ではないと思う。試みに何か仕掛けを、予算は分らないが、遠くから来た人、地元の人も行ってみようかと思うような、下駄履きでいけるような場所があればと思う。「水」が大町にはふさわしい。地下を流れる水ではなくて、10センチ程度の浅い、せせらぎの音がするような小川があればと思う。以前住んでいた街のその場所には、家族で行くのが楽しみだった。

・中心市街地があるが、市ではどこからどこまでを中心市街地と考えるのか。今までは、駅前から大黒町までの1500メートル言われてきた。商店街は基本的には700メートルくらいだと言う人もいる。1500メートルの商店街は、二つの商店街があると同じなので、分散というか、活性化できないところがあると思う。市の考えでは、大黒町は中心市街地に入っているのか。北側にもうひとつ中心市街地をつくってもいいと思う。九日町、大黒町でひとつの中心市街地を形成すればどうか。そこに、駐車場とかトイレの問題を解決したらどうか。「コンパクトな賑わいのある市街地づくり」とあるが、大黒町の今の立場というか、どんな感じなのか。

(3)観光振興について
・大町市には確かに、すばらしい観光資源が散在している。しかし、今は、ピンポイント的に散在している。観光振興はそれをつないで、ゾーン的にしないと観光といえないと思う。大黒町には、いろんな団体があって、一生懸命活動しているが、大黒町だけで活力が生まれるかとなると、当然それは不可能である。市全体に活力がないと潤わない。計画の重点施策の中に、「観光関係団体の支援と組織強化」があるが、これはどのように進めているのか。観光では、大町市が商品だと思うが、その商品をいかに販売するかということだと思う。観光関係者の話を具体的に聞いてみるとかが必要。王子神社や塩の道博物館に来ても、大型バスが入れないとか食事をする場所が無いとかの話を聞くことができると思う。それを、どうしたらいいかの指導を、市にしてもらいたいと思う。

(4)団塊の世代の移住について
・人口が減少し、働く場もない、若い人達が都会に出るのもやむを得ない。人口が増えなければ、街の活性化はおぼつかない。定年を迎えた年金暮らしの人で、関東、中京、関西にたくさんいると思う。その中には、山が好き、自然が好きな方が大勢いると思う。厳しい自然環境の中で余生を過ごしたい人も大勢いると思う。そこをターゲットにして、市が主体的に、行政の力でPRしたらどうか。お金持ちの方は、例えば、温泉郷のホテルと契約して3食昼寝つきで、お医者さんもそばにいる生活をするかもしれない。
また、畑とか農業をしたい人は多いと思う。それも農家と契約して、畑や田を貸したり、農業を教えたりも考えられる。さらに、土地を欲しい人は、行政が指導しながら街中の空き家を提供するとかが考えられる。都会の裕福な人たちで、いろいろなニーズに対応できるような、大町での暮らしをつくるのに、市が一役買ったらどうかと思う。夢物語的だが、子供たちや孫もこの地を訪れる。そこに、若い人達の働く場が生まれると思う。自治体が先頭に立って、高齢者を地域に呼び寄せる政策を行っているところは少ないと思う。団塊の世代の定年が始まるので、これらの政策により人口も増加すると思う。

・団塊の世代の移住の場合、北アルプスの見えるところがいいという人もいるが、地域に、総合病院があるかないかが重要なようだ。60代になってからの新たな生活なので、医療が充実しているかが大切である。大町には、それがあるので、かなりの武器になっていくと思う。極論を言えば、街中にお年寄りが住める、居住空間の整備がされれば、特に冬場は転倒することも多いので、都会の人たちもこの地域に住んでくれるのではないか。同時に、観光もがんばれば、大町がいいという人が増えると思う。

(5)地域文化の振興について
・議会中継を見たときに、芸術文化、クラフトの質問が最近あった。ある人が、文化の質問は何十年ぶりだといった。そのくらい、大町では文化芸術の話が出てこない。この近辺で、美術館がないのは大町市だけである。市民が人間形成のために文化の高揚を高める場所がない。松本では、すばらしい展覧会が来ている。大町市民には、展覧会などを見る機会がない。市民には、豊かに文化を語る、おおらかな人間形成が欠けている気がする。大きなものではなくても、中央から立派な先生の作品を展示できる場所が多少あるのなら、誘致することはできると思う。最近、若い人達で増えているクラフト展などを文化会館などで開催した場合に、公共の施設だから販売は禁止の措置などによって、会場が大町から離れてしまうことがある。美術館構想などが、市長の頭にあればお聞きしたい。

・平成15年に四季の上演を見たが、観客の8割が女性だった。そのとき四季の関係者と交流したが、大町にもかなりの四季の関係者が来ているので、大町でファンの皆さんと交流するような計画があれば、観光面でも良い影響があると思う。
 昨日、氷見市と交流をしたが、「長野県は文化の薫る県で、氷見市民はあこがれている」と言われた。大町を訪れたい人たちが多いと聞いた。文化の継承と宣伝が大事である。山岳博物館の観光客は、ガタ落ちだと聞いた。国営公園を早く開園していただき、アクセスをよくして、山岳博物館に来ていただくようにすればどうか。また、仁科氏の末裔もいると聞いた。私も調べてみるが、そんなつながりも利活用すればどうかと思う。

4 市長からのお答え、提案
(1)大黒町「舞台」の利活用について
・2つご提言をいただいた。舞台の修理、舞台会館建設のご提言だが、まず、修理のお話だが、前にも大黒町の皆さんからご相談をいただいている。県宝に指定されているので、適切な時期に修理を入れて大事に守っていくためには、県の補助金を使うことができるが、県宝もたくさんあり、予算の枠も厳しいので、早めに計画を提示して準備していく必要がある。県の補助金がつけば、市でも一定額の上乗せの仕組みがあるので計画をつくっていただき、ご相談いただきたい。平成20年度の事業として修理を行うには、これから、予算の編成に時期になるので早め早めに対応いただければありがたいと思う。一緒に考えて行きたい。

 次に、舞台会館など常設展示の場所についてだが、以前からご提言をいただいているし、王子神社の氏子総代会からも熱心に要望をいただいている。私も連れて行ってもらったが、麻倉の建物は伝統的なものなので、それなど活用しながら常設展示できないか、組み立て時の痛みの防止もあり、また、観光客の皆さんにも見ていただくことが可能ではないかと提案いただいている。新しい箱物を作る時代ではないし、財源の調達も苦しい時代の中で、総合的に良いアイデアがあれば考えていきたい。

 もうひとつの、商店街の活性化のご提言だが、調査をしたらシャッターが下りている建物が3割強であった。見た目の印象では、さらに多いのではとも感じる。この地域全体の商業統計を見ると、商圏の大きさは変わらないし、売り上げも変わらないが、中心商店街から郊外の大規模店へ、あるいは、安曇野市、松本市、長野市などへ商圏が広がっているようで、中心商店街の店舗に集まりにくくなっている。しかし、例えば和菓子屋さんが何件もあり、今日も元気にお店をやっていただいている。魅力のある商品、一定の商品分野では、お客さんが根強くその小売店に集まっている。そうしたところから見ると、ひとつひとつの商店が、魅力ある商店作り、あるいは品揃えを考えていただくことと、中心市街地に住む人たちができるだけ身近なところで買い物をしていただくようなことを考えていく必要がある。こればかりは行政の力だけではどうにもならない分野なので、市街地に住んでいる皆さんみんな一緒に考えていただく、そんな必要があると思う。250年かかって形成された市街地が、2・30年くらいで衰退してしまう大きな変貌がある。急激な変貌、変化は食い止めて、なだらかに変化していくようにしなければならない。一緒に取り組んでいきたい。

(2)まちづくりについて
・買い物客は、歩行者に分類されると思うが、中心市街地の交通量調査の3地点を比較すると、平日で仁科町と大黒町では10倍の開きがある。仁科町は、商店が連たんして、JRやバス利用者が散策したり買い物をするのに馴染みやすい街の形成がある。大黒町は、商店や事務所が集積していて、形態が少し違うと思う。その違いが、調査結果に現れているのかと思う。

・大黒町は、まちづくりの活動に、熱心にまとまり、活発にやっているとの印象が強い。ゆかたまつりでは、私も仁科町から大黒町まで、ご挨拶しながら歩いたが、大黒町では、大勢の皆さんがいろいろな催しを展開していただいていた。まとまりがいいところだと感じた。お話のように、県宝の「舞台」が核になると思う。夏に、わちがいで祭囃子の稽古の演奏をお聴きしたが、他の地区にお嫁に出た方も一緒に演奏に加わっているなどの取り組みも見せていただいた。アルプスあづみの公園で開催された「緑の愛護の集い」の時には、舞台とともに見事な演奏を披露していただいた。余談だが、一昨日、大町に、東京のTBSテレビが「緑の愛護の集い」にご出席された皇太子殿下、妃殿下の取材に入った。大黒町の皆さんの活動について、私が、殿下にご説明を申し上げたので、その時のご様子を聞かせて欲しいとの内容だった。10月31日、夜7時から2時間の特別番組で放送される。大黒町の舞台の話も出てくると思う。私は、江戸の後期、文政年間の見事な彫り物のある舞台を大切に、街の皆さんが地域のよりどころとしていると両殿下にご説明申し上げた。

 明後日には、大黒町の山の共有林の活動についても、私もお邪魔させていただきたいと考えているが、熱心に取り組んでいただいている。こうした、まちづくりへの取り組みが、街の活性化に必ずつながっていくと思う。先ほど交通量調査の結果を申し上げたが、街の形態が、町内ごとそれぞれ特色があるので、必ずしも一致しないが、この街は、工業などの事業所もあるし、中心市街地のひとつの形態だと思う。仁科町と比べると店舗がくっついて並んでいないので、今後の町のあり方も、商店、事業所、事務所があり、居住地があり、さまざまな様相を兼ね備えた街になっていく方向なのかなと漠然と考えている。

 中央通りの拡幅時に、両側の歩道がきれいに整備されて、大町市の中央通り商店街1.5kmの中では、幅が広くて、街路樹が植えられていて、町の皆さんによる花のプランターも並べていただいていて、とても明るい印象がある。町の街並み、景観を生かしたまちづくりのひとつの方向かと思う。駐車場が少ないことが、課題だと思うので、まちづくりの中で駐車場の必要性やあり方についても、併せてご検討いただければいいのではないかと思う。

 なお、大町北高の統廃合は凍結になったが、その議論の中で、仮にひとつになるのなら、北高を残す方が街の発展、振興には必要なことだと話す人もいた。街のにぎわいを考えた意見だと思う。市街地全体から考えたときに、それもひとつの考えかたかなと思う。大町市域、中心商店街、市街地全体の位置づけの中で、大黒町がどうあるべきか多角的に検討されるべきだと思う。それには、このような意見交換を通じて、こんな街にしたらどうかとか、こんな風にしていったほうがいいとかご意見をいただければ、私どもも一緒に考えさせていただきたいと思う。

・黒部ダムの観光客は、今年は、天候の影響で100万人を割り込む恐れがあるので、長野県民デーなどを設定して、懸命にPRを展開している。この100万人のお客さんの多くが、郊外を抜けてしまうので、街中に誘導できないでいる。信濃大町駅から扇沢への路線バスは、市街地にも停留所は何個所かあるし、八日町の交差点付近にも新たに設置していただいた。駅に戻る人が、例えば、八日街の停留所で下りて散策しながら駅に向かえばと提案をいただいたので、北アルプス交通にお願いした。しかし、街中の散策に繋がっていないのも事実である。街中にお客さんを連れてくる方策として、塩の道博物館、流鏑馬会館や、必死にがんばっていただいている「わちがい」、先ほどお話に出た街中の伝統的な建築物で空き家を利用した「第2のわちがい」を創設したりなど、そばを売り出したり、PRの方法があるのではと思う。これには、行政が直接手を出すと大体失敗するので、第2・第3の「わちがい」ができるように、環境整備と応援をさせていただきたいと思う。街中にお客さんを誘導するには、「大町に行けばあれだね」と言われるような特産物の開発と、仮に郊外であっても道の駅などで、この地域のよさの発信や特産物を買っていただくような方策を平行して進めていく必要があると思う。

 街中の核となるJR信濃大町駅だが、私も先週の月曜日に赤い羽根の募金で乗降客の皆さんに1時間ほどお願いをした。列車が到着する間に、付近を眺めてみたが、ご指摘のとおり、駅舎の向かい側には、観光案内など数件の店があるが、そこに行くには迂回するしかない。また、建物でさえぎられて北アルプスの山並みを見ることができない。信濃大町駅に降り立った人が、岳の町に来たんだなという印象は薄いと思う。駅舎を2・3階建てにすればよかったのではと前にお話したら、農協でビルを建てる構想もあったが、実現しなかった経過があったようだ。今、具体的な手建てが無くて提案できないが、大町に来た人が「岳の町に来たんだな」と、印象を深く持って帰っていただくことも必要と思う。
 それから、夏ごろに中央通りに信濃大町駅まで何キロとか王子神社まで何キロとかの、小さな標識をボランティアの皆さん、大町水物語の皆さんだが取り付けていただいた。まだ、一部の商店街で協力いただけていないとの話も聞いている。訪れていただいた皆さんへのもてなしの心の表れだと思うので、広がっていけばいいなと考えている。中央通りでは、アーケードの老朽化と電信柱が多くて電線が眺望を阻害していると感じた。最近は、光ファイバーの影響か電線が太くなっている。これが、街並みの景観、見栄えを阻害しているように思う。これを改善するには、電線の地中化とか大きな事業費がかかることもあるので、一朝一夕には解決できないが、駅前、街並みを合わせてきれいにしていく取り組みが必要だと思う。

 3点目の、駐車場の問題だが、前にも相談させていただいたが、あの後調べてみたが、市役所とのやり取りで所有者の方は、自由に使っていただくぶんには今までどおりでいいとのことである。ただし、駐車場として、土地を買い取って整備するのであれば、公的な団体である市にお願いしたい意向だと分った。ゆかたまつりで使用したりするのは、今までどおりでお願いしたい。駐車場の件では、街全体の駐車場のあり方、市街地をどうするか、商店街をどうするか見極めていく中で位置づけていきたいと思うので、現在直ちに市で土地を取得して駐車場を整備するには環境が整っていないと思う。

 財政状況は、大町市は財政の体力はあるが、財政指標の一部が悪い。特に、公債費が多めに残っている。つまり、スポーツマンで体力はあるが、少し痛風が出ているような状況である。それらをにらみ合わせながら、今後の事業計画、特に投資計画には慎重に考えていきたい。大きな課題として、頭に残しておきたい。

・水を活かした街づくりのお話の場所は、埼玉県の川越だと思うが、私も学生時代、家庭教師のアルバイトでよく行っていた。蔵の街で、良い街だなと感じていた。大町でも「水」はキーワードだと思う。例えば、高瀬川は、私たちから見れば、石が転がっている川原だが、ここを訪れる人が見るとすぐ郊外に川があり、清流が流れて、松林に囲まれている。こんな川は、他の街には無いと思う。この夏に、半日休みができたときに、短パンに麦藁帽子をかぶり観音橋から蓮華大橋まで、水の中を歩いて往復してみた。こうしたことが好きな人には、得難い水と親しむ機会になるのだと思う。そんな切り口もあるのではないか。

 昔、町川が中央通りを流れていたので、いろんなところで、町川を復元したらどうかとの話が出始めている。今の通りは、町川があったところに道路を造り、歩道を造ったので道としては広いが、せせらぎを造るとなると店の皆さんと相談しなければならない。また、両側の水路が老朽化していて、狭くなっているところもあるようだ。改修するには、下流側から全面的に直さなければならないようだ。何年か前にそんな検討もしている。できるところから、例えば、100メートルの区間など、象徴的な場所をやることも不可能ではないと思う。アーケードの撤去の話も具体的に出てくると思うので、中心商店街の皆さんと知恵を出していく必要があるとつくづく思う。水でいえば、人体のほとんどは水で構成されているそうである。水は親しみやすい身近な存在でもある。
10カ年計画の最初の3年間が勝負というお話は、まさにそのとおりだと思う。ただ、逆にその3年間は、先ほど申し上げた、痛風が出るかどうかの時期に当たる。これから3〜4年は、これまで実施してきた事業の借金の償還のピークを迎える。償還が平準化するように、ここ1〜2年の事業の着手の時期、事業量を調整していかなければならないと考えている。その中でも、将来のことを考えて優先順位をつけて手を打っていきたい。3年間が大事なので、仕掛け作りをしっかりとやっていきたいと思う。行政は、計画を作れば一安心のところがあるが、実行して一安心、成果に結び付いて安心ということを肝に銘じていきたい。

・中心市街地、商店街の定義は、行政施策を展開するに当たってターゲットを絞って集中的に進めていくには、中心市街地の対策をどうするか、ゾーニングでどこまでを対象にするか、あるいは、商店街対策としてどこをどのようにするかは大きな問題を含んでいる。定義はなかなか難しい問題なので、私も今日現在、考えがまとまっているわけではなく、市としての方針が決まっているわけではないが、これからこうした懇談会やまちづくり懇話会などをつくって、正式にいろんな検討を進めていく中でしっかりそれを固めていく必要があるとご了解いただきたい。例えば、大町の1500メートルを中心市街地ととらえ、しかもその1500メートルの中にきちっと商店街を形成することは、到底不可能だと思う。そのなかで、駅前は誰が考えても観光地の顔であり、現在の商店街の形成の状況を見ても商店街を引き続き形成させていく、集積させていくひとつの地域だと思う。また、そこだけで足りるかというと、中心市街地になった場合に、ここに暮らす人たちのさまざまなサービスを提供する核としては、駅前の一角だけでは不十分だと感じる。その場合に、もうひとつの地域として、例えば、九日町から大黒町にかけて日常生活を賄うのに必要な商店街が形成されることも、ひとつの案だと思う。いずれにしても、1500メートルを商店街で埋め尽くすことは、到底不可能だということを前提に市民の皆さんのいろいろなお考えの中で集約していくことだと思う。

 商店街でいえば、街の機能は商店街だけでなくていろんな事務所とか金融機関などの機能も街の機能としては大事である。また、中心市街地全体としては、居住地として、住宅地としても必要な視点であるので、市街地全体を居住あるいは、商店街、産業地区などさまざまな要素をしっかりと取り込んだ市街地の形成のなかで、商店街をどのように形成していくのか改めて考えていきたい。まだ、具体的な構想づくりには着手していないが、大黒町の、今日の市街地としての形成の度合いを見ると、商業の点で見ると密度は薄い。そこに上手に、産業としての工業、事務所などが集積している特長を生かしていく必要がある。同時に、本通り以外の通りに面した広範な住宅地もきれいに形成されているので、総合的に考えてみれば、「住まい」というものが柱になると思う。これは、方向として決まっているわけではないし、案を固めたわけではないが、そんな印象を私自身は持っている。

・お年寄りが住みやすい街づくりは、社会全体が高齢化していく中で大事な要素である。お年寄りや障害者の皆さんに住みやすいということは、若い人や健常者にも住みやすいことになるので、そうした心がけをしていきたい。今、東洋紡跡地の北側の市道の拡幅を、東洋紡から無償で土地を譲渡いただき進めている。その西側では、はなのき保育園の移転改築が進んでいる。街路の整備にあたっては、車道と歩道を分ける縁石をどうするのかという質問が福祉団体の方からあった。道路の構造基準があるのでそれに沿って施工するとお答えしたら、一面的に施工されるとお年寄りの歩行に支障が生じると言われた。あの高さの縁石もお年寄りは、跨ぐのが大変だ。将来のまちづくりを頭において、縁石ひとつについても皆で相談して決めてほしいとの提言をいただいた。そうした小さな配慮が住みやすいことに繋がるのかなと改めて感じた。

 医療の課題だが、ここに住む人にとっても安心安全に暮らすことは大切なことである。また、工場を誘致して、従業員の人にこの地に住んでいただくときに、企業誘致に会社を訪問すると「大町にはちゃんとした病院はありますか」と質問される。或いは「進学校はありますか」と言われる。これは大町に限らずどこでも同じだが、ここで工場を展開しようとしたときに、従業員の一番の希望は、安心した医療が受けられること、子どもたちの教育の環境が整っていることなので、企業が進出する大きな要素になる。この面からも医療は大事である。

 一方で、大町病院には、現在常勤の医師が20人いるが、そのうちの2人が、11月の末と12月の末で退職したいと申し出があった。その医師は2人とも内科の医師である。内科の医師は、常勤の5人の体制であったが、そのうちの2人が退職したいということで、私も会って慰留しているが、意志は固い。医師確保対策を必死に取り組んでいるが、いままでなら信州大学から派遣していただいた仕組みが上手く機能していたわけだが、信州大学でも、医師の研修制度が大きく変わった。今までは、信州大学の医学部を卒業すれば、信州大学の付属病院や信州大学の人事異動の中での関係病院で研修する仕組みが確立していたが、現在の卒業生80人のうち半分が都市部を中心とした大病院へ研修に行ってしまって、手持ちがないという。大町病院に欠員が生じてもすぐに、年度中途でもあり送り出すことができない状況なので、大町市や大北地域出身の医師に、私が手紙を書いてお願いしている。百にひとつか、千にひとつしか当らないといわれているが、何とか医師を確保したいと思い取り組んでいる。当面、来年の春まで後任が埋まらなかったと想定して、内科の65床の病棟を、30床くらいに縮小せざるを得ない状況である。外来も、特に夜間の外来は、他の病院に回っていただくような手配をしている。大北医師会や安曇病院に相談をしながら、来週には市議会にもご相談したうえで市民の皆さんにもお知らせしていきたいと考えている。長いことご不便をかけることはまずいので、医師の確保は、最優先の課題として取り組みたい。

・劇団四季の関係では、(財)地域創造の林理事長が来市したときに資料館を見てもらったが「あれは売れる、PRしたほうがよい」と言っていただいた。四季の皆さんが大町市で稽古したり、仕込みをしたりするときに、稽古しているところを見せていただくのであれば観光資源として目玉になるし、地域の文化活動と交流ができればと考えている。前に、大町の市民劇場の皆さんと交流していて、演劇の指導をしてもらった時代もあったようだ。そんなことも復活できればと思う。それには、受け皿として地域に元気がなければならないので、両面から考えていきたい。

 国営公園との連携だが、特に山岳博物館は、山岳文化をテーマに活動してきているし、ネームバリューはある。博物館はお客さんを待っているという宿命があるが、国営公園に来た皆さんに、山岳博物館がすぐ近くにあると、導線の入り口をつくっていきたい。そのために、国営公園事務所の片山所長にライチョウやカモシカを公園内で飼ってくれないかとかお話している。それが呼び水になり山岳博物館に来ていただけるのではないかと思う。ただし、国土交通省所管の公園なので、生き物の飼育や学術研究はできないようだ。博物館法の範囲になるので、文部科学省の所管になる。また、特別天然記念物なので、環境省の所管にもなる。省庁間の壁が越えられずにいる。今、オーストリア人の医師で剥製をつくる人が日本に滞在しているが、山岳博物館の剥製も手がけていただいている。その方がつくった剥製は他のものと比べて、一目で分るほど生態が表現され、よくできている。時機を見て、国営公園で展示していただいたらと考えている。これも、呼び水の導線になると思う。

(3)観光振興について
・「観光関係団体の支援、強化」についてのお話は、総合計画の中の、10ページの「活力あふれるまちづくり」の第1項目の「時代のニーズに対応した観光業、観光の推進」についてだが、市の総合計画審議会で委員の皆さんに夜遅くまで審議していただいた。その中で、観光は大町の顔であるので、「活力あふれるまちづくり」の一番最初にもって来るべきだとの強い意見があって、第1番に位置づけた。観光はもちろんこの地域の産業の大きな柱である。一方で、観光を通じて大勢の人に大町を知っていただく、それが大町に住む人たちの自信や誇りにもつながっていく。観光にはこの二つの面がある。ご質問の「観光関係団体の支援と組織強化」だが、観光政策には、二つの側面がある。ひとつは誘客である。直接、お客様にここに来ていただく宣伝の活動。もうひとつは、観光戦略だが、例えば、観光地としての基盤を磨き上げていくこととか、長い将来にわたって観光客が、繰り返し来ていただくような仕掛けづくり、これは、行政の仕事になる。
 宣伝の仕事は、やはり個々の事業者や観光協会などの団体の皆さんが、取り組んでいただけるキャンペーンや誘客の事業である。戦略の部分は行政がしっかりやることになる。田中知事の時代の県では、観光戦略はいらないとして、誘客がすべてだといって、県の観光課を廃止して県観光協会だけを残した。やはり、長い目で見たときに、行政の役割はある。この計画では、実際の誘客や観光地を売りだしていくさまざまな団体、例えば、市の観光協会などだが、そういった皆さんの団体の運営や団体が行う事業に対して、補助金や人的支援を提供することによって支援をしていくということである。駅前の観光案内所も典型だが、大町の観光の顔として、そこに職員を市からも派遣をし、観光協会の事務所を開いているが、そこが観光客の皆さんの直接の案内の場であったり、例えば、アルペンルートオープンカーニバルの拠点になったり、行政としてもそんな支援をしていくということである。組織強化では、県内のさまざまな観光地では、相当力を入れて組織づくりをしている。最近は、行政の長が忙しい中、片手間に行うことが困難になってきていて、トップハンティングのように外部からこの分野に得意な方に来ていただいて、専門的にやっていただくような動きもでてきている。大町市の観光協会のあり方は、たまたま私が、会長を勤めさせていただいているが、それでいいのか幅広い意見をお聞きする中で検討していきたい。特に実行力のある組織にしていく必要があるだろうと痛感している。

 大型バスで来ても観光客が食事をするような、足止めする場所が無いとのご指摘は、そのとおりだと思う。昨年の5月まで伊那にいたが、伊那にはもともと大きな観光地が無い。19万人も住んでいる上伊那だが、高遠に60万人の観光客が来るが、ほとんどは桜の時期である。もうひとつは駒ヶ根高原だが、規模は小さく伊那地域では観光ではほとんど食べていない。他には、産業が立地して、そこに来るビジネス客が周遊したりしていく程度の観光である。そこで、駒ヶ根市と伊那市でソースカツ丼を売り出した。ソースカツ丼自体はそれほど特色のあるものではない。何が有名かというと、もともと伊那は、食べ物が安くて量が多い。ソースカツ丼も、一番大きいものではご飯の上に400グラムのカツがのる。みんな驚くし、私も食べきれないこともあり、とても印象に残る。これは、20年前くらいから仕掛けて、今では、両市ともソースカツ丼の街になっている。そういう、ここならではの物があれば、観光地は少なくても、名物のソースカツ丼でも食べて帰るかとなる。大町でも、黒豚の取り組みがされていたり、ブルーベリーのジャムが名前を知られてきている。そうしたものを磨き上げて、大町に行ったらあれを食べて帰ろう、或いは、観光バスで乗り付けて、50人くらいなら引き受けられる拠点的なところが欲しい。こうした声はあちこちで伺うので、何とかそれも工夫していく必要があると思う。特に産業の分野は、行政の果たす役割は比較的小さいし、直接行政が手を出すと大体失敗するのが相場なので、何とかやる気のある皆さんに走っていただき、それを行政としてしっかり応援していく、そんな仕組みづくりができればと思う。

(4)団塊の世代の移住について
・人が集まっていることは、一つの力になる。最近地域間の格差とよく言われる。東京に出張に行くが、私は景気のバロメーターを建物を建築するクレーンの数で測っている。バブルの最盛期には、あちこちの工事現場に大型クレーンが立っていた。バブル崩壊後は、汐留地区の再開発くらいしかクレーンが立っていない時代があった。3年位前からクレーンが立ち再びビルが建設されている。大町を見ると、個人住宅を含めて小さなクレーンさえもあまり立っていない。経済活力の格差を感じる。人口の集積は活力に繋がる。
ひとつは、働く場の確保で、大町が好きになるような、市民もその企業が好きになるような新規の企業の東洋紡績跡地への誘致を進めたい。もうひとつは、市内で工場へ伺い、経営している皆さんの業績や今後の見通し、行政への要望についての聞き取り調査を実施している。技術力があり業績が堅調で伸ばしている企業がいくつもある。市民の皆さんはあまりそれを知らない。私もよく知らなかった。工場を拡大したい、業績を上げるために人を雇用したくてハローワークに求人しても人が来ないようだ。仕方なく、本社から派遣してもらったり、外国人労働者を含めた派遣会社にお願いしている話がいくつかあった。

 労働力は、そこに工場ができたり、工場が増設されると容易に移動が行われるものだと思っていたが、そうでもないようだ。市内でも、息子さんが東京の大学を卒業したが、帰りたくても就職場所が無かったので東京に就職して、結婚して都会に住んでいる。帰ってくることは難しいとの話を聞く。大学を卒業するときに、こちらへ帰ってくる受け皿づくりが大事だと思う。
 広報おおまちでも、市内でがんばっている事業所に登場いただいて、このような企業もあると市民の皆さんに知っていただいて、例えば、息子が来春工業系の大学を卒業するが「大町には働く場が無いので、都会で就職先を見つけるように」と言っていた親が、「小さくてもきらっと輝く工場があるぞ」と、「募集要項を送るから検討してみろ」と、つなげていくことが些細なことだが、そうした配慮が必要だと思う。これは、働く場所の確保の問題である。

 もうひとつは、定住対策の話をいただいたが、去年の秋ごろ、田舎暮らしをしたい人に情報発信したり田舎暮らしをしたい人を地方に紹介する東京のNPO法人「ふるさと回帰センター」に伺ってきた。昭和21年から24年生まれの団塊の世代が大量退職の時期を迎えるが、その人たちの中の田舎暮らしブームを受け入れられる体制づくりを進めている。美麻地区や八坂地区はもともと役場で、空き家情報を把握してあった。旧大町地区では、そうした情報がなかったので、今、自治会にお願いして基礎的な調査をしていただいている。それに基づいて、空き家が使えるのかどうか、家主さんが貸していただけるのか、詳細な調査をして基礎データを整理したい。市役所にお尋ねがあった場合に、お答えができるような体制をつくりたい。一番大事なのは、移り住んでくる方も大町に良さを知って、大町がすきで来ていただく、地域にもなじんでいただくことなので、移り住む形態は家を建てて移る場合や借家を活用してきていただくこともあるが、そんなサービスを整備したい。

 更には、街中に定住していただくことも大切。田舎暮らしは、郊外や山の中だけではないので、街中で暮らす便利さも知っていただく、あるいは、そういった便利さを求める人もいるので、街中定住もPRしていきたい。空き店舗を活用する場合には、市からの家賃に対する補助制度があるが、通算で30件くらい補助してきている。まだ広がりが少ない。調べてみると、街中は細長い形状の土地が多いので、1階がお店で2階に住んでいるとか、道路側がお店で奥に住んでいるとか、貸していただける環境が物理的に難しい例もあるが、貸しても良い人のリストアップをしながら、橋渡しの役を果たしていきたい。

 もうひとつ、大町病院で面白いことを始めた。人間ドックを前からやっているが、今までは、院内に泊まって検査を受けていただいていたが、ご要望により、固有名詞を挙げるが「くろよんロイヤル」に宿泊して、昼間病院で検診を受けていただく事業を、9月からスタートした。食事もグレードが高い。人間ドックの総経費は変わらずに、負担いただく額も変わらずに利用いただける。市民の皆さんはもちろん、遠くの人たちにも大町を経験していただく良い機会にしていただいて、広くPRしたい。とにかく、大町のよさを知っていただくことから始まると思う。細かい話だが、そんなところから手を着け始めている。

 この春、定年になった人に移り住んでいただいた場合、行政上プラスかマイナスか試算したことがあるが、普通年配の人が移り住むと、結局、医療サービスや介護サービスで行政が持ち出しになるのではないかとの心配があるが、計算してみたところ、夫婦2人で、60歳で大町に引っ越してきて借家に住んで暮らした場合で、現在の、平均余命を暮らしていただいた場合では、トータルすれば相当プラスになった。地方交付税の仕組みの中で、人1人が住んでいることで行政経費がかかるということで、交付税として補填される仕組みがある。そんなことで、市財政にとっては大きなプラスになることが分った。八十二銀行のシンクタンクの長野経済研究所での研究も地域経済への波及効果の面では、夫婦二人で、30年間で1億3千万円ほどの相当大きな地域経済へのプラスの効果があるとの試算がある。こうしたことにも意を強くして、移り住んでいただく施策を強めていきたいと思う。

(5)地域文化の振興について
・美術館構想については、率直にお答えするが、文化でご飯が食べられるかとの意見もあるが、実は、文化でご飯を食べられるとの説を最近聞いた。文化は、街の顔でもあり街の潤いでもある。ご飯の種にならなくても、人生を豊かにしてくれることで潤いの種になる。私は文化に造詣が深いわけではないが、文化を大事にしたい考えを根本にしていく。美術館の建設は、前、前々市政でも真剣に検討した経過がある。財源の調達の問題、将来の維持運営の面で、断念したと聞いているが、美術館は地域によほどの熱意がなければ維持していくことは難しい。造るのは箱物なので、行政がお金を出せばできるが、それに魂を入れていくには、文化活動が地に足が着いた形でないと生きていかない。近隣の町では、美術館があるが実際の運営は相当苦労していると聞く。

 文化には展示と上演の二つの表現活動の場があるが、市には文化会館があるが、他市に負けない施設である。これを上演の活動で使いこなしているかというと苦戦をしているのも事実である。展示と上演の二つを場を用意していくことは、なかなか厳しいと言うのが本音である。文化行政の象徴として美術館をつくるというのは、見栄えはすることであり、為政者としてはそこに魅力を感じることもあるが、文化活動の場としてきちんと維持して、運営していけるかどうか慎重に見極めていくことが大切であると思う。
 美術館の話に関連して、大町には文化的な活動の素材として劇団四季の稽古場、倉庫群、さらに資料館がある。地元の人がよく行っているかといえばそうでもない。身近にあるのに、そう感じていただけないのであれば、行政もてこ入れしながらPRしていく必要があると思う。市民の皆さんだけではなくて、ここを訪れてくれる皆さんに、上演施設7館が常時満員になる劇団「四季」に、大町でも触れられるんだとアピールする必要がある。

 先ほど、文化で食べられるんだとお話したが、総務省の外郭団体に「地域創造」という財団があるが、各地に造られた文化施設に魂を入れる必要があると、宝くじのPR経費を有効に活用して、各施設の活動をてこ入れしている。そこの林理事長に講師をお願いして、市民・市職員向けの講演会を開催した。その方が言うには、「文化で食べられる」と言う。日本には事例はなかなかないが、最近、フランスのナントと言う25万人くらいの街で、昔は造船業で栄えたが、造船業が没落したときに、市が努力して、小さいものも含めて4つの演劇やバレー、オーケストラの上演の場所をつくった。1日に12回位の公演をした。徐々に定着して、今では、ヨーロッパ中からその町へ芸術に親しみに来ているようだ。宿泊施設もできて地域おこしに一番いい例であると講演された。大町やこの地域でどこまで取り組めるか分らないが、これだけすばらしい風景があるので、景色も見て、文化に触れて帰れるじゃないかと言われた。この地を訪れる観光客の皆さんもいるので、その足止めの機会として、なにか文化的、芸術的な要素、アイデアはないかと悩んでいきたい。文化は、自分の心のよりどころで、そしてまた、余暇が増えれば増えるほど、人々の関心が向いていくと思うので、それも含めて考えて行きたい。

 計画がスタートしたばかりなので、明確にお答えできないものもあるし、財政状況からすぐにできないものもあるが、今日、いただいたご提案を、一生懸命頭を駆使しながら、そしてアイデアを出しながら皆さんのご要望に少しでもお応えできるように一歩ずつ進めて行きたい。その過程で、これからも何回もこういった機会でいろんなご提案やその時その時の市の取り組みの進捗状況などもご報告申し上げながら積み上げていきたいと考えているので、今後も、ご理解とご協力をよろしくお願いしたい。
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