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ホーム 夏の思い出、実生スイカの話(平成23年2月)

夏の思い出、実生スイカの話(平成23年2月)

 冬になって白一色の雪の世界にいますと、緑の季節が無性に恋しくなります昨年の夏は猛暑に見舞われましたが、我が家の庭の風景の写真を取り出し、手にとって見ますと、草の緑の鮮やかさに眩しさを感じます。その写真の中に見事に実ったまん丸のスイカの1枚があります。思い出しますとこのスイカは、その生まれからして不思議なスイカでした。我が家の誰も種をまいたり、苗を植えたりしていません。ある日突然、庭の隅にひょっこり生えてきたのです。つまり、「実生のスイカ」なのです。
 もっとも、最初からスイカの芽とは分かっていた訳ではなく、芽が5センチほどに伸び、葉の裂がようやくはっきりした時に、スイカだと分かったのです。

 しかし、我が家の小さな庭は前年に造成してできたばかりなので、土に種が残っているようなことは考えられません。どうしたことでしょう。頭をひねって空想交じりに考え、ようやく結論を導き出しました。それは、家の上を時折カラスが飛んでいましたが、どうやらそれが落とした糞に種が混じっていたのではないかと。
 その日から、早く育てと私と家人が代わるがわる水と肥料をやるものですから、きっと苗のほうも大変だったと思いますが、ともかく、暑い日差しをいっぱいに受けて順調に成長していきました。茎からは蔓が八方に伸び、やがてたくさん咲いた花に2個の実が付き、ゴルフボール大になったとき、蔓の数を整理すると、養分が集中したのか、さらに実は日ごとに大きくなっていきました。

 スイカの玉が成長するにつれ困ったことが起きました。いったいこのスイカ、熟す時はいつなのか、万が一これが小玉スイカだったら手ごろな大きさで収穫しなくてはなりませんし、普通のスイカなら早すぎては食べられません。自分で植えた苗ではないので、途方に暮れてしまいました。

 

 時折、頭をたたいて熟れ具合を確かめてみましたが良くわかりません。早く食べてみたいものの、早すぎたら元も子もありません。二つの欲の綱引きです。
 悩んだ末に、店に並んでいる大きさに育ったころ、思い切ってまずひとつを蔓から切り離し、おそるおそる、ちょっと姿勢を正して包丁で割ってみますと、これが見事に熟していました。味もまずまずで、有名ブランドの「波田下原のスイカ」には及びませんが、十分おいしくいただきました。
 その後、2個目も収穫し、しばらく居間に飾って置きましたが、知り合いのお宅にもおすそ分けし、残りの半分を冷蔵庫でひんやり冷やしてからいただきました。とびきり暑い夏には、とっておきの涼やかでおいしい、文字通り天の恵みとなりました。
 それにしても、なんとも不思議な「実生のスイカ」でした。

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