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現在位置:HOMEから枕辺の「ドラッカー」(平成25年2月)
更新日: 2013年2月6日

枕辺の「ドラッカー」(平成25年2月)

 鬼の霍乱(かくらん)という言葉があります。霍乱は、もがいて手を振り回すという意味で、日射病や暑気あたりといった病気をさすそうです。鬼は、その所業はともかく、絵では筋骨隆々、健康には相当自信がありそうに描かれますが、その鬼のような健康体でさえも病気になることがあるんだということを、わが身で体験しました。インフルエンザです。

 最近、大流行が始まり、大町市内でも学校で流行り始め、学級閉鎖も起こっています。実は先日、私も仕事中に、風邪の気配を感じたものですから、夕方の会合を早めに中座させていただいて帰宅し、そのまま市立大町総合病院の急患窓口のお世話になりました。診察していただいたところ、即座に「インフルエンザA型です。」とのご託宣。翌日から重要な出張がいくつも予定されており、「先生、何とか出張はだめでしょうか。」と粘りますと、「無理です。療養が一番。」ときっぱり。3日ほどはウィルスを人にうつす恐れがあるとのことで、素直に先生の指示に従うほかはありません。

 今まで、インフルエンザはおろか、大病も入院も経験が無く、自分なりに健康には妙な自信を持っていたこともあり、予防注射もここ20年以上したことがありませんでした。しかし、根拠のない自信というものは往々にして油断と慢心につながり、却って事態を悪化させてしまいます。家族からの、自身の危機管理はどうなっていたのとの厳しいツッコミにも、はいと素直に頭をたれるのみでした。

 その日は、夜通しひどく咳き込み、夢うつつのうちに朝を迎えたときには胸にひどい炎症を起こしてしまい、その上、腹筋も筋肉痛。胸には炎症を和らげるための、お腹には筋肉痛のシップを張り、ぼんやりする頭を抱えて終日ベッドにもぐりこんでいました。二日目になりますと体温も徐々に下がり始め、症状もだいぶ軽くなりましたが、今度はなかなか眠れません。布団の中で伸びたり縮んだり、寝返りを打ったり返したりで、たまらず、枕元に本を持ってきて読むことにしました。その本の名は、「これだけは知っておきたいドラッカー(牛越博文著(株)文藝春秋2010年)」です。

 この著者の牛越さんは、信州、諏訪のご出身で、以前、同じ姓という縁からご連絡をいただき、それ以来、新著をいただいたり、貴重な情報をお送りくださっています。こうしたお互いに引寄せあうご縁も、いわば牛越という、「繁殖力」が比較的に乏しく、人目にあまり触れることのない珍しい苗字のおかげといってもいいでしょう。鈴木さんや佐藤さん同士ではこうはいきません。
ありがたいことです。

 さて、「ドラッカー」です。だいぶ前に牛越さんからご恵贈いただいたのですが、15ページほど読んだところで頓挫し、枝折りを挟んだままになっていたのです。この本は、牛越さんがご勤務でヨーロッパに滞在したときから、経営学の泰斗ドラッカーの全著作を原書で読み込み、膨大な著作の中から重要なポイントを抽出してまとめられたものです。平明な表現で、特に、動物をキャラクターとして漫画で登場させ、具体的にイメージできるように解説されています。

 ドラッカーといえば、もちろん日本でも数多くの関係の著作が出版されていますので、多くの方に名を知られ、また、実際に本を読まれている方も少なくないと思います。2005年に95歳でドラッカーが世を去ってから、日本では、2010年に放送されたNHKの「クローズアップ現代」で取り上げられ、一気にブームに火がついたとされます。また、多くの方は、「もしドラ」という名前で有名になった、岩崎夏海氏の小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」や、同名のテレビドラマ、映画でご存知かもしれません。

 さて、「ドラッカー」の内容は、ここで門外漢の私が要約するという無謀な冒険は避けたいと思いますので、詳しくは本をお買求めいただき読んでいただくとして、ドラッカーは、知識社会である現代社会では組織が主役になるといい、また、新たな需要を喚起して景気を持続させるためにイノベーションが必要だと説きます。イノベーションとは、訳すとすれば「自己革新」ということだそうですが、新しいものを取り入れることにより、企業は新しい技術、新しい組織を創り出し、新たな製品やサービスにより、顧客を満足させることをいいます。

 また、企業のミッション(使命)とは何か、顧客は誰かを問いかけ、その中で、企業の使命は自己実現だといいます。そして、そこで働く人は、賃金のためだけでなく、自己実現のために働くのだといいます。そして、この「人は何のために働くのか」という命題を、経済学の理論に組み込んだことがドラッカーの大きな功績のひとつなのだそうです。

 ここまで読んできて私は、はっと思い当たることがあり、思わず掛布団をのけて起き上がりました。市役所で辞令交付式などのおり、幾度となく職員の皆さんに、頑張って仕事に取組みましょうと呼びかけてきましたが、この「自己実現」についても話してきていたのです。もち論、私流にですが、「人生とは、日々こうありたいと願う自己を実現するプロセスであり、誰もが自分の人生を豊かで有意義なものにするために努力する。まして市職員の皆さんは、組織の目標が市民の皆様の福祉の向上にあり、職員ひとり一人の自己実現に向けた努力は、そのまま市民の幸せにつながる。だから一層、自己実現が適うよう頑張りましょう。」というものです。

 小説「もしドラ」は以前に読んではいましたが、少なくともドラッカーについてきちんと読んだのは今回の「ドラッカー」が初めてです。ですから、それ以前から私が話してきたたこの「人生=自己実現論」は私のオリジナル、といいたいところですが、ドラッカーのエキスがインプットされて、知らず私の脳裏に収まり、すっかり私を染めていたのかもしれません。

 病状が回復しつつあるインフルエンザの枕辺で、こうありたい、こう送りたいと願う私なりの人生が成就できるよう、毎日を努力して生きたいと思うのでした。奥の深いドラッカーの教えを反芻しながら。
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