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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 平成28年 平成28年9月定例会市長あいさつ

平成28年9月定例会市長あいさつ

 本日ここに、平成28年大町市議会9月定例会が開会されるにあたり、一言ごあいさつを申し上げます。

 初めに、先月30日、岩手県に上陸した台風10号により、東北地方及び北海道で河川の氾濫や土砂災害が発生し、岩手県内の高齢者施設での9人を含め、多くの方がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞申し上げ、早期の復旧を願うところでございます。
 当市におきましても、水防法に基づき、高瀬川や鹿島川をはじめ、農具川、犀川の沿川に浸水想定区域が指定されており、ホームページで公開するとともに、土砂災害警戒区域を掲載した防災マップを全世帯に配布しております。また、国土交通省や気象庁からの詳細なデータを収集解析するとともに、避難勧告等発令マニュアルに基づき迅速確実な情報伝達を行い、市民の生命、財産の保護、安全の確保に努めてまいります。
 先ごろ、様々な感動を残して閉幕しましたリオデジャネイロオリンピックでは、奥原希望さんがバドミントン女子シングルスにおいて、見事、銅メダルを獲得されました。準決勝で惜しくも敗れはしましたが、希望さんご自身がこれまで思い描いてきた夢が実現しましたことに、心よりお祝い申し上げます。そして、私たちに深い感動と、将来につながるいっそう大きな夢を与えていただきました。文化会館でのパブリックビューイングやテレビ観戦を通じ、心を一つにしてリオに送られた市民の皆様の大きな声援が、ひたむきにシャトルを追う希望さんの大舞台での大活躍に結び付いたものと確信いたします。
 また、先月29日に開催されました祝賀パレードとメダル獲得をお祝いする会にも多くの皆様にご参加いただき、盛んに希望さんにお祝いと労いの言葉を送っていただきましたことにも深く感謝申し上げます。
 リオオリンピックの開会式では、自然や多様性などをテーマに、平和への祈りや日本との絆を折り込んだ斬新な演出の下で、プロジェクションマッピングの技術を多用し、ダンサーによる芸術的なパフォーマンスが繰り広げられるなど、視覚に訴える効果的な演出が高く評価されました。オリンピックの象徴、聖火を空中高く包み込む太陽をイメージしたきらめくオブジェは芸術性に優れ、現代アートの人々を魅了する力が式典を華やかに盛り上げることを印象付けたところでございます。
 北アルプス国際芸術祭 信濃大町 食とアートの廻廊につきましては、実行委員会におきまして、正副部会長会議及び4つの専門部会を精力的に開催し、さまざまな課題について企画、検討を進めていただいております。事務局を担当するまちづくり交流課におきましても、部会の開催のほか、各地区の自治会長会議や団体への説明会におきまして、企画の内容や今後の進め方などについて説明に努めてきております。
 先月6日のやまびこまつりにおきましては、国際芸術祭の広報ブースを設けるとともに、おもてなし小皿プロジェクトのワークショップを開催し、大勢の家族連れの皆様にご来場いただきPRに努めたところでございます。
 サポーターの募集につきましては、中信地区の高等学校美術部に運営への参加協力などを要請し、既に前向きなご回答をいただいている高校もあり、今後も引き続き県内の大学をはじめ、さまざまな団体へ伺うなどして協力を要請することとしております。
 このほど、芸術祭に参加する第1弾の作家10人とチラシ、ポスターのデザインを決定し、先月23日の定例記者会見で発表いたしました。
 また、プレイベントといたしまして、国営アルプスあづみの公園大町・松川地区におきまして、「風の大運動会2016 秋」と題して、来月1日、2日に開催されます「北アルプスフェア」及び「消防フェスタ2016おおまち」と同時開催し、市内外の皆様に広く広報してまいります。このプレイベントに先立ち、市内保育園や幼稚園の園児の皆さんにご参加していただくなどしてワークショップを開催し、国際芸術祭に向けた気運の醸成に努めてまいります。
 今後は、引き続き作家の市内視察や具体的な作品の制作、展示場所の選定及び地元の皆様との調整をはじめ、公式フェイスブックなどSNSを活用した情報発信や市民サポーターの募集、二次交通の計画、食プロジェクトなど、なお多くの課題の解決に向けて、作業を更に加速し、精力的に取り組んでまいります。
 我が国の経済は、内閣府の月例経済報告によりますと、景気はここ数か月間にわたり弱さもみられるものの、引き続き緩やかな回復が続いているとの基調判断を維持する一方、海外経済の不確実性の高まりや、金融市場の変動の影響に伴うリスクに対する注意喚起を継続しております。
 国の経済施策でありますアベノミクスでは、成果指標の一つとして、金融緩和による2パーセントの物価上昇率を掲げておりますが、先ごろ発表された7月の全国消費者物価指数は5か月連続の下落となり、3年4か月ぶりの下げ幅を記録しました。専門家からは、デフレの脱却には、金融緩和に止まらず需要を喚起する成長戦略が前提であり、我が国経済の潜在的な成長率を高めていくことが必要と指摘されております。
 こうした中、政府におきましては、4兆1,000億円規模の第2次補正予算案を先月下旬に閣議決定し、21世紀型のインフラ整備や、地方及び中小企業、小規模事業者の支援、熊本地震の復興などを加速させるとしております。当市におきましても、景気の回復を確実なものとしていくため、地方創生の取組みに加え、国の補正予算などの活用を検討して施策をさらに積極的に展開し、地域経済の下支えに全力を挙げてまいります。

 次に、本年度の主な事業の進捗状況につきまして、第4次総合計画で定めた6つの目指すまちのテーマ及び、後期基本計画重点プロジェクトに位置付けた事業を中心に、順次ご説明申し上げます。

 1番目のテーマは、「市民に、より身近な市政のまち」であります。
 本年度をもって期限を迎える総合計画につきましては、本年6月、総合計画審議会に対し、第5次となる新たな総合計画の基本的な考え方を諮問いたしました。平成23年の地方自治法の改正により、地方分権改革の推進の観点から、基本構想の策定義務が廃止されました。しかし、長引く景気、雇用情勢の低迷や人口減少、少子高齢化の進展による各分野への影響など、本市を取り巻く社会経済情勢の急激な変化に対応し、どのような大町市を築いていくのか、目指すべき将来像を市民の皆様と共有していくことが必要であります。そのため、第4次総合計画を的確に検証するとともに、昨年度策定いたしました大町市人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生総合戦略を軸とし、北アルプス連携自立圏による地域の特色を活かした取組みなどを加えて、10年後を展望した総合計画の策定に取り組んでまいります。
 大町市の未来を切りひらき、大町市全体を元気に、そして安心して暮らせる地域にするための新たな計画の策定について、議員各位のいっそうのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 2番目のテーマは、「活力あふれる豊かなまち」であります。
 観光振興につきましては、立山黒部アルペンルートの入込状況は、先月末現在、累計で65万2,638人となり、昨年同期に比べ8,521人減の、98.7パーセントとなっております。7月末までは前年を上回っており、先月11日の山の日を皮切りにお盆の入込は好天に恵まれたものの、先月末現在の累計では前年を下回る状況となりました。昨年に比べ、お盆の期間が曜日の並びにより比較的短かったことに加え、オリンピックの開催とも重なったことが影響したものと考えております。
 本格的な秋のシーズンに向け、本年もトロリーバス乗車100万人を達成できますよう、首都圏でのキャンペーンをはじめ、あらゆる広報手段を駆使して宣伝告知に努めるとともに、県が主催する主要JR駅などにおけるキャンペーンなど、関係団体や事業者と連携した誘客宣伝活動を展開してまいります。
 昨年度に続き、「假屋崎省吾 信濃大町 恋華めぐり」を今月21日から来月10日まで開催いたします。地場産の花をふんだんに使用した「装花」の制作や、観光拠点を周遊するぐるりん号を活用してメイン会場に展示される「装花」を巡る「恋華めぐり」のほか、大町温泉郷でのミニトークショーや「サテライト恋華めぐり」の実施を予定しております。期間中は、「恋人の聖地」に認定されております当地に、カップルや夫婦で訪れていただいた方に特典を設けますほか、温泉郷の宿泊施設を中心にお得な宿泊プランを設定するなど、誘客に努めてまいります。さらには、假屋崎氏と市内中学生との「花育懇談」を計画しており、市民との触れ合いを含め、「華」を通じた観光交流を積極的に推進してまいります。
 昨年10月の北アルプス上流部の集中豪雨により、大きな被害を受けました高瀬渓谷登山道の湯俣の吊橋につきましては、県の助成を受け復旧工事を実施してまいりましたところ、順調に工事が進捗し先月末をもって全面復旧いたしました。
 創業支援につきましては、昨年度設立された大町市創業支援協議会の主催による「大町創業塾」が、6月から7月にかけ5回開催され、創業に意欲のある40人を超える希望者が受講されました。創業に必要な心構えや知識の習得に熱心に取り組まれた参加者の中から、新たな創業者が生まれることを大いに期待するところでございます。
 第18回ゆかたまつり及び第38回やまびこまつりは、先月5日、6日に開催され、天候にも恵まれ2日間で1万人余の皆さんにご参加いただき、中央通りが大いに賑わいました。また、今月25日には、中心市街地の活性化を目的とした「信濃大町まつり」の開催が計画されており、本年度は、中央通りや商工会館前ステージにおきまして自衛隊音楽隊のパレードをはじめ、様々な催しを予定しております。こうした機会に多くの皆様に街にお出掛けいただき、中心市街地の賑わいや活力の再生が図られますよう取り組んでまいります。
 市の公式キャラクターおおまぴょんを活用した地域ブランドの振興につきましては、現在実施中の、ゆるキャラ日本一を決める「ゆるキャラグランプリ2016」の上位進出を目指し、7月21日に出陣式を信濃大町駅前広場において開催しましたところ、約100人のご参加をいただき、盛り上がりのあるスタートを切ることができました。ご支持いただく熱心なファンの皆様の応援の輪が広がっておりますほか、1月に市からプレゼントいたしましたおおまぴょんのぬいぐるみを、オリンピック会場でもスポーツバッグに着けていただいておりました奥原希望さんによる効果もあり、先月末現在、全国1,418体中60位、また、県内40体中で2位と上位を維持しております。今後も積極的に投票への参加を呼びかけ、話題を市内外に発信して支援の拡大を目指すとともに、市の認知度の向上につながりますよう努めてまいります。
 農業の6次産業化の取組みにつきましては、昨年3月に完成した大原町のワイナリー「株式会社ノーザンアルプスヴィンヤード」で仕込まれた白ワインの販売が、7月上旬からいよいよ開始されました。売れ行きは好調とのことで、今後、冬にかけて発売が予定される赤ワインとともに大町産ワインの振興を図り、6次産業化の推進に努めてまいります。
 本年度の水稲の生育状況につきましては、5月の田植え時期は高温に恵まれ、引き続き6月から先月にかけましても気温が高めに推移したため、平年より1週間程度早く収穫時期を迎えるものと予想されております。農林水産省が先月30日に発表した水稲作柄状況では、中信地区は平年並みと見込まれております。
 松くい虫対策につきましては、当初予算では、600立方メートルの被害木を見込み処理を予定しておりましたが、その後の調査により新たに平及び美麻地区におきましても被害木が確認されました。これまで実施してまいりました伐倒燻蒸処理を継続するとともに、試験的に薬剤の樹幹注入や更新伐による樹種転換など、新たな防止対策を実施することとし、これに伴う経費を本定例会の補正予算に計上いたしました。今後も引き続き、伐倒燻蒸処理を中心に松くい虫被害の拡大抑止に努めるとともに、新たな方策につきましても、県や関係機関と連携し研究、検討を進めてまいります。

 3番目のテーマは、「安心・安全なまち」であります。
 母子保健の推進につきましては、地域で安心して妊娠、出産、育児ができる環境を整えるため、本年7月より、産科医療機関や助産院で行う助産師相談の費用に対し助成する「母乳相談等助成事業」と、家事、育児の支援を行う「育児支援ヘルパー派遣事業」を開始いたしました。また同様に、妊娠中や子育て期の不安や悩みなどの相談に専門職員が対応する「育児支援カウンセリング事業」と、出産し退院後、母親の体調管理や育児指導などの支援が宿泊しながら受けられる「産後ケア事業」を開始しております。関係機関、団体と連携を図り、母子の健康づくりと子育てに対する支援を、いっそう充実してまいります。
 保健衛生につきましては、来月1日より、1歳未満の乳児を対象としたB型肝炎ワクチンの接種が、国の省令改正により定期予防接種の対象となることに伴い、地元医師会にご協力いただき個別接種により実施することとしております。本年4月生まれ以降の乳児が対象となりますことから、保護者の皆様への丁寧な説明に努めてまいります。接種に伴う所要の経費につきましては、本定例会の補正予算に計上いたしました。
 あすなろ保育園改築事業につきましては、順調に工事が進んでおり、先月末には新園舎西側部分の整備を終え、既に新園舎において未満児保育と給食の提供を開始しております。引き続き、新園舎東側部分の幼児用保育室及び遊戯室の整備に向け、既存の建物の解体工事を進めておりますが、今後も工事の安全に十分配慮するとともに、円滑な施工に努めてまいります。
 神城断層地震の被災により一昨年11月から一部休業しておりました、ぽかぽかランド美麻の復旧につきましては、入浴施設が竣工し、先月6日に復興記念イベントを開催いたしました。当日は、大勢の皆さんにご参加いただき100メートルに及ぶロングテープカットなどの記念行事を行い、施設の再開を祝ったところでございます。この全面的な再開を機に、いっそう活気に満ちた美麻が戻ってまいりますよう祈念するところでございます。新たな入浴施設は利用者アンケートでも大変好評をいただいており、ぽかぽかランド美麻が、より親しまれ愛される施設となりますよう、指定管理者とともに力を尽くしてまいります。
 防災関係につきましては、先月27日に、多くの関係機関、団体にご参加いただき、西公園グラウンドを主会場として地震総合防災訓練を実施したところであります。昨年3月の第3次長野県地震被害想定調査による糸魚川―静岡構造線断層帯北部での想定被害を基に、大町地区住民の皆さんを中心に、早朝から避難訓練、通報訓練及び消火訓練等に、真剣に取り組んでいただきました。本年度は新たに、神栄町自治会において大町建設事務所のご協力の下、土砂災害通報訓練及び学習会を開催しましたほか、十日町自治会では避難行動要支援者安否確認及び搬送訓練を実施いたしました。小雨模様の中、訓練の一部を変更して実施しましたが、準備運営にご協力いただきました数多くの機関、団体の皆様に心より感謝申し上げます。
 また、平成26、27年度の2か年をかけ、信州大学に委託して行いました「地震動と地盤の相関に関する調査」の報告書がこのほどまとまりましたことから、この要約版を「ゆれやすさマップ」として作成し、先月の広報おおまちとともに、市内全戸へ配布いたしました。防災訓練とともに、日頃の地震災害に対する備えとして、いざというときの一助になることを期待しております。
 市立大町総合病院の昨年度決算につきましては、脳神経外科や小児科の発達支援などの患者数が増加し、外来収益は増加しましたものの、入院では、年度当初から半年間、産科を休止せざるを得なかったことに加え、外科、整形外科などの常勤医師が減少しましたことから、入院収益が伸びず、医業収益は前年に比べ減少しました。
 また、退職手当やリハビリテーションなどの医療スタッフの増員による給与費などの費用が増加しましたことから、損益では、4億3,000万円余の損失を計上する大変厳しいものとなりました。一方、1月に地域包括ケア病棟を開設しましたほか、信州大学医学部附属病院総合診療科との連携により、内科の医師が増えてまいりましたことから、年度末には入院患者数が前年に比べ増加に転じるなど、上向き傾向となりました。本年度に入り診療報酬の改定がありましたが、この傾向が続いており、前年同期に比べ、入院患者数と診療単価がともに伸び、医業収益が増加しております。
 現在、策定作業を進めております新たな病院改革プランでは、地域医療構想や地域の医療環境等を踏まえ、急性期から慢性期までの幅広い医療を提供するとともに、経営改善の取組みを中心として持続可能な病院経営を目指すこととしております。
 先月26日から28日まで、信大附属病院総合診療科及び県とともに大町病院が共催し、「大町夏合宿 ~不明熱を学ぼう~」と題して、2泊3日の学習会を開催しました。この学習会では、原因となる病気の特定が困難な発熱を呈する疾患について、亀田総合病院の佐田竜一先生をはじめ各分野における3人の専門医による講義や症例の検討会を行い、県内外から臨床研修医や医学生など40人にご参加いただきました。学習会を通じて、若い医師などに大町病院の総合診療への取組みを理解いただくとともに、地域医療に携わる魅力に触れていただく絶好の機会となりました。
 大町病院は、大変厳しい経営状況にありますが、医師数の増加を実現することが経営改善に不可欠であり、臨床研修の充実が医師確保に直結する取組みでありますことから、いっそう信大附属病院との連携の強化を図ってまいります。

 4番目のテーマは、「快適な生活基盤のあるまち」であります。
 先月1日の夕刻、市内で1時間当たり54ミリメートルの集中豪雨があり、各地で市道や林道及び農業用施設等に土砂の流出や法面崩落、路肩部の一部崩落等の被害が発生しました。被災箇所は、大町地区29箇所、八坂地区4箇所、美麻地区11箇所の計44箇所に上っております。崩落土砂の除去や法面及び路肩部の復旧につきましては、ほぼ作業が終了しました。復旧にあたり必要な予算につきましては、先月1日付で専決処分し、本定例会に報告案件として提出いたしております。また、国庫負担採択が見込まれます被災箇所につきましては、現在、災害査定に向け準備を進めております。
 住宅性能向上リフォーム支援事業につきましては、交付申請額が先月9日に当初予算の3,000万円に達しましたため、本年度の受付を終了いたしました。制度の目的であります住宅性能の向上に資するとともに、市内経済の底上げに効果があったものと考えております。
 市営住宅等の整備につきましては、本年3月に策定いたしました市営住宅等整備計画により順次進めておりますが、上一団地では、県が居住環境の改善を図るため、県営住宅と一体的に建替事業を行うこととしており、7月1日付で市営住宅を県に移管いたしました。本年度事業といたしまして、県では、地質調査及び実施設計などの委託業務を進めるとともに、当初に着工する工区内にお住まいの方の仮住居への移転を促進することとしております。
 水道施設の更新につきましては、前年度に続き、市道常光寺山ノ寺線に埋設された送配水管の耐震化を図るとともに、新たに上一大出線や木崎海ノ口線などの送配水管の布設替工事に着手しております。
 温泉引湯供給事業につきましては、大町温泉郷内の温泉配湯管が、当初の布設から40年以上が経過し、老朽化による漏湯が発生しており、また一部では管の破裂に伴い仮設による供給対応を余儀なくされる状況が発生しているため、配湯管の布設替工事に着手しております。今後、計画的に布設替えを進め、温泉の安定供給に努めてまいります。
 北アルプス広域連合が進めております一般廃棄物処理施設北アルプスエコパークの整備につきましては、建設用地の立木伐採工事が完了し、現在、造成工事に着手しております。造成工事の完了後には基礎及び躯体工事に取り掛かり、平成30年7月の完成を目指して工事を進めていくこととしております。市としましては、新たな施設の稼動までの間、現在稼働中の環境プラントの安全かつ円滑な運転管理に努めてまいります。

 5番目のテーマは、「潤いのあるまち」であります。
 本年から国民の祝日として8月11日が「山の日」に制定され、全国的にも山への関心が高まっております。山岳文化都市を宣言しております当市におきましても、全国で初めて設立されました大町登山案内人組合が来年100周年を迎え、その活動と功績を広く全国へ発信するため、5月に「大町登山案内人組合創立100周年記念事業実行委員会」を設立し、準備に着手いたしました。「山の日」の制定を機に、北アルプスを中心として、高瀬渓谷や東山周辺などの山の魅力を多岐にわたり発信し、山岳文化及び山岳観光のいっそうの振興を図ってまいります。
 山岳博物館におきましては、6月30日及び7月1日に孵化したニホンライチョウ4羽が順調に成長しており、体重も約400グラムと親鳥に近い値となり、活発に行動しております。オス、メス2羽ずつであることが確認され、今後の繁殖に期待が持てる状況となりましたことから、引き続き万全を期して飼育に取り組んでまいります。
 来月15日、16日の両日、ライチョウサミット「第17回ライチョウ会議長野大会」が大町市文化会館を中心に開催されます。絶滅が危惧されております中、「ライチョウ保護から山岳環境保全を考える」をテーマに、山岳環境の象徴でありますライチョウをどのように保護していくかについて、全国から関係者が集まり、シンポジウムやパネルディスカッションなどが行われます。「山の日」の記念事業にも位置付けられており、山岳文化都市に相応しい行事として、市民の皆様からも多くのご参加をお待ちしております。
 また、これに関連して、今月3日から11月27日まで、山岳博物館で企画展「雷鳥 四季を纏う神の鳥 高橋広平写真展」を開催しております。この機会に市の鳥でもあります「ライチョウ」について、多くの皆様に広く関心を持っていただくことを期待いたします。
 鹿島槍ヶ岳カクネ里雪渓の氷河につきましては、学術調査の結果を取りまとめ6月から開催しておりました企画展「鹿島槍ヶ岳カクネ里氷河への道のり」が先月28日終了しました。この企画展は山岳雑誌等にも大きく取り上げられ、多くの方々にカクネ里や氷河、そして大町市について知っていただく機会になったものと考えております。
 来月下旬には、調査団により本年2回目の現地調査を実施し、地形、地質の調査及び気象データや機材の回収などを行うことといたします。なお、氷河の正式な認定に必要な学術論文につきましては、鋭意、執筆作業が進められております。
 ごみの減量化と資源化の促進につきましては、大町市女性団体連絡協議会の構成団体「スリーアールの会」との協働により、これまで埋め立て処分しておりました食器を再利用する「不要食器リサイクル事業」を実施することといたしました。来月2日には環境プラントにおきまして、家庭で不要となった陶磁器製の食器の回収を行い、状態の良い食器につきましては、無料配布を行います。リサイクルをいっそう推進するため、限りある資源を有効に再利用する取組みの強化を図ってまいります。
 本年5月に開館30周年を迎えました文化会館では、数多くの記念事業を計画しており、先月30日には市の観光大使であります仁科亜季子さんが出演する喜劇「ペコロスの母に会いに行く」を好評のうちに上演いたしました。今後、混声コーラスグループ「フォレスタ」のコンサートや、劇団四季のミュージカル「ウェストサイド物語」、「よしもと秋の大笑い祭り」、さらには開館30周年記念式典並びに第九演奏会等、多彩な公演を予定しております。市民の皆様に広く周知を図り、多様な芸術文化に触れる機会の提供に努めてまいります。
 国内外からアーティストを招へいし、「あさひAIR」に滞在しアート作品を制作していただく信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業につきましては、本年度のテーマを「時・水・稲作」として、7月1日から先月1日まで参加アーティストを公募いたしました。その結果、世界41か国より103組の応募があり、国内1組、国外3組の計4組のアーティストを決定いたしました。今月中旬より、「あさひAIR」に滞在して制作に取り組んでいただき、11月中旬に成果の発表会を行うこととしております。この事業の推進を通じて、作品により表現された大町の魅力を内外に発信し、交流人口の増加や地域の活性化に繋げてまいります。

 6番目のテーマは、「人を育むまち」であります。
 7月16、17日の両日、市内の中学生代表18人が立川市を訪れ、立川市の代表とともに、姉妹都市中学生サミットが開催されました。初日には、両市の生徒が合同して班に分かれ、市内の昭和記念公園や南極・北極科学館等を見学し、翌日には、大規模商業施設「ららぽーと立川立飛」において両市の特産品の販売を体験しました。参加した当市の生徒からは、科学館では、「オーロラの発生装置やそのメカニズムを理解することができ、地球科学に興味が沸いた。」、また、大きな購買力を持つ立川市での販売では、「多くの人との関わりの中で体験学習ができ、大変良い経験だった。」との感想がありました。今後もこの中学生サミットを通じて、両市生徒の相互理解と友好が深まり、発展的に継続していくことを期待しております。
 コミュニティ・スクールの推進につきましては、大町東小学校、西小学校、仁科台中学校及び第一中学校の4校ごとに推進委員会が設置され、学校、家庭、地域が協働して取り組む学校運営委員会制度について理解を深めており、来年度には市内全ての小中学校がコミュニティ・スクールに移行できますよう取り組んでまいります。
 ICT教育につきましては、昨年度から推進しております研究実証校4校に加え、今月初めには、東小学校、南小学校、八坂小学校、仁科台中学校及び八坂中学校でも、タブレット端末などの情報環境が整備されました。研究実証校を中心に、ICT機器を活用して公開授業や研究授業が行われておりますほか、7月には小中学校の情報教育担当教員が参加して、先進的な取組みを進める信州大学付属松本小学校を訪問し、ICTを活用した5年生の算数の授業を視察研修いたしました。引き続き高度な情報技術を活用した学習を進め、アクティブ・ラーニングの実践に取り組んでまいります。
 心身ともに健やかでたくましい青少年の育成を推進するため、今月3日、第32回青少年育成市民大会をサン・アルプス大町を主会場に開催いたしました。青少年の生きる力を育む活動や健全な社会環境づくりの推進など、当市の青少年健全育成の基本方針に沿ったテーマごとに分科会を設け、熱心に研究、協議をしていただきました。
 また、6月県議会におきまして、長野県子どもを性被害から守るための条例が制定されましたことから、この条例の基本理念にもあります、地域ぐるみの青少年健全育成活動のいっそうの推進と、これまでも進めてまいりました家庭、学校、地域がそれぞれの機能を発揮しつつ、互いに連携した取組みに努めてまいります。
 東日本大震災の復興支援と女子サッカーの振興を目的とします川淵三郎杯おおまぴょんカップ女子サッカー大会を本年も開催し、招待した福島県及び宮城県の3チームを含め、県内外から参加した16チームにより熱戦が繰り広げられました。試合前日のセレモニーでは、長野パルセイロレディースの選手の皆さんが激励に訪れ、貴重な交流の機会となりました。
 第33回大町アルプスマラソンは、来月16日の開催に向け、現在、実行委員会を中心に準備が進められており、先ごろ参加申込みを締め切りましたところ、広く県内外から3,727人の申込みがありました。
 こうしたスポーツに親しむ様々な機会を積極的に提供することにより、市民の健康づくりに資するとともに、全国からも多くの皆様にお越しいただくことにより、観光振興にも寄与できますよう努めてまいります。

 以上、最終年となります第4次総合計画に定めました各事業の進捗状況に加え、新たに取り組む施策を含め、今後の執行方針等について申し上げました。年度後半に向け、それぞれの事業の計画的な執行に努めますとともに、各分野の施策を積極的に推進し、所期の成果が達成できますよう、全力をあげて取り組んでまいりますので、議員各位のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件1件、予算案件7件、決算案件10件の合計18件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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