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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 平成28年 平成28年3月定例会市長あいさつ

平成28年3月定例会市長あいさつ

 本日ここに、平成28年大町市議会3月定例会が開会されるにあたり、一言ごあいさつを申し上げます。

 人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって住み続けたいと思える活力あるまちづくりの実現に向けて、昨年10月に策定いたしました大町市まち・ひと・しごと創生総合戦略につきましては、先月中旬から今月上旬にかけ市内6地区で説明会を開催しましたところ、多くの市民の皆様にご出席いただき、また、数々の貴重なご意見、ご提言をいただいたところでございます。
 新年度は総合戦略を実現するために本格的な第一歩を踏み出す年と位置付け、説明会でのご意見やご提言を施策の展開に反映してまいりますとともに、地方創生加速化交付金や推進交付金などの、国の財政支援措置を効果的に活用し、産業振興や雇用の創出、観光振興や子育て支援、移住定住促進策の強化などに全力を尽くしてまいります。
 また、戦略の大きな柱の一つであります芸術文化の振興につきましては、2017年(平成29年)に開催を予定しております「北アルプス国際芸術祭 信濃大町 食とアートの廻廊」の開催につきまして、総合戦略の説明会をはじめ、意見交換会やフラム塾等の機会を通じ、その概要を市民の皆様に説明いたしました。
 現在、全国各地で人口減少が大きな課題となっており、特に大町市は、他市に比べさらに厳しい状況に置かれている中で、私達は、ただ、このまま手をこまねいて傍観していて良いのか、と言うことが、この取組みの原点であります。私自身、2年前の市長選挙におきまして、重点プロジェクトを中心とする選挙公約の中に、芸術文化、スポーツを通じて地域の元気を再生することを大きな政策の柱の一つに位置付けており、私の信念はここにあります。
 行政は、ややもすれば“腰が重い”、あるいは、“事なかれ主義”と言われることが多々あります。しかしながら、このような危機的状況にある中で、人口減少がさらに進めば大町市の地域経済は縮小し、自治体としての存続も危ぶまれることになります。今、地域社会の衰退に歯止めをかけるため、何とか打開策を打たなければと考え、それを具体的に実行し成果に結び付けていくことが市政の責任であり、私に課せられた大きな使命であると認識しております。
 こうした事態に直面した時に、腕組みをして“事なかれ”を決め込む方があるいは楽なことかも知れません。しかし今日に生きる私達が、このまま見過ごしていることは決して許されないと考えるところでございます。
 国際芸術祭を開催したとして、直ちに地域経済が回復し人口が増加するというものでは決してありません。粘り強い地域の努力が必要です。また、国際芸術祭を開催すること自体が目的なのでもありません。市民の皆様に芸術に関心を寄せていただくことに加え、芸術の持つ人を引きつける強い力と情報発信力を最大限に活用して大町市の魅力とブランド力の向上につなげ、人々の大きな流動を呼び起こすことが重要です。そして観光誘客の拡大により大町市の活性化を図り、人口減少に歯止めを掛け、若い世代の皆さんに元気な大町を引き継ぎ、持続可能な地域社会を形成するための手段の一つとするものであります。
 ただいま申し上げました北アルプス国際芸術祭を開催する意義、基本的な考え方につきましては、先週20日に開催されました第3回実行委員会において了承されました企画概要(案)によりまして、引き続き真摯に市民の皆様にご説明し、ご理解いただきますよう全力を尽し努めてまいります。
 議員各位におかれましては、この点を先ずご理解いただき、事業の推進に向け、ご支援ご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。

 続きまして、平成28年度予算案の概要について申し上げます。大町市一般会計予算案の総額は、187億9,700万円となり、本年度当初予算と比べ、14億3,000万円、8.2パーセントの大幅増で、最大でありました本年度を超え、過去最大規模の積極型予算といたしました。
 大幅な増加の要因といたしましては、ごみ処理広域化を推進する北アルプスエコパークの建設事業が本格化することや、本年度からの継続事業であります、あすなろ保育園の改築、当市の観光事業の要の一つであります大町温泉郷の温泉配湯管布設替事業など、予定しておりました計画に沿った事業に加え、神城断層地震で被災した、ぽかぽかランド美麻入浴棟の再建など、緊急に対応が必要な事業が同時期に集中するため、普通建設事業費が大幅に増額となったことによるものであります。全体的な特徴としましては、それぞれの事業の効果を最大限に発揮して、地域に活力を取り戻すことを最重点の命題としております。
 なお、地方創生総合戦略事業として事業化の準備を進めてまいりましたブランド振興や観光振興、広域連携等の新規事業費の一部につきましては、国の補正予算に伴う加速化交付金事業として実施するため、本年度の補正予算に前倒して計上する予定としております。

 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び新年度の主要な施策につきまして、第4次総合計画で定めた6つの目指すまちのテーマ及び、後期基本計画重点プロジェクトに位置付けた事業を中心に、順次ご説明申し上げます。

 1番目のテーマは、「市民に、より身近な市政のまち」であります。
 市の最上位の計画であります第4次総合計画は、平成19年度から28年度までの10年間を計画期間としておりますことから、新年度はこれまでの施策に対する総仕上げに向け、厳正な評価を進めるとともに、市民要望をはじめ市の将来的な課題につきまして、中長期的な視点から改めて整理分析を行い、その解決に向けた施策を新年度中に策定します第5次総合計画に反映してまいります。
 平成24年にスタートしました後期基本計画では、「定住の促進」、「雇用の確保と産業おこし」及び、「安心して安全に暮らせるまち」の3つのテーマを重点プロジェクトに位置づけ、さらに、一昨年からは「市民生活と産業の基盤整備」及び「市民の芸術、文化とスポーツの振興」の2つを加え、これらの重点プロジェクトを相互に連携させて施策を展開し、相乗的な効果を生み出すことを目指しております。これにより、確実に地域に明るい光が差し込み、市の将来像であります、市民の笑顔が輝く「美しく豊かな自然 文化の風薫る きらり輝くおおまち」を実現できますよう、市民の皆様の参加と協働により総力を上げて粘り強く取り組んでいるところでございます。
 特に、定住促進につきましては、新たな取組みに順次着手してまいりました結果、徐々にではありますが、社会動態、自然動態の双方において、成果が表れてきております。当市の人口は全体では減少傾向が続いておりますものの、本年1月1日現在で昨年同期と比べ、自然動態では12人の減少ではありますが、社会動態で10人の増加となっており、減少幅が縮小してきております。また、昨年10月の国勢調査の速報値では、5年前の調査では7.3パーセントでありました人口減少率が、今回は4.2パーセントに縮小し、減少傾向に改善が見られる結果となりました。一定規模の人口を維持し、継続して活力ある大町市を維持していくため、これまで取り組んでまいりました定住促進施策等の効果を検証するとともに、地方創生総合戦略との整合を図り、必要な施策を新たな総合計画に盛り込んでまいります。
 新年度は、定住促進ビジョンに基づき、地方創生交付金等の国の財政措置を効果的に活用するとともに、大町市を定住の地として選択いただくことができますよう、引き続き、マイホーム取得助成をはじめ、育児応援、入学お祝い地域商品券、新婚生活応援などの定住奨励事業に加え、Iターン、Uターン奨励商品券や空き家改修助成などの移住奨励事業及び結婚支援事業を実施いたします。
 また、八坂、美麻両地区を対象とする過疎対策につきましては、本定例会に上程いたしました過疎計画に基づき、引き続き、定住促進住宅の建設や、山村留学への支援などを中心に人口確保対策を進めてまいります。
 人口減少化と少子高齢化は、当市のみならず大北圏域共通の課題となっております。圏域市町村ではそれぞれ地方創生総合戦略を策定し、取組みを進めることとしておりますが、今後もなお進行する人口減少社会におきましては、高齢化や人口密度の希薄化等により行政コストの増大が予想されますことから、行政サービスを効率的かつ効果的に提供するため、単独の市町村で実施するのではなく、相互の垣根を越え、自治体間の連携により進めていくことが必要であります。
 このため、昨年から新たな広域連携の手法を検討してまいりました結果、「北アルプス連携自立圏」を形成し、県の支援を受け5市町村が連携して人口減少対策や地域活性化策に取り組むことといたしました。この取組みは、当市を軸として関係町村との間において、地方自治法に基づく連携協約を締結したうえで、取り組む事業と役割分担を連携ビジョンに位置付け推進するもので、新年度は、若者交流や移住交流、福祉、圏域のマネジメント能力強化の4分野13事業を実施することとし、さらに次年度以降にも、順次取組みの拡充を検討してまいります。この取組みでは、連携中枢都市や定住自立圏等の国が推進する制度の要件に該当しない当圏域全体の活性化に向け、当市が中心的役割を果たしてまいります。
 市の債権管理の適正化につきましては、現行の債権の管理に関する条例においては、督促後も納付されないまま未収となっている債権に対する効果的な徴収の方法などが規定されておらず、債権を管理するうえで未収債権に関する処理手続きの規定を整備する必要がありました。このため、未収債権の回収を進める手順や、最終的に回収が困難と判断される債権の処理等に関する手続きを明定する新たな債権管理条例を制定する議案を上程いたしました。

 2番目のテーマは、「活力あふれる豊かなまち」であります。
 観光振興につきましては、春の観光シーズンの幕開けとなります立山黒部アルペンルートは、4月16日に全線開通する予定であります。当日は式典と安全祈願祭を開催し、また、オープンカーニバルを4月24日に開催いたします。
 本年は、平成29年7月から9月に実施される、信州デスティネーションキャンペーンの前年に当りますことから、プレキャンペーンとして多彩な事業を実施いたします。また、JTBにおきましても、全社をあげた全国キャンペーン「日本の旬」が、来年4月から9月にかけ、長野県をエリアとして展開することが決定されております。当市をはじめ、県内では、29年度は国内外から大勢の観光客を迎え入れることとなりますので、新年度では誘客や受入れ態勢の整備に努めてまいります。
 「山の日」が制定され、本年から8月11日が国民の祝日となります。当市におきましては、我が国初となる山岳ガイドの組織として、大正6年に設立されました大町登山案内人組合が来年100周年を迎えることとなり、本年は案内人組合をはじめ山岳や観光関係者により実行委員会を立ち上げ、記念すべき節目の年に向け準備を進めるとともに、この機会を通じて山岳文化都市を標榜する当市の名を全国に周知してまいります。
 インバウンド関係につきましては、本年度、黒部ダムへの入込数が21万人を越え、新年度につきましても予約は順調に伸びていると聞いております。また、この冬実施いたしました白馬村、小谷村と連携してのナイトシャトルバス元気号の運行状況は、暖冬による雪不足などが影響したことにより、オーストラリア等からの入込客が減少しましたことから、53日間の運行で、乗車人数は延べ146人でありました。来シーズンに向けまして、白馬村、小谷村とよりいっそう連携を図り、シャトルバス運行の周知、定着に努めてまいります。
 雇用情勢につきましては、大町公共職業安定所管内の昨年1月から11月までの有効求人倍率は、前年を上回る水準で推移しておりましたものの、12月末現在では1.28と、前年同月を0.07ポイント下回りましたが、依然全国及び県平均を上回る水準を維持しております。また、今春の高校卒業予定者の就職内定率は92.9パーセントで、ほぼ順調と聞いております。
 創業支援につきましては、昨年10月、当市の創業支援事業計画が産業競争力強化法に基づく国の認定を受けたことに伴い、今月12日に県、市、商工会議所、市内金融機関等を構成員とする大町市創業支援協議会が設立され、引き続き新年度におきまして、この協議会を中心に創業支援に取り組んでまいります。なお、創業支援協議会の設立につきましては、本定例会全員協議会でご報告申し上げます。
 企業誘致につきましては、長年の懸案でありました東洋紡工場跡地に商業施設が立地することとなり、現在、本年4月の開業に向け工事が進められております。市といたしましては、東洋紡跡地の残りの部分や常盤のオリンパス工場跡地への企業誘致に引き続き取り組みますとともに、それ以外にも立地にふさわしい場所への誘致に取り組んでまいります。
 中心市街地の活性化につきましては、先月見直しいたしました第3次中心市街地活性化基本計画に基づく活性化対策に取り組んでまいります。新年度は、中心市街地の情報環境を整備し、訪れる観光客等の利便性を向上させるため、無線LANのWi-Fi(ワイファイ)環境を構築するとともに、東洋紡跡地に立地する商業施設の利用者を中心市街地に誘導する事業に取り組みます。
 また、市営駅前駐車場は、現在、駐車時間30分以内を無料としておりますが、中心市街地への誘客強化を図ることを目的に、無料駐車時間を60分に延長することとし、条例改正案を本定例会に上程いたしております。
 ブランド振興につきましては、本年度、当市の地域ブランド戦略となります「信濃大町ブランド戦略」の策定に取り組んでおり、新年度からはこの戦略に基づき様々な施策に取り組んでまいります。具体例としましては、昨年の「ゆるキャラグランプリ」で全国100位に入り全国的にも知名度が高まりつつあります市のキャラクターおおまぴょんを活用し、「鉄拳×おおまぴょんコラボ動画」の制作や、おおまぴょんの機動性と情報発信力を強化するラッピングカーの配備により、当市の認知度向上に積極的に努めてまいります。
 また、立川市における当市の特産品の販売促進につきましては、これまで立川市に出店しておりますアンテナショップを中心に展開してまいりましたが、新年度におきましては、より効果的な特産品の販売促進策について検討してまいります。なお、信濃大町ブランド戦略の全体像につきましては、本定例会全員協議会でご説明申し上げます。
 米の生産対策につきましては、平成27年産米は生産者や集荷業者等関係団体が一体となった取組みの結果、生産調整実績は1,421ヘクタール、達成率100.2パーセントとなり、目標を上回ることができました。また、28年産米につきましても、今月1日に開催しました大町市地域農業再生協議会総会で、昨年とほぼ同様の1,394ヘクタールが目標面積として決定されたところであり、引き続き生産調整の達成に向けて取り組んでまいります。なお、国では30年度以降の方針として、行政による生産数量目標の配分によらず、生産者、集荷業者、団体が需要に応じた生産を行うこととしておりますことから、いっそう関係団体等と連携を密にし、生産調整の的確な実施により需要に見合った米の生産に努めますとともに、水田を活用した戦略作物等の生産振興を図ってまいります。
 昨年度から始まりました多面的機能支払制度につきましては、現在、市内29組織が取り組み、交付対象面積は約1,300ヘクタール、金額では約1億1,500万円と、地域ぐるみの活動として拡大しております。新年度におきましても、数地区が新たな取組みの意向を示しており、地区の皆さんとともに準備を進め、引き続き農業、農村の多面的機能が維持、発揮できますよう、積極的に取り組んでまいります。
 TPP(環太平洋経済連携協定)につきましては、先月20日に国の本年度補正予算が成立し、農業分野におきましても、総合的なTPP関連政策大綱に基づく施策の推進のため、3,122億円が予算化されました。市といたしましても、今後も国、県の動向を注視するとともに、生産者、関係団体等の意見や要望をお聞きし、農業生産の基盤強化が図られますよう適切に対応してまいります。なお、今月4日にはニュージーランドにおいて協定の署名式が行われ、今後は参加国が国会での承認に向けて、国内手続きを進めていくこととされております。
 農業委員会制度につきましては、農業委員会法及び改正農地法が4月1日から施行され、これに伴う当市の新たな委員の選任や農地利用最適化推進員の任命は、現農業委員の任期が終了する平成30年4月に行われることになります。また、農業の成長産業化を図るため、農業委員会業務の重点を農地の利用増進に移すことや、農地を所有できる法人の要件を緩和すること、また、県農業会議と全国農業会議所を一般社団法人に移行して農業委員会ネットワーク機構に改組することなどの改革も実行に移されますことから、これらの制度改革に的確に対応してまいります。

 3番目のテーマは、「安心・安全なまち」であります。
 新たな広域連携の仕組みであります北アルプス連携自立圏による、市と圏域町村の連携協約に基づき、福祉分野では、本年4月から成年後見支援センター事業、障がい者の相談支援事業及び消費生活センター事業の3つがスタートいたします。
 まず、成年後見支援センター事業は、認知症や精神障がい等により判断能力が充分でない方の権利を護るため、市の委託により大町市社会福祉協議会が設置する(仮称)北アルプス成年後見支援センターにおいて業務を開始する運びとなりました。また、障がい者の相談支援事業は、障がい者に対する相談や助言、支援や普及啓発を一元的、総合的に行うもので、同様に大町市社会福祉協議会に業務を委託してまいります。
 消費生活センター事業では、いっこうに後を絶たない特殊詐欺の被害等に対し、これまでの市のセンターに新たに他の4町村の相談窓口としての機能を付加いたします。センターでは、引き続き大町警察署や県の消費生活センターと連携を図り、詐欺被害等の抑止に努めますほか、県の消費者行政活性化事業補助金を活用し、消費生活センター機能の強化を図ってまいります。
 母子保健事業につきましては、安心して妊娠、出産、育児ができる環境の整備と体制づくりのため、新年度から産科医療機関や助産院等と連携のもと、妊娠期及び出産後早期に保健師、助産師等の訪問などによる相談事業や短期宿泊ケア等の事業を実施し、さらなる育児支援の充実を図ってまいります。
 介護サービス基盤の整備につきましては、北アルプス広域連合の第6期介護保険事業計画において整備が予定されております認知症グループホームが、新年度、市内に整備されることになりましたことから、施設整備に伴う所要額を新年度予算に計上いたしました。
 国民健康保険の人間ドック等助成事業につきましては、より多くの方に受診いただき、健康管理を進めるため、新年度の受診分から、65歳以上の方の日帰りドックの助成額を1万5,000円から2万円に増額することとし、高齢者の健康維持に対する支援の強化に努め、健康長寿の延伸を図ります。
 年金生活者等支援臨時福祉給付金につきましては、国の補正予算により、65歳以上の年金生活者等で本年度住民税非課税の方に、一人当たり3万円の支給が決定されました。これに伴い、当市でも所要額を補正予算に計上するとともに、全額を新年度へ繰越し、5月からの支給に備えることといたします。また、10月には65歳未満の低所得の障害、遺族基礎年金受給者を対象に一人3万円を支給するとともに、一昨年から継続しております臨時福祉給付金は、新年度には、住民税非課税の方に一人3,000円を支給することとなります。
 あすなろ保育園改築事業につきましては、先月から仮設園舎の建設工事に着手しており、来月中旬には仮設園舎への引越しを行い、その後速やかに第1期工事の新園舎西部分の建設を進めます。工事期間中は、安全に十分配慮するとともに、工事の円滑な進行管理に努めてまいります。
 美麻児童クラブにつきましては、美麻小中学校の一室で運営してまいりましたが、同校では、新年度からの特別支援学級の設置に伴い、これまでの児童クラブ室を教室として使用する必要が生じたため、保護者会等と調整を進めた結果、美麻支所に隣接する美麻情報センターへ移設し、今月1日から運営を開始しました。引き続き、下校後の児童の居場所づくりとして、児童の健全育成と共働き家庭等の支援に努めてまいります。
 新たな子ども・子育て支援制度の施行に伴い、本年度から認定こども園に移行した市内の私立幼稚園2園につきましては、幼児期における教育、保育を一体的に提供することができる施設として、保護者の関心も高まっており、今後も引き続き、安定した運営が図られますよう連携し、支援してまいります。
 また、子育て環境の充実は、若い世代の定住において大きな要素でありますことから、引き続き、出産祝い金として第1子に5万円、第2子に8万円、第3子以降に10万円を、さらに、3歳になるお子さんをお持ちの家庭を応援する育児家庭応援地域商品券、小学校入学お祝いの地域商品券をそれぞれ3万円交付いたします。
 大町総合病院につきましては、病床の機能分化を図る地域包括ケア病棟を、先月開設いたしました。現在、急性期を経過し、さらに長期入院が必要な患者約40人を、一般病棟からの転棟や他病院からの転院等により受け入れております。今後、リハビリテーションの積極的な関与や社会福祉士による退院調整などにより、在宅復帰を支援する病棟として円滑な運営に努めてまいります。
 本年度の経営状況につきましては、産科の休診をはじめ、整形外科や外科、内科専門医の退職等により、外来患者数は増加したものの、入院患者数が当初の目標値を大幅に下回り、入院収益の減少が見込まれ赤字決算となる見通しとなりました。また、資本的収支における資金が補えない状況にありますため、一般会計からの長期借入金等を補正予算に計上いたしております。新年度におきましても、依然として医師の確保が困難な状況にあり、赤字予算を計上する大変厳しい予算編成となりました。このため、経営の現状に鑑み、更なる経営の健全化に努めますとともに、経営基盤の強化を促進するため、引き続き一般会計からの繰出金等による経営支援を継続してまいります。
 現在、県におきましては、医療圏ごとの地域医療構想の策定が進められており、公立病院は新改革プランを新年度中に策定することとなっております。今後、地域医療構想における大北医療圏全体の動向を注視するとともに、新たな大町病院の改革プランの中で、経営の効率化、健全化に向けた抜本的な改善計画と今後の病院の方向を的確に定めてまいります。
 防災関係につきましては、先月23日、市役所におきまして、「神城断層地震を機に災害に備える」と題し、信州大学震動調査グループ代表の小坂共栄先生による防災研修会を開催いたしました。研修会には、自治会長、自主防災会長をはじめ市内外から約80人が出席し、住民アンケートにより調査した体感震度の結果などに基づく神城断層地震の特徴や、災害に対する備えなどについて学ぶ有意義な機会となりました。
 来月6日には、美麻地区におきまして、消防署及び消防団と連携のもと、一昨年の神城断層地震の教訓を踏まえて、地域住民の防災意識の高揚を図るとともに、消防団員の知識と技術を習得することを目的として、住民参加型の防災訓練を実施いたします。訓練では、消火、救出、救急の3つの班に分かれ訓練を行い、住民にもできる災害時の対処方法を学ぶこととしております。今後も各地区を巡回し、より多くの市民の皆様に住民参加型の訓練にご参加いただき実践的な防災体制の構築に努めてまいります。
 防災機動力の強化につきましては、昨年12月に、公益財団法人日本消防協会から防災活動車1台が交付され、これに伴い、災害発生時における迅速な人員、資機材の輸送が可能となりますほか、平時におきましても防災啓発活動等に活用し、安心安全のまちづくりを進めてまいります。
 神城断層地震により被害を受けました、ぽかぽかランド美麻入浴棟の改築につきましては、先月から本格的な工事に着手し、8月のオープンに向けて現在、基礎工事を進めており、早期の完成に努めてまいります。

 4番目のテーマは、「快適な生活基盤のあるまち」であります。
 マイナンバーにつきましては、申請された皆様への個人番号カードの交付を、先月から開始しております。当市における個人番号カードの申請状況は、今月15日現在、1,200件を超えており、カードの作成を行う地方公共団体情報システム機構からカードが届いた方へ順次、案内通知を送付しております。交付に当たりましては、窓口での待ち時間を短縮するため予約制を導入しておりますほか、当面、毎月第2、第4火曜日の夜間及び、第1土曜日の日中に時間外交付窓口を開設し、受取りの利便を図っております。
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路につきましては、先月29日に県が説明会を開催し、(仮称)安曇野北インターから大町市街地南までのルート案を発表しました。地域の長年に亘る念願の道路であり、待ちに待った今回のルート案は、実現性が高く、早期に整備が可能な案と評価しております。今後はこのルート案に沿い早期に工事に着手できますよう、沿線の合意形成に努めますとともに、地域が一体となって関係機関に対し積極的に建設促進活動を展開してまいります。
 市道の新設改良につきましては、平成22年から整備を進めてまいりました市道若宮駅前線が4月中旬に完成しますほか、引続き、各自治会からの要望か所を中心に、生活道路の安全確保や利便性の向上に取り組んでまいります。また、社会資本のストックマネジメントとして進めております橋梁の長寿命化対策につきましては、修繕計画に基づき、引き続き修繕工事を実施いたしますほか、舗装や道路照明、付帯構造物の点検、修繕につきましても、市民の皆様が安心して利用できますよう道路環境の整備を進めてまいります。
 このほか、市民生活に直結する道路、水路の改修等の生活関連事業につきましても、事業の優先度を考慮し、きめ細かな対応に努めてまいります。
 市民の皆様が安心して暮らせる住宅、居住環境の形成につきましては、省エネ性能の改善や耐震化、環境負荷の低減など、住宅の機能を向上させ、安全で快適な住生活を実現するため、新年度におきましても住宅性能向上リフォーム支援事業を継続することとし、所要の経費を当初予算に計上いたしております。
 市営住宅につきましては、施設の状況を的確に把握し、長期的な視点から総合的かつ計画的に整備、管理する必要がありますことから、市営住宅等整備計画案を策定いたしました。計画の内容につきましては、本定例会全員協議会でご説明申し上げます。
 市民バスふれあい号につきましては、各路線で利用者が減少傾向にありますことから、停留所や運行ルートの見直しを進め、地元自治会の皆さんのご了解をいただきましたことから、4月1日から変更を実施することとしました。主な内容は、各コースにおけるバス停の新設や変更とともに、常盤、社、平の一部コースでは運行ルートの変更を行います。また、昨年運行を開始しました市街地循環線は、これまで市街地に絞ったコースを設定しておりましたが、運行範囲を拡大することといたします。
 さらに、高校生等のバス利用を促進するため、従来は小学生までとしておりました子ども料金の適用範囲を高校生まで拡大し、100円といたしました。4月からの実施に向け、広報おおまち3月号に合わせ新たな時刻表を全戸に配布するなど周知に努め、利用者の増加を図ってまいります。
 水道事業につきましては、節水意識の浸透や給水人口の減少等により使用水量が減少しており、本年度の決算見込みでは、給水収益が前年度に比べ約0.3パーセントの減になるものの、原水供給収益等を含め、水道事業の収益的収支は、税抜で約8,000万円の純利益を確保できる見通しであります。水道施設関係では、耐震化のための送配水管の整備を実施しており、新年度におきましても耐震管への布設替えを重点に、計画的な施設の更新を進めてまいります。
 公営簡易水道事業では、老朽化した送配水管や計装設備の更新を計画的に進め、適切な維持管理を図るとともに、水源ごとに独立しております配水区域を連絡する統合整備を促進し、安定した給水体制の確立に努めております。新年度も継続して改良工事に取り組みますとともに、地方公営企業法の適用を視野に資産調査等を実施してまいります。
 公共下水道事業につきましては、収益的収支は、税抜で約1,400万円の純利益となる見込みでありますが、収益向上を図るため、更なる接続促進に努めてまいります。また、大町浄水センターの再構築につきましては、機械棟及び水処理棟における設備等の長寿命化と建物等の耐震化に着手しており、新年度におきましても工事を継続してまいります。
 温泉引湯事業につきましては、本年度、篭川橋左岸高瀬分譲地入口までの引湯管布設替えを実施いたしましたが、新年度におきましては篭川橋右岸側の布設替えに着手いたします。
 温泉供給事業につきましては、昨年4月、一般社団法人信州・長野県観光協会から高瀬分譲地温泉施設の移譲を受け、上原地区温泉施設とともに適正な維持管理に努め、受湯者への安定供給を図ってまいりました。また、大町温泉郷配湯施設につきましては、温泉郷内の配湯管更新のための基本設計が終了し、現在、一部の実施設計を進めております。新年度は、配湯管の計画的な布設替え工事に着手し、安定供給に取り組んでまいります。
 北アルプス広域連合が進めております一般廃棄物処理施設整備につきましては、今月2日に施設建設の入札が行われましたが、落札額について慎重を期するため、内容の調査確認が行われておりますことから、契約を留保し、先の広域連合議会定例会への上程が見送られました。今後、広域連合では速やかに調査を進め、早期に結論を得ることとしており、市といたしましては、新施設稼動までの間、引き続き環境プラントの安全な運転管理に努めてまいります。

 5番目のテーマは、「潤いのあるまち」であります。
 鹿島槍ヶ岳カクネ里雪渓の調査につきましては、10月の調査で氷体の流動が確認でき、氷河である可能性が一段と高まってまいりました。調査団ではこの調査結果を来月及び5月に開かれる関係の学会で発表するとともに、学術論文として公表することを予定しており、そう遠くない時期に氷河として認定されるものと期待しております。
 なお、新年度には、調査結果に更なる知見を加えるため、当初予定しておりました総合学術調査のうち、悪天候のため見合わせておりました気象、地質等の調査を実施いたします。
 ライチョウの飼育研究につきましては、早期のニホンライチョウの飼育再開に向け、引き続きスバールバルライチョウの飼育や繁殖技術の確立に鋭意取り組んでまいります。また、新年度にはライチョウサミットとして長野県やライチョウ会議等との連携のもと実行委員会を組織し、10月15日、16日の両日にわたり市文化会館において、第17回ライチョウ会議長野大会の開催を予定しております。大町市での開催は4回目となりますが、従来の研究発表に加え、ライチョウ保護を通じ山岳環境の保全も視野に入れた大会を目指してまいります。
 文化会館は、本年開館30周年を迎えますことから、12月に記念式典を実施いたしますとともに式典に合わせ市民有志による第九演奏会を開催いたします。また、関連事業として、劇団四季の公演や信濃大町観光大使の仁科亜季子さん出演の演劇等の公演を企画しております。
 計画的に進めております施設改修につきましては、新年度は、舞台照明及び空調機器等の改修工事を行うこととしており、今後も、優れた舞台芸術の鑑賞機会を提供するとともに、市民の皆様の自主的な文化活動を支援し、豊かで多様な地域文化の振興を図ってまいります。

 6番目のテーマは、「人を育むまち」であります。
 学力の向上や不登校、発達障がい等の課題を持った児童、生徒につきましては、きめ細かな学習指導を行うため、引き続き、旧市内の小中学校に市独自で心の教室相談員や学習支援員、中間教室指導員を、また複式学級が見込まれます八坂小学校にはこれに対応する支援員を配置してまいります。
 姉妹都市であります立川市との子ども達の交流につきましては、未来を託す両市の生徒の親善友好を図ることを目的に、昨年に続き両市の中学生サミットを夏休み期間中に開催することとしており、新年度は、当市の中学生代表が立川市を訪れ、立川市の中学生と1泊2日の交流活動を通じて、相互理解を深め友好関係の構築に努めることといたします。
 教育委員会では、地域の子どもは地域で育てるとの理念の下、学校、家庭、地域社会の連携と協働によるコミュニティ型の特色ある学校づくりを進めております。美麻小中学校、八坂小学校、八坂中学校の3校に続き、新年度には大町南小学校と北小学校が新たに信州型コミュニティ・スクールとしてスタートいたします。また、文科省や県教委からは、平成29年度を目途に県内全ての公立小、中学校をコミュニティ・スクールとする方針が示されておりますことから、引き続き東小学校と西小学校、仁科台中学校、第一中学校の4校におきましても取組みを積極的に推進してまいります。また、特認校制度による区域外通学の児童、生徒数は、新年度、美麻小中学校で11人、八坂小学校、八坂中学校ではそれぞれ2人となる見込みであります。
 ICT教育の取組みにつきましては、現在、文科省の指導を受け、第一中学校、西小学校、北小学校と美麻小中学校の4校におきまして、電子黒板とタブレット端末をデジタル教科書等と組み合わせ、効果的な授業が実践できるよう、教職員の研修会や公開研究授業等を実施しております。新年度には、この成果を他の学校で活用できますようICT機器を学習指導に活用するためのモデルカリキュラムを策定するとともに、他の5校におきましても、タブレット端末等のICT機器を整備し、全ての小中学校の児童、生徒が情報通信技術を通じ、学習に主体的に取り組むアクティブラーニングの実践を図ってまいります。
 大町高校、大町北高校両校では、まもなく100年余の歴史に終止符が打たれ、大町岳陽高校へとバトンが引き継がれようとしております。大町岳陽高校が地域の熱い期待に応え、生徒達の将来への夢や希望が実現できる高校として飛躍できますよう、引き続き、仁科台中学校と第一中学校にそれぞれ中高連携教員を配置し、新校との緊密な連携のもと学習支援や進路指導に努め、新校の魅力づくりを積極的に支援してまいります。
 社会体育の振興につきましては、新年度には、恒例の市民スポーツ祭や第33回大町アルプスマラソンの開催をはじめ、復興支援サッカー大会、高校駅伝県大会などのほか、バレーボールVリーグ及び北信越国体のカヌー、剣道競技の開催を支援してまいります。
 体育施設の整備につきましては、冬期間における屋外スポーツの練習や運動不足の解消等市民の皆様の健康増進を図るため、現在、新屋内運動場の基本設計に取り組んでおり、新年度におきましては実施設計を行い、建設に着手する予定であります。

 以上、ご説明申し上げましたが、本年度に予定しました事業は概ね順調に進捗しております。また、新年度事業の推進にあたりましては、地域経済が依然厳しい情勢の中、より具体的な成果に結び付けることができますよう、全庁を上げて力を尽くしてまいります。市の財政状況も厳しい状況が続いておりますが、効果的な財源の確保と重点的な配分により、均衡ある市の発展に向け積極的に施策を展開してまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件1件、事件案件9件、条例案件13件、予算案件14件の合計37件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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