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大町市。北アルプスの麓、信濃大町。 
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現在位置:HOMEから薪バスもくちゃん(平成23年6月)
更新日: 2011年6月29日

薪バスもくちゃん(平成23年6月)

  皆さんは薪(まき)で動くバスがあることをご存知ですか。

 バスが薪で動くなんて、と思われるかも知れませんが、実はあるのです。燃料に薪、広葉樹の小さな木切れを釜で焚き、人を乗せて動く昔懐かしいボンネットバスが大町市にあるのです。乗車定員15人ほどのこじんまりしたバスです。
 薪を釜(薪ガス発生炉)で蒸し焼きにし、そこから発生する薪ガスを動力源とする薪バスで、煙を吐きながら走るその名も「もくちゃん」。車体の後部に積まれた釜は、昭和25年製作と言いますから、すでに還暦を迎えています。昔実際に使われていた薪の釜を使って公道を走るバスは、日本で唯一だそうです。

 イベントの乗車体験などで、街の家並を抜け田園をトコトコ走る姿は、幼い頃の郷愁をかきたててくれます。もちろん私は、薪バスが活躍した時代には生まれていませんが、ボンネットバスには思い出があります。このバスは、今では貴重となったその姿で、篠田正浩監督の映画「少年時代」や、テレビにも「出演」したのだそうです。

 私が念願の体験乗車を果たしたのは、一昨年4月の大町市文化公園で開かれたアースデイのイベントでした。写真にある黒い釜は、「田之尻式ガス発生炉III型」と呼ばれるもので、市内の鉄工所で製作されたものです。私は初め、てっきりこの釜でお湯を沸かし、蒸気を発生させて動力を得ているのだと思っていました。ワットやスティーブンソンが発明したときのように。でも冷静に考えますと、重い蒸気機関を現代の自動車に積むのはやはり無理です。
 もくちゃんで使う薪は、ストーブに使うのと違い、にぎり拳ほどに小さくカットした薪で、写真ではバスの後の麻の袋に入れて置かれています。これをガス発生炉の中で蒸し焼きにして、発生したガスをエンジンに送り込むのです。エンジンはかつて市の消防車に載っていた3,800CC、130馬力のガソリンエンジンを積み替えて使っていますが、薪ガスはカロリーが低いため、最高で65馬力程度しかないとのことです。ですから、平地でも最高時速85Kmほどしか出ないそうで、私が乗ったときは40Kmぐらいで走っていました。
薪バスもくちゃん
薪バスもくちゃん

 もくちゃんの復活にいたる道のりは平坦ではなく、ずいぶん苦労があったそうです。昭和25年に製造された最後の1台が倉庫に眠っていて、昭和57年に大町エネルギー博物館に寄贈されトラックとして走っていたものを、車体の老朽化に伴い、バスに生まれ変わったのが平成2年6月だったとのこと。普段もくちゃんは、大町市の郊外、高瀬ダムや黒部ダムの入口にある、大町エネルギー博物館の専用車庫に動態展示されています。
 バスの車体は世界に冠たるトヨタ車体製ですが、年とともに車体の老朽化が進んでいます。そこで2年ほど前、なんとかご支援をお願いできないものかと、大トヨタの幹部の方にお願いのお手紙を出したのですが、よいお返事はありませんでした。
 現在、大町市を中心に活動している「北アルプス・バイオマスを考える会」の皆さん(工藤哲秀代表)がこの価値に着目して、以前からイベントなどで運行しています。「考える会」の皆さんは、もくちゃんの運行のほか、木質ペレットストーブの普及などバイオマスエネルギーの活用に取り組んでいます。

 昭和30年代の後半頃から、薪が燃料としてあまり使われなくなって以来、「薪」という言葉さえもお目にかかることが少なくなりましたが、今、がぜん注目されている再生可能な自然エネルギーであり、木質バイオマスのいわば元祖です。東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により、大都市圏を中心に大規模な電力不足が心配されています。こうしたことを背景にして、化石燃料に頼らず自然の再生エネルギーの利活用が重要なテーマになっています。
 ガソリンが不足していた戦時中には、「木炭バス」が広く走っていたそうです。先日の新聞記事に、この薪バスもくちゃんのことが「懐かしさだけでなく、脱ガソリンのエネルギー問題を考えさせる現役の広告塔」と紹介されていました。(5月31日付毎日新聞)
 エコの時代、薪を焚いてのんびり走るもくちゃんが、再び脚光をあびても良いのではないでしょうか。
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