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大町市。北アルプスの麓、信濃大町。 
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更新日: 2009年9月28日

大町の銘樹を訪ねて(平成21年9月)

 この「つれづれ日記」では、大町の見どころ、輝いている人々や活動など、大町のきらり輝く再発見も紹介しています。今回は大町の銘樹です。
 大町市内を車で走っていると、立派な樹が眼に止まることがあります。道端に雄々しくそびえ立つ大樹。例えば、木崎湖の北東岸、国道148号沿いにある海の口のアカマツは樹齢300年、「傘松」とも呼ばれ地区の皆さんに大切にされてきました。湖畔の少し高台に聳えているため、大きな傘の形がひときわ目立ち、市の天然記念物に指定されています。傘の広がりは30メートルにも及び、長野県下でも有数の巨木です。仁科三湖の周辺は、観光客に混じって、カンバスを抱えて訪れる日曜画家さんの姿が目につきますが、湖だけでなく、こうした樹にも注目していただきたいと思います。

 市が指定している天然記念物は、現在22ありますが、そのうち樹木は14を占めています。この中で、常盤仏崎観音寺のアカマツもみごとです。泉小太郎の伝説で有名なこのお寺のすぐ脇で、確か昔この周りで草競馬が開かれていました。高さは20メートルもあり、幹が途中から2本に分かれていますが、木の下に立てられている案内板によりますと、この樹はもともと2本の別々の樹だったものが、成長するにつれ融合して1本になった「和合木」で、地元地区では「夫婦松」とも呼んでいるそうです。冬、うっすらと雪を被って佇む姿は、一幅の水墨画を見るようで、高瀬川に架かる蓮華大橋の脇からの風景は、格好のビューポイントです。

 大町には桜の銘樹も少なくありません。高根町曽根田のエドヒガンは、樹高12メートル、目通り周囲4.6メートルもあり、全国的に見ても大径木ということです。樹齢推定300年、江戸時代、名も知らぬ遊行僧が植えていったとの言い伝えがあるそうですが、地区の公民館の庭に立ち、ゆったりと枝を張った姿は美しく、地域の皆さんの手入れの賜物です。
 市の中心街を北に上り、若一王子神社近くの大黒町追分のシダレザクラは、老樹の貫禄です。追分の地名は、「塩の道」の名で知られる日本海へ抜ける糸魚川街道と、善光寺街道との分岐点に由来しています。桜はもともと病害虫に弱く、また、樹齢も短いため、大きな樹が少ない中で、この樹は150年の命を保っています。
 また、西山城山のエドヒガンは、乳川に面した中世の山城跡の急峻な山肌にあり、樹高が30メートル近くあるため遠くからもよく見え、この7月に開園した国営アルプスあづみの公園の入り口に位置するため、来園のお客様をお迎えする格好になります。来年の春が楽しみです。

 市内にある昭和電工の工場長さんをされ、その後本社で重役を務めたあと再び大町に戻られて、生涯の居を構えられた高松宣芳さんは、大町をこよなく愛された方です。先年お亡くなりになられましたが、自然に親しまれた�松さんは、殊のほか大町の桜を愛でられ、講演の折などにもよく桜のお話をされていたと伺います。高松さんの残された講演資料の中には、高根町の桜のほか西小名物の桜並木や中綱湖畔のオオヤマザクラの写真が出てきます。

 松や桜以外の樹種では、常盤一本木神社のカシワや須沼薬師堂のカツラなどが天然記念物に指定されていて、それぞれ歴史を刻んで風格を見せています。カツラは用材として幅広く利用されてきたため大きな樹は少ないのだそうですが、須沼のカツラは、薬師堂の参道に2本並んで立ち、大きいほうは樹高25メートル、目通り4メートルもあります。水田地帯の真中にお堂を守るようにひときわ目立って聳えています。昨年の夏、市内の郷土史家篠崎健一郎先生が主宰される歴史講座の探訪会に参加して行ってみました。樹の立っている薬師堂の由緒を解説していただきながら眺めますと、いっそう歴史の年輪の重みを感じます。

 ちょっと変わった樹も指定されています。市街地の東の山中にある霊松寺のオハツキイチョウという樹は、葉っぱのところに実、つまり銀杏がつくというとても珍しい樹です。説明書きによりますと、実がつくのはおよそ10枚に1枚だそうですが、実際に手にとって見ても不思議な形です。この樹は変種なのではなく、進化する以前のイチョウの姿と言われています。
 このほか、西山西原のイチイや三日町若宮八幡宮のヒノキ、大倉のイチイ、水上神社の大杉、若栗のアオナシが指定されていますが、実は私はまだ見たことがありません。近いうちに訪ねていきたいと思います。また、かつて指定されていた天正寺のコウヤマキは、中世に栄えた仁科氏の居館跡にあり、30メートルの高さを誇っていましたが、樹芯が枯れたためか傾きが進み寺の本堂に倒れかかる恐れがあったため、残念ながら伐倒されました。市役所の近くなので訪ねてみましたが、立派な切り株が残されていました。

 天然記念物の指定はないものの、平地区の荒山さんの山のブナの大木は尾根の上にしっかりと根を張り、本当に惚れぼれするほど見事です。幹には熊のつめ跡がくっきり残り、大町の自然の豊かさを感じさせてくれます。
 また、大塩のイヌ桜として県の天然記念物に指定されている美麻地区の通称「静の桜」は、義経の後を追ってやってきたという静御前の伝説とともに有名です。土地の地名「大塩」を「奥州」と間違えこの地にたどり着いた静の杖から根付いたという言い伝えで、樹齢800年とも言われる老樹を地区の皆さんが一生懸命保護していて、周辺が公園として整備され、訪れる人が目立って増えています。

 森として見事な姿の若一王子神社と仁科神明宮の社叢は、ともに県の天然記念物に指定されています。仁科神明宮の森は300本に及ぶ杉などの巨木に覆われ、参道の入り口近くには三本杉と呼ばれて親しまれてきた樹があります。真中の1本は昭和54年に突風で倒れてしまいましたが、今なお樹齢推定800年の雄姿をとどめています。また、枯れてなくなってしまいましたが、国宝の本殿脇にあった根回り15メートルものご神木の杉は、今でも根元が残され、上屋をかけて保護されています。私は、小学校の頃遠足で行き、みんなで手をつなぎこの樹の周囲を囲んだときの驚きを今でも覚えています。
 樹は人間の寿命よりもはるかに長い時間を生き、歴史を木肌に刻み込んでいます。大きな樹の下に立ち、太い幹を眺め上げたとき、深い畏敬の念を感じずにはいられません。皆さんも是非一度、豊かな自然が残る大町市内の銘樹を訪ね、悠久の時を感じてみてはいかがでしょうか。

*高松さんの「まつ」のつくりの「公」の部分は、正しくは「船」などのつくりを使う字です。
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