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大町市。北アルプスの麓、信濃大町。 
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現在位置:HOMEから市立大町山岳博物館開館60周年を迎えて(平成23年12月)
更新日: 2011年12月10日

市立大町山岳博物館開館60周年を迎えて(H23.12)

  山博(さんぱく)と呼ばれ、市民や山岳関係者に親しまれてきた大町山岳博物館は、この秋、開館60周年という大きな節目の年を迎えました。昭和26年11月に創設された当時は、戦後の混乱もようやく落ち着き始めた頃で、新しい社会の建設に向けた様々な胎動が始まり、新たな文化を希求する大町の青年たちは博物館の創設に未来への夢を託し、寝食を忘れ調査や資料の収集に奔走したのだそうです。それは地域の人々に大きな期待と関心を呼び、開館直後に博物館で開催された文化祭には、6日間で1万2千近い多くの町民が観覧に詰めかけたそうです。当時の大町の人口がわずか1万7千人だったことを考えますと、いかに人々の大きな期待を集めたかがわかります。

 建設のきっかけとなったのは、昭和22年5月3日、新しい日本国憲法施行の日、大町出身の文学博士で当時松本市立博物館長だった一志茂樹先生のご講演だったそうです。先生は、青年たちを前に、「新しい地方文化向上のために郷土の特殊性を生かし、北アルプスの大自然をもう一度見直さなければならない。」と鼓舞したそうです。この言葉に強く感動した青年たちは、郷土文化を興隆するためには山岳博物館の建設こそが最重要課題と考え、実現を目指して行動を起したとのことでした。
 以来、山博は、身近な地域社会で教育文化の振興を基軸として、独創的な調査研究や教育普及の活動を進める一方、山岳観光の拠点施設として幅広い活動を展開してきました。これまでの間、多くの山岳関係者やボランティアの皆さまの応援により、山博を育んできていただきましたことに深く感謝致します。

 私の生まれ育った家は、山博のすぐ近く、市街地の東の山裾にあり、小学生の頃からよく遊びに行きました。カモシカやライチョウが飼育されている付属園や、その周囲の山を登ったり降りたりして駆け回っていましたから、山博への愛着は人一倍です。開館の時期と前後して、当時国鉄の信濃大町駅前に設置されたオオハクチョウの飼育舎も、私の小さい頃の記憶にはっきり残っていて懐かしく思い出します。

 今年の60周年を記念して、山博では春以来、様々な企画展が開催され、特に4月から6月にかけて開かれた「岳(やま)を科学する2011−その最前線」では、提携している信州大学山岳科学総合研究所と共同して、最新の調査と研究の成果を企画展示と講演会により発表し、多くの方にご来場いただきました。
 さらに、ちょうど今年創立50周年を迎えた長野県山岳協会から、多数の貴重な山岳図書資料と、建設費に対するご寄付のお申し出をいただき、山博の敷地に隣接して山岳図書資料館を建設することになり、現在工事が着々と進められています。山岳協会の皆さまのご厚志に心から感謝いたします。そして、今後も魂の入った円滑な運営を図るため、調査、研究面で協会の皆さまのご支援をいただきたいと願っています。

 北アルプス後立山連峰のふもとに広がる大町市は、日本の近代登山史の黎明期から、山をこよなく愛する岳人の交流の場となりました。郷土の生んだ岳人百瀬慎太郎翁は、市内で登山者のための旅館「対山館」や、大沢小屋、針ノ木小屋などを開いた事業家ですが、歌人でもありました。詠まれた歌の中に、「山を想えば人恋し人を想えば山恋し」があります。山を通じて多くの人々との交流のあった百瀬翁がこの歌に込められた気持は、山好きの人々の心に響くと思います。
 最近は山に行く機会が少ない私ですが、里に暮らしていて目の前の北アルプスの峰々を眺めていますと、山に行きたいと思うことがよくあります。そうした時は、山の思い出とともに、一緒に登った山の仲間との思い出に浸ります。この地で日常を送り、日々北アルプスを仰ぎ見ている私たち大町市民にとって、山はいつでも身近にあり、文化やスポーツ活動の面でも深く地域に関わっています。社会の変遷につれ大分変わってきてはいますが、ここに住む人々にとっては、山はものの考え方の底に組み込まれている観さえあります。

 大町市は、山博50周年の節目の平成14年に山岳文化都市を宣言し、山岳文化の発展と創造を目指してまちづくりを進めています。様々な市民グループの皆さんが山博と連携し、山に関係する調査、研究に取り組んでいただいています。例えば、現在、山博では企画展「くさばなの一生」として、湿原で見られる植物の生活史を紹介していますが、この研究は博物館友の会の会員を中心とした研究グループに研究の一翼を担っていただきました。学芸員と協働して、3年間にわたり、ミズバショウやリュウキンカなどの湿地植物を観察、記録し、その研究成果をまとめたものです。

 11月3日の60周年記念式典で私は、これからも山岳文化都市大町市の拠点として、山博が市民をはじめ多くの皆さんに愛され親しまれ、生涯学習と市民協働の推進に大きな役割を果たしていくため、一層の活動の充実に努めたいと決意を申し上げました。
 アルプスの山麓に広がるここ大町ならではの環境を活かし、身近なことから始める山との交流を通じて、市民の皆さんとの協働の輪をこれからも広げていきたいと思います。
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