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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 平成27年 平成27年9月定例会市長あいさつ

平成27年9月定例会市長あいさつ

 本日ここに、平成27年大町市議会9月定例会が開会されるにあたり、一言ごあいさつを申し上げます。

 内閣府が先月26日に発表しました月例経済報告によりますと、国内の景気は「緩やかな回復基調が続いている」と5か月連続の据え置きとしましたものの、世界景気は、中国経済の減速が周辺国に波及したことにより「アジア新興国に弱さがみられる」と、基調判断を3年ぶりに引き下げました。また、先行きにつきましては、最近の世界的な株安を念頭に「金融市場の変動に留意する必要がある」としており、地方の本格的な景気回復は、なお不透明であります。
 当市におきましても、法人市民税などに回復傾向が見られます一方、個人所得が伸び悩んでおりますことから、早期の予算執行に努めておりますが、年度後半に向け、さらに事業執行の促進を図ってまいります。
 本定例会におきましては、歳入では普通地方交付税額の確定に伴う増額を計上しますとともに、歳出に、新たな芸術文化振興事業費や基金造成費、幼稚園の施設整備補助金などを追加計上し、一般会計で総額3億1,846万5千円の補正予算をご提案申し上げます。
また、平成26年度一般会計及び特別会計、企業会計の決算のご報告を申し上げますが、いずれの会計におきましても健全性が維持できる見通しとなっております。
 主な財政指標につきましては、実質公債費比率は8.4パーセントとさらに改善が進み、前年度と比較して2.2ポイント低下いたしました。引き続き財政の健全性を堅持しつつ、喫緊の課題解決に向け、将来を見通す中長期的な視点に立ち、安定的な財政運営に努めてまいります。

 市の最上位計画に位置付けられております第4次総合計画につきましては、平成19年度から28年度までの10年間を計画期間としており、本年度及び来年度は総仕上げの時期として、計画を着実な成果に結びつける政策の遂行が求められております。
 また、来年度には、第5次総合計画の策定を控えておりますことから、これまでの施策に対する厳正な評価、検証を進めるとともに、市民要望をはじめ市の将来的な課題につきまして、その解決のため市政の運営に全力を尽して取り組んでまいります。
 昨年11月に公布されました、まち・ひと・しごと創生法に基づき、国を挙げて進めております地方創生の取組みにつきましては、都道府県と市町村が、それぞれ地方版の人口ビジョンや総合戦略を策定することとなりました。当市におきましては、来月末の期限に向け、市議会特別委員会をはじめ、総合計画審議会及び定住促進協働会議、地域産業活性化懇話会に加え、行政・教育・金融機関、労働団体、メディア等、幅広い分野の皆様に参画いただき、現在全力を上げて策定作業を進めております。検討に残された期間はわずかとなりましたが、経済の活性化や産業の振興、雇用対策や少子化対策、子育て支援などに重点を絞り、積極的な施策を総合戦略に盛り込んでまいります。
 なお、現時点での検討状況につきまして、本定例会全員協議会でご説明申し上げることとしております。

 次に、本年度の主な事業の進捗状況につきまして、第4次総合計画に定めた6つの目指すまちのテーマ及び、後期基本計画重点プロジェクトに位置付けた事業を中心に、順次ご説明申し上げます。

 1番目のテーマは、「市民に、より身近な市政のまち」であります。
 重点プロジェクトの第一番に掲げております、定住促進につきましては、本年7月末における定住促進奨励事業の利用状況は、マイホーム取得助成が24件、商品券をお贈りする育児家庭応援及び入学お祝い事業は合わせて377世帯、また、Uターン・Iターン奨励事業は21世帯、新婚応援事業は16件となっております。
 移住セミナーにつきましては、これまでに東京、大阪で5回実施するとともに、魅力体験ツアーを2回開催し、26世帯42人の皆さんに参加いただきました。また、結婚支援事業につきましては、7月に本年度第1回の婚活イベントを開催し、男女それぞれ50人に参加いただき、8組のカップルが成立しました。本年度は新たな出会いの場としまして、市内の企業等に協賛いただき市内に勤務する独身の方を対象に、北陸新幹線で行く北陸方面への日帰り旅行を、来月実施することとしております。
 本年度、新たに重点施策の一つに加えました文化、芸術とスポーツの振興につきましては、本年4月に総務部企画財政課に芸術文化振興係を新設し、芸術文化を通じて地域の元気を再生する取組みをスタートさせました。現在、市内では多くの市民活動団体の皆様が、人と人の絆、地域との絆を活かし、市の様々な魅力をテーマに、広範な分野に亘って地域づくりや芸術文化活動に活発に取り組んでおります。特に近年は、市外、国外からアーティストを招いて行うコンサートや芸術祭などの催しが、市民の自主的な企画、運営により数多く開催されるなど、活動が幅広く展開され、市の新たな魅力の創造に大きく寄与しております。
 これらの芸術や文化活動が持つ情報発信力を最大限に活用して、市の多様な魅力を磨き上げ、地域ブランド力の向上を図ることにより、地域の活力を蘇えらせるとともに、当市への新たな人の流れを生み出し、交流人口や、移住、定住人口の増加にも資するよう努めてまいります。また、観光振興策や交流事業と組み合わせることにより、芸術文化を地域活力の源泉として、市の経済にも徐々に効果が波及するよう力を尽してまいります。
 具体的な取組みといたしまして、県の支援を受け、新たに芸術活動の発信拠点を構築する「信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業」に着手することとし、本定例会の補正予算に、推進協議会負担金を計上いたしますとともに、芸術文化振興基金の創設など、芸術文化の振興に要する経費をご提案申し上げます。芸術文化活動を通じて市民の皆様が当市の多様な魅力を再認識し、さらに磨き上げることにより、地域の活力を呼び起こすことができますよう力を尽してまいります。こうした取組みは、早期に効果を期待することは難しく、長期的な取組みになるものと思われます。どうぞ議員各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 2番目のテーマは、「活力あふれる豊かなまち」であります。
 観光振興につきましては、今期の立山黒部アルペンルートの入込状況は、先月20日現在、累計で約60万2,000人、前年同期比105.6パーセントで、3万1,000人余の増となりました。
 本年は、全般的に天候に恵まれたことに加え、アルペンルートが6月以降、度々全国ネットのテレビで放送された効果等により、特に一般個人客は、前年比約116パーセントと大幅に増加しております。一方で、国内団体客は約91パーセントに止まっており、このため、県及び県観光協会をはじめ市内観光関係者と連携し、国内団体客を中心に誘客対策の強化を図ることといたします。秋の観光シーズン以降に向けまして、様々なマスコミを活用して宣伝、告知に努めるとともに、首都圏における宣伝活動を展開するほか、県主催による主要JR駅におけるキャンペーンに参加するなど、関係機関や団体、事業者と連携した誘客宣伝を積極的に推進してまいります。
 インバウンド事業につきましては、国の地方創生先行型支援を活用した「信濃大町カルチャープロジェクト事業」を推進しており、特に冬季には、白馬村を訪れるオーストラリア等からの外国人観光客に飲食の場を提供する「白馬バレー大町グルメストリート」を実施いたします。この事業には、市内飲食店16店舗に参加いただき、本年度は、食事のほか体験プログラムなどを提供し、来年度以降の宿泊にも結び付くよう取り組んでまいります。
 平成29年7月から9月まで、JR各社が全国で展開するデスティネーションキャンペーン(DC)が長野県を対象に実施されることが決定しました。本県では、平成22年度に続くものであり、来年度はプレDC、30年度はアフターDCとして、3年間に亘り事業が展開されます。6月には、県の実行委員会が発足し、テーマを「山岳高原」として、具体的な準備を進めてまいります。
 当地域では、29年度には大糸線全線開通60周年の節目の年を迎えますことから、独自の取組みとして大糸線ゆう浪漫委員会を中心に沿線市町村が連携して、広域的な観光振興の視点から誘客、受入れを推進することとしております。
 来年度に最終年度を迎える市観光振興計画につきましては、新たな計画の策定にあたり、当市を訪れる観光客の特性や市内宿泊施設等の状況調査を実施して基礎データを収集することとし、所要の経費を補正予算に計上いたしております。
 昨年度策定しました第3次中心市街地活性化基本計画につきましては、東洋紡跡地への大規模な商業施設の進出に伴い、市街地との連携等、計画の一部について見直しを行うため、7月に中心市街地活性化基本計画策定委員会を設置し、11月を目途に見直し案の検討を進めております。
 地域ブランドの普及につきましては、本日から11月30日までの3か月間、信濃大町カレーストリート2015を開催し、これまで好評のワンコインカレーの販売やスタンプラリーの催しに加え、本年度は新たにレシピと盛り付けのコンテストを実施いたします。県内の民間テレビ局をはじめ各種メディアによる報道を通じて、黒部ダムカレーのいっそうの周知を図り、4年目を迎える今年のイベントに市内外から大勢の方にお越しいただくことを期待するところであります。
 市の公式キャラクターおおまぴょんを活用した取組みにつきましては、ゆるキャラ日本一を決める「ゆるキャラグランプリ2015」の上位進出を目指し、先月10日に初めての取組みとなる選挙対策本部を発足させ、翌日には出陣式を信濃大町駅前広場において開催しましたところ、約100人の来場をいただき、盛り上がりのあるスタートとなりました。支持いただく熱心なファンの皆様の応援が広がっており、昨日8月末現在、全国1,718体中第78位、また、県内52体中では第1位と、上位を維持しております。今後、いっそう積極的に投票を呼び掛け、話題を市内外に発信することにより、支援の拡大を目指すとともに、当市の認知度の向上につながりますよう努めてまいります。
 姉妹都市立川市では中央図書館におきまして、今月7日から28日まで、4年連続となります信濃大町企画展を開催し、観光誘客を図るとともに定住促進の取組みを紹介するほか、特産品の展示や販売を通じアンテナショップ信濃大町アルプスプラザのPRに努めることといたします。
 今後も引き続き市の認知度向上のため、関係団体等との連携のもと、様々な機会を通じ、市の多彩な宣伝素材を積極的に活用してブランド戦略を展開してまいります。
 農業振興につきましては、本年の米の作柄は、平年並みに梅雨が明け、天候に恵まれたこともあり、生育はほぼ順調に推移しているとみられ、長野県の作柄は「平年並み」と予想されております。また、収穫期を迎えておりますりんごにつきましても、昨年並みの品質、収量が見込まれております。
 中山間地域等直接支払制度は、生産条件が不利な中山間地域等の農業生産活動を維持するための支援策として、平成12年度に創設され、本年度から第4期対策が始まりました。今期の対策では、これまでの枠組を継続しつつ、新たに、複数の集落が連携して行う農業生産活動等の体制づくりを推進することや、超急傾斜地の農地の保全を支援する加算措置が設けられております。
 当市におきましても中山間地域の農業生産の維持継続を図るとともに、耕作放棄地の発生防止や農地の持つ多面的機能の維持を促進するため、引き続き地域の実情に即した事業の推進に努めてまいります。
 大北森林組合の補助金不適正受給につきましては、県の検証委員会の最終報告書を受け、県は先月14日に森林造成事業補助金の交付決定を取り消し、返還するよう求めるとともに、森林組合及び組合役員を補助金適正化法違反により刑事告発しました。
 一方、組合の第三者委員会では昨日、最終報告書を発表し、補助金の不適正申請は「県の主導で行ってきたもの」と、今までと同様の報告内容となっており、依然として大きな認識の違いがあり、組合では返還請求に対し行政不服審査法に基づく審査請求を行う方針とされております。
 また、新聞等の報道では、森林組合専務理事の着服疑惑が報じられ、組合では告訴と解任を検討する方針と伝えられており、今後どのような方向に進むのか不透明な状況にはありますが、刑事告発等により、事実の解明が司法の手に委ねられることになりますので、不適正受給の実態や資金の流れ等について、真相解明が早期に図られることを期待いたします。
 なお、森林組合第三者委員会の最終報告書の内容につきましては、本定例会全員協議会でご報告申し上げることとしております。

 3番目のテーマは、「安心・安全なまち」であります。
 高齢者の安全確保につきましては、地域包括ケア体制構築の一環としまして、先月21日に株式会社セブン-イレブン・ジャパンとの間で、ひとり暮らし高齢者等を見守るネットワーク活動に関する協定を締結いたしました。市内に所在する6店舗が、店頭や配達などの日常業務を通じて、支援を必要とする方の異変を察知した際に、市内3か所の地域包括支援センターに連絡いただくことにより、迅速な対応が可能となり、地域で支え合う体制のいっそうの充実が図られるものと期待しております。
 市立大町総合病院につきましては、昨年度の決算は、脳神経外科や整形外科などの医師が着任したことに加え、信州大学附属病院総合診療科の研修病院として指導医や臨床研修医の派遣をいただき、医師の増員が図られたことから、入院、外来ともに患者数が増加し、収益増につながりました。一方で、医療スタッフの増員等による人件費の増加に加え、会計制度の改正や消費税の引上げ等の影響により支出が大きく増え、損失を計上する大変厳しい決算となりました。なお、損失額は、会計制度の改正に伴う影響を差し引いて計算しますと、前年度決算とほぼ同じ水準となります。
 こうした状況を踏まえ、人件費などの医業費用に見合う収益確保を喫緊の課題として、医師の確保と定着化に向けた取組みをいっそう強化するとともに、地域の医療需要に即応した病床の機能分化や在宅医療の充実などにより、経営の効率化を推進してまいります。
 産婦人科につきましては、新たに常勤医師が今月7日に着任することとなり、妊婦健診などの産科診療の充実が図られますが、分娩の再開には当直管理を行う非常勤医師が必要でありますことから、着任する医師と十分協議するとともに、引き続き早期の再開に向け努力してまいります。
 産婦人科以外の診療科につきましては、6月末に神経内科、7月末には麻酔科の医師が退任する一方、先月から一般内科の医師が着任し、外来、入院診療のほか、訪問診療などの在宅医療についても充実を図ることとしており、麻酔科につきましても、当面、信州大学からの派遣により対応してまいります。
 昨年度から整備を進めてまいりました被災者収容施設「南棟さくら」は、7月1日に完成し、今月13日には、この施設を中心に県内の災害派遣医療チーム(DMAT)が参集する大規模災害訓練を行い、市民の安心、安全に資する拠点施設として積極的な活用を始めました。さらに、市民の健康を守る健診センターや内視鏡室として運用しておりますほか、施設内に開設しました食堂も多くの皆様に利用いただいております。
 大町病院は、大変厳しい経営状況にありますが、引き続き経営改善と健全化に努めますとともに、地域の皆様から信頼される病院を目指し、全力を尽してまいります。
 予防接種事業につきましては、来月1日から、中学、高校の3年生等、本年度中に15歳又は18歳に達する方を対象に、任意のインフルエンザ予防接種費の助成を開始いたします。新たな道へ進む門出の時期にインフルエンザの感染や重症化を予防するため、保護者に1,000円のご負担をいただき、残りの費用を市が助成いたします。実施にあたりましては、地元医師会のご協力をいただくとともに、現在、対象となる皆様へ案内通知を発送する準備を進めております。
 現地での建替えを予定しております、あすなろ保育園の改築につきましては、本体工事を本年度及び来年度の2か年計画として、現在、実施設計業務を終え、年内に工事を発注できますよう入札準備を進めております。なお、事業費につきましては、県の助成を得て自然エネルギーを活用した暖房システムを導入することに加え、昨今の労務単価の上昇や資材価格の高騰により、事業費が増加しましたことから、債務負担限度額について補正を計上しております。
 防災対策につきましては、地震総合防災訓練を先月29日、平運動場を主会場として実施いたしました。雨模様の中、議員各位をはじめ平地区自治会、自主防災会、消防団、防災関係事業者等、多くの皆様にご参加いただき、防災関係機関、団体の連携強化と、市民の防災意識の高揚を図る機会となりました。本年度の訓練は、昨年の神城断層地震での経験を踏まえて、糸魚川静岡構造線断層帯北部での地震や土砂災害等の発生を想定するとともに、参加者に対して事前に訓練の進行やシナリオを明らかにしないブラインド型訓練といたしました。その結果、負傷者の救出訓練では、倒壊家屋の中のどこに誰がいるのか知らされずに救出活動を行うなど、実践的な訓練となりました。
 今後も、より実態に即した訓練を積み重ねることにより、平常時からの災害対策本部と他の防災関係機関、団体との連携強化を図ってまいります。
 近年、局地的な豪雨による土砂災害が全国各地で多発する中、先月5日午後6時過ぎ、当市に対し本年2回目の土砂災害警戒情報が発表され、防災行政無線及び緊急メールにより市民の皆様に警戒を呼び掛けたところであります。幸い、豪雨の発生が山岳地域の一部に限られたため、平地での降雨は観測されず、下流河川の水位の上昇もわずかで、被害の発生はありませんでした。今後、災害等を引き起す恐れのある気象情報の収集、分析を行うとともに、避難準備情報等を的確かつ迅速に伝達する態勢を整え、市民の皆様の安全確保に努めてまいります。
 集中豪雨等による市街地の浸水対策につきましては、平成29年度の完成を目指し、白塩町上花見地区からの雨水排水路の整備を進めており、河川管理者や道路管理者等との調整及び一部用地の取得を終えましたことから、本年度は、農具川から西方約110メートルの区間の布設工事を発注することといたします。なお、来年度は、引き続きJR大糸線白塩踏切付近の線路下を横断する工事を実施することとしております。

 4番目のテーマは、「快適な生活基盤のあるまち」であります。
 来月5日のマイナンバー制度の施行に伴い、来月下旬に、住民票を有するすべての市民に、市から簡易書留によりマイナンバーを通知いたします。また、来年1月には個人番号カードを希望者に交付することとなりますので、市の広報紙やホームページ等を活用し、引き続き制度の周知、徹底を図るとともに、市民の皆様のご理解のもと制度が適切に運用されますよう努めてまいります。
 地域交通の充実、強化につきましては、特急バス長野大町線の運行事業者が大町営業所を廃止したことに伴い、現事業者による冬期間の運行を休止するとの申し入れを受け、県及び関係事業者と協議を重ねてまいりました結果、県からの助成を得て新たな事業者による冬期運行が確保できることとなりました。北陸新幹線の金沢延伸による利用客の増加が見込めますことから、引き続き観光関係者と連携して利用促進と冬期運行の定着に取り組んでまいります。なお、詳細は、本定例会全員協議会でご説明申し上げます。
 本年度創設しました住宅性能向上リフォーム支援事業につきましては、交付申請が先月21日に当初予算計上額の3,000万円に達しましたため、本年度の受付を終了いたしました。制度の主目的であります住宅性能の向上に資するとともに、市内経済の活性化にも波及効果があったものと評価いたしております。
 水道施設の耐震化につきましては、本年度は引き続き常光寺山ノ寺線などの送配水管の整備を推進するとともに、新たに北原町地区の配水管の布設替工事に着手しております。
 水道事業会計の昨年度決算につきましては、会計制度の変更等もあり、損益計算で前年度比約4,800万円、率にして128パーセント増の、8,550万円余の純利益を計上いたしました。水道事業収入の根幹をなす給水収益は、前年度比1.9パーセントの減となりましたが、この要因は、給水人口の減少や節水意識の浸透によるものと分析しております。また、原水供給事業は、収益が2,810万円余、前年度比で5.1パーセントの増となり、減少傾向が続く給水収益を補う貴重な収入源となっております。
 下水道の昨年度末における水洗化率につきましては、大町処理区が71.4パーセント、常盤処理区、仁科三湖処理区を含めた公共下水道事業全体では68.0パーセントとなっており、引き続き、水洗化の促進に取り組んでまいります。
 大町浄水センターの長寿命化対策につきましては、25年度から実施してまいりました汚泥貯留設備と水処理設備の改築更新工事及び、機械棟と水処理棟の耐震化工事について詳細設計がともに完了し、今後、着工の準備を進めてまいります。
 温泉引湯、供給につきましては、本年4月、信州・長野県観光協会から高瀬分譲地温泉施設の管理が当市に移管されました。また、大町温泉郷内の温泉供給管等の布設替え工事に係る基本設計に着手しており、来月には篭川橋から高瀬分譲地入口までの温泉引湯管の更新工事を着工いたします。
 温泉引湯事業会計の昨年度決算は、損益計算で、前年度比約370万円、率にして18パーセント減の、1,740万円余の純利益となりました。
 環境プラントにつきましては、毎年5月から6月に焼却炉内部や排気設備など細部の点検を行い、その都度、安全性を確保するのに必要な最小限の修繕を実施してまいりましたが、本年の点検では炉の内壁の傷みが進んでいることが判明したため、北アルプス広域連合が建設を進めております新施設の稼動までの間、安全に運転していくための修繕を実施することとし、所要の経費を補正予算に追加計上いたしました。

 5番目のテーマは、「潤いのあるまち」であります。
 地球温暖化防止のためのクリーンエネルギーの普及促進につきましては、国が進めております様々な自然エネルギーの活用策のうち、当市の特性であります冬季の積雪に着目し、雪と氷を媒体とする温度差発電の可能性を調査、検討することとし、年度内に計画を立案し、来年度の国の補助採択を目指して取り組んでまいります。そのため、計画策定に要する経費を補正予算に計上いたしました。
 山岳博物館のライチョウの飼育研究につきましては、富山市ファミリーパークから借り受けたスバールバルライチョウは3羽とも元気な姿を見せております。また、譲り受けた卵27個のうち6個がふ化し、現在、そのうち5羽が順調に育っております。今後は、スバールバルライチョウの飼育研究を通じて得られた成果を活かしながら、ニホンライチョウ飼育の早期の実現に向けて取り組んでまいります。
 鹿島槍ヶ岳カクネ里雪渓の調査につきましては、先月24日に雪渓上にヘリポートを設置し、空輸による資材等の搬入後、昨年の調査で既に判明しております氷体へのポール設置等により、氷体の動きを確認するための本調査を実施することとしておりましたが、長引く悪天候に阻まれ、いったん調査を延期することといたしました。今後は、可能ならば改めて今月から来月にかけて再調査を実施する方針のもと検討を進め、これが不可能な場合には来年度に行うこととし、現地におけるGPS測量により、氷体の移動量を測定する予定であります。氷体の移動が確認できれば、氷河と認定される可能性が極めて高くなりますので、調査に大きく期待しているところであります。
 文化会館を拠点とする芸術文化事業につきましては、文化会館が来年度開館30周年を迎えますことから、記念事業のプレイベントとして、市民有志による実行委員会が主催して地域の伝統芸能を素材とした「祭りイン大町・北安曇」が開催されることとなり、11月8日の公演に向けて準備が進められております。また、記念の年となります来年12月には、文化会館開館30周年記念第九演奏会実行委員会により、市民から公募する合唱団の演奏会が開催されます。市民の皆様の活発な文化芸術活動への取組みの輪がいっそう広がりますよう、引き続き活動を支援してまいります。

 6番目のテーマは、「人を育むまち」であります。
 学校教育関係では、このほど4月に実施されました「全国学力学習調査」の結果が報告されました。その結果、当市は小学校、中学校ともに全教科におきまして、国及び県の平均点を上回るという極めて良好な結果を収めることができました。詳細な分析等はこれからですが、学力向上に向けた関係者のご尽力に深く感謝申し上げますとともに、今回の成果を踏まえ、いっそうの学力の向上さらには、児童生徒の健やかな成長に向けた施策の充実を図ってまいります。
 また、当市はこのたび、文部科学省が本年度から進めております「ICT(情報通信技術)を活用した教育推進自治体応援事業」に採択されました。この事業は、本年度から2年間、児童生徒を対象としたICTを活用した学習を推進するため、文部科学省の委託を受け、大学等と連携して実施するものであります。市では、信州大学教育学部の支援をいただき、小中一貫教育、小中連携教育の観点から、美麻小中学校及び、大町北小学校、大町西小学校、第一中学校の4校におきまして、タブレット端末、デジタル教科書等のICT機器を活用した「協働の学び」を実践するとともに、対話型の学習を展開するためのモデルカリキュラムを策定してまいります。併せて教員のICTスキルを向上させるための研修会や研究授業などの開催を予定しており、所要の経費を補正予算に計上いたしております。
 学校施設に係る非構造部材の耐震化につきましては、現在、大町西小学校と八坂中学校の体育館吊天井の撤去改良工事を、児童生徒の学習環境や安全に配慮しながら順調に進めており、来年1月には、この2校の竣工に伴い市内9小中学校の耐震化がすべて完了し、児童生徒の安全確保が達成されることとなります。
 体育の振興につきましては、東日本大震災被災地の復興支援と、女子サッカーの振興を目的に開催しております、おおまぴょんカップ女子サッカー大会が、本年5年目を迎えました。福島県の2チームに加え、新たに宮城県から2チームを招待し、県内外からの全16チームにより熱戦が繰り広げられました。また、本年はこの大会の趣旨に賛同いただきました日本サッカー協会川淵三郎最高顧問からトロフィーを提供いただき、大会の冠に「川淵三郎杯」を加えての開催となり、例年以上の盛り上がりの中で、サッカーを通じた友好、交流の増進に大きな役割を果すことができました。
 第32回大町アルプスマラソンは、来月18日の開催に向け、現在、実行委員会を中心に準備が進められております。先ごろ参加申込みを締め切りましたところ、広く県内外から4,072人の申込みがありました。
 こうしたスポーツに親しむ様々な機会を積極的に提供することにより、市民の皆様の健康づくりに資するとともに、全国から多くの皆様にお越しいただくことにより、観光振興にも寄与できますよう努めてまいります。

 以上、第4次総合計画で定めました各事業の進捗状況に加え、新たに取り組む施策を含め、今後の執行方針等について申し上げましたが、年度後半に向け、それぞれの事業の計画的な執行に努めますとともに、各分野の施策を積極的に推進し、所期の成果が達成できますよう、全力をあげて取り組んでまいりますので、議員各位のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本定例会にご提案申し上げます案件は、条例案件3件、予算案件6件、決算案件10件の合計19件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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