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ホーム 市長の部屋 議会での市長あいさつ 令和5年12月定例会市長あいさつ

令和5年12月定例会市長あいさつ

 本日ここに、令和5年大町市議会12月定例会が開会されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 
 はじめに、国内の経済状況につきまして、政府が今月22日に発表しました11月の月例経済報告では、このところ、景気は一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復しており、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、中東地域をめぐる情勢や、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある、としております。また、長野財務事務所は、県内における先月の経済情勢について、コロナの感染状況が落ち着き、外出機会が増え個人消費も伸びていることや、インバウンド需要により宿泊、飲食にプラスの影響が出ていることから、緩やかに持ち直している、としております。
 政府は、コロナ禍の3年間を乗り越え、30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済の先行きに前向きな動きにより、税収が増加する一方で、輸入物価の上昇に端を発する物価高は、国民生活を圧迫し、生活実感の改善を妨げているとしており、こうした経済環境において、「経済財政運営と改革の基本方針2023」を踏まえ、賃金上昇を持続的なものとするため、労働市場の改革を進め、物価高に打ち勝つ構造的賃上げを実現し、家計所得の増加による消費と国内需要の持続的拡大を図り、賃金と物価の好循環に繋げていくこととしております。更に、「こども未来戦略方針」に基づき、若い世代の所得向上に向け、児童手当の拡充、出産等の経済的負担の軽減等の取組みを進めていくとしております。
 また、今月2日に閣議決定されました、デフレからの完全脱却のための「総合経済対策」に基づき、住民税非課税世帯への7万円給付や、石油、電気・ガス料金の激変緩和措置及び、重点支援地方交付金などが2023年度補正予算案に盛り込まれ、現在、国会において審議が進められており、こうした国の動きに即応し、当市におきましても適切な対応に努めてまいります。
 
 当市における来年度の歳入見通しにつきましては、コロナ禍を脱し、市税収入等は、コロナの感染拡大前の水準を取り戻しつつありますものの、地方交付税や、国、県支出金も多くを望めないことから、クラウドファンディングや民間団体等の助成金等にも着目し、積極的な財源確保に取り組むこととしております。また、歳出につきましては、これまでの事務事業に対する評価や検討を加え、厳しい財政状況を共有し、効果的かつ効率的な財政運営に努める中で、次世代に引き継ぐ新たな大町市の創造を目指し、将来に亘り活力を維持し、持続可能な市政の推進に力を尽してまいります。
 
 SDGs未来都市計画に基づく、持続可能なまちづくりにつきましては、本年度も市民をはじめ、多くの皆様に認知いただく機会として、10月を「SDGsみずのわ月間」と位置付け様々な事業を実施いたしました。
まず、9月30日、先月1日の両日には、国営アルプスあづみの公園で開かれた「北アルプスフェア」に合わせ、「長野コーヒーフェスティバル」を開催し、当市の水を使ったコーヒーを提供し、1万7,900人余の皆様に、おおまちの水の良さを体感いただきました。
 また、市の水を活かした特産品として、著名なカリスマパティシエとバーテンダーに依頼し開発した、オリジナルのかき氷とカクテルの販売を、みずのわ月間に合わせ、市内の協力飲食店において開始いたしました。
 
 更に、本年6月に環境省により採択されました、「良好な水循環・水環境創出活動推進モデル事業」では、企業等と連携して環境教育の展開や学習旅行の誘致などを図り、地域づくりや地域の活性化に結び付けるため、現地視察を2回開催したほか、市内事業者へのヒアリングや有識者等との意見交換を進めており、来年度に予定される「令和の水」選定を見据えた水循環・水環境創出活動の推進に努めてまいります。
 こうした、「水」を活用した地域ブランド振興の取組みにより、「水が生まれる信濃おおまち」の認知度、魅力度の向上に繋がるよう、いっそう力を尽してまいります。
 
 次に、本年度の主要な施策の進捗状況並びに今後の見通し等について、5つのまちづくりのテーマに沿って、順次ご説明申し上げます。
 
 1番目のテーマは、「ふるさとに誇りを持つひとを育むまち」であります。
 
 学校再編に伴う新たな2つの小学校の名称につきましては、公募の結果、大町、平地区の小学校では67件、常盤、社地区の小学校では65件の応募をいただきました。その後、学校再編準備委員会での検討を経て、教育委員会定例会において候補を絞り込み、「大町北部小学校」と「大町南部小学校」をそれぞれ選定し、先月26日の総合教育会議において校名の確認を行っております。
 また、旧第一中学校校舎の改修につきましては、現在、各学校からの要望を踏まえ設計作業を進めており、引き続きこれまでにいただいたご意見を踏まえ、開校に向けた準備を計画的に進めてまいります。
 なお、これらの校名につきましては、本定例会に大町市立学校設置条例の一部を改正する条例案を上程いたしますほか、校舎の改修計画につきましては、議会全員協議会においてご説明することとしております。
 
 北アルプス国際芸術祭につきましては、9月27日の実行委員会臨時総会におきまして、アートプロジェクトの方針や、皆川ビジュアルディレクターが制作したメインビジュアルなどが報告され、また、北川総合ディレクターによる作家とアートサイトの選定が進められる中で、11名の作家について決定し発表されました。
 また、先月3日、4日の両日には、市民の皆様に芸術祭への地域の関わり方や、芸術文化のまちづくりへの理解をいっそう深めていただくことを目的として、石川県珠洲市で開催中の「奥能登国際芸術祭2023」へ視察ツアーを行い、約40名が参加されました。
 来年の開催に向け、市民の皆様との協働の取組みをいっそう強化するとともに、あらゆるメディアや媒体を通じた情報発信により、国内のみならず海外からも多くの皆様に来訪いただき、当市の魅力を最大限に伝えることができますよう力を尽してまいります。
 
 信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業につきましては、9月30日から先月9日にかけ、4名のアーティストにより、「水をつむぐいとなみ」を題材とした作品の制作、展示を行い、2,200人余の皆様に鑑賞いただきました。約50日間に亘る制作期間中の、作家によるワークショップや、市内小学校、市街地の空き店舗などでの制作、発表を通じた市民との交流は、市民が日頃体験することの少ないアーティストと、直接的な関わりを持つことにより、芸術への関心を高めるとともに理解の促進に寄与し、芸術文化都市としての「土台づくり」に結び付くものと考えております。
 
 市立大町山岳博物館では、ニホンオオカミやニホンカワウソ、トキなどの絶滅動物の、国内でも数少ない剥製や骨格標本などを展示する企画展、「大町と絶滅動物」を開催しております。かつて大北地域に生息していたとされる動物には、どのような種がいたか、また、どのような要因で絶滅したのかを解説しており、自然環境が大きく変化する今日、地域における絶滅動物と人との関わりについて、じっくり考えていただく機会となることを期待いたします。
 更に、山岳博物館では、先月7日から22日まで、北アルプス国際芸術祭のテーマに沿った作品を、安曇野アートライン協議会に加盟する美術館等の収蔵品の中から一堂に集め、「出張安曇野アートライン展」を開催し、また、先月28日から今月12日までは、本年9月に信濃大町観光大使に就任いただいた渡辺邦斗さんの「大町探訪写真展」を開催いたしました。渡辺さんの母校である旧仁科台中学校をはじめ、様々な思い出の場所で、今を過ごし、未来を担う子ども達の姿に焦点を合わせ、特殊な印刷技術で表現した鮮やかな写真を多くの来場者に鑑賞いただきました。
 先月から今月にかけましては、市内の各地区で文化祭が開催され、文化会館と大町公民館では、菊花展をはじめ2,000点に上る作品展示や舞台発表が行われました。多くの市民の皆様が、文化芸術の秋を楽しまれておりますことを大変うれしく思いますと同時に、コロナ禍により活動になお様々な制約が残る中、研鑽を積まれ、優れた成果を発表された皆様のご努力に、深く敬意を表するところでございます。
 
 スポーツの振興につきましては、大町アルプスマラソンが先月15日、第40回記念大会として、ゲストランナーに女子マラソン元日本代表の加納由理さんを迎えて開催され、2,260人のランナーが少雨の中を駆け抜けました。大会の運営には、500人を超えるボランティアの皆様にご参加いただき、マラソンコース沿いの清掃などにご協力いただきました。
 また、コロナ禍で中止しておりました、リンゴやキノコ汁などの振る舞いも今大会から再開され、ランナーから好評をいただき、記念大会を大きく盛り上げていただきました。改めて、ご協力いただきました全ての皆様に深く感謝申し上げます。
 今後、本格的な冬を迎え、市民スキー・スケート大会や小学生スキー教室の開催を通じ、当市特有の厳寒の気候や地形を活かした冬季スポーツの振興を図り、健康づくり、人づくり、そして地域の活力の再生にも繋げてまいります。
 
 2番目のテーマは、「活力あふれる産業と地域の魅力を活かしたにぎわいのあるまち」であります。
 
 地域の労働、雇用環境につきましては、ハローワーク大町が発表した大北管内の9月の有効求人倍率は1.68倍で、前年同月と比較すると0.02ポイント上昇し、新型コロナの5類移行後、観光業などの産業分野を中心に人手不足の傾向が続いており、雇用情勢は堅調に推移しております。新規求人数につきましては577人で、前年同月と比較して20.2パーセント増加し、産業別では観光業や飲食業、運輸業を中心に、冬季の求人申し込みの動きが活発になっております。
 県の最低賃金につきましては、先月より時間額が908円から948円に改訂され、この40円の引き上げは過去最大の上げ幅となりました。
 こうした中、先月販売しました、「がんばろう!大町応援券2023」につきましては、速報値で、販売冊数は2万2,970冊余、販売率は88.8%となっており、家計への応援に加え、市内経済の回復に向けた支援となりますことを期待しております。
 雇用、経済環境につきましては、今後も緩やかな回復が続くことが見込まれており、引き続き、国、県の経済対策の動向を見極め、市民生活や地域経済等への影響を的確に把握し、必要な対策に力を尽してまいります。
 
 農業分野におきまして、県内の水稲の作柄は、農林水産省が発表した2023年産水稲の作況指数は、中信地域におきましては101の「平年並み」となりました。また、米価につきましては、新型コロナの影響で落ち込んでおりましたコメの需要が回復傾向にあることや、肥料や燃料などの生産コストの上昇から、JAに販売を委託している農家に支払われる概算金の価格が、2年連続で引き上げられ、コシヒカリは、昨年より60キログラム当たり1,020円上昇いたしました。
 国では、今後なお予想される需給環境の調整のため、米の減産とともに非主食用米への転換等をいっそう進めることを検討しており、市としましても、国、県の動向を注視するとともに、北アルプス農業農村支援センターをはじめ、JA大北や市地域農業再生協議会等の関係機関・団体との連携を密にし、適切な対応に努めてまいります。
 
 林業振興につきましては、本年度、森林環境譲与税を活用し、八坂明野地区から大曲に繋がる通学路周辺におきまして、野生動物からの被害を未然に防止するため、約1.5ヘクタールの緩衝帯整備を行いました。
 また、8月には、鷹狩山市有林におきまして、3月に企業と締結した森林(もり)の里親制度を活用し、白樺の植樹や下刈りなどの森林整備を実施しており、今後も、民有林をはじめ森林整備につきまして、企業等と協働した取組みを進めてまいります。
 
 観光振興につきまして、立山黒部アルペンルートの今月20日現在の入り込み数は、累計で約74万人となり、昨年同期に比べ23万人、前年比で約46パーセントの増となっております。この結果は、インバウンドの再開や国内旅行の需要の高まりとともに、くろよん60周年キャンペーンの誘客宣伝の効果もあったものと考えており、例年の水準の8割程度まで回復しております。
 また、先月28日から10日間に亘り、紅葉の名所、霊松寺において開催しましたライトアップイベントには、市民をはじめ、市内の宿泊客など、昨年を上回る2,250人余の皆様に来場いただき、大変好評をいただきました。今後も引き続き、観光スポットのいっそうの魅力向上と、効果的な活用に取り組んでまいります。
 山岳観光につきまして、本年度新たに運行を開始いたしました裏銀座登山バスは、昨今の登山ブームや伊藤新道の復活により、メディア等に広く取り上げられたこともあり、60日間の運行で延べ1,260人余に利用いただきました。今後も引き続き、利用者や関係者の皆様の声をお聞きし、運行ダイヤの改善を検討するなど、利便性の向上を図るとともに、効果的な誘客宣伝に努めてまいります。
 冬季の観光につきましては、今シーズンも市内2つのスキー場において、年内のオープンに向けた準備が進められております。スキー離れや物価高騰の影響により、今シーズンもスキー観光を取り巻く環境は、依然厳しいものと予想されており、来年2月の毎週土曜日に開催が予定されております、大町温泉郷夢花火と音の祭典など、冬の大町ならではの魅力をアピールするとともに、白馬、小谷両村のスキー場と一体となり、ハクババレーのブランド力とスケールメリットを活かした宣伝に努め、誘客に力を尽くしてまいります。
 
 移住、定住の促進につきましては、都市圏における全国移住セミナーやイベントが、ようやくコロナ禍前の環境で再開されるようになり、当市も定住促進アドバイザーの協力の下、これらの場を通じて、大町市での暮らしの魅力を積極的に発信しております。こうした取組みにより、先月末時点での移住者数は41世帯65人と、昨年同期を大幅に上回っており、先月から今月にかけて3回の現地移住体験ツアーでは、約130人から申し込みをいただきました。参加者からは、「先輩移住者の明るく前向きに暮らしを楽しんでいる様子に、より具体的なイメージを結ぶことができた」などの感想をいただく一方で、参加が叶わなかった皆様に対しましても情報を提供するなど、当市とのご縁や繋がりを大切にし、住まいや仕事、子育て環境など、移住後の具体的な生活を想定した相談に、適切かつ丁寧に対応してまいります。
 全国の自治体が移住推進策を展開する中、当市の強みであります、豊かな自然環境から受ける恩恵が生活に直結していること、また、特色ある充実した子育て環境があることをよく知っていただき、移住に結び付きますよう、「誰もが住みたくなる、住み続けたくなる、更には住んで良かったと思えるまち」の実現を目指し、移住、定住施策を積極的に推進してまいります。
 
 特産品の振興につきましては、市内のカフェやパン、菓子店の店舗数の、人口に対する割合が全国平均を大幅に上回っておりますことから、「おおまちカフェ」を企画し、今月18日より、「カフェをおうえん!おおまぴょん」と題して、市内のカフェなどの19店舗の対象商品とおおまぴょんを一緒に撮影した写真を、インスタグラムに投稿する皆さんに、抽選で記念グッズが当たるキャンペーンを実施しております。これを機に、多くの皆様に「おおまちカフェ」をSNSで発信していただき、来年開催します北アルプス国際芸術祭の来訪者にも、ホッとひと息つけるまちを体感いただきますよう、取組みを進めてまいります。
 
 3番目のテーマは、「だれもが健康で安心して暮らせるまち」であります。
 
 市立大町総合病院の経営状況につきまして、本年度上半期は、新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行したことにより、関係する国の補助金が減少したほか、発熱外来受診者の減少に伴う外来収益が減少するとともに、医業費用では、新型コロナへの対応を中心とする、高額医薬品等の材料費増額に加え、原油等の高騰に伴う光熱費などが大幅に増加しております。一方で、積極的な入院患者の受け入れと、適切なベッドコントロールにより入院収益は増加し、更には、健診内容を充実したことに伴う医療相談収益の増加もあり、医業収益では昨年度と比較して約4,000万円の減に止まりましたことにより、経常損益では1億5,000万円を超える黒字となっております。
 引き続き、市民の皆様が安心して診療を受けられる地域医療体制の維持継続と、経営の強化に取り組んでまいります。
 
 消防・防災体制の充実につきましては、今月5日、市文化祭に合わせ、文化会館周辺を会場として、市消防団主催による「消防フェスタ2023おおまち」が、約1,500人の来場者を迎え開催されました。第11回となるこの催しは、市民の皆様に直接消防団活動への理解を呼び掛けるとともに、次代を担う消防団員の確保と、市民の防災意識の向上を図ることを目的としており、今回は、煙体験、災害伝言ダイヤルの体験などのほか、VRゴーグルを装着し仮想現実を体験するVR体験や、総務省消防庁の協力によるお笑い芸人の消防団PRステージを開催するなど、防災を体験して学ぶブースを開設いたしました。また、北アルプス広域消防本部のはしご車や救急車、大町警察署のパトカーや白バイ、国土交通省千曲川河川事務所の照明車や自衛隊災害派遣車両に加え、B&G財団からの支援により配備した防災用トラックや重機などの展示を行い、会場を盛り上げていただきました。
 今月12日には、秋の全国火災予防運動に合わせ、大町消防署と市消防団による演習型の火災防ぎょ・救助訓練を、市立大町総合病院を会場に実施いたしました。訓練会場脇には市民の見学席を設け、訓練の状況を間近でご覧いただくとともに、併せて、訓練内容について署員が解説を行い、消防活動への理解促進や防火に対する啓発に取り組みました。
 こうした積み重ねが、いざという緊急の際に、被害の拡大を抑止し大切な命を守ることに結び付くものと、改めて感じるところであります。
 
 本年度は、全国各地で熊の出没による人身被害が発生しており、4月から先月までの被害件数は180人と、平成18年以降最多を記録し、県内におきましても飯山市で死亡事故が発生しております。当市におきましては、目撃情報が先月末時点で214件寄せられ、昨年同期の3倍余となっており、今月3日には、平東海ノ口地区の山林でキノコ採りに県外から訪れていた男性が、熊に襲われる人身被害が発生したことを受け、同日から9日までの間、熊出没警戒警報を発令いたしました。
 警戒期間中は、防災行政無線や緊急メール、ホームページ等で注意喚起を図り、出没箇所を中心にパトロールを強化して市民、観光客の安全確保に努めるとともに、今月7日には県と連携し、熊の目撃情報があった箇所を中心に重点的な緊急点検を行い、誘引物の除去等、人身事故の防止に努めました。熊の冬眠期を控え、引き続き市民に危険が及ぶことのないよう、獣害対策に細心の注意を払ってまいります。
 
 4番目のテーマは、「豊かな自然を守り快適に生活できるまち」であります。
 
 当市の水道事業は、大正13年に市街地に給水を開始して以来、来年で100年の大きな節目を迎えます。本年はその前年として、市ホームページや広報等により水道事業100周年の情報発信に努めるほか、プレイベントとして「100年の歴史を刻む水源地見学WITHスイーツツアー」を、9月30日、先月1日の両日、市観光協会と連携して、市内外から大勢の皆様を迎え居谷里水源や三日町配水池の施設見学会を開催し、併せて市街地の散策を楽しんでいただきました。来年度につきましては、記念事業の開催などについて検討を進めております。
 また、上下水道窓口業務の一部民間委託につきましては、市民サービスの向上と上下水道事業の経営効率化を目的に実施することとしており、今月、公募型プロポーザルを実施し、現在所要の手続きを進めております。今後、来年4月1日からの業務開始に向け、受託事業者との引継ぎや市民への周知などの準備を、順次進めてまいります。
 
 地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の大町市街地区間における、最適ルート帯の選定につきましては、今月6日、市議会全員協議会において、県より第3段階2回目となります「複数案の比較評価」として、5分野13の多岐に亘る項目に基づく3つのルート帯案の比較評価の結果が示され、「Cルート帯案が最も優位性の高い評価項目が多い」との結果が報告されました。
 県から示されたこの比較評価の結果に関しましては、平成30年2月から、これまで5年以上の歳月をかけ、「地域に様々な考えがある中で、現時点で可能な限り客観的かつ合理的にルート帯を選定するため、国のガイドラインに沿い住民の皆様とのコミュニケーションプロセスを通じて、適正に評価された結果である」ことを、改めて理解するとともに、市としましても、大変、重く受け止めております。
 この結果につきましては、今月19日、21日の両日、サン・アルプス大町において開催された住民説明会並びに、昨日、一昨日の2日間開催されたオープンハウスにおいても丁寧な説明が行われ、多くの市民の皆様からのご意見を伺う場が設けられたところであります。県では「今後、いただいたご意見や市の考え方などを総合的に判断したうえで、最適ルート帯を早期に決定する」との考えを、議会全員協議会においても示しており、県及び市がこれまで説明会等を重ねる中で、計画に対する理解が徐々に深まり、早期の最適ルート帯の決定に向けた機運の醸成が図られてきたものと、私自身、強く感じるところでございます。
 こうした情勢を背景に、県は、先の住民説明会において、「来年1月に最適ルート帯を示す」との方針を明らかにしておりますことから、これまで、市が都市計画において、松糸道路を将来のまちづくりを担う太い骨格軸と位置付け、今日までの取組みの経過などを踏まえ、この道路が当市の未来にどのような効果をもたらすか、などの視点から、県が示した比較評価に対する市の考えを改めて整理し、県に伝えるとともに、1日も早い道路の建設に向け、引き続き着実な取組みを進めてまいります。
 
 持続可能で暮らしやすいまちを目指し進めております、コンパクトシティの形成につきましては、現行の都市計画マスタープランが策定後10年を経過しましたことから、社会情勢の変化や新たな市民ニーズ等を踏まえ、令和3年度から改定作業に取り組んでおります。
 現在、まちづくりをはじめ、福祉や経済、土地利用などの各分野において専門的な知見を持つ有識者や関係団体、市民の代表などで構成する検討委員会において、様々な観点からご意見をいただき具体的な検討を進めております。また、作業の進捗に併せ、本年6月と10月に地区別懇談会を8回開催し、地域の皆様からご意見を伺うとともに、来月予定するパブリックコメントなど、計画に対する市民の皆様との意見交換を重ね、本年度末の策定を目指してまいります。なお、これまでの進捗状況及び計画の素案につきましては、本定例会議会全員協議会でご説明申し上げることとしております。
 
 ごみ処理広域化に伴う、旧大町市環境プラント焼却棟の解体撤去工事につきましては、これまで順調に解体作業が進められており、引き続き、周辺施設をご利用いただく皆様に、ご不便をおかけすることのないよう十分配慮し、万全の環境対策の下で、年度内の竣工を目指してまいります。
 また、市民の皆様から好評をいただいております、有機堆肥を製造する八坂の堆肥センターにつきましては、本年度末で10年間の指定管理期間が満了することから、来年度以降、これを指定管理の一般的な期間であります5年間に短縮することとし、新たな指定管理者を指定する議案を本定例会に上程いたしております。
 
 常盤泉地区における臭気対策につきましては、現在、事業者が実施した対策の検証を進めておりますが、市の臭気測定や臭気パトロールの結果におきましても、臭気は、継続的に低いレベルに抑えられており、臭気対策の効果は、維持できているものと考えております。今後につきましては、地元地区の意向も踏まえつつ、臭気測定などの監視業務につきまして、見直しを含め検討することといたします。
 また、清水地区の臭気問題に関しましては、事業者において、臭気対策を折り込んだ畜舎の更新計画を地元地区に示し、地区の皆様の意見を伺い、ご理解をいただいたうえで臭気対策を進めるとしております。市といたしましては、こうした事業者の取組みを支援し、臭気問題の解決に向けて取り組んでまいります。
 
 5番目のテーマは、「市民の参画と協働でつくるまち」であります。
 
 市民活動が活発で元気なまちづくりを進める取組みにつきましては、先月14日、「つながるマルシェ」を開催し、本年度は市民が参加しやすい環境を確保するため、屋外に出店ブースを設け、幅広い参加を呼びかけるとともに、参加団体の範囲を大北全域に広げ規模を拡大して開催しました。約1,000人の市民の皆様にご参加いただき、市民活動団体、学生による活動の展示や発表、体験や物販などの交流を通じて、市民活動やまちづくり活動に取り組む皆様の新たな繋がりが生まれるとともに、団体相互の連携が図られ、大変有意義な機会となりました。今後も市民が参加しやすい体制づくりを進め、市民の参画と協働のまちづくりの更なる推進に努めてまいります。
 市連合自治会が、市内全戸と市内に移住を検討している皆様に配布しました「おらほのまち第7号」では、健康増進の取組みや環境整備、美化活動や地域の交流を深める行事など特色ある各自治会の活動とともに、地域づくりに力を尽くして取り組む方々を、連合自治会の広報部員の取材を通して紹介しております。
 ようやく市内でも、コロナ禍以前のイベントや行事が再開されるようになり、賑わいを取り戻す中、この「おらほのまち」の発刊を通じて、自治会活動が更に活発になり、お互いの顔が見える安心な地域づくりが進み、自治会の加入促進にも結び付くことを期待しますとともに、市といたしましても、市民の皆様の地域づくり活動の輪がいっそう広がりますよう支援に努め、市民参加と協働のまちづくりを推進してまいります。
 
 以上、第5次総合計画で定めました各施策の進捗状況と、今後の執行方針について申し上げましたが、年度終盤に向け、来年度での展開を視野に入れ、計画いたしましたそれぞれの施策が、予定どおり円滑に推進できますよう、全力を挙げて取り組んでまいりますので、今後も市政の運営に対し、いっそうのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 本定例会にご提案申し上げます案件は、報告案件3件、人事案件1件、事件案件5件、条例案件11件、予算案件9件の合計29件でございます。それぞれの議案につきましては、上程の際、説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

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