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日本一、大町再発見

 私の手元に手作りのリーフレットがあります。大町市の教育委員会生涯学習課の編集になるもので、17ページの小冊子です。題して「日本一・日本発・日本にひとつ 大町再発見」で、14項目もの「日本一たち」が紹介されています。
 私たちの住んでいる大町には、全国に誇れるものがたくさんありますが、中には市民にもあまり知られていないものもあって、もっと大勢の皆さんに知ってもらおうと作成されたものです。実は、これは平成15年1月に開催された生涯学習フォーラムのボランティア交流研究集会に展示された、少し前の資料です。
 大町では、古代から近代までのさまざまな文化、歴史遺産が残されており、更に、優れた天与の自然資源も多くあります。従来から、こうした地域資源を掘り起こし、地域の再生や観光に活用しようと取り組みがされてきました。

 さて、このリーフレットの最初の日本一は、「日本一大きい石の耳飾」で、市内北部、青木湖畔の藪沢I遺跡から発見された耳飾りで、約6000年から5000年前の、縄文時代のものとされています。滑石・蛇紋岩で作られた直径7.5cmもの大きさで、2個そろって出土しています。ちょうどアルファベットのCのような形をしていて、耳たぶに開けた孔に通して吊り下げたのでしょう。普通のものは大きさ3〜4cmとのことで、相当の大きさであることが分かります。

 次の日本一は、生涯学習の殿堂「信濃木崎夏期大学」です。大正6年に木崎湖畔で開講して以来、地域住民の学術普及の講座として毎年開かれ、戦時中も1回も休講されず、途切れることなく今日に続いています。一昨年は開講90周年を迎え、記念の式典が挙行されました。今年も、8月1日に開講し、9日間、9つの講座で、延べ1963人もの方が受講されました。この夏期大学は、当代の学問の第一人者の先生方にご担当いただき、自然科学、社会科学、人文科学の広範な分野に亘って、アカデミズムを基調としながらも、常にその時代が提起している課題に対して向き合う講座が特徴となっています。
 この運営は、北安曇教育会の校長先生、教頭先生方が当たられ、湖畔の丘に立つ「信濃公堂」の掃除から食事のお世話まで、切り盛り一切を担っていただいています。私も初日の開講式に伺ったほか、神野直彦先生の「地方財政論」を、今年も聴講させていただきました。

 市内社地区の宮本に鎮座する仁科神明宮は、神明造りとして最も古い型が伝えられていることから昭和11年に国宝に指定されています。ここに神明宮が祀られたのは、およそ900年前の平安中期と言われ、伊勢神宮の領地として御厨が置かれていたこの一帯の鎮護のために、荘官であった仁科氏が建立したとされています。もともと伊勢神宮と同じように20年ごとに建て替え(式年遷宮)が行われ、江戸時代の初めまで続けられていたことが、この宮に伝えられている棟札に記録されています。この棟札27枚は国の重要文化財に指定されています。
 鬱蒼とした杉の深い森の中に鎮座する神明宮に詣でますと、荘厳な雰囲気に包まれ、心が洗われる思いがします。土曜日曜には、宮本地区の氏子の皆さんが交代で社務所に詰め、参拝者の案内やお守り授与に当たっています。

 仁科氏と言えば、市内若一王子神社の「流鏑馬」は、鎌倉鶴岡八幡宮、京都賀茂神社とともに、わが国三大流鏑馬のひとつに数えられ、平安時代から戦国時代にかけて約500年間、この地を治めていた仁科氏ゆかりの行事として、鎌倉時代、承久の変(1221年)の出陣に際し、神前に奉納し武運を祈ったことに由来すると言い伝えられています。
 大町の夏祭りに、各町内から選ばれた10人の凛々しい少年騎馬武者が、古式ゆかしい狩衣に陣羽織姿に太刀を佩き、重藤の弓を手に、口取り役、団扇役など、これまた古風な装束の従者を従えて「ハーオ、ハオ」と掛け声も勇ましく練り歩きます。
 歴史に多少の関心を抱く私としましては、この古式ゆかしい祭りの起源に学問的な研究が加えられ、より詳しい郷土史が解明されることを期待しています。

 大町市立山岳博物館は、わが国随一の山岳博物館として紹介されています。昭和26年に開館し、すでに60年近い歴史を有し、古くからライチョウ、カモシカの研究に大きな成果を上げてきました。生家がこの「山博」の立つ丘の南麓にあった私も、遊び仲間と連れ立ってよく遊びに行ったものでした。
 つい最近の話題では、7月9日に、付属動物園でカモシカの赤ちゃんが誕生し、すくすく育っています。先日見学に行きましたが、まだよちよち歩きの段階で、母親の「オタリ」にしっかりと寄り添い、つぶらな瞳でじっと見慣れぬ見学者を見つめていました。まだ、名前はついていません。もう少し経たないと雄雌が判明しないということです。
 山博のお勧めは、館内3階の展望室からの北アルプスの大パノラマで、間近に後立山連峰を仰ぎ見る絶好のビューポイントとして、山博自慢の「展示品」のひとつとなっています。

 近代産業遺産として、日本初の昭和電工のアルミニウム製造が上げられています。大町は国産アルミニウム発祥の地であり、昭和9年に、この地の豊富な水力発電を活かして国産第1号のアルミが誕生しました。今、工場の敷地内には「アルミニウム発祥の地」の記念碑が建っています。この工場は、現在、世界最大級の人造黒鉛電極を製造する工場ともなっています。

 このほかにも、日本一のロックフィルダム「高瀬ダム」や、開館当時、日本唯一だった「大町エネルギー博物館」の収蔵展示品には「薪バスもくちゃん」などがあり、紹介されています。
 市民の皆さんにも、こうした大町の日本一や唯一のものを知っていただいたり、さらには、まだ他にもあるかも知れない、新たな日本一を探し、掘り起こしていただきたいと思います。そしてまた、市外からも大町の良さを体感しに、大勢の皆さんに来ていただきたいと思います。

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E-mail: hisyo@city.omachi.nagano.jp

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