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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和5年9月定例会市長あいさつ

令和5年9月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和5年大町市議会9月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。

 本定例会では、本年度補正予算案等をご提案申し上げますほか、令和4年度一般会計及び特別会計、企業会計の決算をご報告申し上げることとしております。
決算状況につきましては、いずれの会計も概ね健全性が維持できる見通しとなり、市の財政の健全化を判断する各種指標では、暫定値として、実質公債費比率が8.6パーセント、将来負担比率が34.0パーセントと、良好な水準を維持しております。
 また、市税の収納率は97.9パーセントで、新型コロナによる影響が一部に残っておりますものの、徴収猶予の適用などにより負担軽減を図り税収の確保に努めた結果、前年度を0.2ポイント上回りました。
引き続き、収入の確保を図るとともに、全庁挙げて経費節減に努め、健全かつ安定的な財政運営に力を尽くしてまいります。
 
 また、喫緊の課題であります人口対策につきまして、本年度市では、全国各地域の人口問題に精通されている、持続可能な地域社会総合研究所藤山浩所長に委託して、市内6地区等の将来推計人口の分析や、就農人口のシミュレーションを実施しております。今月9日には、この分析結果や他の市町村での取組み事例などを交え、職員研修を開催したほか、今後は、市民を対象とする研修会を予定しております。まず、現状を的確に把握するとともに、この分析をもとに、他市町村の事例等を研究しつつ、効果に結び付く施策の展開方策を、鋭意検討してまいります。
 
 次に、本年度の主な事業の進捗状況及び主要な施策につきまして、第5次総合計画に定めた5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 立川市との姉妹都市交流につきましては、先月15、16日の両日、立川市の中学校の代表18人が大町市を訪れ、当市の代表18人とともに、大町「水の学校」SDGs探求学習のプログラムに沿い、サントリー信濃の森工場や大町山岳博物館を見学しました。今後も、交流活動を通して、未来を託す子ども達の健やかな成長と、両市のいっそうの友好親善が深まることを期待いたします。
 学校再編につきましては、現在、大町、平地区の小学校の改修に向け、公募型プロポーザル方式により、整備に係る技術提案を受付けたところであり、今後、審査委員会におきまして選定作業を行い、施設改修の設計を進めてまいります。また、今月11日には、それぞれ新たな小学校の校舎となる、旧第一中学校と大町南小学校におきまして、学校見学会を、今後入学される児童の家族などを対象に実施したほか、今月末まで新たな校名を募集しております。校名や新たな小学校に、児童をはじめ多くの方々に関心を持っていただき、市民の皆様に親しまれる学校となりますことを願うところでございます。
 
 文化会館におきましては、今月15日、本年度、二十歳を迎える191人が出席し二十歳の門出が開催され、参加者代表からは、若者らしく清々しさと希望に満ちた決意が表明され、これからの当市を担う有為な若い世代の皆さんの前途に、いっそう大きな期待を寄せるところでございます。
 また、来月10日には、早春賦誕生110周年を記念して、「北アルプス秋の音楽祭」の開催を予定しており、親子ワークショップの成果発表や公募合唱団による合唱ステージなど、信州にゆかりのある歌や童謡、唱歌などを多くの市民の皆様と共に歌い楽しむコンサートが、大いに盛り上がりますよう準備を進めてまいります。
 
 北アルプス国際芸術祭につきましては、6月16日までの作家及び作品の募集期間中、114組、133点もの応募をいただき、このうち、海外からの応募は14点で、当芸術祭の知名度も徐々に高まっていることを実感しております。これらの応募作家及び作品の選定を順次進め、来月下旬及び来年3月の2回に分け発表を予定しております。
 また、先月、初めて開催しました、地域協創セミナー「北アルプスまほろば塾」では、東京おもちゃ美術館の多田千尋館長をゲストに迎え、「木と芸術と遊びが地域を創る」をテーマに、木とふれあい、木に学び、木と生きる「木育」の大切さについてご講演いただきました。また、地域の木工家や林業者、飲食店の皆様によるワークショップや展示、フードマルシェには、80人を超える皆様に参加いただいたところであり、今後も芸術祭の開催までに連続して開催し、市民意識の醸成を図り、「自らの芸術祭」として、参加しやすい環境づくりを目指してまいります。
 信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業につきましては、昨年度より、市内で先駆的に芸術家の滞在制作事業を展開している団体に、作家の募集から作品撤去までの調整を行う業務を委託し、作家の滞在時の支援のほか、市民を対象とするワークショップや成果発表会の開催、チラシや記録集の製作などを進めることとしております。
 なお、滞在アーティストの選定では、海外からの12名を含む43名の応募者の中から、選考委員会における審査により4名の作家が決定し、今月23日より市内で制作が進められております。
 また、(仮称)市文化芸術振興条例の制定と文化芸術振興計画の策定につきましては、本年度秋の策定委員会設置に向け、現在、委員の選任を進めており、これまでの取組み状況につきまして、本定例会全員協議会でご報告申し上げることとしております。
 
 スポーツの振興につきましては、今年40回を迎える大町アルプスマラソンに、県内外から2,600人を超える申込みがありましたほか、来月24日には大北スポーツ競技会、サッカーやバレーボール、ソフトボール等の各種大会の開催が予定されており、スポーツの秋に向け、それぞれ盛り上がりのある大会となりますよう準備を進めてまいります。
 また、来月3日には、美麻地区において、日本学生自転車競技連盟の主催により、文部科学大臣杯第78回全日本大学対抗選手権大会が4年ぶりに開催され、地域住民が参加して実行委員会を組織し、90人を超えるボランティアが支援に当たります。沿道からの声援により大会を盛り上げていただくことを期待しますとともに、スポーツに親しむ様々な機会を提供することにより、市民の健康づくりとスポーツツーリズムの振興に寄与できますよう努めてまいります。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 国内の経済状況につきまして、政府が先月26日に発表しました7月月例経済報告では、景気は緩やかに回復しており、企業収益も緩やかに改善し、業況判断は「持ち直している」として、7カ月ぶりに上方修正しました。
 先行きについては、雇用、所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが、我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある、としています。
 政府は、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策と、これを具体化する令和4年度第2次補正予算や、エネルギー・食料品等に関する追加策及び、本年度当初予算を迅速かつ着実に実行しつつ、今後も機動的に対応していく、としています。
 
 地域の労働、雇用環境につきましては、ハローワーク大町が発表した大北管内の6月の有効求人倍率は1.32倍で、前年同月と比較すると0.06ポイント増加しておりますものの、新規求人数は347人で、前年同月と比較して12.4パーセント減少し、一方で新規求職者数は181人、前年同月と比較して18.3パーセント増加しております。雇用情勢は堅調に推移しておりますが、物価上昇等が雇用に与える今後の影響につきましては、引き続き注視してまいります。
 こうした中、物価高騰に伴う市民生活への支援と、地域経済の振興を図るため進めております、プレミアム付地域商品券「がんばろう!大町応援券2023」につきましては、10月11日からの販売開始に向け、来月中旬には、市民の皆様へ商品券購入に必要な引換券を送付いたします。物価高騰による市民生活への支援とともに、長引くコロナ禍により疲弊しております市内経済を回復させる契機となりますよう、市民の皆様にはぜひ購入いただき、ご利用いただきますようお願いいたします。
 
 米の生産対策につきましては、市の令和5年産米の生産目標数量は、前年より約136トン少ない8,362トンとなりました。国では、令和5年産主食用米等の需給について、令和5年6月末の民間在庫量を、前年より21万トン少ない197万トンと見通しており、200万トンを割り込むのは4年ぶりとなります。また、米の需要量は、食生活の多様化や人口減少などにより、全国で毎年約10万トン減少しておりますが、作況を平年並みとした場合の本年産米の生産量の見通しは、令和4年産米の670万トンとほぼ同水準としております。
 更に、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが引き下げられたことにより、景気の回復が期待され、今後のインバウンドを含む国内外の需要の増加や、イベントの再開などにより農畜産物の消費拡大が進むことが期待される一方、猛暑による米の品質への影響が懸念されております。
 地域農業の将来のあり方を示す「人・農地プラン」につきましては、昨年5月、農業経営基盤強化促進法が一部改正され、新たに「地域計画」の策定が法定されました。これにより市町村は、令和7年3月末までに、10年後の1筆ごとの農地の予定耕作者を記載した「目標地図」を含む、計画の策定が義務付けられました。現在、計画策定に向け、市農業委員会及び大北農協、農業法人等の関係機関と連携し、準備を進めております。
 農業マーケティング事業につきましては、6月30日、大町の清酒が、酒類の地域ブランドを保護する地理的表示(GI)に指定され、「GI信濃大町」として国税庁長官の指定伝達式が行われました。
 既に指定を受けております「GI長野」の地域の中で、重複してGI指定を受けるのは大町が初めてであり、市としましては、「GI信濃大町管理協議会」を組織する市内3つの酒蔵や、酒米生産者の皆様と連携を図り、積極的なPRに努め、日本酒や米などの農産物の販路拡大と地域ブランドの確立に取り組んでまいります。
 
 観光振興につきましては、立山黒部アルペンルートの入込みは4月15日の開通以来、今月20日まで累計で46万8,300人余となり、前年同期に比べ約16万7,200人増加し、1.5倍を上回っております。
 今年は、黒部ダム竣工60周年の節目に当たり、記念事業として企画した、黒部ダムの内部を見学する公募イベント「黒部ダム見学会」には、定員に対し20倍を超える応募がありました。また、先月初旬にはテレビの旅番組に、ご当地グルメ「黒部ダムカレー」が紹介され、放送後の3連休には、黒部ダムレストハウスで1日1,000食以上のオーダーがあり完売するなど、誘客プロモーションの効果が表れているものと考えております。
 今後は、現在実施中の市街地シャッターアートに加え、秋の紅葉シーズンに向け、来月16日から仁科神明宮、10月28日からは霊松寺におきまして、恒例のライトアップイベントを開催するとともに、立山黒部アルペンルートの来訪者を、市街地や他の市内観光スポットへ誘導する取組みを、関係者一丸となり進めてまいります。
 回復基調にありますインバウンドの推進につきましては、今月26日に、長野県立大学とシンガポールに拠点を持つ企業との連携による、シンガポールプロモーション事業のキックオフイベントを開催し、県立大学生が参加して、第1回フィールドワークを実施いたしました。引き続き、学生の視点による観光資源の磨き上げを図り、ブランド化を進めるとともに、現地の著名インフルエンサーを起用しSNSを活用した情報発信により、シンガポール等海外に向けた誘客の促進に取り組んでまいります。
 信濃大町観光大使につきましては、当市出身で俳優の渡辺邦斗さんに、来月新たに就任いただくとともに、コロナ禍により開催を延期しておりました観光大使との懇談会を、4年ぶりに再開することとし、所要の経費を補正予算に計上いたしました。アフターコロナにおける市の観光振興策について意見交換を行うとともに、今後も第3回北アルプス国際芸術祭のPRなど、市の魅力発信にご協力いただくこととしております。
 
 移住、定住の促進につきましては、先月末時点での移住者数が、29世帯46人と、昨年同期の12世帯19人を大幅に上回っており、定住促進アドバイザーの協力の下、引き続き、東京や大阪など全国の移住セミナーに出展し、住まいや仕事、子育てや教育環境など、移住希望者からの移住後の生活に根差した相談に、丁寧に対応してまいります。
 空き家バンクの充実につきましては、5月に送付した固定資産税納税通知書に、空き家の利活用に向けた啓発チラシを同封したところ、空き家活用に関する相談が先月末現在22件あり、家財の片付けなどに苦慮しているなどの相談内容も多いことから、利用可能な補助制度の紹介など、多様な相談に対応できますよう体制の確保に努めてまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 市立大町総合病院の令和4年度の決算は、新型コロナへの対応等に伴う高額医薬品や衛生材料の使用増による材料費に加え、原油等の高騰による光熱費、燃料費などの支出が大幅に増加したことから、医業収益は令和3年度と比較し約3,000万円減少し、約3億円の赤字となりました。一方で、令和2年度以降、新型コロナ感染症の蔓延により、多くの患者診療に努めたことや、新型コロナ対応などの国、県補助金が約7,000万円増加したことなどにより、最終的な収益は4億2,000万円余の黒字となりました。
 更に、本年度からは市立大町総合病院経営強化プランに基づき、経営改善に継続的に取り組んでおり、4月から6月までの第1四半期につきましては、積極的な入院患者の受入れと、適切なベッドコントロールなどにより、収益は1億2,000万円の黒字と、堅調に推移しております。
 新型コロナ感染症の感染状況につきましては、発熱による受診者数が、直近の1週間では、先月末までの平均と比較して約1.5倍に増加し、陽性判定率も約3倍に上昇しており、特に陽性患者には高齢者が多く、症状の悪化等により入院される方も増えておりますことから、大北圏域唯一の感染症指定医療機関として、大町病院では発熱外来を継続するとともに、安心して診療を受けることができる診療体制の維持、継続に取り組んでまいります。
 
 新型コロナのワクチン接種につきましては、現在、ワクチンの供給量が安定していないことから、当市では10月中旬から秋開始接種の準備を進めております。
 これまで新型コロナウイルスは、冬にかけて感染が拡大しておりますことから、重症化し易いとされる65歳以上の高齢者及び、基礎疾患をお持ちの方には、接種をご検討いただくよう広報に努めてまいります。
 なお、今年春のワクチン接種におきまして、市ワクチン接種コールセンターから有効期限を超えたワクチンが誤って配送されたことから、今月21、22日の両日、市立大町総合病院で実施されました接種において、215人の方に有効期限を超えたワクチンによる接種が行われました。
 接種された皆様には、取り急ぎ、電話により状況をご説明するとともに、健康状態の確認を進めておりますが、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことに心よりお詫び申し上げます。
 このようなことが再発しないよう、ワクチンの有効期限の確認と適正管理の徹底を図り、職員一体となり再発防止に努めてまいります。
 
 市民ふれあい広場につきましては、協働のまちづくりの実現に向け、福祉や子育て、健康を考え、生活と環境を守る意識の高揚を図るとともに、市民に交流の場を提供する機会として、10月7日、文化会館と周辺施設を会場に4年ぶりに開催いたします。今回の参加団体は24団体と、コロナ禍前の平成30年に比べ少なくなっており、会場をコンパクトに設営するとともに開催時間も短縮しておりますが、交流が深まる機会となりますよう努めてまいります。
 
 生活困窮者への支援につきましては、エネルギー価格等の価格高騰による負担増を踏まえ、特に家計への影響が大きい住民税均等割非課税世帯に対し、1世帯当たり3万円を給付する「電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」の支給を、今月4日から順次開始し、28日現在、既に約2,800世帯への振込みを済ませております。
また、ひとり親世帯と住民税均等割非課税の子育て世帯に対し、児童1人当たり5万円を給付する、「子育て世帯生活支援特別給付金」につきましては、6月26日から順次支給を開始し、15日現在、ひとり親世帯とその他世帯合わせて、289世帯507人に振込みを行いました。引き続き給付金の周知を図り、該当する世帯への給付を順次進めてまいります。
 なお、住民税所得割非課税世帯に、1世帯当たり2万円を給付する県の「価格高騰特別対策支援金」、並びに住民税所得割非課税の子育て世帯に対し、児童1人当たり3万円を給付する県の「子育て世帯生活支援特別給付金」につきましては、所要額を補正予算に計上し本定例会に上程しております。
 
 有害鳥獣対策につきまして、本年は特に、熊の出没が大町温泉郷や日向山地区を中心に多発しており、4月から先月までの目撃情報は、昨年同期と比較し約2.5倍に上っております。
 今後も、秋の収穫期を迎えることに加え、市民や観光客の行楽期とも重なりますことから、朝夕の野外での単独での行動は控え、農作物の残渣など熊の餌になるものを放置しないよう呼びかけるとともに、県地域振興局や警察、猟友会の皆様等との連携を強化し、市民の皆様の安心と安全の確保に努めてまいります。
 
 5月上旬に発生した豪雨に伴い被災した、八坂野平地区の揚水機場の復旧につきましては、来月に予定される国の災害査定に向け、所要の経費を補正予算に計上し、本定例会に上程しており、査定後には早急に実施設計を行い、年度内を目途に復旧工事を進めることとしております。
 また、現在、計画的に進めております、市内の「防災重点ため池」における地震耐性の評価業務につきましては、国の来年度予算の見通しを踏まえ、本年度補正予算を最大限に活用できるよう、実施に係る所要額を本年度に前倒して補正予算に計上し、本定例会に上程しております。
 
 消防防災につきましては、今月26日、平地区を重点地域とし平運動場を主会場に、市民や関係機関の皆様約400人が参加して、4年振りとなる地震総合防災訓練を実施いたしました。
消防団による、土砂埋没車両や倒壊家屋からの救出訓練をはじめ、住民参加型の救助や搬送、トリアージ訓練のほか、大町消防署によるドローン等を活用した被災地の上空偵察訓練を初めて実施するなど、広範な訓練を行い、大勢の参加者に見学していただきました。
 また、火災時の煙の模擬体験のほか、消防団員の指導による救急法講習や、日赤奉仕団によるアルファ化米の炊出し訓練と試食などは、多くの参加者にコロナ禍で薄れかけていた防災意識を、思い起こしていただく機会となりました。
 当地域は、内陸断層型地震の発生確率が非常に高い、糸魚川-静岡構造線断層帯上に位置しますことから、土砂災害や風水害を含め、今後も地域防災力の充実、強化に努めてまいります。
 長野県は、全国でも有数の火山県であり、平成26年9月27日には、御嶽山の噴火により多数の登山者が犠牲となる甚大な被害をもたらしました。県では、御嶽山噴火災害を風化させることなく、火山防災に係る意識の向上と防災対策に継続的に取り組むとともに、火山や周辺地域の魅力を発信し地域の振興に寄与するため、毎年9月27日を「信州火山防災の日」と定め、昨日から来月27日までの1カ月を「信州火山防災月間」として、啓発と情報発信に取り組んでおります。
 当市におきましても、隣県の富山県側に年間約100万人が訪れる、立山黒部アルペンルートの観光スポット、弥陀ヶ原火山があり、その火山防災対策協議会に当市も参画し防災訓練等に参加しており、火山災害も決して他人事ではないという認識の下、信州火山防災の日の制定を契機として、県とともに市民の皆様はじめ観光客、登山者の火山防災意識の啓発を図ってまいります。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路における、大町市街地ルートの幅の細いルート帯の選定につきましては、先月末の全員協議会において、県より、これまでに出されていた疑問や意見に対する補足説明とともに、第3段階となる「複数案の比較評価」として、5分野の多岐にわたる13項目により、現時点で可能な限り客観的かつ定量的な指標として示された、各ルート帯案の特徴と、それぞれの比較検討の結果が報告されました。
 これらを踏まえ、先月末と今月1日、サンアルプス大町において開催された住民説明会には、116人の皆様に、また、引き続き10日、11日の両日に市役所で開催されたオープンハウスには、2日間を通じて278人の皆様に参加いただきました。通常の説明会とオープンハウスを組み合わせて実施し、様々な皆様が持つ観点や疑問に答えることにより、計画に対する理解の深まりとともに、沿線住民の皆様からは、ご自身が所有する土地、建物への影響や補償等について、具体的な説明を求める声も多くあることを実感しております。
 県は、今回示した各ルート帯案の比較検討結果に加え、これまでの説明会等での意見を踏まえ、総合的な評価をあらためて示すとしており、今後、市としましても県の動向を注視するとともに、事業の円滑な推進に向け、引き続き県と連携し力を尽くしてまいります。
 
 令和4年度における水道事業の決算につきましては、近年の給水人口の減少や節水意識の広がりなどから、有収水量は減少傾向にありますものの、給水収益の一端を担う原水供給による3,340万円の収益含め、1億547万円余の純利益を計上いたしました。施設関係では、三日町配水池への紫外線処理装置の設置工事が完了し、昨年10月末より運用を開始しております。また、居谷里水源における水質保全対策として、集水施設のカメラ調査等に基づく管渠の修繕をはじめ、地表水の流入を防止する覆土整備を実施し、安全で安心な水道水の供給に向け取組みを進めております。
 公営簡易水道事業につきましては、歳出総額1億7,442万円余の決算となり、年度中に簡易水道審議会を開催し、今後の事業運営等についてご審議いただいたところ、地方公営企業法の適用時期を令和6年度とする答申をいただき、来年4月からの法適用に向け準備を進めてまいります。
 温泉引湯事業につきましては、基本湯量の確保と安定した温泉供給に努め、決算で844万円余の純利益を計上いたしました。施設関係では、篭川橋架替え工事に伴う引湯管の切替え工事を実施したほか、温泉供給事業におきましては、老朽配湯管の更新工事を計画的に進めており、引き続き、温泉の安定供給に努めてまいります。
 公共下水道事業及び農業集落排水事業につきましては、施設の適切な運転管理に努め、公共下水道におきまして、1億3,363万円余、農業集落排水では、3,394万円余の純利益を計上しました。建設改良関係では、松川浄水苑のストックマネジメント基本計画の策定のほか、宅地化に伴う管渠整備等を実施し、施設の包括的な維持管理を行い、水洗化の促進に取り組むとともに、引き続き事業の安定経営に努めてまいります。
 
 ごみ処理広域化に伴う旧環境プラント焼却棟の解体撤去工事につきましては、煙突の除染など、解体に向けた準備作業が順調に進められており、来月からは本格的な解体作業が始まりますことから、地元地区の皆様や、隣接する大町リサイクルパークを利用される市民の皆様に、影響が及ぶことのないよう、万全の環境対策を講じ工事を進めることとしております。
 また、北アルプス広域連合により整備を予定しております、一般廃棄物最終処分場グリーンパークの第3期埋立地につきましては、昨年12月、地元地区から用地の使用についてご同意をいただき、本年度は、地形測量を行うこととしております。引き続き、第2期埋立地の残りの使用可能期間を勘案しつつ、第3期埋立地へ円滑に移行できますよう準備を進めてまいります。
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、事業者が実施した施設の補修などによる効果が表れはじめており、先月開催された地元対策委員会におきまして、事業者の対策を評価する意見が出されるとともに、市が実施する臭気測定や臭気パトロールにおきましても、臭気の明らかな低減傾向が確認されております。今後も、四季を通じた効果の検証を継続して行うなど、対策の効果を調査、確認し、早期の解決に向けた指導に努めてまいります。
 
 良好な住宅、居住環境の形成を目的として、本年度創設しました「ゼロカーボン住宅推進リフォーム支援事業」につきましては、新型コロナ感染症の位置付けが引き下げられ、個人消費も順調に回復に向かっていることなどにより、5月期以降の申請件数が大幅に増加しており、なお、市民要望も大きいことから、事業費を増額する補正予算を本定例会に上程し、強靭な地域づくりと地域経済の再生を図ることといたします。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。 
 市民参画と協働につきましては、市民活動が活発で、いきいきとした元気なまちづくりを進めることを目的に、10月14日、「つながるマルシェ」を実施いたします。昨年までの「ぼくらの市民活動フォーラム」の名称を変更し、市民の皆様が参加しやすい環境を目指して屋外に出店ブースを設けるとともに、参加団体を大北地域全域に広げ、規模を拡大して開催いたします。
 市民活動団体、学生による事例発表や展示、物販などにより、市民活動やまちづくり活動の情報交換とともに、団体相互の連携が図られ、市民参加と協働のまちづくりがいっそう推進されることを期待いたします。
 
 地域が協働し、主体的に取り組む防災対策につきましては、各自治会から約90人の皆様にご参加いただき、6月10日、避難所の運営研修を開催し、避難生活への支援を考えるグループワークにより、災害発生の事態に備えた避難への支援行動を確認しました。
 また、大町、平2つの連合自治会合同で、6月17日、旧第一中学校体育館において、この施設を指定避難所とする11の自治会から、自治会長や自主防災会長にご参加いただき、避難所開設と運営訓練を実施しました。参加者からは、「テントや段ボールベッドの設営を実際に体験したことは、災害時に自ら主体的に避難所を設営するという、意識の向上に繋がり、大変有意義だった。」等の評価をいただきました。
 また、来月17日には、当市出身で、元NHK解説委員の国士舘大学 防災・救急救助総合研究所教授の山﨑登さんを講師にお招きし、情報を防災に生かすための取組みについて、最近の災害現場の教訓をもとに考える防災講演会を開催いたします。
 こうした防災力の向上に資する取組みにより、地域住民に身近な自治会の円滑な運営に結び付くよう、持続的な自治会活動の支援に努めてまいります。
 
 人権政策の推進につきましては、今月1日、県パートナーシップ届出制度が施行され、同日から証明書の交付が開始されました。この制度は、双方又はいずれか一方が性的マイノリティである二人が、互いをパートナーとすることを県に届け出て、県が受領したことを証明する制度で、施行に伴い、当市では、市営住宅への入居申込みや市立大町病院における治療等への同意のほか、保育施設への入所申込みや送迎の許可、罹災証明書の代理申請などにおいて、パートナーとして届出した方も、配偶者や家族と同様に取扱うこととなります。
 誰もが多様性や互いの違いを認識し、社会や地域において個性や能力を発揮するとともに、人権が尊重され、共に支え合い暮らすことができる公正な社会の実現に向けて、いっそう啓発に努めてまいります。
 なお、現在、活動いただいております9名の人権擁護委員のうち、1名の方が12月末に任期を迎えることとなり、新たな人権擁護委員候補者を法務大臣に推薦するに当たり、必要となります議会の意見について、ご協議いただきますようお願い申し上げます。
 
 以上、第5次総合計画に定めました各事業の進捗状況に加え、新たに取り組む施策を含め、今後の執行方針等について申し上げました。年度後半に向け、それぞれの事業の計画的な執行に努めますとともに、各分野の施策を積極的に推進し、所期の成果が達成できますよう、全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、議会におかれましては、先月12日、連合自治会から38人の自治会長の参加のもと、連合自治会との懇談会が開催され、自治会を取り巻く課題などについて、活発な意見交換が行われたとお聞きしており、こうした市民に開かれた議会の活動に敬意を表するとともに、市の施策の推進に議員各位のいっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、条例案件4件、予算案件6件、決算案件9件の合計19件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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