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大町青年会議所

日 時 平成19年5月28日 午後7時30分から9時00分
場 所 大町商工会館
懇談した団体等名 大町青年会議所
出席者 大町青年会議所理事長ほか17名
市 側 市長 牛越徹
記録 庶務課広聴広報担当係長 勝野礼二


○出席者からのご提案・要望等
 市長が提唱する「協働のまちづくり」と、「国営アルプスあづみの公園大町松川地区の施設の内容など」、「地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の現状と今後」について、市長の考えをお話いただきたい。

(1)協働のまちづくりについて
  • 市長の考える、協働の具体的な事例と、イメージが分かる考え方を説明してほしい。
  • JCメンバーからすると、なじみのある協働の活動では、「わっぱランド」だと思う。1999年に市農林水産課から、「予算は無いけれども、うっそうとしてしまったその場所を再開発したい」との呼びかけに呼応する形で関わった。もうひとつ、大町アルプスマラソンは、当初は市が主導の健康シティーマラソンからJCが関わって発展してきた。これらはイメージ的には市長が提唱する協働と近いのかなと思う。JCメンバーが理解している協働と、市長が提唱している協働はそんなに遠くないと思う。以前も話をしたが、今まで、例えば市で事業を進めるときに、行政主導で実行委員会を作って進めることがあった。例えば、ある事業の事業主体がJCなど民間団体であった場合に、きらり輝くまちづくり事業の枠組み以外にも、協働という切り口で、実行委員会という行政主導の事業にお金を出すのではなくて、JCも含めた民間団体に対して、直接コラボレートして、資金的な部分をバックアップすることまで考えているのか。
  • JCも公益法人の改革の課題もあり、公益法人の事業比率とかが厳しく問われる状況になっている。そこで昨年は、最強レシピという形で地産地消の課題で冊子をつくった。行政でも、実行委員会という形で、地産地消事業に取り組んでいる。JCも事業の公共性なり質を高めていかなくてはならないが、実行委員会による事業でなくても、我々の事業に対して資金的な部分とか応援をいただきたいし、また、われわれもいただけるようにならなくてはならないと思う。
(2)国営アルプスあづみの公園について
  • 国営公園の開園時期が決まったとの報道がある。施設の内容など教えていただきたい。
  • この地域は、雪が多いので、冬季間も遊べるような施設があればと思う。
  • 仮に、スケート場ができた場合に、その利用に使用料はかかるのか。
  • 入場料を取ることは、決定したことなのか。子どもは、低料金だと聞いたが。
(3)地域高規格道路について
  • 地域高規格道路については、JCでも過去に署名活動をしたこともあるが、現状について、教えていただきたい。
(4)市役所への要望
  • 一般の市民からすると、市役所は、敷居が高くて、例えば、補助金がほしくて市役所を訪ねても、どこに行っていいか分からない。何かお願いしたくて、話を聞きたくて市役所に行っても、受付はあるが、どこへ行っていいか分からない、何を話していいか分からないという人が、ほとんどだと思う。個人的には好きではなかったが、前知事が、何とかコンシェルジェとかやった。あれは道案内だけだったが、市役所に、話を聞いてくれる人、とっつきになってくれる人がいると助かる。例えば、市役所のOBでもいいが、部長クラスを経験されていて、市道の修繕についてどの部署にいけばいいかなど案内してほしい。たらい回しになるとの意見がでることがある。きちんと話を聞く耳が、市役所にないと思う。ある女性が市議会議員の選挙中、困ったとき市役所のどこに行けばいいか分からないと話していた。市議会議員も、敷居が高くて直接は訪ねてもいけないと話していた。協働を進めるには、一般の市民が、自分達がどうすればいいのか分からなくてはならないと思う。例えば、自宅の前の市道の除雪をしたいが、自分で除雪していいのかどうか分からない。昨年、建設課に電話して、市道の除雪を重機でしていいか聞いたら、「お金は払えないけどどうしましょう」という話になった。やっていいのか悪いのかと聞いたら、「やっていただいてもいいが、お金が払えないので困ります」との回答である。お金は要らないと言うと、「そういうわけにはいかないので困ります」と言われた。私は、すぐ電話をしてしまうほうだが、知事選でも流行ったが、声なき声をどう吸い上げるかが、とても重要なことだと思う。それには、市役所に行って今日は何課にいけばいいか悩むのではなくて、市役所で聞いてくれる人がいればいいと思う。そういうところが現在はないと思う。受付はあるけど、案内人がいないと思う。
  • スケートボード場ができたときに、若い男の子達が集まっていたが「俺達、市役所のどこに行けばいいか分からなかったんですよ」と話していた。市役所に、耳を持ってくれる人がひとりでもいればいいと思う。
  • 市民が相談するときは、責任を取ってくれといっているわけではなくて、どこへ相談したらいいか分からないということである。相談の内容は、実際には県の所管のことかもしれないけれども、県にいったらいいのか市にいったらいいのか分からないことが多い。一番市民が困っていることだと思う。
(5)その他地域振興策
  • 市長は広域連合長も兼ねているが、観光客を増やして400万人にする目標は、非常にいいことだと思う。この地域を訪れる観光客は、大町市にピンポイントで来るわけではないので、是非、松川・池田・安曇野・白馬などと、行政のほうでも連携を組んでいただいて、観光客を誘致していただければと思う。それぞれの市町村で観光ポスターを作ることは、それはそれで大事だろうが、エリアとして観光振興を図っていただきたい。安曇野は、合併してかえって、一体的になっていいのではないかと思う。合併しなかった町や村は、財政的にも厳しいと思うので、新しいものを作るのではなくて、今あるものを連携してPRできるようなシステム作りをすれば、経費も少なくて済むと思う。広域連合が中心になって地域の連携を深めてほしい。ちひろ美術館にきている人たちを、大町に引っ張ってくるような施策を期待する。
  • ここ1年くらいの話だが、大町に店を出そうとしていた人で、他に何軒かお店をやっている人が、出店をやめたとの話を聞いた。原因は、中心市街地を使うか使わないかとの市のアンケート結果を見て、「利用する人が2%以下の市ってどういうこと?」、「大町はどうなっているんだ」、「そんなところには店は出せない」と松本への出店を決定してしまった。私も中心市街地にいるが、例えば、ここが中心市街地でなくても、市内のどこかに中心市街地がないと、今日話題の協働にしても、工場の誘致でも、大町が良くなっていかないと思う。中心市街地の活性化については、「今日どうしてくれますか」ということではないが、今後も、中心市街地の活性化を考えていただきたい。アンケート結果を見ると、跡取りはほとんどの店でいない。人口の推移を見れば、減少することが分かっている。今ここにいる人たちは、大町市に帰ってきてやっているが、私も帰ってくるときは、すごく迷った。このままサラリーマンをしていたほうがよいとも思った。大町では商売はうまくいかないのではとか、商店街にも何もないしとか考えた。大町をよくするためには、どこにもって行ってもいいが、中心の市街地を常に考えていただきたいと思う。
  • 市街地に土地を所有しているが、アパートを建てないかとかの話が市外業者からあった。大企業は立派な建物の図面を作ってきて、その図面に、そこから何分以内に銀行がありますとか、何分以内に中規模のスーパーがありますとか、大規模スーパーまでは時間はこれくらいかかりますなど、こと細かく説明が記載されている。それを見たときに、大規模のスーパーが遠くにあることがアパートを建設する場合のうえで一番のデメリットになると感じた。その企業は、大規模店近くにアパートを建てたほうがよいとのことで、市街地ではなくて郊外の大規模店の近くにアパートの建設を決めたようだ。それを考えると、市街地に何か核になるものがなければいけないと思う。これは、私たちの手だけではうまくいかないと思う。協働して、商店街の人たちも含めて話し合いをしていきたい。市で音頭を取っていただきたい。
  • まちの中にはご老体で、若手のすることに対して少々口うるさい人がいる。市長から、少し若手に任せたらといってほしい。

○市長からのお答え、提案
 本日、意見交換の場を設けていただき感謝している。青年会議所の日ごろの地域活動、行政への提言、特に先般の能登半島沖地震の折の救援活動に対して、感謝と敬意を申し上げたい。

 本題に入る前に、本日の午後、全国を揺るがすニュースが飛び込んできた。松岡農林水産大臣が自らの命を絶ったとの情報である。国会の論戦の中で、ご本人が代表を務める政治資金団体の政治資金の使途の問題で説明責任を果たしていないのではないかといわれていた。あるいは、緑資源機構を巡る談合疑惑。これらについては、私が軽々に申し上げることはできないが、いろいろな心痛が重なったことではないかと、心からお悔やみを申し上げたい。今後さまざまな検証がなされ報道されると思うが、この問題で私がひとつ思い当たったことがある。大臣の自殺の前から感じていたが、例えば政治資金の管理の問題では、資金の管理が法律に今の段階で違反したということはないと国会の論戦の中で明らかになっている。しかし、法律で許されているからとか、国会で何とか切り抜けられれば良いとか云々されているが、国民の皆さんの判断の物差しから言えば、説明責任を果たしていないという意味で、厳しい見方があったのだと思う。今までは、「政治」とか、あるいは「官、お上」、上からこういうものなんだと説明すれば、若干不満が残っても、それはそれで、収まってしまうのが日本社会の長い間の歴史の経過だと思う。しかし、もう既にそういう流れが始まっているが、「国民」、「世論」、この地域でいえば、「市民」、「地域の皆さん」が、「そうではないのではないか」、「こうではないか」といった行政への積極的な関わりが、大きな判断の物差しになってくる時代が来ているとつくづく痛感した。そうした中で、私自身も地域の行政担当者として、あるいは政治家という立場を持ちながら務めさせていただく中で、頭にしっかり置いていかなければならないと心から思っている。

 本題に入るが、お手元に、きらり輝く大町の第4次総合計画のダイジェスト版をお配りした。本年度から始まる10年間の総合計画の、最初の5カ年を中心とした前期計画は厚い冊子にして発刊するが、このダイジェスト版は、エキスの部分をまとめたものである。昨年の12月に総合計画審議会の坂中正男会長から答申をいただいた「総合計画基本構想」に肉付けしたものである。
2ページをご覧いただきたいが、計画行政の必要性、計画策定の主旨である。まず地方分権、三位一体改革、大合併、少子高齢化、あるいは人口そのものの減少時代などを背景としながら、地方公共団体は極めて厳しい環境、あるいは激変の中に置かれているという転換期にたって計画を作るということ。計画の役割は、総合的、計画的にまちづくりを進めるすべての人々の共通の目標を設定するものである。それから将来像を実現するための達成目標と自治体の経営のあり方、どんな方法で進めていくんだということを示すものである。この計画の実現に向けて国や県に対して支援を要請し、それを受け止めていく、そんな役割があると書いてある。

 その前提が、「市民と行政が協働して」であるが、これが後ほどお話しするテーマとなる。つまり、「協働」の言葉は、市民と行政が力を合わせることである。これは今までは市民参加という言葉で表されていたが、協働の目的を市民と行政が共に作り上げていくというさまざまな形の参加に着目して、この言葉を使うようになってきた。昨年立候補に際して協働という言葉をキーワードにしたときには、まだまだ全国的には、感覚的に2割か3割くらいしかこの言葉は浸透していない時代であったが、それから今日でちょうど11カ月になるが、この協働という言葉がいたるところで使われるようになり、また、最初にスタートしたいくつかの市町村では、わずかではあるがすでに協働という歩みが具体的になってきている。そうした中で、大町市においても是非、市民の皆さんに協働という概念を理解してもらい、理解した上でさらに、協働に向けて第一歩を踏み出していただきたいと願っている。

 次に3ページをご覧いただきたいが、今回のこの計画を進めていく視点として、ひとつは社会経済情勢や課題への対応、2番目に協働による地域の創造などが記載してある。行政、市民、団体、地域、企業、NPOなどさまざまな団体や事業主体が、それぞれの役割分担を明確にして、連携と協働によるまちづくりを推進するため市民の視点に立って、市民に分かりやすい計画とした。そんなことを、ここに詳しく書いてある。
 4ページになるが、大町市の地域特性としては、多様な地域資源、産業経済、あるいは教育文化があるが、そういったものを踏まえながら、地域経済の活性化、生活環境の向上などの課題に応えていきたい。行政は、総合的なものなので、もちろん重点的に取り組む中にも、おろそかにしていい分野があるわけではない。そういった意味で行政も大変ではあるが、さまざまな山積する課題に応えていきたいと考えている。
 5ページだが、まちづくりの基本理念は「市民参加と協働の市政による地域の再生」である。市民の皆さん一人一人が参加し、共に汗を流しながら、つまり実践も伴いますよということで、汗を流しながら協働の力で、まちづくりを進め、みんなが住んでよかった、訪れてよかったと心から思える心豊かな大町市をつくって行きたい。

 次のポイントは、7ページになるが、さまざまな計画行政を進めていく上での原点は、やはり、人口をどのように捉えていくか考えていくかということである。ここでは、将来の人口推計を、平成17年の32,145人をベースに、平成22年、同27年の5年後・10年後の人口を推計している。推計1では、過去10年間の減少率を、推計2では、過去5年間の減少率をそれぞれ、年齢の5段階刻みをベースに推計して算定した生の数字である。例えば、27年、10年後には、推計1では28,981人、推計2では、27,556人となる。つまり、過去5年のほうが減少率が高いことがこれで分かるが、これは何もしないで無策でいた場合はこうなるとの自然現象の数字なので、これだけ落ち込んでいくという人口推計をベースにして、実際に計画人口をどうするかというと、そこに定住対策など、人口を増やす行政の努力を踏まえて、3万人を維持していこうというものである。それでもまだ現在より2千人も減ることにはなるが、減少率をできるだけ少なくしながら、3万人の維持に努力し政策目標にしたい。それからその政策目標を達成するなかで、3万人を維持していくための、例えば下水道の整備とか行政サービスの水準を維持していくことなどを書いてある。今までの話は定住人口についてだが、7ページの2のところで、交流人口との字句をつくってある。大町市は観光客の皆さんに大勢来ていただいている。17年度統計では、280万人お越しいただいている。これを年間400万人の方に来ていただくという目標である。定住人口は、行政のレベルや版図を決めるうえでのひとつの大きな指標だが、ここを訪れていただく皆さんへも間接的に行政サービスを提供したいと考えている。この目標は、観光政策を打ち出す意味もあるし、また、観光客はこの地域で消費活動をしていただくが、それが市の活力にもつながるという意味で、交流人口400万人を目指していきたい。ずいぶん現状より増えていると思われるかもしれないが、これには、国営アルプスあづみの公園大町松川地区の開園なども視野に入れている。

 目指すまちのテーマは、8ページにある。選挙の時には5つの柱といっていたが、6つにした。5番目の「潤いのあるまち」から、6番目の「人を育むまち」を、特に学校教育、生涯教育・学習についての内容で独立させて6つとした。この6本の柱の具体的なものは、9ページからそれぞれ1項目ごとに整理してある。このダイジェスト版では、中項目まで列挙する形になっている。ご覧いただきたいと思う。
 もうひとつ資料として、企業誘致のパンフレットをお配りした。工業用地のご案内ということで、大町に進出を計画したり、どこか地方へ進出を計画している企業への大町の売り込みのペーパーである。実際には、この資料だけで決断する企業は無いので、補足の資料を添付してアタックすることとなる。地域産業を再生していくのであれば、ひとつは新規の立地、大町の自然や環境にふさわしい企業の立地を頭に置いている。経済産業省の外郭団体で、日本立地センターという、企業の情報を地方へ、地方の誘致情報を企業に伝えている団体がある。この団体に市として委託調査を実施する。調査の内容は、全国の企業向けのアンケートで3,000社を予定している。福島県の南相馬市と新潟県の魚沼市、岡山県の津山市と大町市の4市共同で、アンケートを実施することとなった。4市で実施することにより安い経費で、より多くの企業にアンケートを取れることとなった。

 アンケートでは、調査主体の名前を表に出さずに、地方に進出することを計画しているかなど、一般的な調査として各企業にアタックする。その中で選別をした上で、地方に進出してもいい、大町に可能性があるといった企業をターゲットに絞り、個別に市がさらに詳細な調査を掛け誘致するという、そんな取り組みをしていきたい。これは私がオリジナルで考えたことではなく、県内では駒ヶ根市が取り組んだ手法である。駒ヶ根市は20年前に取り組んだ。その後20社以上が、駒ヶ根市に立地した。今回実施する手法は、駒ヶ根市から企業誘致のノウハウを聞いたことが手がかりになっている。20年間の差は大きいと思うが、無策でいるより何とか手がかりを探したいと思い、こんな取り組みを進めている。契約は6月の上旬を予定し、その後調査に入っていきたい。もうひとつ大事なことは、地域の経済活性化には、新しい企業にきていただくのもひとつだが、今ここで踏ん張って、頑張っている企業の皆さんに、業績を拡大していただくような、そんな取り組みも併行して模索していく。具体策は難しいが、このまま無策でいれば大都市圏と地方圏の格差は、ますます大きくなるばかりである。アイデアをいただく中で具体的な手がかりをつかんで行きたいと思う。

 もうひとつは、中心市街地の課題である。中心市街地については、大町に限らず日本中どこでも苦労している。伊那市のような企業の活力があるところでも、中心市街地にはシャッターが目立っている。長野市においてでさえそうであった。そうした中で、去年商店主の皆さんを対象に、アンケート調査を実施させていただいた。並行して今年の1月には、消費者の皆さんからアンケートをとった。報道もされたが、きわめて愕然とした結果が出た。まず消費額では、主にどこで買い物をするかとの質問に対して、一般的な消費者は、1.8%の人が主に街中で買い物をすると答えている。残りの98%近くは、市街地の大規模店や郊外の大規模店、更には市外で買い物をしている。ショッキングな答えであった。この結果をどのように扱うべきか。どのように公表していくか、実は内部的に悩んだが、行政の責務として、調査をし、その結果を取りまとめたならば、それに対する対応はこれから一生懸命考えるとして、市民の皆さんや、商店街の皆さんにもお知らせするべきだと、現実を直視してそこから立ち上がっていこうじゃないかと考えて発表した。今後、商店街の皆さんや市民の皆さんとさまざまな機会に、私自身もできるだけ出席しながら意見交換会、座談会を開催して、ざっくばらんに現状認識をし、共通の認識をしたうえで、今後の対策をどのように考えていくか、一緒に知恵を出していきたい。

 知恵を出すのは次のステップになるが、まちづくりの活性化の基本計画をつくっていきたい。これは、総理大臣の承認を取ることが最初の目標である。そこに至ることができるか分からないが、仮に活性化の施策の中で、国に財政支援などを得ようとすれば、総理大臣の承認を得ることが不可欠になる。具体的な施策をどの程度盛り込むか、それに対して国の支援がどの程度必要になるか、にらみ合わせではあるが、計画の策定を進めていきたい。策定に当たっては、仮称だが、「まちづくりの会議」というような会議を正式に立ち上げて、商店街の皆さん、市民の皆さん、その他各分野の皆さんの意見を聴きながらしっかりした計画をつくりたい。

 これには、2つポイントがあると思う。まちづくりの会議では、年配の方も、若い方も、女性も、消費者の方も、お勤めに行っている方も、さまざまな方の意見を聴くのが前提だが、できるだけこれからの地域を担う若い人たちの参画を大事に考えて行きたい。ともすれば、お年寄りが頑張っていて、若い人の声が通りにくいと聞くことがある。それが当たっているかどうかについては、論評はしないが、これからこの地域を真剣に考え担う若い人たちにも十分参画いただきたい。もうひとつは、大勢の人の意見を聞けば聞くほど行政は第一歩を踏み出しにくくなるが、大勢の皆さんの意見を集約して、どれもこれもとはいかないので、施策の優先順位をつけて、しかも効果に結びつくものを厳選して取り組んでいきたい。大勢の皆さんの意見を聴くことで、自縛にならないように、その中から澄んだ目で施策をきちっと選び出していきたい。この2つの点に気をつけていきたい。駆け足でお話させていただいたが、これからの意見交換のなかで補足して説明したい。

(1)協働のまちづくりについて
 協働のまちづくりについて、詳しくといえるほどの材料はない。というのは、協働という言葉がある意味では、手触りのいい言葉、耳ざわりのいい言葉として、先行して使われている面がある。インターネットで検索しても「協働」という字句の数は多い。しかし、さまざまな地域で協働の取り組みを始めているが、その定義とか、それからその言葉の持つ意味、守備範囲には、あいまいな点が多い。法律用語ではないし、定義として確固としたものはない。そういう意味では、まだまだ手探りのところがある。
 その中で、「協働」とは何かというと、本来活動の目的が異なる活動主体、JCであったり、行政であったり、商工会議所であったり、企業であったり、NPO法人であったり、さまざまな団体が、設立の目的に沿って活動していて、その目的は千差万別であるが、本来のその団体の活動の目的、立場が異なることを前提に、お互いにその立場を尊重しながら、主体的に共通の新しいまちづくりの目標に向かって力を合わせていこうということが、協働につながるとの定義になっている。ある意味では、努力しあう関係を協働という捉え方もあるし、それから、力を合わせて活動していく姿そのものを協働だともいう。最近では、力を合わせて企画立案するだけでなく、むしろ実践につなげるという意味で、協働がよりアクティブな捉え方、まさに共に実践していく、行動していくというところに協働の主眼が移っていると思う。

 具体的には、今、まちづくりを例にしたが、まちづくりにはさまざまな切り口がある。例えば、福祉ということで安全・安心な町をつくる。あるいは、花いっぱいにして美しい環境、美しい景観をつくるとか、あるいは地域経済そのものを活性化させていくとか、さまざまな分野がある。それを領域と考えていいかもしれない。その領域に対して、みんなで力を合わせて、そして、課題を解決していくのが協働とも思う。
 領域という言葉が出てきたが、昔から公共と民間という領域がある。公共という領域、企業の活動などの民間の領域を帯グラフで考えて、左半分が公共という領域、右半分が民間という領域であれば、従来の考え方では、公共という領域を担うのは行政だという確固とした仕切りがあった。公共交通などの分野もあるが、基本的に公共という領域は行政がやっていた。そして、その負担も行政が負担した。このような仕切りだった。最近は、行政がなかなか担えなくなってきた分野がでてきた。これは、一つには、行政が従来の手法で解決できない新たな行政ニーズが生じてきたこと。あるいは、財政資金が枯渇してきたこと。三つ目は、これが一番大きいが、行政が担うよりも民間の力、民間のノウハウや元気さを導入していただいたほうが、公共の領域であっても行政が担うよりはるかに円滑にサービスができること、がある。この3つの背景があって公共という領域であっても行政が担うのではなくて民間が担うべき領域だと考えられるようになった。

 この一番のきっかけは、従来行政が想定していなかった部分について、さまざまな公的なサービスが求められるようになったということに端を発しているが、そうした時代の変遷の中で、公共の領域でも行政にかわって民間がやるというときに、元々財団法人とか社団法人といったような、さまざまな公益的な活動をする団体があったが、その後NPOなどが担う場合も出てきた。この場合のNPOとは、法人格を持つという意味ではなくて、従来からあるグループがあるし、それも含めて非営利の社会的な活動をする皆さんが育ってきて、これらの皆さんに従来の公共の領域のより多くの協働の仕事を担っていくこととなっている。そこにこそ、最初に協働が発生すると思う。
 例えば、きらり輝くまちづくりの助成金は、今年から昨年までの元気づくり支援金に変えて始めたが、バージョンアップをして、一部対象事業を広げて新しい名前でスタートした。その中の事業を拾って見ると分かりやすいが、例えば鷹狩山の山頂周辺を整備する会では、山頂周辺の公園整備と周辺の間伐を行う。この会は法人格を取っていないが、このボランティア的な活動を3年前から取組んでいる。以前なら、公園の整備は、市民の要望に基づいて行政が設計書を作り、民間の建設業者に請け負っていただいて公的に整備するというパターンが一般的だったが市民の皆さんが自ら活動するようになった。昔だったら公的な分野、領域だったと思うが今は民間の皆さんがどんどん、しかもボランティアに大勢の人を巻き込んでやっている。これがひとつの協働の姿だと思う。

 そして、このときに行政がどのような形で関与するかというと、助成金は出すが口はできるだけ出さない形で自発性を阻害しないようにしているが、公園整備や景観作りの軸から見た協働のひとつのパターンだと思う。また、これは行政と市民の協働のパターンだが、ここで大事にしなくてはならないのは対等の関係で、自主性、主体性をお互いに阻害しないことである。昔なら行政は補助金を出すと、必ず口も挟んだり、要綱によっていろんな制約をしていた。そういったことを、できるだけ排除することがこの分野での関与の仕方だと考えている。また、市民と市民の協働のパターン、広く見れば社会と関与している意味では、行政と市民の協働といえなくも無いが、市民と市民の協働のパターンもある。本年度の助成事業の予算総額は1,500万円だが、これまで48の団体の皆さんに地域づくりから始まって花でまちを埋めようなど、さまざまな活動をしていただいている。これは、行政と市民の協働という色合い、市民と市民との協働という色合いなど濃淡はあるし基本的には協働の姿を模索するといったほうがよいかもしれないが、協働の取り組みのなかで、昔でいえば公共の領域である分野で地域づくり活動をする形になると思う。

  • 協働の具体的な事例として、例えば「読み聞かせを進める市民の会」は、ボランティアグループとして10年近く活動されている。この会の皆さんはいろんな場で、子供たちの情操を豊かにしたいと、生まれた直後から小学校くらいのお子さん達にどんどん本を読んで聞かせる、あるいは本を読むことを推奨する活動をしてきている。これは従来なら、子供の情操教育の観点から母子保健の考え方で行政が担う分野だったかもしれない。小学校の教育の中では、読書教育とか図書館活動という、学校教育の中で進めていかなければならない分野だった。そういう意味では、これは先ほど申し上げた公共の領域である。公共の領域では、学校ならいろんなカリキュラムをこなしていかなくてはならなかったり、学力を伸ばしていかなければならないなかで、どうしてもおろそかになりがちな分野であった。こうした市民団体の皆さんが、西小学校と東小学校の一部だが学校の時間のなかに出かけていって学校の了解のもとに、カリキュラムの中で読み聞かせを、本を読んで聞かせる活動をしていただいている。あるいは、保健センターで3歳児検診のおりなどに、お母さんに読み聞かせを薦める活動をしている。これなどは、本来は行政の役割だったかもしれないが、行政がやるよりも、あるいは行政ができないことを、ボランティアという形で働きかけていただいている。これは、行政がお願いしたことではなく、行政の手が回らなかったところを自発的に取組んでいただいている典型的な例である。この読み聞かせの活動や、語り部の活動をしているもんぺの会の活動は、県内でも地域文化とも密接に絡めた活動として進んでいる活動だと思う。

     もうひとつの例では、大町アイガモ農法研究会は、平の二ツ屋と稲尾に熱心な方がいて、10年位前から取り組んでいる。アイガモを田に離すことにより、雑草が生えにくくなる効果がある。大きくなったら肉にするが、食肉のルートがなかなか確立しないことや販路が開かないなどの課題もあるが、化学肥料、農薬をできるだけ使用しないで、カモの糞による有機農法で、自然にやさしい、環境に負荷を与えない取り組みをしている意味で行政との接点がある。この農法が厳しいのは、米の収量では、化学肥料を施肥する田に比べて少ないことである。純粋に農業における生産性からいえば、まだまだ採算には乗らない状態だが、環境に付加を与えないという社会的な使命をこういう形で表してくれているという意味で、協働のひとつの姿だと思う。本来なら行政が呼びかけ、できるだけ有機農法を奨励すべきだが、有機農法だけでは市内の水田農業を確立するわけにはいかないという行政のジレンマがある、その中で、自発的なこの取り組みも選択肢の一つとして取り組んでいただく例になると思う。

     今日でも、行政が主として担う領域で、行政が主体となっているところに市民の皆さんに参加していただく方法はいろいろあるが、これまでならそれを計画する段階でパブリックコメントで意見を寄せていただいたり、審議会に公募の委員として参加いただくこともひとつであるが、その域に留まってはいけない時代になっている。例えば公募の委員として企画段階で、審議会で意見をいっていただき、作業部会に分かれたときに、作業部会の中で実践に結びつくようなアイデアを寄せていただく。企画がまとまり実践になったときに、その実行を担う事業主体の一人として、まちづくりであれば、例えば、まちづくり機構というようななかで、主体として入っていただいて、実際にいっしょに汗をかいていただく。こんな取り組みが、今後求められると思う。行政が自ら今日も担っている分野でも、このような形で入っていただくこともある。

     これはまだ、根付いていないので、いい事例としてお話できるかは別だが、岐阜県の土木部が、道路を作るときの事例で、ひとつの集落を迂回するバイパスを作った実際の例である。道路を建設する場合、普通ならまず基礎的な調査をして、建設事務所が概ねのルートの想定をして、そのうえで、地元に入っていって、こんな計画でやらしてもらいたい、用地買収の時はよろしくと説明することをやっている。ところが岐阜県の例では、先行的にそのバイパス道路を開けたいという時点で、集落の皆さんに相談した。道がいるか要らないか、農地を道路用地として提供できるか、それでもいいかどうか。そんな議論から始めている。そこから議論が始まり、そのなかから、誰が見てもこうだよねというルートの案が住民の皆さんから出てきて、用地の提供まで集落の中で並行して話された。ラインが決まったときは、だいたい地権者も納得していた。集落の中で、渋滞も緩和されるし、安全も確保されるから、用地の買収単価もみんなで協力しようという方向にもなった。岐阜県の建設事務所でも、これは、うまくいった例である。中には、うまくいかないケースもあったようだが、道路を計画する段階から住民の皆さんに参加してもらって、タイアップして進めたなかで、実施の段階でもうまくいった例もあったようだ。その後、この手法はとられなくなったようだが、ひとつの住民協働の例であり、企画の段階から参画いただき、意思決定、事業の実施の段階まで関わっていくというこの内容は、本来の協働という形でいえば完結した姿ではないかと思う。
  • きらり輝くまちづくり事業以外で、協働の事業への助成については、結論から言えば、進めるべきであり、また、そうなっていくと思う。ただ、一足飛びになるかというと難しいと思う。わっぱランドの話しが草間理事長さんから出たが、この事業については、私も県庁に勤務していた頃に新聞記事で見た。あの温水の施設が上原にあることを知らなかった。後で調べると、あそこは、市有地であるが、上流の水利施設は市の所有ではなくて、土地改良区か水利組合の施設であった。
     しかし、水利の必要性が総体的に低下するなかで、その施設の機能をあまり重要視されなくなったり、手入れする作業もなかなか手が足りなくなったりして、後継者がいなかったこともあって荒れるままになっていた。農業施設としては、文化遺産的に価値のあるものだからと、どなたかが着目して事業を始められた。これなども、従来は市が担っていた事業ではないと思う。水利組合なり土地改良区が担っていた仕事なのに、なかなか手が回らなくて、市が問題提起をした。市は問題提起だけでなくて金を出して自らがやる方法もあったかもしれないが、市がお金を出して直接やってしまうと将来的な財政負担のこともあるが、みんなの施設を管理していかなくてはならないということから行政は役割分担を考えて、どなたか取組んでくれる人はいませんかと新たな担い手を探したのだと思う。そこから、市も応分の協力をしながら、担い手の主体はJCや十日会のボランティアの皆さんを中心としたまとまりができたと思う。これは当時とすれば、稀有の例だと思う。

     こうした新たに生まれた領域の分野では、言いだしっぺが一番大事だと思う。それに対して、行政がどのような形で関わるかにはいろんなパターンがあると思う。資金が必要な場合には、資金のお手伝いをすることも場合によっては必要だし、資金のお手当てが必要ではないときは、市は連絡調整役、あるいは広報おおまちなどを使って大勢の市民の皆さんに知ってもらう活動で応援することもできると思う。行政以外の人が、言いだしっぺになり活動していく形の協働がこれからは増えていくと思うし、行政の権能が総体的に低くなっているなかでは、より重要視されていくと思う。
  • 行政は、市民の皆さんの税金が源泉になっているが、それを使ううえには、例えば、私企業には絶対に財政資金を投入してはいけないのがセオリーである。株式会社のテレビ会社に、その株式を持ってあげることによって、会社を設立するときには、株式に出資する形で財政資金を投入する場合はまま在るが、公益性がない限りお金は出せない。融資はできるが、資金を投資という形で預け入れたり、補助金という形であげちゃうことはできないのが原則である。逆に、公益的な団体、公益的な活動には資金を出せる。昔よりはそこは柔軟に、取り組むようになっている。県の地域発元気づくり事業や市のきらり輝く協働のまちづくり事業の制度は、公益的な事業で、より幅広い市民の皆さんにやグループの活動に資金を出せるようになっている。JCが、公益的な、例えば、きらり輝く事業に似合うような事業を組んでいただければ、その分に対しては助成できることとなる。その場合、内容が公益性があるかということと、より地域づくりに資するかなど、優先順位の問題がある。すべての活動に補助金が出せない以上、より効果が上がるというものに優先的に配ることとなる。例えば、これまで48団体に補助したといったが、応募は54団体ありその内48団体が採択されているし、県の支援事業は70団体の応募があり、確か10団体くらいに助成が決まったと思う。よりよい企画力とより効果のすそ野の広がりを持つ内容にしていただければ、採用は上位にいくと思う。
(2)国営アルプスあづみの公園について
  • 堀金穂高地区は、2年前にオープンした。入場者が多く、入場料を取る割には、リピーターも多いようだ。昨年暮れの、クリスマスイルミネーションには、万を越える人が来場したと聞いている。大町松川地区は、開園は21年の春と発表された。これで、オープンの時期は確定した。19・20年度で投資して施設を整備することとなる。本年度は、公園全体で24億円を国が予算に計上してあり、その内整備費は19億円程度といわれている。施設の内容は、インフォメーション棟、体験施設が何個所かあり、特徴のあるものとしては、以前牧草地だった個所を整備して、アルプスの大草原と名付けた芝生公園がある。思い思いに使っていただく広場である。もうひとつは、林間トレイルという、林の上に渡り廊下を空中の渡り廊下のように作って、木の上から見る地面、木の上から見る木の様子や動植物の生態などを楽しんでいただく施設も入る。その他、デイキャンプ施設もある。国が外郭団体を使って宿泊施設をつくって失敗した反省があって、宿泊施設は民間施設を利用してもらい昼間の利用をとの考え方になっている。将来的には、テントを張って宿泊をできるようになるかもしれないが、今のところはそうなっている。

     21年にオープンするのは、第1期分で、面積からいえばはるかに大きい第2期分があるが、第2期分は、今のところどのような計画で、どのようなスケジュールで進むか分からない。自然保護の絡みのなかで、あるいは国の財政投資の余力との絡みでどのようになるか。1期分のオープンが好評で、大勢の皆さんが来て、さまざまな要望が出されたとき、それを受け入れるために第2期分の整備計画に入っていく流れではないかと思う。1期分の成果が問われると思う。それに対して、市・地域としてどうしていくかが、大きなテーマになる。市では、国営公園に対して、国営公園を核とした地域の産業、観光、商業、農業、製造業、教育、文化などさまざまな分野での交流の働きかけをしていく。国営公園からも、さまざまな地域へいい影響を及ぼしていただく仕組みづくりを考えていただく。そのために審議会の設置を6月の議会に上程して行きたいと考えている。仮称だが、大町市国営公園地域振興審議会を作り、大勢の公募の市民の皆さんに入っていただき、公園をどうするかもさることながら、公園の機能を使って、この地域全体でどのような地域づくりをしていくかについて視点を置いた意見交換をして、そのなかから出たアイデアを使って国営公園に働きかけたり、それを核に市の行政、施策にも反映したい。
  • 冬季間の利用について、私は、具体的に2つの提案をしてある。ひとつは、園内でスケートができる施設の検討である。市のスケートクラブは、市内の南小学校と西公園でスケートリンクの設置、管理をしていただいている。クラブとの意見交換のなかで、より多くの人たちにスケートに親しんでいただくためには、誰もが身近に使えるところにあったほうがいい、国営公園の中につくったらどうかとの意見をいただいた。腰原前市長も同じ意見を国に伝えてくれてあったが、私からも、所長にお話した。スケートができるようにでもしないと、冬にお客さんが来なくなりはしないかとも提案した。立派なスケートリンクを作らなくても、例えば、アイデアのひとつとしてお話したのは、園内にある降雨時の下流へ流れる水量の調整のための調整池を利用して、スケートを楽しめる環境を整備することである。

     もうひとつは、最近、スノーシューを使って山の中を歩くことが健康志向ともあいまって流行ってきているので、公園の中でもスノーシューを事業化してメニューとして準備したらと提案させていただいた。現時点ではソフトの部分がどのくらい受け入れていただけるか、まったく未知数である。ハードについては、地元の意見を聞いてもらいながら進めていただいているが、そこにどう魂を入れるかは、これからラスト1年くらいで企画が進むと思う。その時こそ地域の意見をどんどんぶつけていく大事な段階であると思っている。
  • スケート場利用者の使用料だが、仮に設置された場合には、公園の中なので料金は設定されると思う。
  • 入場料の徴収については、すでに開園している堀金穂高地区でも、入場料をいただいている。入場料をいただくから運営も本気になるし、タダならノウハウも蓄積しないし充実もしない。お金をいただくから本気に取り組んでいる姿があるし、また、有料だからこそ、それでも価値があると考える人がお金を払ってきてくれる。そんな相乗効果で動いているのが、堀金穂高である。大町松川も同じ仕組みで運営されるし、また、そのような運営の中で魅力を高めていかなければと思う。入場料は、小人が80円、大人が400円だったと思う。

(3)地域高規格道路について
  • 今の計画では、松本から糸魚川IC付近まで、延長は100Kmある。その内の20Kmが新潟県で、80Kmが長野県内である。新潟県内の20Kmは、すべて調査区間で設計の準備段階の調査に入っている。間もなく調査が終了し、事業実施が認可されるところまで近づきつつある。早ければ1年くらい、長くても2年くらいで調査を終えて設計に入る段階であると思われる。新潟県は、公共事業に対する取り組みが、この6年間ブランクが無かったために、どんどん進んでいる。

     長野県の80kmだが、2つ考え方がある。ひとつは、長野県内全線の課題でいえば、価値観抜きでお話しするが、田中前知事が公共事業が嫌いであったがために、あるいは、それを悪と見なしていたために、公共事業費を相当圧縮した。そのために、本来だったらこの計画をどんどん進めなければならない段階であるにもかかわらず計画の調整も進まなかったし調査も進まなかった。現在長野県側で調査が行われているのは、小谷村の雨中地区だけである。当時私は、土木部の監理課長を務めていたが、前知事は一切手を付けさせないといっていた。雨中地区に関しては、夜大型車が通行するので、騒音対策として高規格道路とは切り離して、トンネルの調査を進めることとして、わずかな区間だけが調査区間になっている。
     大町から南も、いったんは調査区間になったにもかかわらず、まったく調査をさせていない。また、事業費を圧縮するために、中部縦貫道路計画の波田町付近からジャンクションを造って山麓側をつなげてくるという最初の計画を止め、長野自動車道豊科IC付近から、堤防道路を利用すればもっとコンパクトで、事業費も安くなるのではと提案をしている。だが、田中前知事は提案したように計画変更したかというと、いっただけで終わっているので計画は宙ぶらりんの状況である。現在の計画では波田町起点になっているが、県の土木部も一時事業期間を短くして投資事業費を少なくして早くに開通するのであれば、田中前知事の提案も検討すべきテーマだと考えた。

     村井知事は、コンパクトで事業期間が短いのはメリットだが、中信地区の西部には基幹的な道路が一本もない現状から、地域経営の考え方で現在の計画も可能かどうか十分検証したいといっている。起点をどこにするか、最初の計画通り波田町付近にするか変更するか調査をしている。この調査を、早ければ1年くらい、評価を加えて2年くらいで整理がされると期待している。それによって南側の起点が決まる。ルートが決まるのにそれから、1・2年はかかるのではないかと思う。当初の計画通り山麓側に作るのであれば、自然保護の問題、自然保護を理由とした反対運動にどのように対応するか不確定で時間がかかるかもしれない。

     その場合、南のほうに時間を取られていれば全体の進捗が遅れるので、大町市とすれば、大町から北は新潟県側がどんどん作業が進んでいることもあるし、大町から北は道路のルートの選択肢はそう多くはないので、大町から北を重点的に調査区間に格上げして、具体的な調査をしてもらうように要望を強めている。ポイントは二つある。ひとつは、現在調査区間の雨中地区のトンネルが、意外に地質がよくないこともあって、思ったよりも延長が長くなりそうである。その結果、事業費がたくさんかかるようになる。松本糸魚川の地域高規格道路は現在県の事業で実施する仕組みでスタートしているが、国の直轄事業で行うように格上げしてもらって、国でやってもらいたいと思う。そうすると、一気に事業量を投入できる。もうひとつは、技術的に困難なことでも、国の持っている技術でどんどん実現化を進めていただくことができるし、国の直轄事業で行ってもらえれば、国と県の負担の比率が、国がずっと重くなって国主導で行っていただけるなど、いくつかのメリットがある。このために国土交通省関東地方整備局、同北陸地方整備局にお願いをし始めている。そんな作戦で、大町の北からどんどん施工していただくようにしたい。それが刺激となって、南も早く結論を出してもらって、全体の事業を進捗していただくことにつながればと思う。ただし、これができるのが、5年とか10年の長いスパンが必要である。
  • 堤防道路については、地域高規格道路のルートがどこになろうと、さらに使いやすい道路にするために努力したい。大町の上一の交差点から豊科ICを下りた交差点までに信号機が9個所あるが、そのうち大きな交差点は5個所である。その5個所を立体交差化することによってさらに使いやすい道路にするのが当面の作戦である。これまで大町建設事務所長であった方が、隣の安曇野建設事務所長に異動したが、交差点改良は安曇野市が事業個所になるので、お願いして進めていこうと思う。特に渋滞がひどい個所も複数あるが優先順位は土木技術的な観点から解決されることなので、軽々には言えないが、短縮効果の大きいところ、渋滞のひどいところから施工してもらうようにお願いしている。実際に予算をつけるには県の予算の総額もあるし、いかにこの地域を重視していただけるかにも関わるので運動を強めて行きたいと考えている。
  • あの堤防道路が今日のような整備された状態になることは、15年前、オリンピックの開催が決まるまで夢にも思わなかった。オリンピックがひとつのばねになって、アクセスのために県も頑張ってくれたし、分担した市町村も、みんなでやるぞと頑張ったのであれだけの道路になった。何かのきっかけでやるぞとなれば、難題と思われていることも解決するひとつの例だと思う。
(4)市役所への要望について
  • 市役所にベテランの案内人を置いたらどうかとの話だが、確かに現在、総合案内といったものはない。大町病院にいくと、まず「今日はどうしましたか」、「熱を測ってください」、「どんな症状ですか」と看護師のベテランが見てくれて、「内科がいいですね」と内科の受付まで連れて行ってくれる。ご指摘は、道を聞くだけの案内では足りない部分の案内のお話だと思う。行政機関でもそういう機能は、これから大事になっていくと思う。
  • 行政の「耳の持ち方」には二つあって、まず、市役所の敷居を低くしなければならない。どんなことでも話しに行けば相談に乗る体制になっていなければ、市民の皆さんは行ってみたいと思わなくなる。それが一番大事である。電話の応対もそうだし、来庁者の具体的な話を聞いて、ちゃんと担当課へつなげるだけの役割を受付が機能として持たなければならないというのがひとつ。もうひとつは、なかなか用事がなければ市役所には行きたくないのが心情としてあると思うが、そんなときは、市役所の方から出て行かなければならないと思う。この行政懇談会もそうだし、本当は去年の秋ぐらいから始めたいと公約していたが、地域ごとに裃を着ないで意見交換を行う地域懇談会というのを、ようやく、連合自治会の皆さんにご協力いただくことになったので、この6月からスタートすることになった。市役所から、いわゆる御用聞きだが、田中前知事のいう自分のパフォーマンスのための車座ではなくて、本当に御用聞きとして、聞く耳を持っていく姿勢を大事にしたい。その二つの面で敷居を低くし、聞く耳を持っていなければ、市民の皆さんが相談に来てはくれないと思う。それが大事だと思う。

     相談の際の「たらい回しの問題」にはいろいろな場合がある。自分のところの仕事であると明確である場合なら行政は逃げない。むしろ分かりましたとやってくれる。ところが、自分の仕事も関わっているが、自分のところの仕事じゃないかもしれないというようなときに、関わりたくないと思うのが今までの組織の心情ではなかったか。でも、その、複数の部署にまたがるような業務への対応こそが大事だし、そういう仕事が増えている。例えば多重債務問題だが、これは、地方公共団体の事務とされていないから、多くの市役所でも多重債務の窓口は明確になっていない。そんな話に来てほしくないと思っている。市には解決力がないし、確かに多重債務の人の債務は弁護士に頼んで法的に解決するしかないケースが多い。けれども、相談したい人は、法的に弁護士に相談に行くまでの間に誰かに相談に乗ってもらって、やはり弁護士のところにいくしかないかとの結論をしたいのに、「それは市役所の仕事ではないです」と言うと、信頼を欠くことになる。どこかひとつの部署で解決できるわけではないけれども、3月議会でもその問題が質問に出て、なんとか市役所の中のネットワークで、そうした問題にセンサーを働かせて、相談にきていただいたら何とか先を繋いでいけるような体制にしたいと内部で詰めている。
  • 福祉の分野では、県の役割と市町村の役割が分かれていているが、オーバーラップしている部分もある。最近、地域ごとに障害者の方、高齢者の方の総合的な窓口を共同して設けていこうとの機運が高まっている。特に、障害者の部分については、今年から職員を県が県の経費で派遣して、市も福祉センターの中に1つにスペースを作って、障害関係なら生活相談から障害のリハビリの相談まで総合的にできる窓口を正式に県と共同でスタートさせている。やがては、いろんな行政分野でも総合的な相談の窓口、どんな相談でも先ずここに来て、そこからそれぞれの専門機関につないでいくような仕組みが必要になっていくと思う。すぐに実現できなくてもどかしい気持ちもある。
(5)その他地域振興策について
  • 観光客は、ここ10年で観光パターンが様変わりした。昔は主に、団体旅行で、バスで来て、宴会をやって、名所旧跡を巡って帰っていく形態だった。そんなバス旅行から、個人・小グループ・家族旅行へと変わってきている。大規模な宿泊施設ほど、その影響が顕著である。黒部ダムもその傾向が出ている。
     次に、広域観光だが、最近は、黒部ダムを見たら温泉郷に泊まるのではなくて、別所温泉まで行ってしまうとか、山梨まで行くとかに変わってきている。何年も前の話だが、善光寺の門前に、日光・善光寺ツアーというバスが停車していてびっくりした。いまでは、和倉温泉からアルペンルートを通って湯田中まで行くくらいは当たり前になった。想像以上に、広域化が進んでいる。その広域化の中で、この地域が消費単価を上げていくには、泊まってもらうことが大切である。足止めする方法を、考えていかなくてはいけないと思う。そのためには、温泉郷のサービスに付加価値を付けなくてはいけないかもしれないし、また、国営公園への期待は大きい。見て素通りではなくて、国営公園によってもらって、市内に宿泊していただく戦略が必要である。それを、共同で売り出していかなくてはならない。
     大北の各市町村にも観光協会はあるが、集約した組織である北アルプス観光協会という組織があり、そこでは、共通のパンフレットを作ったり、広域的な視点で誘客事業を展開している。この前、松本市にお願いしたことだが、松本市の観光案内図に、地名が、松本市、穂高、白馬となっていたので、「大町」を入れてくださいとお願いした。南北にも東西にも連携が取れるようなPRの仕組みを考えていかなくてはならない。個々のPRには、限界があるのでそんな仕組みを強化していきたい。
  • 商店街アンケートは、普段日常の買いものをどこでしますかとの質問である。つまり、主として生鮮食料品などの毎日の買い物を中心商店街でするのかどうかを聞いて、1.8%という結果であった。例えば、飲食店は中心市街地に立地しているから、あなたはどこで飲食をしますかと聞いたら、80%が中心市街地と答えるかも知れない。アンケートの特徴を見ていただくことも大切だ。そうは言っても、全体を捉えればおっしゃるとおり日常の買物は大型店という方が多い傾向だと思う。大町駅前から追分まで1.5kmあるが、このような長い商店街は、これだけの人口のまちではめずらしいと思う。どこかにコンパクトに寄せていかなくてはと思うが、中心商店街として求心力がなければ街として寂れてしまう。そこに行けば用が足りるという機能は、中心市街地に必要。観光客のことを考えるとすれば、例えば、駅前から上仲町あたりまでをひとつのくくりとして集中させることも考えられる。行政が音頭をとってもうまくいかないので、どんな仕組みが必要かこれから考えていかなければならない。また、例えばそこより北に住む人たちも、高齢者はもちろんだが、タクシーでしょっちゅう大型店まで行くことはできないし、日住生活をその街の中で用を足せる商店街が一般的には必要だと思う。

     これから、そうした仕組みをみんなの合意の下に作り上げていかなければならないが、手間も時間もかかるし、場合によってはハードの事業も必要な場合もあるし、みんなの共通認識の下に進めていかなくてはと思う。その時に、ここが魅力的な街で、住んでいる人も訪れた人も魅力的であると感じれば、外からどんどん人も資金が入ってくるし、新規の参入のお店が来る。いい方向に自転していくまでが、踏ん張りどころだと思う。
  • 「若い人に任せてほしい」という意見については、よく言えば、年配の人にしてみれば、若い人たちにまだ任せられないからとの気持ちがあるから頑張っているところもある。そういう心配を跳ね除けて、若い人達が元気をだすのが第一歩だと思う。