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大町市。北アルプスの麓、信濃大町。 
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更新日: 2011年7月10日

大町高校創立110周年と「魂知和」

  今年、私の母校でもある長野県大町高校が創立110周年を迎え、先月、記念式典が大町市文化会館で開かれました。明治34年(1901年)に地域あげての誘致運動が実り、松本中学大町分校(3年後に大町中学として分立)として開校以来、長い歴史を刻み記念の日を迎えました。
 式典で、来賓としてお招きいただいた私はお祝いのご挨拶で、大町高校が多くの人々に支えられ、高等教育の要として地域に貢献してきたことに感謝するとともに、今後もさらに大きく飛躍していくことを期待する気持を率直に述べました。
 続く記念コンサートでは、卒業生の田辺千恵子さんのソプラノ独唱と赤池瑞枝さんのヴァイオリンの演奏があり、また、式典に合わせ編成された合唱団と会場の参加者全員がひとつになって、校歌、応援歌が次々に歌われました。
 記念講演では、「国家の品格」の著者としても高名な数学者の藤原正彦先生が、「心に太陽を唇に歌を」と題し、同窓生や未来に生きる在校生の皆さんに対して、学問において大切なものは何かということをお話しされました。先生は、まず、論理的に筋道を立てて考える思考力を養うことと、豊富な知識を蓄積することの重要性を説かれました。最近、創造力や独創性を重視するあまり、ややもすれば知識を軽んじる風潮を厳しく戒めておられました。さらに、学問でもっとも重要なのは、情緒力、つまり美的感受性であると強調されました。
大町高校創立110周年式典

 そして、うれしいことに、この美的感受性というものは、美しい自然や風景の中で育まれるとおっしゃいました。ならば、ぬきん出て美しく豊かな大自然に抱かれた大町市は、論理的な帰結として、天才を生み出す可能性にあふれていることになります。うれしいご示唆でした。(文責筆者)
 大町高校の校風は「質実剛健」、「文武両道」です。私の脳裏には、特に「質実剛健」のほうが、日々心に留め置く心がけとして印象深く残っています。多分、体育会系の私には、「文武両道」という言葉は、あらためて言うまでもないことと無意識に考えていたのかもしれません。

 今回、記念式典で配られたパンフレットを見ますと、この二つの校風のほかに、「魂・知・和の挨拶」という言葉が載っています。私の在学中はもちろん、そのずっと以前から今日に至るまで、校内では絶えることなく「こんちわ」という挨拶の声が、元気に響いています。先生に対してはもちろん、上級生、下級生の間でも、さらに学校を訪れるお客様に対してもこの挨拶は交わされます。入学後まもない頃は、廊下で会うと何となく怖い存在に思えた上級生が、下級生にもきちんと相手の顔を見て挨拶を返してくれる姿にほっと安堵し、身近に感じられるようになったことを思い出します。

 ところで、今でも受け継がれている「こんちは」の挨拶ですが、「魂・知・和」という文字を当てることは、昭和44年に卒業した私のころにはありませんでした。いつ頃から始まったのか疑問に思い、後輩の同窓生に聞いてみますと、どうやら私の卒業後10年くらいのことと見当がつきましたが、確実なことは分かりません。そこで、学校長の下坂一俊先生にお会いした折にお尋ねしますと、「それは確か昭和55年頃のことです。詳しくは100周年の記念誌に曽根原先生がお書きになっています。」とのこと。
 後日いただいた記念誌「大町高校100年の歩み(平成13年10月記念誌編集委員会編)」を読んで見ますと、本校で3回、合わせて24年に亘り教鞭を執られた曽根原邦雄先生の発案による経緯が詳しく書かれています。それは、昭和54年の全校クラスマッチの開会式に始まります。その年のクラスマッチでは、生徒会の求めにより各クラスごとに旗を作ることになり、3年1組では、担任の曽根原先生の気持を察して「魂」「知」「和」の3つの文字をあしらった旗を作り、その旗を先頭に行進したのだそうです。そして、その翌年の55年には、生徒会をあげて「魂・知・和」を進めることになったとのことでした。

 ちなみに記念誌には、『ここに私が意図した「魂」とは挑戦する意欲であり、耐える根性である。将来を見つめ、今を努め励む強さである。「知」は思考力である。人生の様々な選択枝の中で、判断し、行動する力を持つことである。名を惜しむ生き方を希求することである。「和」は、他者の自主を認め、一方、己を律して成るものである。友情であり、愛である。「魂・知・和」が「こんちわ」と表裏一体となり、生徒たちの考え方、行動のバックボーンとなる。そして、大町高校で学ぶこと、過ごしたことを誇りとする、そんな学舎でありたいと思う。』という先生の深い願いが述べられています。曽根原先生は、2度目に赴任されたときの私たちの学年担任であり、私も英語を教わりました。

 あらためて大町高校のホームページをのぞいて見ますと、まず、「魂知和(こんちわ)大町高校へようこそ」というタイトルの下に、大町高校生を象徴する3つの言葉として、文武両道、質実剛健とともに、「魂知和」が掲げられています。そして、その意味として「広くて強くて豊かなやさしい魂(心)と知(知恵)と和(輪)を育て、お互いに助け合い協力していこうという意味をこめた挨拶、と説明されています。

 今回この稿を書くにあたり、直接曽根原先生にお聞きしますと、『「魂」とはsoulではなく挑戦する精神であり、spirit又はgutsと考えたい。また、「知」は単に知恵にとどまらず、思考力、知性を意味するintellectであり、さらに、「和」はpeaceよりもむしろfriendshipである。』と、英語にも置き換えて解説してくださいました。深い含蓄を持つ言葉です。
 ちなみに、昨年の甲子園でも、沖縄の興南高校の応援席に野球部の部訓だという「魂知和」の応援旗が掲げられていて、同部我喜屋優監督のモットーとしても話題になりました。
 大町高校は、市の中心部に位置していて市役所の隣にあり、校庭では野球部やサッカー部の選手の熱心な練習風景を目前に見ることができます。7月初めのこの季節、3年生が早めの受験勉強に備えるためでしょうか、はや文化祭が開かれ、賑やかな声が聞こえていました。

 ちょうど10年前に行われた100周年の記念式典は、1世紀という大きな節目であり、記憶に残る機会でしたが、今回の110周年はまた、そのときとは違った記念の機会となりました。それは、市内にある大町高と大町北高の2つの県立高校が統合されることになり、新たな高校が平成28年に開校することが決まっているからです。大町高校として創立を祝う機会は、あるいはこれが最後となるかもしれません。錚々たる同窓の皆さんも、特に感慨深い式典となったことと思います。2校がひとつになっても、それぞれの学校の良き伝統はDNAとしてしっかり新校に受け継がれ、新たな伝統として歴史を積み重ねていくことを願ってやみません。
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