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ホーム 野口大出のゲンジボタル(平成19年7月)

野口大出のゲンジボタル(平成19年7月)

 先日の夕、初夏の風物詩、ホタルを見に出かけました。大町市の郊外の野口、大出地区のボランティアの皆さんが、長年にわたり「大出ため池と蛍の里」として環境整備を進めてきたところです。その日は、日曜であったこともあり、駐車場にはすでに何台もの車がやってきていて、夕ご飯を終えた家族連れが散策していました。手入れの行き届いた小道を50メートルばかり進むと、すぐそこにゲンジボタルの幻想的な光が見え隠れしています。目の前の数を数えてみますと30匹あまりが、静かに光を点滅させながら、小川沿いの林の中を右に左にと舞うように飛び交っています。   

 新聞報道では、観察会が開かれた日には、なんと400〜500匹もの乱舞が見られたとのこと、さすが自然豊かな大町です。ひんやり涼しい風の中で、小さな子供たちも「あ、あそこにも。」と指差しながらうれしそうな声をあげています。最近は大町でも、あまりホタルを見るなどという機会はないのかもしれません。

 ここのため池は、もともと農業用の温水ため池だったのですが、今ではあまり使われなくなったことから、ここを活用してゲンジボタルの復活を手がけてきたのだそうです。この日もご近所のボランティアの方でしょうか、真っ暗な中、親切にホタルの説明をしてくださいました。昨年は上流部のため池のところに多く発生したとのことですが、今年は池から流れ出るか小川の方に多く発生しているとのこと。ここのほか、大出ではもう1つホタルの名所「宮の森自然園」があって、水温の関係からか、そちらは1週間ほど後に最盛期を迎えるそうです。大町では、このほか社松崎や宮本地区など、各地で盛んにホタルの復活に取り組まれています。

 インターネットで見ますと、ホタルの光は熱を出さないエネルギーで、この光の点滅によりコミュニケーションをとっていて、相手を間違えないように種によって光の色や点滅のパターンが違うのだそうです。ゲンジボタルでは、東日本と西日本では点滅の早さが違い、東では4秒に1回、西では2秒、その境目あたりではなんと平均値の3秒となっているそうです。不思議ですよね。
 ちなみに、ホタルの出ている場所に行って車のライトを消し、ハザードランプを点滅させているとホタルが舞い寄ってきます。私も以前やってみましたが、点滅の周期が合って、仲間とでも思うのでしょうか、ランプにしがみつくように留まります。

 私はもともとホタルが好きで、小さい頃は家の近くの小川にずいぶんいて、箒で手当たり次第に捕ったものでした。家に持ち帰り、昔はどの家でも寝室に吊っていた「蚊帳」の中に放して、か細い明かりを楽しみました。子供心にも、ホタルの放つ光に自然界の不思議さを感じたものです。家庭を持つようになってからも、子供たちを連れて毎年、長野市郊外の須坂や、信濃町方面に出かけたものでした。
 県内にはホタルの名所は随所にあり、中でも辰野町のホタルは全国的に有名です。私も一昨年、伊那に勤務をしておりました時、職場の仲間と連れ立って見に行きましたが、それは見事な乱舞でした。帰りに、季節限定名物の「ホタル饅頭」を買ってきたことを思い出します。

 ホタルの復活は、昔の良さを残す郷愁溢れる地域づくりや、清らかな水辺の復活を進める上からもとても大切な取り組みですが、こうした市民の活動を通じて、より大勢の皆さんが身近にある自然に親しみ、自然の大切さを次の世代に伝えて行くことに大きな意味があると思うのです。

 

7月5日 市長室にて

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