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オープンガーデン「ラ・カスタ」に魅せられて

 野山や庭の草木がいっせいに芽吹き、花が輝く季節です。近年、家の庭を花木などで飾って楽しむガーデニングが流行になっていますが、これに「はまって」いる皆さんは、そろそろ土いじりが始まっている頃でしょう。身近に花や緑があるというのは、日々、自然に癒され、日々の暮らしに潤いをもらっているようなものだと思います。

 さて、大町市内には、工場ごとすっぽり緑に包み込まれている「庭園工場」があります。工場の周りを庭園で囲んでいるというよりも、むしろ庭園の中に工場が建っているといった風情の、見事な庭園です。丁寧に手入れされたこの「ナチュラルヒーリングガーデン」は、オープンガーデンとして一般に開放されていて、1日100人限定のため予約が必要であるにもかかわらず、口コミからでしょうか、癒しの空間を求める大勢の人々が訪れ、大町のホットなスポットのひとつです。

 3,700本もの木が植えられた庭園内の林の小道をのんびり逍遥しますと、周囲の木々からは「癒しの香り」が降り注ぎ、全身に元気が甦えります。木々の間からは、庭にマッチした西洋風の建物が垣間見られ、どこか、ヨーロッパの町の郊外でも旅しているかのような感覚に陥ります。瀟洒な雰囲気の工場とよくマッチした庭園は、広さが8,600m2もあります。
 散策のお勧めポイントは、庭の中央の、地下120mから汲み上げた北アルプスの水をたたえる池から流れ出るせせらぎ周辺の植え込みと、石橋を過ぎて緩やかに登る丘の上からの景色でしょう。それに、いたるところに顔をのぞかせる花々。どれも初めて見る知らない花ばかりです。さりげなく、あちこちに配置された木のベンチで一休みしていると、緑陰の涼しさが全身を覆います。

 この庭園工場アルペンローゼは、バラやラベンダーなどの植物性エッセンシャルオイルをベースにした化粧品を製造している会社で、植物の持つ生命力の効果を体感して欲しいとの願いからこの庭園を開いたということです。徹底した緑化の取組み自体がユニークなのですが、これはれっきとした会社の経営理念であり、もともと、清浄な水と空気、自然豊かな信州大町を選んで立地されたのです。この工場緑化の取り組みで、昨年10月には、第26回緑化優良工場の全国表彰を受けられました。

 創業者で先代社長の高橋洵さんは、昭和50年代後半、日本で最初にエッセンシャルオイルを輸入し、アロマテラピーの先駆者となった方でもあります。工場建設にあたって、自然や環境に造詣の深い高橋さんは、「工場に緑があるのではなく、緑の中に工場がある」という姿を描いておられたといいます。この庭園のコンセプトは「人と自然の共生」で、庭園を通じて自然に根ざしたライフスタイルを提案しており、ブランドと庭園の両方の目ざすテーマは一致しているのです。確か、高橋さんは高校時代に山岳部に在籍しておられたと伺いました。

 ラ・カスタは、市が造成分譲した工業団地の中にありながら、高瀬川の堤防を走る道路から見ますと、ここだけ異空間のような趣で、ちょうど砂漠に浮かぶ緑のオアシスに似ています。夏には夏の緑濃い林が、また秋には紅葉が見事です。晩秋にはカエデやナナカマドが競い合って色を奏でます。また、時折、シンセサイザーやスパニッシュギターのコンサートも開かれ、目だけでなく、耳も大いに癒してくれます。更には、庭園の中に立つ工場の一角では、「香りの手造り体験工房」があり、結構楽しめると思います。

 ラ・カスタでは、昨年の11月下旬からの冬の眠りから覚め、いよいよ4月24日に開園を迎えます。ラ・カスタのブログを拝見しますと、真近かに迫った開園に向け、スタッフの皆さんが準備に余念がありません。長い冬のトンネルを抜け、いっせいに開く花の季節を迎える喜びもひとしおです。

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E-mail: hisyo@city.omachi.nagano.jp

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