menu close
  • サイトマップ

  • 文字サイズ

  • 音声読上げ

  • 言語選択

  • サイト内検索

ホーム 大町のうまい水2(平成26年7月)

大町のうまい水2(平成26年7月)

古代、世界の四大文明は大河の流域に生まれ大きく発展したと学びました。中国の黄河、エジプトのナイル川、インダス文明のインダス川、メソポタミアのチグリス・ユーフラテス川です。水は、文明の発祥を考えるまでもなく、人間の暮らしになくてはならない要素です。日本でも、稲の栽培は弥生時代、山際の小さな水流の周辺から始まったといいます。

しかし今、世界中で水不足が発生しています。爆発的な人口の増加や激しい気候の変化により、生活用水を始め、農業用、工業用の用水が枯渇している例は、枚挙にいとまがありません。
ともに旧ソ連に属していたカザフスタン、ウズベキスタン両共和国の内陸湖アラル海では、この50年間で水面低下が進み、海面の面積が33%にまで縮小しているそうです。工業用水、灌漑用水の取水が原因とされ、「20世紀最大の環境破壊」だったと言われています。20世紀は、エネルギー源、とりわけ石油の支配をめぐって争いの絶えなかった時代でしたが、21世紀は水の争いの時代と危惧される状況にまでなっています。このように水資源は、人類の生存にとってなくてはならない人類共有の財産です。

  さて、雨降りが多かった今年の梅雨もようやく明けて、いよいよ真夏を迎えました。
今年も今月1日に、市の大切な水源の一つ、居谷里水源で水源感謝祭が開かれました。江戸時代の前から町なかの飲用水だった町川が、周辺に住む人が増えるにつれ次第に汚れが進んだために、新たに居谷里に水源を求め、大正14年に上水道が完成したという歴史があります。居谷里では、今日に至るまで清らかな水がこんこんと湧き続け、途切れることがありません。この水道はもうすぐ90年を迎えます。豊富な湧水は、北アルプスの美しく豊かな大自然の恵みであり、大町市のおいしい宝として大切にしていかなければなりません。

大町市の水がうまいという話は、以前(平成19年)にもこのつれづれ日記に書きました。この地は、北アルプス後立山連峰のふもとに位置し、日本一長い信濃川水系の最上流部にあり、私たちより上に常住する人は誰もいません。当然、川の水も清らかですが、豊富な自然の湧水にも恵まれ、市の水道水源は主力の4か所ともすべて自然湧水です。ですから水道水のおいしさ、冷たさは他の地域に比べ群を抜いています。転勤などで大町に来られた方からも、口々に大町の水のうまさを誉めていただいています。

8年前、この豊富で清らかな水を活用して、アルプスウォーター社が立地し操業を開始しましたが、創業以来工場は増設を重ね現在50人を超える大きな産業に成長しています。好調な売り上げを背景にシンガポールなど海外へも販路を拡大しているとお聞きします。市の水源から原水を活用していただいていて、水道事業会計では原水の代金として年間2千万円を超える収入が得られています。

さらに、昨年春には2つ目の飲料水工場AW・ウォーター社が操業を開始し、全国に向けて製品を出荷していただいています。本年4月、この工場の飲料水が、ヨーロッパに本拠を置く国際的な品質評価機関「モンドセレクション」の最高金賞(GRAND GOLD MEDAL)と、これも国際的な機関「国際味覚審査機構」の優秀味覚賞2つ星(2Golden Stars)という素晴らしい賞に輝きました。大町の水がうまいということは既に多くの皆さんもご存じでしたが、このような国際的な機関2つから高い評価をいただいたことは、とても嬉しいことです。

そして、清らかで豊かな大町の水は、私たちの地域にとっても大切な宝であり、また、天与の恵みであるからこそ、大切に守るとともに、他の地域の人々とも分かち合うことが重要です。さらには、この地域固有の天然のおいしい資源を活かして、国内外の多くの人々の手元に届けるとともに、水を通じて地域の清らかなイメージをブランドとして全国、世界に発信していきたいと思います。

この夏、市街地にある西公園に噴水のある親水広場が完成しました。緑の芝生の中に設けられた噴水やせせらぎでは、小さなお子さんも安心して、水に親しみ、遊ぶことができます。先日、夏の初めの暑い日に立ち寄ってみましたら、強い陽ざしの中、若いお母さんに手を引かれてやってきた多勢の小さなお子さんが、水を全身に浴びながら楽しそうに遊んでいました。これも大町の水の恵みです。

私は、プライベートなどで外出するときには、必ず自分の車に水道水500ミリを満タンにした保冷ボトルを積んで行きます。汗を沢山かくソフトボールの練習や試合に行くときにはボトルを2本持って出かけますが、ベンチに戻って飲む冷えた大町の水のうまさは格別です。

皆さんも大町にお越しになった際には、ぜひ、水道の水を味わってみてください。

この記事へのお問い合わせ

庶務課秘書係 内線 507
E-mail: hisyo@city.omachi.nagano.jp

アンケート

より良いホームページにするため、皆さまのご意見をお聞かせください。
なお、お答えが必要なご意見等はこちらではお受けできません。問合せ先に電話またはメールでお願いします。

このページは役に立ちましたか?