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ふるさときゃらばん大町公演 地震カミナリ火事オヤジ

 6月19日、劇団ふるさときゃらばんの公演が大町でありました。演目は、全国で上演されている「地震カミナリ火事オヤジ」で、山間地のある町で頑張る消防団の活動にスポットを当て、消防団とそれを取巻く周囲の人々の喜びと哀しみをコメディータッチで描いたミュージカルです。

 消防団の団員は、言うまでもなく特別職の非常勤市町村職員です。災害などのいざという時には、仕事を放り出し、直ちに災害現場に駆けつけ消火、水防活動などに活躍します。 全国的に消防団員の確保が難しくなる中、大町も例外ではありません。現在、835人の団員の皆さんが日夜市民の安心安全のため、火事や水害に備えていただいています。少子化、高齢化に加え、人口そのものの減少時代に突入する中で、消防団員の確保は地域の安全にとっても大切な課題です。今回の公演は、来年の団員募集の到来をにらみ、消防団の活動にご理解をいただけたらと、大北消防協会はじめ各消防団の皆さんがPRに努め、当日は、大町文化会館の大ホールに600人を超える観客が詰めかけました。

 私も、上演前のご挨拶で、昨年7月の豪雨災害時に、犀川のあわや大洪水という緊迫した状況の中で、住民の避難誘導などに活躍した消防の皆さんの頼もしい姿を思い出しつつ感謝の気持ちを述べました。
 さて、舞台はある過疎に悩む山間地の町の「風神平消防団」。物語は、消防団恒例のポンプ操法訓練の場面から始まります。号令一下、きびきびとした訓練風景が繰り広げられます。公演のほんの数日前に、本物の操法大会を見学したばかりの私にとっても、劇中の訓練の様子は真に迫る演技で、就中、継ぎ手ホースを担いで全力で走る姿は絶品で、「う〜ん、やられた!」と思わず大笑い。

 しかし、本物の団員にとっては、こうした消防訓練の明け暮れは笑いごとではありません。真剣です。大町市の操法大会で、市議会の中牧盛登議長さんは激励の挨拶で、「毎日の厳しい消防訓練は、皆さんを決して裏切らない。」と訓練の労をねぎらいました。訓練での苦労は必ず成果としていつの日か報いられるとの意味だと思います。また、苦労は団員だけではありません。団員を支え、毎日毎日、朝早く訓練に送り出す家族にとっても大変です。地域の人々の安心安全は、こうしたひたむきで崇高な使命感によって支えられているのです。

 劇は、父親が分団長を務める川島家の家庭を巡る騒ぎと平行して進みます。大工の棟梁でもある分団長の長男は、一流大学を出て商社勤めの一家自慢の息子でしたが、中途でリタイア、村に帰り、周囲も呆れるマツタケ山の再生に賭けるという。分団長の父、保爺さんは、家のてんやわんやに失望して、都会に出て行き、行方不明に。(やがて新しいお嫁さんとともに帰還してきますが。)
 消防団の部長を務める工務店主は、町村合併のあと、当てにしていた仕事は増えず、思惑が外れて落ち込むはで、昨今の合併問題や地方の財政難の実相を反映して、シビアな話題も織り込まれています。

 さて、ストーリーは核心へ。都会からやって来たさつきちゃんは、マツタケ山に打込むあの長男に惹かれ町が好きになり、やがて、山火事をきっかけに、女性消防団を作ろうと言い出します。そして次第に周囲の人々を巻き込み、とうとう・・・。
 2時間40分の公演もあっという間に過ぎてしまいました。
 人々の暮らしや行動が家族や共同体の単位から「個」に向かう今日の社会で、人と人とのつながりがどんどん薄れ、家族や地域社会の崩壊さえもが懸念されています。今、消防の「鐘」は、地域再生への警鐘を鳴らしているのです。顔なじみで構成されていたコミュニティー、言葉に置き換えて意識することさえもなかった連帯に満ちた地域社会。この劇は、人々のきずなや、心のぬくもりの大切さを想い起こさせてくれました。

 劇団ふるさときゃらばんのこの公演は、昨年の初演以来全国で公演を重ね、今年200回を超えるといいます。今回の公演には、当大町のご出身の上條千尋さんが音楽を担当され、トロンボーン奏者として出演されたのも嬉しいことでした。
 ふるさときゃらばんの皆さんの頑張りに感謝しますとともに、上演に情熱を燃やされる山林堂典子プロデュサー、先乗りで公演の段取りや切符の手配にと飛び回った大河原もと子さんの獅子奮迅のご活躍に脱帽しつつ、心からの感謝とエールを送ります。

 

7月6日 市長室にて

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