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大町市。北アルプスの麓、信濃大町。 
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現在位置:HOMEからお正月に信濃大町駅で思った(平成21年1月)
更新日: 2009年1月11日

お正月に信濃大町駅で思った(平成21年1月)

 今年のお正月は、穏やかなお天気に恵まれ、加えて9日間という長いお休みでしたので、ゆっくりお過ごしになった方も多かったことと思います。大町市内の4つのスキー場には昨シーズンを上回るお客様がお越しになり、また、大町温泉郷もほぼ前年並みのお客様で、私も内心ほっとしています。しかし、昨年秋以降の世界的な経済危機の影響が更に深刻化する恐れがあり、観光の面でもまったく油断はできません。

 世界経済の先行きはなかなか見えてきませんが、金融危機の発生源のアメリカでは、いよいよオバマ大統領が就任して積極的な対策が打たれることを期待しますし、国内経済でも政府の対策が迅速に実施に移され効果に繋がることを願っています。当面は一進一退の状況が続くと見られますが、できるだけ早期に立ち直りのきっかけが生まれてくることを心から期待します。

 さて、年末年始には、我が家でも子ども達が帰郷し、出迎え、見送りにJR信濃大町駅へ何回か行きました。この時季ですから、多くの乗降客が駅にいて、とても嬉しい気持ちになりました。かつて鉄道が人々の足として主要な交通手段となっていたころ、大糸線は大勢の人々にさかんに利用され、駅はいつも人に溢れていました。また、夏には登山客を、冬にはスキー客を運び、それぞれのシーズンには駅も列車もごった返していました。

 東京から大町に移り住まれて30余年になる地域社会研究家、扇田孝之さんは、昨年11月、「東京発信州行き鈍考列車30年」(出版社:現代書館)を上梓されました。「まちの味わい 田舎の愉しみ」と副題されたこのご本で、扇田さんは、大糸線が盛んだった懐かしい頃の姿を書かれています。スキー、登山を中心にした観光客数は、1958年(昭和33年)には約10万人であったものが、ピークの70年(昭和45年)には68万人となったことが紹介されています。12年、干支のひと周りの間に約7倍にも増えたことに驚きます。それにあわせて、大糸線の輸送力の増強が格段に図られました。

 ちょうどこの12年間は、私にとっては小学生から高校生のころで、高度経済成長に日本中が沸いていた時代でもあります。東京の大学に進んでから、夏休みのゼミ合宿に仲間を案内して故郷の帰ってきたことを思い出します。勉強の合間の一日、八方尾根にみんなで登ったのですが、ハイヒール、スカート姿の女性を含め、山の上も大勢の観光客で賑わっていました。
 その後、交通の主役が自動車にシフトしてからの大糸線は、東京からの直通特急「あずさ」の便数も減り、さびしいローカル線になってしまっています。沿線の市町村や経済界の皆さんによる利用促進、大糸線活性化の運動が続いていますが、なかなか成果には結びついていませんでした。

 海外での活動経験が豊富な扇田さんは、ヨーロッパの鉄道が国境を越えて、大都市圏とリゾート地を結ぶ有効な手段として、見事に復活を遂げている例を紹介されています。フランスの超特急TGVは、遠隔地の山岳観光地へダイレクトに観光客を運び込んでいます。私もだいぶ前になりますが、パリからこのTGVでリヨンを通りアルプスの麓のアルベールビルまで行ったことがあります。車窓から眺める田園風景や村落の景色は美しく印象的で、どこを切り取ってもそのまま一枚の絵になりそうでした。
 扇田さんは、飛行機や自動車に比べ、安全性、経済性、確実性などに優れる鉄道は、日本でも潜在需要が多いといい、その隘路として、特急などが少ないこと、また特急などからの接続が悪いこと、現地での周辺観光地への移動が不便なことなどを挙げておられます。

 輸送力の強化と観光客の増加の関係は、卵が先か、鶏が先かの議論に似ています。しかし、乗客が少ないまま、列車本数を増やすことは経営面からはなかなか困難です。そこで、地域として観光客を増やすことに知恵を絞る必要があります。例えば、列車を降りてからの移動手段の問題、つまりスムーズな2次交通をいかに整備するかなど、観光地としての便利さ、快適さを向上させていく必要があります。そして、さらに重要なのは「まごころ」です。この地のすばらしさは、北アルプスや山麓の景観だけではありません。そのすばらしさを際立たせ、また大町に来るよと思っていただくには、お客様に対する「おもてなしのこころ」が大切だと思います。これは観光関係者に限りません。市民の皆さん一人ひとりが、おもてなしの気持ちで外来のお客様をお迎えすることが期待されているのです。

 昨年、大糸線の沿線地域では、「安曇野・北アルプスゆう浪漫」というキャンペーンプロジェクトを立ち上げました。これはJR東日本と沿線の観光協会や自治体などが連携して広域観光の実現を目指すもので、首都圏を中心に東日本管内の主要駅で誘客を展開しています。この活動を通じ、沿線の景観や文化、農産物を始め、地域の魅力を更に磨き上げることにも取組みます。

 大糸線の沿線は、東京、名古屋、大阪など主要な大都市圏から3〜4時間前後の距離にあり、しかも飛行機の便は良くありません。大糸線が頑張れる余地は大いにあると思います。往時のように、観光客で駅がごった返すようなことまでは望みませんが、大糸線がよみがえって、遠来のお客様の笑顔をこの北アルプスの麓に運んで来てくれることを願っています。
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